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+苦くて甘い、ラブストーリー…+

116紅桜 ◆H2afPHIwUk:2009/12/26(土) 23:53:43 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
「特別企画クリスマス編ー前編ー」

「何だか、今日はやけに寒いね。」

「そうね、風邪引かないでよ?」

セーラー服に身を包み、学校指定の黒い鞄を手に取る。

季節は冬。今日は、クリスマスイブ。世界はクリスマス一色だ。

「分かってるよ。母さんこそ、風邪ひかないでよ。じゃ、行ってきまーす」

やばい、このままじゃ遅刻。朝ごはんなんて食べていられず、家を飛び出す。
後ろで母さんの声が聞こえたけど、無視。今は構っていられないから、帰ってから聞く。

――…

「おはよう」

「あ、愛。おはよう。今日は寒いねー」

「寒いね。凛、プレゼント何もらうの?」

窓側の一番後ろ。あんまり嬉しくない席に腰かけると、斜め前の席に座る親友に挨拶する。
手元を見ながらそう問いかけると、凛は「家族で外食」と少し照れた様にそういった。

「え、外食?」

「そ。なんか最近、あんまゆっくり話す時間ないな、って思って…さ?」

驚いて顔を上げると、俯いて恥ずかしそうに頬を赤らめる凛の姿があった。
…そうか。外食…。凛は、親孝行してるのね、しっかり。

「私も、そうしよっかな」

「そうしなよ。たまには良いかもしれないし」

そんな風に話していると、予鈴が鳴った。急いで鞄を机の脇にかける。
すぐに担任が入ってきて、HPが始まった。

外食ね…。散歩しながら、どこかのレストランに…とかで良いか。

――…

学校が終わると、真っ直ぐ寄り道せずに帰る。部活は冬休み間近で無い。
ドアを開けると、直ぐに母さんの足音。

「おかえり、寒かったでしょ。ねぇ、愛美。今日はもうお父さん帰ってきてるのよ。」

「へぇ、いつも遅いのに。珍しいー」

「だから、今日クリスマスパーティーにしましょ。明日遅いって言うし。ね? プレゼントは明日でも良い?」

とても嬉しそうに話す母さんを見てると嬉しくなった。プレゼントという単語を聞いて、益々嬉しくなった。
母さんや父さんの喜ぶ顔が、目に浮かぶ。ふふっと笑うと、首をかしげるお母さん。

「なあに? どうしたの?」

「ねえ、母さん。私、プレゼント…家族で外食とか、ドライブがいいな。」

「ええ? そ、そんなんで良いの? ていうか、どうしたのよ?」

「ふふ。たまには、いいじゃない」

母さんに話すと驚いた顔をした。何だか嬉しかった。
その後、父さんにも話すと、母さんと同じように驚いてた。思わず、笑ってしまった。

「じゃあ、直ぐに準備しよう」

という父さんの声で各自準備に取り掛かった。
何だか、今年は最高のクリスマスになりそうだなぁ。


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