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蝶が舞う時・・・。

478:2011/10/12(水) 17:00:50 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
誠はそっと私に左手を差し伸べてくれた。

「…うん。」

私は恥ずかしながら右手で誠の手を握った。

温かい……。

温かいけど…指先が冷たい。。

私は不安な気持ちのまま誠と共に病室を出た。

病室を出てエレベーターで1階に降りた。

誠の右手には旅行カバンがある。

私はしっかりと誠の手を握りロビーに向かった。

ロビーには、休日でもないのに誰も居なかった。

がらんどうなロビーで誠のお母さんと担当医が話していた。

「母さん。準備が出来たよ。」

誠は言った。

「あら。誠。準備が出来たのね。先生。本当にありがとうございました。」

誠のお母さんは担当医の先生に別れの挨拶をした。

「いえいえ。誠さんの容態も安定していってるので心のケアとかも大事に
 してあげてください。」

担当医の先生は女の人でとても話しやすい人だ。

いわゆる八方美人と言う人だった。

「本当に短い間でしたけど、ありがとうございました。」

誠は担当医に頭を下げた。

「いえいえ。」

「本当にありがとうございました。」

そう言って私達は病院を出た。

病院を出ると玄関にタクシーが止まっていた。

「誠と夜那ちゃんは後ろ乗りなさい。私は前乗るから。」

そう言って誠のお母さんはタクシーの助手席に乗った。

私と誠は後部座席に乗り、誠は窓側、私は中心側に乗った。

「あの、××空港までお願いします!!!」

誠のお母さんは運転手にそう言うと運転手は、了解しました。と言って

車を発進させた。


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