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+苦くて甘い、ラブストーリー…+
103
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/11(金) 22:03:35 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
「永遠の誓ー前編ー」
風は冷たく、時折強く吹き頬を撫でる。
季節は初冬。しかし今年は気温が低く、マルラーや手袋は必須アイテム。
そんな今は、2015年。まだまだ子供な私は、社会人3年目の23歳になった。
高校生活や大学生活なんてアッという間に過ぎ去り、あれからもう約6年。
「由香」
ふと、背後から愛しい人の声。
笑顔を浮かべ振り返ると、予想通りの人物。
「敬! どうしたの、仕事は?」
午後10時。社長の地位まで上り詰めた彼は、まだまだ仕事のはず。
とはいっても、私も同じような物だけど。
実は私、彼の秘書をやっている。仕事は大変で、いつも帰りは深夜。
しかし、今日は仕事が早く終わり、これから遅い夕食を取り家で寝るつもりだった。
「昨日、ほとんどを片づけておいたから。」
「相変わらず、凄いね」
「そんなことない。それに由香だって大変だろうに。
あ、そうだ。これから夕食だろ?俺も今からなんだ、一緒にどうだ?」
謙遜しちゃって。まだ仕事の時の堅苦しい感じ、少し抜けてない。
敬の言葉に軽く頷くと、どちらともなく歩き出した。
私たちは、結婚は愚か最近ではまともにデートなんてできていない。
お互い仕事が忙しすぎて、暇がない。それを少し、寂しく感じる。
社内でいつもあっているとはいえ、話すのは仕事のことのみで…でも、仕方ない。
…覚悟はしてた。彼の将来の夢、を聞いてから。こうなるってことは。
…寂しいよ。
俯き、自然と歩調の遅くなる私に気づき同じペースにしてくれる彼の優しさが、痛い。
想いは通じ合っているのに、通じ合っているはずなのに。
敬が離れて行きそうで、怖いよ。
大人になれない自分の幼さに、苛立ちを感じる。
結婚なんて、いつでもできるじゃない。もう少し、落ち着いてきたら。
そう自分に言い聞かせてみても、暗い気持ちは消えなかった。
もう少しって…あとどれくらいなんだろう。1年後? 10年後? それとも…
「由香、ついたよ。ここで食べよう?」
敬の言葉で、ハッと我に返る。
目の前に広がる彼の、敬の顔が…何故か無理して笑っているように感じた。
いいようのない、不安が私を襲った。
「う、ん…。た、高そうな店だね」
「大丈夫。さ、行こう」
そっと私の手を取ると、敬は店の中へと進んだ。
天井には、大きなシャンデリア。踏むたびに、しっかりと感触のある柔らかい赤色の絨毯。
壁は鮮やかなクリーム色一色。夜景の見渡せる大きな窓から見える景色が綺麗だ。
机は四角く、上品そうなブラウン。触ればキュッと音の出そうな程艶やかで綺麗。
ターブルクロスはクリーム色に赤とブラウンのチェック。
人の囁くような話し声と時折、カチンとグラス同士がぶつかりあう音が響く。
スプーンとお皿がぶつかる不快な音はせず、音もなく食べる人達。
…き、緊張する…。
普通のファミレスとかが良かった。こんな、高級そうなお店…。
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