[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
|
1-
101-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
テーマは自由、小説や詩を書くところ☆
71
:
侑子
◆jZgVcLWus2
:2010/09/16(木) 05:20:32 HOST:i114-183-128-120.s04.a011.ap.plala.or.jp
――第8章 運命の契約――
「最近柊澤よく笑ってるよなあ」
「だな、でもさ…よく見てみろよ惣映の顔」
「あれ…あいつってあんなに無表情だったっけ…?」
「いや、いつもはよく笑ってた ああなったのは柊澤に逢ってからだ」
「3年前見たいだな…」
「え? 何それ俺知らねー 話してくんね?」
「良いけど…」
「ちょうど3年前まで桜庭はここに来たばかりの柊澤さんみたいだったんだ
でもそんな時にニコニコしてて明るい女の子… そう、平際さんだ
その子はその笑顔を桜庭にあげたかのように笑みを消していきいつの間にかここから消え去っていた
だから今度はその反対みたいだなって思ってさ」
「へえ、そんな事があったんだな 俺がここに来る前に」
「そうだよ でもここでこのこと知ってるのは…俺と桜庭を含めた5人だけって事になるけどな」
「じゃあ他の奴等はその出来事の後にここに来たのか?」
「いや、唯学年が違ってクラスが違ったってだけだ」
「ふーん、そうなんだ」
「ねぇ…あたしに笑ってほしいと思ってるの?」
「オレはどんな事があっても契約をやめる気はねぇ というかもうやめる必要もないけどな」
「どういう意味…?」
「今日が終わって明日になれば契約は成されるんだ」
「じゃあ、今日でもう…お別れなのね…」
「みたいだな どうやら弱ってるのはオレだけみてえだし 最後の日くらい二人きりで居たい…」
「良いよ、あたしもその方が嬉しいから…」
「良かった…嬉しいって言ってくれた…」
「じゃあ行こう? この学校で一番思い出が作れそうな場所」
「で、なんでここが思いで作れそうな場所なんだ…?」
「だって、ここは… あたしと…惣映の思い出の場所だから」
「え…癒…癒來…?」
「思い出しちゃった もしかしたら誰かがあたし達の最後の日の為に力使ってくれたのかもね」
「…そっか… だよな、ここ… オレと癒來が最後にあった場所だもんな」
「うん… あたしに光をくれてありがとう… でもね…また闇になっちゃうんだよ なぜか分かる?」
沈黙
「どういたしまして… また闇に…? なんで…オレのこの努力は無駄…?」
「うん、無駄になっちゃうの だって…だって… あたし、惣映に恋しちゃったんだもん‼」
「えっ…何言って…」
「ほんとは前に逢った時に伝えるはずだった でも伝える前に惣映はクラスの人気者になっちゃった…だから言えなかった」
「………………………」
「でもせっかく思い伝えられたのになんでこんなに悲しくなるんだろうね… すごく悲しく…ッ」
頬に生温かいものが伝って地面へ落ちる その流れは途切れることなく、ましては増える一方で
「泣くなよ…オレだってずっとお前に恋してた でも伝えたらお前が悲しむだろうって…だから言わなかったんだ」
「…ック……ッ」
「ほんと悪いな… オレってお前の何になれたんだか分かんねえや」
「あたしの中は惣映でいっぱいだよ…今だってッ だから…ッだからこそッ こんなに思いが溢れて止まらなくなってる…ッック」
「…そうか… オレって罪な男だな… 最後に言わせてくれ…」
「あたしからも…」
「「大好きだよ」」
そして二人の影は重なった 離れたくない、消えたくないという思いを両心に抱いて
惣映の身体が足の方から消えていく… きらきらと綺麗な砂になって…
あたしは心配になって唇を付けたまま抱きついた 相場が受け止めてくれる
…そしてあいつは自ら唇を離した そしてあたしを見てこう言った
「今までありがとう これからもよろしく」
そしてあいつの体はきれいな砂になり消えて行った
その時あたしには聞こえた
「待ってるから」
という言葉が…
「待っててね… 必ず行くから…」
――9章へ続く――
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板