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羊の戸惑い
38
:
槙
◆uXwG1DBdXY
:2011/06/23(木) 10:58:59 HOST:KD027082037068.ppp-bb.dion.ne.jp
< 鼻に擦り寄るように >
ふわふわの黒い毛並みにきらりと光る鋭い眼差しの金色
ゆらゆらと目の前を揺れている尻尾、掴もうと手を伸ばすとするりと交わされて、君は逃げてしまった
気分屋で可愛くて、意地っ張りで王様、ちょっと傲慢で我が侭
怠け者で、それでも可愛いから甘くしちゃう
「ちょっとは触らせてくれない?」
尻尾じゃなくてもいいから、
と呆れたような声色で言ってみる。僕の視界に彼は見当たらないが首輪に付いた鈴の音はする。きっと傍でこっちの様子を窺っているのだろう。
ちりん
跳ねるような鈴の音とともに僕の膝にぽんと乗ってきた可愛らしい僕の王様
「甘える気になっ…いてっ」
甘える気になった?口を開いた瞬間否定するように放たれた一発
殆ど痛くはないんだけども。眼差しはまるで、
『甘えさせてやる気、だろ』
「…我が侭め、いでっ」
また叩かれた
まったくこの王様は困ったものだ、甘えてきたと思ったらまたこうやってすぐ手を出す。でもそれでも膝からは降りないんだから意地っ張り。
ゆらゆら揺れる尻尾に可愛いピンクの肉球、にゃあという高くて鈴のような声、ふわっふわの毛並みはどんな高級なコートも敵わない
喉元を指先で撫でるとうっとりとした恍惚の表情
いつもとは違う表情に頬が緩む
膝から抱き上げてお腹に顔を擦り付けるとふわっふわで眠くなってくる、が、本人はかなり不機嫌な様子でさっきからゆらゆらと揺れていたはずの尻尾がばしばしと膝に当たっている
それに目が完全に
『さっさとおろせ。下僕の分際で…』
怒ってる
「ほんと王様」
鼻に触れるだけのキス
びっくりしたような目
膝におろすと少し固まっていたが直ぐ連続の猫パンチ
「あだだだだだっ」
『お前だけずるいぞ』
「は」
肩にとんと乗られバランスを崩しかけるが、そんなこともお構いなしに反対側の肩に移ると鼻にそっと鼻が触れた
「親愛の印?」
『下僕を手懐けるには先ずは飴だろう』
「………」
-
(途中から猫と少年が会話をしています。猫かわいいよ猫。最近犬に見下されてる気がするんだ、何でかな。犬のほうが似合ってね、コレ)
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