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MAGIC MASTER

23竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/08/14(日) 16:49:03 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 『ジン』という男が近づいているという情報に『クライシス』中がざわめく。
 何で皆がざわめいているのか分からないカンナは首をかしげて近くに居るスィーナに訊ねてみる。
「あの…『ジン』って一体誰なんですか?」
 えっと、とスィーナはちょっと言いよどむ。
 コウヤは柄を握り締める手に力をより強く込めて扉の方を睨みつけると、
「……ぶっ殺す」
 と小さく呟いた。
 途端にガゴォン!!という轟音が響き、『クライシス』の中に何かが突っ込んできた。
 その突っ込んできた何かはコウヤに激しくぶつかる。
「うわっ?何!?」
 巻き上がる砂埃にその場に居たカンナ達は両腕で顔を覆う。
 顔を覆う腕を退けると、砂埃の中心でコウヤと灰色の髪をしたカンナと同じくらいの年の男がつばぜり合いの状態で立っていた。
 突っ込んできた男は耳が隠れるくらいの灰色の髪に、目つきはかなり鋭い。
「……よォ、今更何しに戻ってきやがったァ?コウヤよォ!」
「相変わらず口と目つきと俺に対する態度は悪いままだな、ジン」
 ジンと呼ばれた彼はぴょん、と軽く飛んでコウヤと距離を取る。
 ジンは二本の剣を使って、コウヤに襲い掛かっていた。二人は睨み合いながら刀を構えている。
「……えー、と…ホントにあの二人ってどういう関係なんですかぁぁ!?」
「んー、まあ腐れ縁…かな?小さい頃からよく喧嘩してて……たまに仲良くなることがあるけど…ああやって喧嘩してることを見るのが多いわ」
 スィーナはあはは、と苦笑いを浮かべながら説明する。
 それにしても二人の目からかなり本気が伝わってくるあたり、本当に喧嘩のレベルなのだろうか。そもそもコウヤは『ぶっ殺す』とか言ってましたけど?とカンナの中で色々な思考が渦巻く。
 コウヤとジンが再び激突しようと突っ込むそこへ、

「暴れてんじゃねぇよ、ガキどもがぁ!!」

 ガゴン!!と二人の頭に酒が入っていた空の瓶が叩きつけられる。
 二人はそのまま地面へとうつぶせに倒れこむ。
「……まったく」
 二人を止めたのは露出が高く、地面につくほど長い茶色が混じった黒髪を持ったスタイルのいい美女だった。
「そーそー。コウヤ君を見るたび、喧嘩するのはよしなさいって」
 玄関から呆れたような声と共に背中くらいまでの黒髪の少女が入ってくる。
 やはり彼女もカンナ達と同じくらいの年齢に見える。
「………スィーナさん……。ここって、まともな人いないんですか……?」
「………………アハハハハ………いるわけないじゃん…………」


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