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君の声 ―O la laspba,yupa Lom dremre neckt lostasia U meide―

7神音 光希 ◆ptZpvaYoVY:2011/06/19(日) 18:57:57 HOST:i118-17-46-116.s10.a021.ap.plala.or.jp
「……優星は……オレが、殺したんだ……。きっと」

苦しそうに唸るひなた。微かに心配そうな表情をする優魔。窓側に立っていたひなたは自分の席にゆっくりと移動する。ひなたの顔が夕焼けのオレンジ色になる。ひなたが座ると、優魔も髪を揺らしひなたの隣の席に座る。
 小さく、優魔がため息を付くと「相変わらず……ひなたは変わりませんね。……だから優星姉様の気持ちも分からないのでしょうね」とポツリと本当に小さく呟く。ひなたは聞こえなかったようでキョトンと首を傾げるが、優魔は微かに微笑みを浮かべ「いいえ、何でもありません」と言う。

優魔は最後にニッコリと笑うと無言で教室を出て行った。





 一年中咲いている桜をジッと見つめる。サラサラと風が頭を撫で、桜の花びらが舞う。ひなたは桜をとことんジッと見つめた。見つめた所で何かが出てくる訳でもないし、何かが変わる事もない。
それでもただただ、ジッと見つめるのだ。桜のような少女……、羽音 優星(ハオト ユウホ)が出て来るのを願って。


 ザァッと言う風の音が鳴ると桜がまい、桜吹雪になる。桜吹雪になるとひなたは目をパッと閉じた、その瞬間『……ひな。私、ね。ひなの事好きだったよ』とひなたの耳には聞こえた。ハッと目を開けるが誰もいない。はやては深くため息を付き、自分の作り出した幻聴か、と残念な気持ちになる。

 ひなたは静かに再び目を閉じる。桜が顔に多く当たる事が分かるがジッと立ち、目を瞑っている。



「オレは君の願いを叶えたい。君を殺したのはー………、オレ、だから」




最後に、本当に、本当に小さく、誰にも聞こえないような声でポツリと、涙を頬に伝わせ、呟いた。









†next story・小日向 燐と暁 ななせ†

8神音 光希 ◆ptZpvaYoVY:2011/06/20(月) 16:28:32 HOST:i118-17-46-116.s10.a021.ap.plala.or.jp
†第一章・小日向燐と暁ななせ†

「ひーなーたーくん!! 部活の時間よ」

 艶やかな腰まである黒髪と頭に付いた白いリボンをサラリと揺らし、栗色のくりくりとした大きな瞳を宿し、白いYシャツにチェックのリボン、黒いベストを着て黒いプリーツスカートを履き、手にはアームカバー、足にはフットカバーをしていてパンプスを履いた小柄な少女、小日向 燐(コヒナタ リン)は、ひなたの教室までやってきて、ひなたの手を引っ張って行く。

 一練二階の隅にある小さな部屋。それがはやての入部している部活である。自由気ままな先輩の燐はニコニコと笑って「今日はね、面白い事があったのよ」と笑う。
スゥッ、と息をすうと太陽のようなポカポカとした、おもちゃを貰った子供のように、うんと可愛いらしく微笑み「あのね、私達、文芸部の心霊調査を受けもったの!」のキラキラと目を輝かせる。

「…………は?」

 ひなたはキョトンと首を傾げ、ポカン、とする。相変わらず燐はニコニコと笑顔を保ち続け「だ、か、ら、心霊調査、よ」と目を輝かせる。ひなたがヘラリと笑うと「絶対オレしないよ? 面倒臭いもん」とすねた子供のように読書へ戻る。燐がブーブーと文句を言っているがガン無視で「てか、何で文芸部がそんな事する? オレ達はただ本を読んでりゃー良いんだろ?」と微かにため息を付く。

「全く、ひなたくんは分かっていないわね。 文芸部だからこそ、心霊調査をするのよ!!」

えっへん、と面白そうに笑って見せる。ひなたは、はぁぁっととっても、とっても深くため息を付き本をパタンと閉じる。そうすれば紙にサラサラと何かを書き始め、丁寧に折って、燐に渡す。ひなたは、うん、と優しく作った微笑みで「退部します。今まで有難う御座いました」と短く告げると部屋から出て行こうとする。あわわわわ、と焦ったように燐が「嫌っ、ちょっと待って頂戴!!」と慌ててひなたの腕を掴む。

9神音 光希 ◆ptZpvaYoVY:2011/06/21(火) 16:38:04 HOST:i118-17-46-116.s10.a021.ap.plala.or.jp
「何だよ。オレ退部しますんで」

「駄目よ!!」

 ひなたの目の前で退部届けをビリビリと破り、若干涙目になりながらもひなたを睨み付ける燐。ひなたは仕方無い、と言うようにため息を付き席に渋々座る。持っていた鞄を机にガタン、と音を立てて置くとジッと隣を見つめ「で、どういう事?心霊調査なんて」と低く呟く。

 正直、ひなたは心霊調査なんてしたくたい。だって、それは確実に学園七不思議だと思ったから。
 そんな事も知らずに嬉しそうに、お嬢様っぽく上品に微笑むと「この天羽学園にね、七不思議あるわよね。それの調査だけよ」とうふふ、と笑って見せ、様々な色ペンが使われている紙を見せる

『生徒会活動 part1 〜天羽学園七不思議・部活事心霊調査〜
--活動内容--
・天羽学園に存在している七不思議の一つ以上を調査し、その七不思議が事実かどうかレポートととして提出。

--〆切り--
・今年中

--参加部活記名--
・文芸部 ・オカルト研究部 ・パソコン部 ・吹奏楽部&合唱部』

紙にはそんな事がかかれていた。ひなたは深くため息をつくと「全部文化系の部活だし、オレ達が最初の立候補か」と髪を見つめる。
燐はニコニコと笑い「締め切りは今年中だから、あと八ヶ月程度有るわ。七不思議全てを調べましょう!!」と自分勝手に話を進めていく。

「そうねー……、桜少女は被りそうだから目撃証言の少ない奴にしましょう」

まるで新しいおもちゃを受け取ったようにキラキラと瞳を輝かして、紙を握り締めている。


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