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羊の戸惑い

41 ◆uXwG1DBdXY:2011/06/26(日) 21:50:42 HOST:KD027082037068.ppp-bb.dion.ne.jp

< *困惑を/ちょっとグロ…? >


「先輩、早く行きますよ!」
「ちょ、きょーこ引っ張んな!」
「引っ張ります、この姿見られたら先輩退学ですよ?」

あの後、急いでうちと先輩は生徒会室へ向かっていた。早く着替えてたっぷりと会長にしかってもらわなきゃならないもの!
…まあ、いま少し、少しだけ、このまま走ってどこかにいけたらとか、このままずっと手を繋いでいられたらとか、思っちゃってるけど
手繋いでるって言ってもふらふらしてる先輩を引っ張ってるだけなんだけど


「ほーら!」
「いーじゃん急がなくてー」

いい訳無い!

退学なんてなったら折角もうすぐ卒業なのに…マジシャンになれなかったら如何するの?

まあ、先輩の才能だったら学校なんてかよわなくったって平気なんだろうけど。
もうすぐ卒業で一緒にいられなくなるのに、早くなるなんていや!!


「もう直ぐつきますから!」

手がするりと離れて階段を下りようとした瞬間だった

うちの直ぐ横をかする――――――



「っ、あ」



「きゃああああああああああっっ!!」






先輩が、階段から落ちた


後ろから、誰かに押された
確かに見えた、学園の女子の制服の端。見間違いじゃない。



そのままバランスを崩して落ちてしまって、一番下の段までごろごろと落ちていった

うちは、なにもできなかった


その場で足がすくんでしまって動けなかった


直ぐ下にいた人たちが気づいて救急車を呼んでいるのがわかった、頭ではわかってるのに体が言う事を利かないの
先輩の元に行かなくちゃ行けない、確かめなきゃ、お願い、動いてよ―――――!!


やだ、いやだよ、いや、やだやだ、いやだ!
うごいて、おねがい、やだ、いや、しんじゃいや、やだ、まだ、まだ、




すきって、いいたいよ

薄れゆく意識の中
騒々しい声と、


×


悲鳴を聞いて駆けつけたときにはもう遅く、其処にいたのは大勢の人と、がらんとした階段
階段には痛々しく、血の跡


「っ」
「さっきの悲鳴…」
「恭子だ、恭子に何かあったんだ…」

声が、体が、震えた

恭子に何かあったの?でも恭子はいい子だった、凄くいい子で、誰からも好かれる子だった、そんなはず無い。
じゃあ、なんで?

なんで


「千佳!」

私の名前を呼んだのは白花部長だった、不安で一杯の私に駆け寄って思い切り抱きしめてくれた
れお君の手もぎゅっとつかんで


「部長!恭子は!?声がしたの!恭子だ、ゼッタイ!」
「落ち着いて、恭子ちゃんは気を失って病院に居るわ」

「じゃ、じゃあ、この血は…?」

れお君がおろおろしながら問いかける
部長は凄く凄く、酷く、辛そうな顔をして口を開いた


「飛鳥よ、後ろから押されたって」

「先輩が!?なんで…!」
「解らないわ、でも今は恭子ちゃんの所に行ってあげなさい」

混乱して喚く私に部長は肩をがっと掴むと真剣な眼差しと声色で言った、自然と私の心は少しずつ、不安は収まらなかったが落ち着いていった
涙はやっぱり止まらなかったけど、今きっと、一番泣きたくて不安なのは恭子だ。私が部長の肩を借りて泣いちゃいけない、本当は先輩がいいんだろうけど、私が恭子に肩を貸して泣かせてあげなきゃいけない

泣いて泣いて泣いて、二人でなけばいい

-

(如何しても部長を先輩って書いちゃうお…先輩なんだけど。そういえばなんの部長なんだろry)


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