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+苦くて甘い、ラブストーリー…+
95
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/11/29(日) 16:18:40 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
「友達の彼氏ー中編ー」
「何か、悩み事…とかか?」
また、ボーッとしてたらしく、今度は本気でそう言ってきた。
止めて。
軽い気持ちで、そんなこと言わないで。
「何でもない、って言ってるでしょ!?」
つい。 ついカッとなって、声を荒げてしまった。馬鹿じゃない、熱くなって。
どこか他人事で、客観してる自分がいる。自分のことなのに。
シーンと静まりかえる教室。
さっきまでのざわつきは消え、今は物音ひとつせず、皆の息遣いと、息をのむ音が聞こえる。
「ど…うしたんだよ?」
彼…もとい、島田敬は驚いた様に此方を見つめる。その瞳は戸惑い、驚き、悲しみ…色んな感情が映し出されていた。
素直すぎる。私にはできないことが貴方には簡単にできるのね。
「聞こえなかったの? 何でもないって。」
「何でもなく何か、ないだろ?」
「何でもないって私が言ってるんだから、何でもないの!
もう黙って―――」
「ゆ、由香ちゃん! どうしたの…? そんな大声出して!」
突然やってきた亜衣の声に、ハッと我に返る。そして、自己嫌悪する。
私…今すごく冷たい声をしていたわ。 凍るような…。島田だって、固まってる。
「何でもない……、ごめん…っ!」
いたたまれなくなって、バッとその場から走り去った。背後から聞こえる、亜衣の声も島田の声も。
無我夢中で走った。追いかけてくるかも。捕まりたくないよ。
何も聞こえないように、耳をふさぐ。
昼間なのに薄暗く、冷たい風が吹く人気のない裏庭につくと、その場に崩れた。
八つ当たりもいいとこ。熱くなっちゃって、馬鹿みたい!
心の中でいくら毒吐いても、いくら自己嫌悪しても、この不安と恐怖は、拭えなかった。
だから。
声に出してみたの。誰か助けてくれるかも、って。少しでも気持ちが落ち着くかも、って。
「最低、最低…っ! 馬鹿じゃない? いいえ、馬鹿よ! こんな醜い自分、消えてしまえばいい!」
一気に吐き出すと、何故か息苦しかった。はぁはぁと乱れる息を整えるように深呼吸した。
落ち着きは取り戻せない。そのせいか、近付いてくる足音にも、気付かなかった。
「松、本…! やっと見つけた。おい…松本…?」
「はぁっ、はぁっ…島田!?」
嗚呼、何故、島田なの…?
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