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+苦くて甘い、ラブストーリー…+
111
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/20(日) 21:40:40 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
「永遠の誓ー後編ー」
…それから、早一週間。
あの後食事を冷静を装い、いつも通りに過ごして家路につく。
一人になった瞬間、安心して涙が出た。いや、恐怖だったかもしれない。
そこらへんで記憶が途絶えていたあたり、きっとそのまま寝てしまったんだろう。
次の日は目が腫れ、髪はボサボサ。おまけにスーツには皺が付くし。
そして追い打ちをかけるように寝坊して、その日は熱が出たと行って休暇を取った。
その次の日、敬の心配そうな視線は一日中送られていて居心地が悪かった。
でもその日は一言も会話をしなかった。私がわざとらしく避けたから。
それからというもの、ずっと敬を避け続け…もう一週間も経ってしまった。
さすがに敬も不審を抱き、此方をチラチラと見ることが多くなった。
そんな悲しそうな顔をしないで
スーツを脱ぎ、シャワーを浴びる。冷えた体が温まる。
湯船に浸かると、疲れが癒える。そして安らぎの後に考えるのは、敬のこと…。
やめよう。お風呂に入っている時くらい、そのことはもう考えないようにしよう。
着古したヨレヨレのスウェットを着るとベットに倒れ込む。
視界に移るのは、マンション最上階の窓のカーテンの隙間から見える夜景、明かりのついた部屋、白いロングソファ…
そして五十インチのでかいテレビの上の……敬と私の移る、楽しそうな…写真。
それを視界から消すために、強く目を瞑った。そしてそのまま、深い眠りに就いた。
「おい、由香!」
嗚呼、どうしてこんなことに。
でも…彼を傷つけてしまうけど、この方がいいのかもしれない。
月の光が差し込む社長室。窓を見上げると、月と星が此方を見つめている。もしかしたら、笑ってるのかもしれない。
愚かな私と、そんな私に不釣り合いな彼の隣にいる私を。……考えすぎなのは、分かってる。
「…っ何よ」
怒鳴られ、腕を強く握られ…身体が震えた。けど、それを悟られないように強く返す。
一瞬弱まった腕の力がまた、強くなる。痛い、痛い…でも、もっと痛いのは…締め付けられる心。
「何で俺を、避けてるんだよ…っ」
そんな悲しそうな顔をしないで。もっと怒りに満ちた顔をして。こんな最低な私を、嫌ってよ。
「そんなの…も、分からないの?」
こんな冷たい言葉、言いたくないの。
だって、敬の顔がもっと悲しくなるの見ていられない。
「ごめ…ん」
ねえ。良いんだよ? こんな私を罵っても、蔑んでも。軽蔑されたっておかしくない。
しっかり話をつけて敬が離れていくのが怖い愚かな私を、嫌いになっても。
「教えてあげる。良く聞いて、一度しか言わないから。」
声が震えそうになるのを堪える。
「もう、辛いの。いつまで待っても安心できない不安感。これはいつ拭えるの?
女の人と笑って喋るのを見てると醜い感情が生まれて、どんどん汚くなる……。
敬の言動一つ一つにはらはらして…苦しい。こんなのはもう嫌なの。だからわか」
突然何かに口をふさがれ、遮られる。
温かい温もりに包まれている。これは…敬の肩だ。抱きしめられている。
いつの間にかポロポロと流れていた涙が、彼のスーツに染みをつくる。
ねえ…敬。この首筋にあたる冷たいものは、何?
「敬…泣いてるの?」
あの彼が、泣くなんて。信じられない。私には一切、弱味を見せなかったのに。
そんなに私は貴方を。傷つけてしまって、いたの…?
「…由香、由香」
切なげなその声が、私の涙腺を壊す。
※続編に続きます※
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