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人にやどる“悪魔”--七つの罪--

2神奏 琉音 ◆ptZpvaYoVY:2011/04/05(火) 16:47:29 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
--序章・三つの国--

「アレン!!アレンはいるの?」

 金髪を腰より5cm程度短くし、薄黒色の蝶の髪飾りを付け、両目明るい、ライトブルーの瞳をして、黒いリボンの付いた薄オレンジ色のドレスを見にまとった少女、エルシィ=ローマリィは人の名前を叫ぶ。

 金髪と琥珀色の髪をした者が多いこの国、ルシフェーヌ、もしくは琥珀の国、の王女、その人こそがエルシィ=ローマリィなのである。

エルシィは辺りを見回して「アレン!! アレンはおらぬか!!」と叫ぶ。
そうしている内に、金髪をオレンジ色のリボンで後ろで一つにまとめていて、両目ライトブルー、もしくは普通の青、と言った曖昧な瞳をし、白いYシャツに白いネクタイ、上から黄色のジャケットを着込み、薄黄色のズボンをはいた、エルシィそっくりの少年がエルシィの前に現れる。この少年こそが、アレン=レスティールである。アレンは何事だ、と言うように首を傾げる。

「アレンっ!!どういう事なの!? 私の女王に就任するのは二十歳からよ!!今日は私の十五歳の誕生日パーティーよ!?」

エルシィはかなり怒っていた。もともと女王だったエルシィの亡き母、エルス=ローマリィも二十歳で女王に就任した。その事からエルシィ本人の希望で、エルシィも二十歳になるまでは“女王”ではなく“王女”として扱われているのだ。
アレンは戸惑ったような表情をして「エ、エルシィ様、落ち着いて下さい。エルシィ様のご希望も分かりかねますが……」と理由を淡々と説明して行こうとする。しかしエルシィにはそんな物通用しずに「今すぐ取り消しなさい。召使であろうものが、私の運命を勝手に決めるなど……有り得ない事だわ」とだけ言い残し、スタスタと自分の部屋へ入って行く。

この王宮には召使やメイドが大勢いる。しかし、いなくなる人数の方が多い。
王女に逆らった者、意見を申し出た者、怒らせた者等、王女が気に食わなかったら、すぐに処刑され、断頭台に立たされるのだ。
ルシフェーヌ国の食料問題はかなり大変である。食料は少なく国民達も大変な生活をしている。しかし王女だけは違う。王宮の食料倉庫に国民から奪った食料を蓄え、自分一人で食べているのだ。
そう言うせいか、自己中心的、自分の事しか考えていないエルシィ。

 アレンは困ったたような表情でため息を付き、ゆっくりと歩いて行く。
向かう先は、王女が女王就任を決定した、クリスティ=ルチースノーの場所である。
ドアを静かに開ければ、琥珀色の髪を肩までのショートカットにしてライトグリーンの瞳をし、薄琥珀色のリボンに白いYシャツ、黄色のロングスカートをはいたクリスティが花を生けていた。

「クリスティ殿。王女様が……エルシィ様が女王就任に反対しました。このままじゃ、僕達は処刑ですよ!!」

焦っているアレンを見てため息を付き、やっぱり、と言うような表情をするクリスティ。アレンはどうしよう、という表情。
シン、と静まり返った部屋にバンッ、と勢い良くドアが開かれる。鮮やかな金髪とライトブルーの瞳を持った、王女、エルシィである。

「私は嫌よ!! お母様みたいに二十歳にならないと就任しないわ」

「っ、しかしエルシィ様。これでは国が……」

「クリスティ殿!!駄目です!! ………分かりました、エルシィ様。今回の件は女王就任しない、で宜しいですね?」

「ええ、良いわ。それで良いの」

満足そうにクスリと小さく笑い「……アレン、貴方に理解が早い人で良かったわね」と言った。
クリスティには色々と文句をいわれ、アレンはため息を付きながら自室ふ戻ろうとする。

「よ、アレン君。お疲れのようだね?」

薄紫色の髪を太ももまで伸ばし、軽くウェーブの掛かった髪。右目赤色、左目金色のオッドアイの瞳。黒い長袖ワンピースに薄灰色の丈の長いコートを着ている。アレン同様、エルシィに仕えている、アレンにとって同僚と言って良い少女、ルリシス=ロイッチェストである。
ルリシスは国民達に評判の魔術師、または魔法が使える、と言う感じだろうか。

「ルリシス……。ホントだよ。…、あ、クレイシスも元気?」

クレイシスと呼ばれた少女、クレイシス=エルリッチェ。澄んだ緑髪を首より6cm程度短い男子同様の髪型。エメラルドグリーンの瞳は鮮やかに輝いて見える。服装はルリシス同様だが、黒いワンピースは半袖、と言う事が特徴的である。クレイシスは何もしゃべらず、ただ静かにコクリと縦に頷くだけであった。

「そっれにしても、エルシィ王女も良くやるわよねぇ? あ、今日6時から使用人室集合だって」

伝言だけ残し、ヒラヒラと手を振る、ルリシス。クレイシスはただ無表情にアレンを見ていた。


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