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羊の戸惑い
23
:
槙
◆uXwG1DBdXY
:2011/06/08(水) 22:01:02 HOST:KD027082037068.ppp-bb.dion.ne.jp
< 腕に分からないくらいに >
そっとそっと、跡を残して
×
突然、リノンが体調を崩した
リノンっていうのはリンじゃなくて、私。体調を崩したって言うのは風邪とかじゃなくて――正確に言うと、体調ではない
足を骨折した
二階の教室で窓を拭いていたらバランスを崩して其処から落ちた
幸い、木がクッションとなり引っかき傷と骨折程度で済んだが暫くは学校には行けそうに無いらしい。自分でも分かる。
凄く痛いんだもん、腫れているし
そんなことをぼんやりと考えていると病室のドアが数回ノック
そして次の瞬間私の耳に入った声
「入ってもいい、かな」
聞きなれた、君の声
いいよとドアの向こうにも聞こえるよう、大きめな声で言うと小さな音を立ててドアをあけた君
心配そうな顔でベッドの横の椅子に座ると、手に持っていた花束を渡してくれた
ふわり、と優しいマーガレットの香りが舞う
「わ、素敵…くれるの?」
「うん、お見舞い」
素直に嬉しい。すぐ傍にいた看護婦さんが花瓶に挿してくれて寂しい白だけの病室が華やかになった。
凄くうれしくて頬を緩める、でも私には言わなきゃいけないことがあった。絶対にいうって決めたこと。
「ねえ」
「何?」
「…リンと―――って付き合ってるんだよね?」
私の率直な答えに君は驚いたように目を見開いた。だけど直ぐに小さめに頷いた。
よかった、隠さず答えてくれて
「リンも隅に置けないな」
「…リノ」
「いいの、少し寂しいけど二人が幸せなら私は仲間はずれでも構わないの」
少し、とげがあったような言い方。そしてその中に隠された醜い嘘。
構わないなんて、少しなんて嘘。二人とずっと一緒に居たいよ、少しじゃない、すごく寂しいよ。
―――と一緒にいたい、リンの場所を――――――がしゃんっ
突然マーガレットが飾ってあった花瓶が棚から落ちて大きな音を立てて、割れた
「っ…」
「だ、大丈夫?」
「うん、私は平気」
その瞬間、なんとなく、なんとなく解ったの
私はリンの場所を奪う事は出来ない、って。私は弱いから、私は、リンと君が大好きだから出来ない。
私は、この醜い嘘を、醜い感情を君にさらすことなんて出来ないから
私は、この醜い嘘を、醜い感情を赦してしまう私を許せないから
「ね、一つお願い事していい?」
そう首を傾げていうと君は勿論といった。
その優しさが痛くて、どれだけ苦しんだことか――――
「腕出して」
差し出された細く白い腕を自分の目の前まで持ってくるとそっと、触れるだけのキスをした
勿論君は驚いてその後顔を真っ赤にした
腕へのキス
それは恋慕
「お幸せに」
-
(続く…のだろうか。取り合えず終了!こんな恋なら、の続き。)
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