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ドウミ・モンド
:2011/01/26(水) 15:53:07 HOST:nttkyo907138.tkyo.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
かわいそうに、二人組の髪の毛はすっかりなくなって、真っ赤にやけどした頭皮があらわになっていた。
「うひ、びひゃ、お、覚えてろよ!」
泣きそうな顔をしながら、二人は一目散に逃げ出した。死に物狂いというのはこの二人の為にあるかのような、それはそれはものすごい勢いだった。二人は何もないところにつまずきながら、必死に外に出ると、「魔法使いが暴れだした!!」「こ、殺されるぞぉ!!」と、口々に叫びながらその姿を消した。
宿にいる客達も、それにつられて、皆女将さんの持っている樽に金をいれ、蜘蛛の子を散らすように宿から出て行った。逃げていくお客を見つめる女将さんの顔は、海よりも真っ青である。
少年が亭主を見た。
亭主が硬い愛想笑いを向けながら、少年の目の前に立つと、深々とお辞儀をして宿帳とペンを渡した。
「ぼく、字がかけないんだ」
「そ、それで私めがお書きいたしましょう。お名前の方を伺ってもよろしいでございましょうか?」
冷や汗をかきながら、亭主は宿帳を持ち直す。硬い愛想笑いが更に引きつり、ブルドッグのようになってきた。店の中は恐ろしいくらい静かで、亭主は今にも逃げ出したい衝動に駆られた。
「カイ。僕の名前はカイ」
「は、は、はい、か、カイ様でございますね。お、おい、お前、カイ様にお料理をお作りしろ。い、今すぐに決まっているだろうが!いいか、ぜ、絶対にケチッたもんなんか出すんじゃねえぞ!」
女将さんはまじまじとカイと名乗った少年を見た後、樽を置いて店の奥に消えていった。
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