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心の氷、涙の音色。

2神音 光希 ◆ptZpvaYoVY:2011/06/24(金) 22:17:24 HOST:i118-17-46-116.s10.a021.ap.plala.or.jp
--プロローグ†私のココロ--

 ひんやりとする壁。真っ赤な絨毯の敷いてある床。キラキラとシャンデリアの輝く天井。何不自由なく育った私は……、リリア=クロチェアールは死んでしまった。鮮やかな太股まである金髪に白いリボンが付いた髪、赤色の瞳をし整えられた顔立ちをしたと言われた私。それはただただ嘘であるとしか信じられない、信じない。カイトは本当だよ、と笑う。だけど笑顔の裏側には絶対闇があるに決まってる。
 肉体は死んではいない。たけど……心は冷え切り殺された、殺した。自分自身がそれを望んだのだ。ピンク色のリボンの付いた水色のワンピース。民衆から聞こえてくる笑い声。何もかもが、私の敵。

 私に、味方なんて………存在しなくて良い。


「リリアちゃん。今日も、出て来ないの?」

 一人の高めの声がする。声の持ち主はコンコン、と部屋をノックし部屋に入って来た。彼……、カイル=テーリングは私の理解者でありいとこであり、幼馴染。サラサラの金髪を首まで伸ばして、耳と左目が隠れている。エメラルドグリーンの瞳はキラキラ光り、細い首筋。普段着となっている、白いYシャツに黒いベスト、青いズボンに、アームカバーをしている。カイトはクォーターと良い、母親がイギリス人と日本人のハーフで、父親が日本人のイギリスの血を約四分の一受け継いでいるのだ。

「……カイト……。あなたも城から出て行っても構わないわ。私は……、裏切られるのには慣れてるから」

私はカイトに向かって、ひんやりとそう告げた。カイトは苦笑した後小さくため息を付き「出て行かないよ。リリアちゃんを残してなんか」とニッコリと微笑んだ。

「そう……」

短く私は告げた。カイトは相変わらずニコニコと笑ってほわほわとした笑顔を振りまく。


 カイトはいつだって、私が出来ないもの、持っていないもの、失われたものを全部、全部、まるで私のものが吸収されたように持っている。笑うことも、優しいことも、ふわふわとしたことも、心も。
 私は孤独でも、カイトは孤独じゃない。私が無表情でも、カイトは無表情じゃない。私が残酷でも、カイトは残酷じゃない。


 ふとカイトが悲しそうな顔をした。私は首を傾げると「リリアちゃん……。まだ、気にしてるの?」の心配そうに呟く。
ド、クンッ、と心臓が鳴った。さっきまで静かだった心臓と呼吸が荒くなっていく。カイトが必死に私の名前を呼ぶが私の意識はうすれていくばか、り…………。


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