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羊の戸惑い
56
:
槙
◆uXwG1DBdXY
:2011/08/09(火) 14:39:10 HOST:KD027082037068.ppp-bb.dion.ne.jp
< 白雪姫 >
昔々あるところに、それは其れはとても愛くるしく可愛らしいお姫様がすんでおりました、名前は白雪姫
その名前の通り、まるで初雪を集めたような白い肌に形のいい薄い桃色の唇、さらさらの煌く白色の御髪。姫様は誰からも愛されるその美貌と無邪気な性格で、誰からも好かれていました
それは深い森の赤ずきんにも、隣国のシンデレラにも、深海の人魚姫にも、どこかの国の女の子にも、魔法の鏡でさえも彼女を愛した
でもそれを許さず、白雪姫を唯一愛さないものがおりました、白雪姫の母親に当たる女王様です。
女王様は美しき金色の髪に艶やかな赤い紅の乗った唇、白雪姫の母親に相応しい美しさを兼ね備えた優しい女性でした。魔法の鏡に問いかければ必ず帰ってくるほど――――「世界で美しいのは貴方です」の言葉
けれど、白雪姫が十三になった頃からです
鏡は迷い始めました。艶かしく甘美な美しさを持つ女王様と純粋で若々しい愛くるしさを持つ白雪姫、世界で一番美しいのは誰だろうと。迷ってしまったのです。
でも、誰に問いかけても返ってくるのは決まって「白雪姫」の三文字、鏡は世界で一番美しいのは白雪姫だと女王様に伝えました
鏡は女王の逆鱗に触れてしまいました
女王様はずっとずっと自分が美しいと、世界で一番だと信じて疑いませんでした。勿論今も美しさは衰えては居ません、ですが王様も他の娘達も皆揃って言うのです
「白雪姫はなんと愛くるしい」
物語は此処から女王様がお怒りになられとある魔女に毒を仕込ませた林檎を作るように命じ、白雪姫が永遠の眠りに付いてしまうと言うお話ですが、この物語はちょっと違っていて、
――――――…
暗い部屋の中でぐつぐつと煮え立つ鍋、中の液体は不気味な紫色をしていて見た目やにおいだけでも人を不快にさせる
その鍋を面倒くさそうにかき混ぜる少女、彼女が毒林檎の魔女だ。推定10歳程度だろうか、腕は細く白くて簡単に折れてしまいそうで、目には寝不足の証拠である熊がくっきりとあった
「女王様、本当人使い荒くて叶わないわ」
ぼそりと呟く。片手には赤く綺麗に熟れたまるで白雪姫の頬のような赤い林檎、だが次の瞬間ソレは少女の手からするりと落ちて鍋の中へ―――どぷん、
林檎は見る見るうちに毒と思われる液体を染み込ませ、毒林檎の完成。少女はにこりと微笑んでソレを手にするが、その笑みは何処か不気味で、
「ごめんね白雪姫」
少し、悲しそうだったという
×
(きります!
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