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鏡の国、偽りの唄。

5月峰 夜凪 ◆XkPVI3useA:2011/06/18(土) 18:43:36 HOST:softbank221085012010.bbtec.net

 「よー、アオイ。始業式早々サボりかぁ?」

 屋上の入り口から聞こえる、今の碧とは対照的なおどけたような調子の声。
 「あー、ジャージか。大体、ここにいる時点でお前もサボりだろ」
 振り返る、と言うより首の角度を若干変え、そう答える碧。屋上の入り口の前には一人の男子生徒が立っていた。
 金髪にピアスの『不良』と言うものをそのまま絵に描いたような風貌の少年。しかし、不良と付く者にはお決まりである筈の短ランや、着崩したブレザーと言ったものは着ておらず、かわりに中学生時代の鶯色のジャージといった奇妙な格好をしている。ジャージを着ている者に奇妙、と言うのも失礼な話だが。
 秋寺敦也(アキデラ アツヤ)。それが彼の名前だ。強いて言うなら、彼もまた秋寺敦也という一人の少年のクローンなのだが。しかし、彼が名前で呼ばれる事は殆ど無く、主な服装である『ジャージ』がもはやあだ名となっている。ちなみに、そのあだ名は不良云々の間ではかなり有名らしい。
 
 「まーなぁ。つーか、校長の長ったらしい話なんざ聞いてられっかよ」
 「お前の場合校長に限定しないだろ。単に長話が嫌ってだけじゃないのか」
 フッ、と僅かに碧の表情が緩み、笑みがこぼれる。それは、今日初めて彼が見せた笑みにも思えた。

 
 「…………あー」
 携帯の時計を見ると、そろそろ始業式が終わる時間になる。フェンス越しに講堂を見下ろすと、そこから次々と人が出て行くのがよく見える。なにせ屋上なのだから。
 「じゃ、俺帰るわ。お前はどーすんだ?」
 確かに今日は新学期だから教科書は入っていないかもしれないが、それでもペンケース程度は持っている筈なのに、それすらも入っていないような薄っぺらい鞄を片手に持つと、秋寺は碧に問い掛ける。
 「俺は残る。今日は本格的な授業がある訳でもないし」
 ひらり、と右手を軽く振ると碧はそう答える。それに対し秋寺は「おー、んじゃーな」と明るく言い、屋上から出て行く。

 数分経つと、碧も屋上の入り口扉を開け、階段を下りようとするが――

 「……え?」

 女子生徒が目の前にいた。正しくは、女子生徒が屋上へ上がろうとしていた所を碧が下の階へ行こうと扉を開けたため目が合った、といった所だろうが。
 
 その女子生徒を見て、一瞬、彼は息がつまりそうになった。
 すらりとした白くて華奢な手足。
 太もも辺りまで伸びるふわふわとした桜色の髪にはオレンジ色の夕陽が当たり、神秘的な色合いを映し出している。
 アメジスト色に輝く二重のおっとりとした優しげな瞳。

 それを、一言で表すならば――『天使』そのものだった。
 
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主人公や視点が変わる事が多い、と書いていましたが、暫くは主人公は碧で固定かもしれません;
早く主要人物を揃えたいです((


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