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羊の戸惑い

103 ◆uXwG1DBdXY:2011/09/13(火) 17:54:33 HOST:KD027082037068.ppp-bb.dion.ne.jp


( *絡まりあう/side*れお→千佳 )



記憶喪失。
漫画とか小説とかドラマとか、そんなものでしか聞いたことのなかった言葉。未だに少し信じ切れていないのが現状。
しかもそれは全部全部忘れてしまっているわけじゃない。良かったと言えばよかったかもしれないけれど、人によっては、ものすごく辛い事で。

一部分、丁度一年前から最近までの記憶が一切なくなってしまった。
それは花巻先輩から聞いたことだけど、丁度――――広付さんが飛鳥先輩と付き合い始めた頃だと言う。


今までの大切な恋人との時間が失われた。
それはどれだけ辛い事か、俺にはわからないけれど、好きな人が消えてしまう。それが存在だろうが記憶だろうがものすごく辛くて悲しい事、それだけは分かった。

俺はちゃんとした恋なんて分からなくて、ずっとずっとあの子の傍にいればいいって思えたけれどそれが恋かも分からなくて、


『れお、私ね!マジシャンになりたいの――――』


『れお、私ね、もう直ぐこの世界からいなくなるの―――――』



頭の中でフラッシュバックする彼女の優しい笑顔と辛そうな顔の、交差


「リノン…」


ゆれる白い髪、赤く色づいた頬、綺麗な青色の瞳。彼女の全てが鮮明にくっきりと脳内に残って――――



「壊れそ、」

頬を伝うそれは、悲しいほどに透明で

×

頬を伝うそれは、悲しいほどにしょっぱくて

ぼろぼろと落ちていくそれはスカートの上に落ちて数個の染みを作る。ショックのあまり座り込んで泣き出していて、幸い周りには誰もいなかったけれど涙を拭う気にさえなれなくて。
恭子がこの事を知ったらどんな気持ちに成るんだろう。なってしまうんだろう。

あたしだったら、ショックで死んじゃうよ


好きな人に忘れられて、それで赤の他人で通ろうって?無理、無理よ!

先ほどよりは幾分か落ち着いて立ち上がり、パンパンとスカートや足に付いたほこりなどを掃って顔をずぶぬれにしている涙を服の袖で拭う。
ゆっくりと無意識に足は動き出してとある場所へ向かう―――

(きります)


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