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僕を裏切った君に ――定められた運命――
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:
神奏 琉音
◆ptZpvaYoVY
:2011/04/04(月) 20:31:12 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
--序章・幻想と歌声--
静寂に包み込まれた部屋に美しい歌声が響き渡る。その声の持ち主はレアリィ=クレイシェル。表向きには翡翠 雪海(ヒスイ ユキミ)と言う名を持つ。琥珀色の髪を肩までのショートカットにして、右目アイスブルー、左目ライトグリーンである、オッドアイの瞳を持ち、白いワンピースに黒いケープを羽織っていた。
最初に雪海(レアリィ)の声に気付いたのは、実の兄であるレアリス=クレイシェル。表向きには翡翠 雪(ヒスイ ユキ)。琥珀色の髪を雪海(レアリィ)同様に肩までのショートカットにし、両目アイスブルーの瞳。白いYシャツに黒いネクタイ、黒いズボンなので学校からすぐに帰ってきたものだと考えられる。
「レアリィ、お帰り」
雪(レアリス)は小さく笑みを雪海に向ける。そうすれば、たちまちパァァッと雪海は顔を明るくして「レアリお兄様!! 今日は僕より早かったんだね」と言う。
「ああ。久し振りに、ね」
雪(レアリス)はクスリと小さく笑い、雪海(レアリィ)の頭を撫で「レアリィは何時も一人だしね」と言い思い出したように撫でるのをやめ、笑顔を浮かべれば「さっきのは何の曲?」と首を傾げる。
「んー……? あれは、レイシーだよー」
雪海(レアリィ)は微かに首を傾げ、ヘラリと笑って言う。雪(レアリス)はうんうん、と頷きながら微笑み「相変わらずレアリィは歌が好きだよね」と言い雪海(レアリィ)はうん、と力一杯頷く。
雪海(レアリィ)はクスクスと小さく笑って「それは昔から。……それにしても、レアリお兄様、今日は何で帰って来れたの?」と首を傾げる。普段、雪(レアリス)は家になかなか帰ってこれず3ヶ月に一回帰ってこれるかどうか、と言う難しい日々であり、雪海(レアリィ)は良く一人でいるのだ。
「でもでも、レアリお兄様と久し振りに一緒だよね!!」
雪海(レアリィ)は雪(レアリス)の顔を見て小さく微笑む。雪(レアリス)は微笑み返し「そうだね……めったに一緒にいられなかったし、父さんも母さんもいないしね……」と困ったような、戸惑ったような表情を浮かべた。そう言う、実の兄の声を聞きながらスゥッと目を閉じ、眠りについた。
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