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Il record dell’incubo〜悪夢の記憶〜
1
:
霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2011/03/06(日) 23:06:24 HOST:i114-180-240-196.s04.a001.ap.plala.or.jp
初めまして、霧月 蓮(ムヅキ レン)と申します。ここでは始めて小説を書かせていただきます。
更新は非常に亀で、誤字脱字も非常に多いですが、生暖かい目で見てくださると助かります。
出来るだけ遠まわしに表現するように致しますが、グロイ表現が多々あります。それでも大丈夫、と言う方はどうぞよろしくお願いいたしますね。
アドバイス、感想等があれば喜んで。
一応、学園、ファンタジー、歪み、と言った感じの者が中心となっています。特殊能力が出てきたり、魔法使い吸血鬼が出てきたりと、多分滅茶苦茶です
非常に駄文で、まとまりのない文章ではありますが……。
44
:
霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2011/07/11(月) 21:46:02 HOST:i121-114-188-23.s04.a001.ap.plala.or.jp
番外 悪夢の日 紺の欠片 (語り部:霧月蓮)
俺、霧月 蓮には双子の片割れがいた。なぜ過去形なのかと尋ねられれば、その片割れは死んでしまったから、と答えるしかないだろう。……正しく言うと殺してしまったに限りなく近いのだが。その片割れの名前は霧月 桜梨。数分の違いで同じ日に生まれながらも俺の姉となることになった、俺の大事な片割れ。俺の双子だと言うには少々出来すぎた子で、よく劣等感を感じたのを今でも鮮明に思い出すことが出来た。そのくせ、桜梨は負けず嫌いで、何かと俺に勝負を仕掛けてきた。能力勝負や、朝食の早食い、どっちがもてるのか……そんなくだらないことを比べあって、大げさなぐらいに悔しがったり、喜んだりして……。
そんな彼女、桜梨の能力は、“剥奪能力”。ありとあらゆるものを奪い取る能力だ。一時期俺はその能力のおかげで自分の能力をうまいことコントロールしていたことがある。いや俺がやったことじゃないのだからコントロールしてもらっていた、が正しいのだろうか? まぁそんな事はどうでもいい。問題は自分で自分の能力の弱さを知らず、能力を制御できないくせに無謀にも勝手な動きをしたことなのだ。俺がそんなことをしなければ桜梨は死ななかった。そう、俺があの時素直に桜梨の言うことを聞いて、動いていれば……。
*
その日は満月だった。雲一つ無い晴天で、俺や桜梨、楓、紅零、刹、湊、優希をはじめとしたメンバーで寮を抜け出して星を眺めていんだ。流れ星を見るたびに声を上げて、笑って。星座を探して指差しては星座の本を持ってきていた優希に違う、って言われたり。その頃は光、闇なんて区別は無かった気がする。湊だろうが優希だろうが、今“光”として俺達と対立しているようなやつらとも、気が合えば遊んでいた。特に湊とは古い付き合いで、気づいた頃には一緒にいて当然みたいなそんな感じの中になっていた。一種の家族みたいなものだ、と俺は考えている。
とにかく、ある出来事が起こるまで俺達は飛びっきり仲が良かった。もっとも俺はそのときから反抗的な態度をとることが多かったのだが。それでも遊びを壊そうなんて無粋な真似はしなかったし、なんだかんだ言って俺も楽しんでいた。そんなときに、だ。桜梨がフッと周りを見渡して「変な気配がするな」なんていう風に呟いた。優希もそれには気づいていたみたいで、小さく頷いていた。どうせ動物かなんかなんだろう、そう考えた俺はなんでもないって笑って、刹と二人で見に行ってくるなんて言ってみんなから離れた。桜梨が勝手な行動をしないで動物だとは限らないのだからまとまって動け、何事にも慎重に行動しろ、って言うのを聞かないで、刹の手をさっさと引いて歩いた。
気配をたどり、たどり着いた寮の廊下。そこでみたのは無数の肉片だった。寮の壁は真っ赤に染まって、気分が悪くなるようなむっとした空気の中に鉄臭い血の臭いが充満していたんだ。訳が分からなくなって、それでも怯える刹を抱きしめながら、奥へと進む。奥へと進むほど壁にこびりつく血は新しいものへと変化していって、転がっているのも肉片ではなくて“動かない人間”が多くなっていた。その時、後ろから急に足音が聞こえて、慌てて振り返れば心配したというような表情をした紅零が立っていた。震えた声で「わ、私の能力なら役に立つかもしれないでしょ?」って言って、俺の服の裾をつかんだ。
「ははは、特殊科なんていうから恐れてたけどさ、雑魚ばっかだよなぁ? つまんねぇ」
そのときに聞いた下劣な笑い声を俺はまだ忘れていない。そのときの俺は感情のコントロールが妙に下手で、一度火がつくと抑えられなくなってしまって……。気づけば紅零と刹に口を押さえられていた。今は声を出したら殺される、って紅零は能力を使って俺に伝えてくれた。ふいに目の前には高等部ぐらいの男子生徒と女子生徒のグループが姿を現すのが見えた。隠れようにも場所が無くて、気づけば俺ら三人、凄い速さで走り始めていた。三人だと勝てないかもしれない、そう思って当初トップクラスの力を誇っていた桜梨、湊、楓に早く合流しようと、ただただ走った。
45
:
霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2011/07/11(月) 22:00:51 HOST:i121-114-188-23.s04.a001.ap.plala.or.jp
その後はもうあっというまだった。当初まだ初等部だった俺達はあっさりと捕まってしまう。明らかに殺されそうな雰囲気で、捕まる寸前に俺は風の妖精、シルフィードを召還して、つかまった後もとにかく攻撃を仕掛け続けていた。でも、俺の力だって万能じゃない。制限時間が来てしまいシルフィードは音も無く解けて消えた。……抵抗の手段が無くなった瞬間だった。振り下ろされそうな安っぽい剣の刃をただただ睨みつけて、交わすことだけに集中した。
そこに息を切らしながら桜梨が突っ込んできた。鋭い目つきで高等部ぐらいの連中を睨みつけたと思えば、いつの間にか剣はすべて桜梨の手元へと移動していた。遅れて湊や楓、優希もやってきて、一見俺らの逆転のようにみえんだ。大きな問題は隠れていた連中に気づけなかったこと。……なぜそのときに周りを確認しなかったのか、俺は悔やみ続けている。
フッと氷の刃が楓の足に突き刺さった。氷を操る能力なんて珍しくなかったけど、仲間が一人やられたってことで俺の気はすっかり動転していた。それにその寮にいるのはクラスメートや一応の友人が多くて、それらの人も殆ど殺されてしまっていて、俺はどうして良いかわからなかったんだと思う。次に氷の刃が向かったのは湊だった。それでも湊は楓の件で警戒していたこと、楓と違って目が見えたこともあってあっさりと避けていた。それでも最終的には何十個の氷の刃が一斉に飛んできて体を切りつけられて、床に突っ伏す。……そのときの俺には絶望しか見えない。
低く優希が舌打ちをして反撃に移ろうとしたけど、元々優希の能力はかなり特殊なもので、しかも呻き声が響く中で発動できるようなものでもない。威力は絶大だがかなりの集中力を必要とするんだ。楓のうめき声に気をとられて能力を発動出来なかったらしい。桜梨の力でどうにか相手の能力を剥奪したところで俺の中の枷が音を立てて外れた。……高等部ぐらいの連中が楓や優希に手を出そうとしたのが原因だったと思うが、そこは記憶が定かじゃない。
「蓮!! もう召還はするな。いつもみたいな制御は絶対に出来ない!!」
桜梨がそう叫んだけど、俺にはどうすることも出来なかった。意味さえ分からなかった。力の暴走だ。勝手に炎の妖精、サラマンダーが召還されて、あろうことかそいつが放った炎の刃は刹に向かって飛んでいった。桜梨も剥奪の能力を使えばよかったのに、それをせずに刹と俺の間に割って入った。突き刺さった炎の刃が肉を焼く臭いを嗅いで……その後は取り乱して暴走を余計に酷いものにしただけだった。気づけば桜梨がすっかり動かなくなっていて、それと比例するかのように俺の力が気持ち悪いぐらいに渦巻いて……その後の記憶は無い。
目が覚めたら病院のベッドの上にいた。先に退院したという湊と優希に話を聞けば俺の能力が暴走をして何人か高等部ぐらいの奴等を殺した、らしい。桜梨もそいつらと同じような死に方をしていたって。優希は最後まで意識があって、全て見ていたと言っていた。能力を使えなかったことを泣きながら謝られた。悪いのは俺なのに何度も、助けられなくてごめんだとか、とめられなくてごめんって……。
優希は触れなかったけど、優希自身も大怪我をしていて、どうやらそれも俺がやったことらしい。……覚えていないなんてつくづく無責任だと思う。桜梨の墓に案内されたときはただ信じたくなくて、湊に八つ当たり紛いに怒鳴りつけたりした。……そこで湊に桜梨の能力で俺の能力をある程度奪ってコントロールしていたということも聞いたんだ。出来ることなら時間を戻したい……そんなくだらないことをいまだに考えている辺り、俺は何にも成長していないのかもしれない。俺はつくづく馬鹿だと思う。自分の力量を考えないし、うじうじと、過ぎ去ったことを考え続けて、悔やみ続けて、一切前に進めていない。……桜梨が見たら怒るのかな? 呆れられて終わりかな?
NEXT Story〜第四章 能力定義と禁忌〜
メモ帳にまとめて書いたら、思っていた以上に長くなりました。パッと見分かるとおり、本編に直接的な関わりはございません
……本当にただの一人ごとですね
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