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蝶が舞う時・・・。

453:2011/10/07(金) 19:33:56 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
誠は私を心配しながら言った。

「な、何?」

私は少し焦りながら言った。

「何焦ってんだよ。さ、行くぞ。」

誠は私の腕を引きながら言った。

「うん。」

私は誠の後ろに付いて行き病服に視線を落とした。

誠はどう思ってるのかな?私の事…。

そう思っている間にすぐに屋上に続く扉に来た。

誠は何の躊躇いもなく扉を開いた。

扉を開けると、誰も居なかった。

「やっぱ此処に来ると気持ちが落ち着く。」

誠は病服のズボンのポケットに手を入れながら言った。

「そうだね。」

「あ、そうだ。此処で写真撮ろうぜ。」

そう言って誠はズボンからケータイを取り出した。

「それがケータイって言うんだ。私…持った事ないから分かんない。」

私は誠のケータイを眺めながら言った。

誠のケータイは黒で、傷一つ付いていない。結構、真面目で神経質な人なのかな?

ストラップとかもつけていない。

「夜那。撮るぞ!」

誠は私の右手を握り、屋上の柵の所で止まった。

「うん。」

誠はケータイのカメラで私と自分の写真を撮った。

「これでOKだな。離れていても思い出せる恋人の証。」

誠はそれをケータイのフォルダに保存した。

「証…。あ、そうだ。誠にこれ…。」

私は服のポケットからハンカチを取り出した。

「ハンカチがどうかしたか?」

誠は不思議そうに私を見る。

「開けてみて。」

誠は私から受け取ったハンカチの中身を開けた。

「こ…これ。」

ハンカチから出てきたのは指輪だった。

金のリングで周りには不思議な模様が描かれている。

中心にはダイヤモンドが入っていた。

「それ…。茶封筒の中に入ってたの。昨日、寝る前に中身をちゃんと確認
 したら、出てきて。。たぶん。お母さんが私の為に用意してくれたんじゃないかって
 思って……。」

私は後ろを振り向き、背を柵に押し付けた。

「そうかもな。でも、本当にいいのか?」

誠は尋ねた。

「うん。それの方が恋人っぽいと思って…。」

私は顔を真っ赤にして言った。

「ありがとう。夜那。」

そう言って誠は左手の薬指に指輪をつけた。


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