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羊の戸惑い

123 ◆uXwG1DBdXY:2011/09/24(土) 18:00:59 HOST:KD027082037068.ppp-bb.dion.ne.jp

< 見えません >


「本当センス無いよね、あのこ」
「ほんとー、あんなのでよく受かったよねぇ!」
「ばっかみたい。どうせコネでも使ったんじゃない?」
「どっちにしろうざい」


教室内の騒がしさに隠れて耳に入る邪魔くさい陰口
無視を決め込むのが常識、でもどうせなら大声で悪口言う暇があったら勉強すれば?とでも言ってやりたい。
まあ、悪口に反論するぐらいなら勉強にいそしんだほうがマシなんだけど。

「あ、スケッチブック…置いて来たか「おーい、るい!」

鞄の中を見てみるとデザイン画を書き溜めておいたスケッチブックが見当たらず、家においてきたかと思っていると自分の名前を呼ぶ声が耳に入る
振り返ると其処には自分よりも背の高い男子生徒が立っていて、手には私のスケッチブックがあった

「悠太」
「これ、廊下に落ちてたぜ」
「あ、ありがと」

そういってスケッチブックを渡される。彼は金島悠太、私の彼氏に当たる人物。
どうやら鞄が開いていたようでスケッチブックが落ちてしまったらしいが、幸い拾ってくれたらしい。


「悠太、今日帰り、うちに来ない?今日弟の誕生日なの、ご馳走食べれるよ」
「んー…るいんちのお母さんの手料理は食べたいけど…そういう時は家族だけのほうが良いんじゃないか?」
「良いよ全然、りんも喜ぶよ」

りんは私の弟のこと。
悠太とも仲が良くてよく遊んでもらってる。お母さんやお父さんも悠太のことは良く思っている、って言うか本当の息子みたいに可愛がってる。
きっと一緒に祝ってくれたら喜ぶと思うんだけどなあ


「ね、いいじゃん」
「…んじゃあ「ゆーたくんっ!」


悠太の言葉をさえぎったのはさっき陰口を叩いていた女の一人、工藤舞子。
ずっと前に悠太に告白したらしいんだけど、そのときにはもう私と悠太は付き合ってて、勿論断ったんだけどそれ以来から私の陰口ばっかり言うし無駄にどついてくるし、未だに悠太にも引っ付いてるみたい。まあ悠太も殆ど相手にしてないけど。


「ねえねえ、今日一緒にお出かけしないっ?私ね、欲しい服があるんだ!」

「ごめん、今日はるいの家に行くから」
「えーっ…何時もるいちゃんと一緒じゃない!たまには私と…っ」

「私と悠太は付き合ってるんだから何時も一緒で良いじゃん、あんたは悠太と何の関係があるの?」


冷たい視線でそう言い放つと工藤は心底嫌なものを見るような視線を向けて立ち去った。
ああ、弱いくせに…


「…るい」
「何?」
「あのさ、あれのこと、あんま気にするなよ」

あれ、とは舞子や陰口を叩く他の女子のことだろう。
深刻そうな表情を浮かべる悠太の背中をばんと叩いてにこりと笑んで


「私には悠太しか見えてないんだから気にする理由さえも見えないんだけど?」

そういうと悠太は恥ずかしそうにそっぽを向いて私の髪をぐしゃぐしゃと撫でた
照れ隠しらしい。



「悠太がいれば、それでいいよ!」

-

(恋人の大事さ、みたいな。よくわからん!)


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