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蝶が舞う時・・・。

457:2011/10/09(日) 18:38:50 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
「誠。電話だよ。お姉さんから。」

私は誠にケータイを渡そうとした。

「何でアイツが!?てか、お前の兄貴に電話したはずだろ…!?
 何で姉貴が出てくるんだ!!!?」

誠は言った。

「でも、代わって欲しいって言ってるよ。はい。」

私はケータイを誠に渡した。

「しゃねーな。」

誠はぶつぶつ言いながらケータイを耳にあてた。

「はい。」

誠の低い声が私に伝わってきた。

「誠か?お久しぶりだね〜。憶えてるよな?あたしの事。」

純は言った。

「憶えてるに決まってんだろ。で、何の用だよ。」

誠は純の存在にうんざりしている様子だった。

「あたし彼氏が出来たんだけど。」

純は嬉しそうに言った。

純の声は私の方まで聞こえてくる。

「だから何だよ。」

誠は苛立っていた。

「アンタは彼氏出来たの?」

純は笑いながら言った。

「そんな事…どうでもいいだろ。」

誠はそう言って純との通話をやめ、ケータイの電源を消した。

「消したの?」

私は言った。

「ああ。アイツとやり取りしてるだけで俺の気が可笑しくなるだけだ。」

誠は腰を下ろした。

「そっか。」

私は地面に寝そべって仰向けになった。

「おい。髪が汚れるぞ。」

誠はそう言って私の長い髪の先を触った。

「大丈夫だよ。誠…。見て。空が綺麗だよ。」

私は空を見上げて言った。

何処までも続く薄い色の青。

私は右手を伸ばした。

空に指先が届くように…。

ふと誠は私の右腕を掴んだ。

「誠…?」

私は振り向いた。


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