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死者たちが集ってよもや話をするスレ

1強化外骨格「名無し」:2007/06/30(土) 23:39:14 ID:0I6YC4h.0
死んだキャラでネタを作るスレです。

731強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 01:36:36 ID:Cclutob2C
ていうか覚悟以上にアカギじゃ女を幸せにはできないだろw

732強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 03:09:58 ID:gWZcrWWA0
今まで一度もセラスが登場していない件について

733強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 07:47:00 ID:FWz9khpk0
平山「おっかしいな、飲み会抜け出してこれたはいいけど…どこにもセラスさんが見当たらないぞ……」

平山「…どこだ…?会いたいな…セラスさん」

〜死者スレ居酒屋〜

セラス「すぅ…すぅ」
ジゴクロイド「あぁ〜、こいつ潰れて寝ちまったぞ、めんどくせえ」
カマキロイド「無理矢理登場回数多いこの女を拉致って呑ませてたわけだけど、結局私達が話題に上ることはなかったわけね」
カニロイド「シュシュシュシュ」
セラス「すぅ…すぅ…平山…さん」
ジゴクロイド「…たく…しょうがねえな…おいカマキロイド」
カマキロイド「なによ」
ジゴクロイド「この女の想い人連れて来て面倒見させようぜ」
カマキロイド「でも、平山って確か影の薄い連中で集まって飲んでたはずじゃ」
ジゴクロイド「それでもこの状況が面倒なのは変わんねえからな、俺達誇り高き暗闇三兄妹がたかが酒に潰れた人間の女一人の面倒なんか見てられっか」
カマキロイド「…わかったわよ。カニロイド。あんたも来なさい、手分けして探すわよ」
カニロイド「シュシュシュ」

ジゴクロイド「………よく見たらこの人間…可愛いじゃねえか…人間なのに牙が生えてやがる…それも可愛いぞ」
セラス「…平山さぁん…会いたい…マスターより会いたい…むにゃ」
ジゴクロイド「…くそ…平山ってあの冴えない人間だろ…何であんなのがいいんだ…ムカつくぜ…!」

734強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 14:26:58 ID:gT0gbRLM0
こなた 「かがみん!かがみん!あれやってよ」
かがみ 「あれってなによ?」
こなた 「景色を自由に変えるチート臭いやつ。新刊が私を呼んでいるぅ〜」
かがみ 「はぁ?!こんな所に着てまでそんな所に行きたいのかっ!」
こなた 「えぇ〜いいじゃん。こっちの世界にもあったんだけどチェックできなかったから気になって」
かがみ 「あんな所に男連れで行くあんたの気がしれんわ」


パピヨン「本屋?」
こなた 「はぁ〜ん!かがみんありがとうっ!!うん?こなかが……なんと!この同人誌」
パピヨン「ん?……こなた×かがみ?」
こなた 「こんなモノがあるってことはもしかして……パピヨンちょっと私、下の階に行ってくる。じゃ」
パピヨン「かがみ×こなた…つかさ×かがみ…こなた×つかさ…どういう意味だ?」
かがみ 「世の中には知らないほうが幸せってこと、たくさんあるのよ」
こなた 「おまたせっ。そっか、こっちの世界ではパピヨンは受>>越えられない壁>>攻なのか」
パピヨン「おい、こなた」
こなた 「俺様受かな?うーん、ツンデレ受?」
パピヨン「おい、こなた」
こなた 「パピヨン、ツインテールにしなよ」
かがみ 「なんで、私を指差すのよ」

735強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 16:04:49 ID:qbFL6gv20
>>734
そうなのか・・・?
ちくしょう、恐ろしくてググって確認することさえ出来ねえ

736強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 16:19:37 ID:dFtXjb1cO
>>734
新八「あの、ジャギさん……あれ使えば別に僕達いらないんじゃないですか?
立派な教会が一瞬で完成しますよ」
ジャギ「……いや、だがここまで工事しといてやめるのもな……他の連中、かがみの力に気づいてねぇし」
新八「でも完成後に分かったら、それこそ皆怒りませんか?」
ジャギ「う〜む……どうしようか」

【教会建設現場 工事は順調だけど崩壊の危機】

737強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 16:40:15 ID:U5rqvnd.0
>>736
みゆき「それはないと思いますよ?」
新八「え?何でですか?」

みゆき「かがみさんが結婚と言うとても幸せなことに対して行動するわけ無いじゃないですか、
自分が結婚するならまだしも……ねえ……?」 
新八「………(これは『私が作らせねーよ、ただでさえ目立ってんのにこれ以上目立つんじゃねえ
このアホツンデレめ』
って言っているような物ですね)」
ジャギ「高良みゆき……恐ろしい子……!!」

【協会建設現場 圧力により工事再開】

738強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 22:11:46 ID:7IT2OwRA0
こなた「結婚式か〜、どうするパピヨン?」
パピヨン「興味無いな・・・が、お前が望むならやってもいいさ」
こなた「う〜ん、私もいいや。私とパピヨンはそんな事しなくてもいつまでも
    蝶ラブラブだからね」
パピヨン「その通りだ」

シェリス「あれはロリコンなのかしら?」
劉鳳「あれは断罪対象じゃない、恋人同士っあれは恋人同士だ!
   見た目幼女と変態だが断罪対象じゃない・・・だが俺の正義が
   あれを通報しろと断罪しろと叫んでいる!!」
シェリス「劉鳳!?、落ち着いて!気持ちは分かるけど落ち着いて!」

739強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 23:27:48 ID:O8tawVv20
神楽「ねぇ銀ちゃ〜ん、私も結婚してみたいアル」
銀時「んなこと言ってもお前結婚したい相手なんているわけ?」
神楽「いるわけねえだろボケ天パ、それでも結婚したいんだよ」
銀時「あのね神楽ちゃんよ、結婚式ってのの意味知ってて言ってんのか?」
神楽「当然知ってるアルよ!馬鹿にするのも大概にするネ!」
銀時「お前が結婚なんかしたら、式場がただのウエディングケーキ食い放題のイベント会場になっちまうだろうが」
神楽「何言ってるアルか、結婚式はウエディングケーキが全てアルよ。ケーキがなかったら『面倒だけど一応出席してやったぜ』的な考えを持ったジジイババア等の無能な連中がアハハウフフくっちゃべるだけの、来るのも馬鹿らしいアホの集落と化すアル」
銀時「違う違う、ジジイババアが集まるのは老人ホームだから。アホの集落じゃ言い過ぎだ、老人ホーム。わかったか?」
神楽「わかったアル銀ちゃん。結婚式ってのは、ケーキがなかったら老人ホームにぶち込まれることと一緒ってことアルね」
新八「お前ら結婚式馬鹿にし過ぎだろォォォォォ!!!結婚式のケーキがそこまで重要なわけねえだろうがァァァァァ!!!」
銀時「おいおい落ち着けよ新八、大丈夫だよ。お前は結婚できねえのはわかってっから。あ、お前の場合は彼女すら……あらやだ…銀さん泣けてきちゃった」
新八「お前結局それが言いたかっただけだろちくしょォォォォォ!!!はめられた!!くそ!!僕が突っ込むの待ってやがった!!なんて奴だクソォォォォォ!!!」


神楽「…でも…本当に結婚はしてみたいアル…本当に…」

740強化外骨格「名無し」:2008/12/11(木) 23:33:18 ID:U5rqvnd.0
マリア「みなさん、結婚したいとかしたくないとか、別にあなた達が決めるのではなく、
あくまで私達が決めると言うことを覚えておいてくださいね?」
シエスタ「まあ、当人達がしたくなくても、私達は見たかったりしますからね」

ジャギ「マリアとシエスタ……恐ろしい人……!」
小五郎「まあ〜番長だから仕方が無い」

741強化外骨格「名無し」:2008/12/12(金) 23:20:40 ID:zv5vX85s0
アカギ「……高所恐怖症って辛いな……!」
ヒナギク「わ、悪かったわね!!まさか殆どの乗り物が高い所にあるなんては思わなかったのよ!!」
アカギ「まあ……遊園地に来たのに乗り物乗らないって言うのは寂しいな……」
ヒナギク「どうしましょうか?」
アカギ「そうだな……!あれで良くないか……?」

アカギ、メリーゴーランドを指差す。

ヒナギク「えー!?ああ言うのは、もっと小さな子供や、親子連れとか……」
アカギ「駄目か……?」
ヒナギク「いや……駄目って言うか何と言うか……」
アカギ「俺は生まれて一度もああ言うのには乗ったこと無いからな……
まあ、時代が時代だ……それに、暖かい"それ"もなかった」
ヒナギク「……!」

◇   ◇   ◇

DIO「説明しよう!!なぜアカギがあれに興味を持ったか!?」

アカギは子供時代から裏の世界に生きていたので、友人関係や家族の関係が無く、
遊園地に誰かと一緒に行くと言うこともなかった。
そう、アカギは一人こっそり憧れていたのだ、
遊園地に行くことを。
アカギは遊園地を見る度にはいつもこう思っていた、
いつか入ってみたい……いつかはああいう乗り物に乗ってみたい……
ジェットコースター、観覧車、そしてメリーゴーランド……
幾多の乗り物だけを見て、通り過ぎて行ったあの時代……
あの時代から数年、やっとアカギは自分の夢の一つを叶えようとしているのだ!!
それがお子様御用達のメリーゴーランドだとしても!!
━━━民明書房刊 『赤木しげると遊園地』より━━━

承太郎「DIO、急に何を言っている?」
DIO「いや、おそらく仲の人が反応したんだろう(黒歴史OVAの方の)」

◇   ◇   ◇

ヒナギク「まあ、そこまで言うなら」
アカギ「じゃあ、決まりだな。俺はこの馬に乗る……!!」
ヒナギク「意外と子供くさいのね……じゃあ私はこっちのを、っと」
アカギ「さて、どうやら座ったら自動に始まるらしいが…………!?」
ヒナギク「え?ちょっと何?急に降りちゃって?」
アカギ「ヒナギクゥーーー!!今すぐそいつから降りろおおおおおお!!!」
ヒナギク「え?それってどういうこ……ってキャーーーーーー!!!?!?!?」

物凄い速さでメリーゴーランドが廻る
(アカギは脱出済み)

◇   ◇   ◇

アミバ「あれ?間違ったかな?」
小五郎「ん?どうした」
アミバ「いや、オーブンの電気を入れる筈が、
どっか違うところのを押してしまったらしい」
小五郎「まあ誰の悲鳴も聞こえねえから、大丈夫だろう」
アミバ「それもそうだな」

◇   ◇   ◇

ヒナギク「う〜ん……ハッ?ここは!?」
アカギ「ヒナギク……よかった、目が覚めたか……
ここは遊園地内のベンチだ……体の具合は大丈夫か……?結構激しかったが……」
ヒナギク「最初の方で気絶したから大丈夫みたい……でも//////」
アカギ「ん?どうした?」
ヒナギク「……(どうして膝枕なのよ///!!)」

【アカギとヒナギク 雨降って地固まる確認】

742強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 01:05:17 ID:j.EjEE1g0
赤木とヒナギクか
やっぱり拭い去れない違和感があるな……。

743強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 01:08:13 ID:uTSSKJewO
覚悟は何やってんだ

744強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 01:27:34 ID:.woS0G6o0
小五郎「本編で決着ついているからもう無理だろ」
杉村「しかも死ぬ時でアカギと物凄く上手くいっていましたしね」
桐山「極めつけはヒナギクが平山に騙された時……あれでもうお前のことは気にしてなかった」
ラオウ「諦めろ、それがうぬの道だ」
光成「残念ながらわしもそう思う」
アミバ「というかアカギをぶっ飛ばしたから、彼なりの反撃かも知れん」
服部「人の嫌がることをすぐするからな、まあ諦めん無難ちゃう?」
バーロ「本編で目立ったのにまたここで目立つのかあんたは」

零『覚悟……お前は今……泣いていい……』
覚悟「………………………………言葉にできない悲しさか………」

ジャギ「今は悪が微笑む時代なんだぜ〜?覚悟?!
奪っちまえ(ry

745強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 02:02:56 ID:FCmlbS/E0
アカギ「とりあえず、何か飲み物でも飲もう。
疲れたろう?」
ヒナギク「そうね……都合よく、目の前に屋台もあることだし」


アカギ「……」
ヒナギク「……」
花山「……」
ヒナギク「……なんであなたが店員なの?」
花山「工事の方が、落ち着いてきたんでな……副業だ。
それで、何にする?」
ヒナギク「そうね……じゃあこの、果汁100%パインジュースってもらえるかしら?」
花山「分かった、すぐ作るから待っていろ」


ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ……


花山「出来たぜ」
ヒナギク「あ、ありがとう……」
アカギ「……凄いな……あの大きさのパインが、掌サイズにまで縮まっている」
花山「飲みたけりゃまた来い、出来る範囲ならどんな材料ででも作ってやる」
平山(……超握力の使い道、微妙に間違ってないか?】

【花山 握撃ジュース屋開店】

746眠いのにネタが沸いてきちまうっていうのは辛いな:2008/12/13(土) 02:15:16 ID:.woS0G6o0
覚悟「いや、まだだ!!まだ解らん!!ヒナギクさん気持ちを知るべきだ」
ジャギ「そうだそうだ!!その調子だ!」
覚悟「と言うわけでヒナギクさんにあって来る」
ジャギ「がんばれよ〜」

◇     ◆      ◇

アカギ「なあ、一つ聞きたいんだが」
ヒナギク「ん?なに??」
アカギ「葉隠覚悟のことだ……」
ヒナギク「覚悟くんが……どうしたの?」
アカギ「いや、お前と覚悟が一緒にいたのが、
最初の宴会のときだけだった……会話も賛辞だけ……」
ヒナギク「それがどうかした?」
アカギ「お前は……あいつを愛していたんじゃないのか?
ここはあの世界とは違う、ハッキリ言えばあの世、
もう生きていたときのことは気にしなくていい筈、
なのになぜ覚悟と一緒に行動しない……それ以前になぜ復縁しない……
なぜ愛さない……本来ここにいるのは俺じゃなく、覚悟が正しいはず……!」

ヒナギク「……それはね……私なりのけじめよ」
アカギ「けじめ…?」
ヒナギク「そ、けじめ。
私は生きているときに覚悟君をもう愛さないと決めた、
それにいままた覚悟君を愛しても、あの時のように上手くはいかないとおもう。
だってそうでしょ?復縁ってことは、あのときの深い心の痛みや、
涙、それらが全て嘘になっちゃうと思うのよ。
つまりいま覚悟君を愛するってことは、過去の私への裏切り、冒涜行為になる。
それだけは絶対にしたくない。
もしここでそれを破ったら、桂ヒナギクは桂ヒナギクで無くなってしまうと思うの。
だから私は覚悟君を愛さないのよ、わかった?」

アカギ「強いな……今の俺には到底その域には届かないな……」
ヒナギク「それにね、アカギとはもっと喋ってみたかったし、
覚悟くんが愛のことをまだ引っ張るわけないじゃない。」
アカギ「それもそうだな……!」

覚悟「…………グスン」
ジャギ「まあまあとりあえず落ち着こう!!それと今日はお酒たくさん飲もうな!!」

747強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 08:32:28 ID:eDhNC0/AC
アカギが愛とか言うとこっちがムズムズするのは何故なんだぜ?ww
しかしヒナギクが幸せなら一向に(略

748強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 17:24:25 ID:j.EjEE1g0
覚悟……(´;ω;`)
もう諦めないといけないのか……。

749全てのところで最後まで忘れられた人1/2:2008/12/13(土) 18:45:11 ID:.woS0G6o0
平山「おかしい……絶対におかしい……」
セラス「おかしいって何がですか?」
平山「アカギのことだよ……あれはアカギじゃない……絶対違う……」
セラス「はあ〜でもここは死者スレですしね〜あんなのも有りなんじゃないですか?」
平山「ん〜……いや……でもやっぱり……おかしいってあれ」

◇ ◆ ◇

どっかのトイレ
銀時「うい〜飲みすぎちまった……ん〜?あそこにいるのは
桂(ヅラじゃないほう)と一緒にいてちょっと頭がスイーツ(笑)になっちゃった
アカギじゃね〜か、お〜いアカギ〜!」
アカギ「………」
銀時「何だよ……無視すんなよ……アカ……アッ!!お…お前は!!」
アカギ?「み〜た〜な〜……!」
銀時「いやああああああ!!!!………」

杉村「大変だ!!銀時さんが体中の穴と言う穴に(ママの味)を入れられて倒れています!!」
その辺の奴ら「な、何だってー!!」

小五郎「これは酷い……いったい誰が……」
服部「ん?ダイイングメッセージがあるな……なになに……」
バーロ「カタカタで『ア』と書かれている」
ジャギ「ちょっとまて、アがつくキャラはアカギだけだぞ?!!」
小五郎「アカギはずっどヒナギクと一緒だぞ!?第一今のアカギがそんなことをするはずが無い」
服部「と言うことは、こいつの自作自演?アカギをはめる為の?」
市川「いや……しかしそんな無茶するか?」

吉良「騒がしいな……ってこれはまた酷いことになっているな……誰がこんなことやったんだ?」
小五郎「こいつのメッセージによるにはアカギが犯人らしい」
アミバ「だが今の奴はそんなキャラじゃない、ヒナギクと一緒にいることだし」
ラオウ「で、困っておる」

吉良「桂ヒナギクと一緒?馬鹿かお前ら、アカギはずっと鷲巣と組んで麻雀をやっているぞ、
証人もたくさんいる、才人とルイズ、ジグマールとJUDO、他結構の奴があいつらの麻雀を見てるぞ?
ああ、そうだ相手のパピヨンとこなたに確認を取るのが一番早いな。
あいつらすごいぞ、あいつらずっと東1局から国士無双を開幕聴牌してて、
まったく終わる様子が無い、今は東一局30本場ぐらいじゃなかったかな。」
その辺「な……なんだってええ!?!?!」
ジャギ「じゃあ……今ヒナギクと一緒にいるのは誰?!」

750全てのところで最後まで忘れられた人2/2:2008/12/13(土) 18:46:02 ID:.woS0G6o0
覚悟「色々省いて因果!」
アカギ?「うっ……!」
ヒナギク「えぇ!?いきなり何!?」
覚悟「ヒナギク殿、そいつは赤木殿ではない!!」
ヒナギク「えええ?それってどういう事!?!?」
覚悟「赤木殿は今麻雀をやっている……そこにいるのは赤木殿を名を勝手に名乗る悪鬼なり!!」

アカギ?「クックック…………こうなってしまってはしょうがないわね……」
覚悟「貴様!何者だ!?」
小五郎「そうだ!何者だ!!」
アカギ?「フフ……私の正体は…………」
一同「お……お前は!?!?!?!?!??!?」

ア レ キ サ ン ド リ ア ・ パ ワ ー ド ! ! ! ? ? ?

小五郎「お前……死んだのか?」
ヅラ「生き残ったような描写はあったが……」
アレク「生き残った?死んだ?そんなのどうでもいいのよ!!
何よあれ!!支援の時は特に誰も私に触れず、感想にも名前が出てこない!!
毒吐きでも『あれ?アレクはどうなったんだっけ?』の一つの話も出てこない。
挙句の果てに死者スレでも会話に出てこない!!パピヨンはすぐあの子の元に行っちゃうし!!」

小五郎「いや、でも死んでないし、ね?そういう意味では……」
アレク「だからそんなことはどうでも言いの!!だから私はね……あんな活躍したアカギが許せなかった…
死者追悼米をたくさん貰っているあいつが許せなかった……!!
だから私はあいつに変装したわ!?そして見てこの結果を!!毒吐きでは、
アカギがおかしいと馬鹿にされて、クロススレでは『スイーツ(笑)』
が登場した!、完璧よ!?『死者スレだからあんなアカギでもまあ許せるかな』
と思った人も何人、何十人もいた!!これは愉快……愉快よ……!
これによって漫画ロワアカギの名声は地に落ちた!!アハハハハ……アハハハハハハハハハ……
アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ……」
ジャギ「やべえ、これはやべえ。」
小五郎「完全に壊れてやる……」
ラオウ「いいから奴を止めるぞ」


ヒナギク「………………………………」
覚悟「ヒナギクさん……」
ヒナギク「………………ねえ、覚悟くん?」
覚悟「はい、ヒナギクさん、なんですか?」
ヒナギク「一緒に遊園地回りましょ?」
覚悟「………!ハイ!!」

ちなみに本物のアカギは鷲巣と一緒に麻雀をしています。
(もちろんラブラブで、それにしっとするJUDOも近くにいたり。)

751強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 19:24:08 ID:m5K4Fge20
……すまん
本当にまるっきりアレキサンドリアのこと忘れてた。
パピヨンの呼びかけに返事が返ってこなかったから
1.死んだ。2.元の世界へ帰った、のどっちかだろう。
まあ、1だろうが。


あと覚悟よ、羽目を外すのはほどほどにな。
『暴力は極力さけるもの、恋は極力胸に秘めるもの』を忘れるな。

752強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 19:34:05 ID:TjTPMAVY0
ごめんねアレクさん
原作知ってるから、本編通りに限界が来て死んじゃったんだと思い込んでたんだw

753強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 19:55:29 ID:uTSSKJewO
>749
ちょwwアカギ才能発揮する間もねえww
麻雀じゃなくてクジ引きじゃねーかwww

754強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 20:25:32 ID:xVVJAb4I0
アレキサンドリアwwww
吹いたwww

755強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 20:39:29 ID:FCmlbS/E0
アカギ問題も解決し、その頃の結婚式場建設現場はというと。

カズマ「ふぅ……そろそろ、腹減ってきちまったな」
ジャギ「確かに力仕事だもんな……よし、ここらで休憩といくか」
刃牙「ああ……それで、昼食の方はどうする?
マリアさんやシエスタさん辺りに頼んで作ってもらうか、適当に何か買ってくるか……」
独歩「いっその事、俺達で作るかだな」
新八「そうですね……いつもマリアさん達に頼りっぱなしですし、たまには僕達でやりましょうか」
ラオウ「うむ」

というわけで、建設現場メンバーでクッキングスタート。

新八「ちょっとカズマさん、味噌入れるタイミングが早すぎますよ!
まだ出し汁取ってないじゃないですか!!」
カズマ「んなこといったって、味噌汁なんて作ったことねぇから分からねぇよ!」
ラオウ「ムゥ……力の加減が難しいものだな」
新八「ラオウさん、何まな板ごと材料ぶった切ってんの!?
あんた力強すぎるから!!」
アンデルセン「AAAAAAAMEEENNNN!!!
我こそは神の代理人、神罰の地上代行者なりぃぃぃぃ!!」
新八「アンデルセンさん、魚さばくのに銃剣使わないでください!
てか、あんたが今やってるのは魚とかの『捌く』じゃなくて裁判とかの『裁く』だから!!」

独歩「……考えてみりゃ、このメンバーでまともに飯作れる奴って殆どいなかったな」
刃牙「そうですね……一応俺は一人暮らしだから、それなりに作れますが」
ジャギ「俺は>>728でも言ったけど、ここで料理教え込まれたし」
独歩「俺もまあ、よく家を空けるからそれぐらいはできるぜ?」
ジャギ「ってことは、後は花山だけだが……あいつも確か、果物潰してジュース造ったりは出来てたよな?」
刃牙「ああ……ん?
でも確か、今花山さんが作ってるのって……」

花山「握り飯、人数分出来たぜ」
新八「あ、分かりました。
そこに置いといてもらえますか?」
花山「ああ……味の方、一応見てもらえるか?
こういうのは普段やらねぇんでな」
新八「ええ、いいですよ。
まあおにぎりは作るのも簡単ですし、味の方は問題ないと思いますけどね」


ガキッ


新八「アガァッ!?
歯、歯が欠けたぁぁぁぁぁぁ!!!!???
何これ、おにぎり!?
物凄い硬いんですけど!?」
花山「……悪ぃ、力を入れすぎちまったようだ」
独歩「あー……そりゃそうなるよなぁ」

【式場建設現場 花山の握り飯により新八の歯を一本破壊確認】

756強化外骨格「名無し」:2008/12/13(土) 21:05:44 ID:kSyfzDjwO
花山に一番やらせたら駄目だろその作業w

757アレク事件の裏話とその後の話:2008/12/14(日) 13:08:09 ID:Yz4jJcVY0
アレク「ああ愉快、ああ楽しい」
白金「あれ?戻ってきてたの」
アレク「ええ、あなたの作ってくれたルリヲヘッド搭載のアカギボディの
    おかげで作戦は大成功よ!おーほっほっほ」
白金「しろがね-Oの機能やBADANの技術などを合わせて作ったんだよん」
灰原「つまりアカギ-Oなのよ」
アレク(誰に対しての説明なのかしら?)
白金「そだ、頼まれてた君の生前の体に似せて作った体ができたよ」
アレク「本当ですか。それでは合体!!」

白金「・・・さて、新しいボディになったし。で、お代はいかほどいただけるんで?」
アレク「えっお金取るのですか!?」
白金「もちろん!お金が払えないなら体で払ってもらおうか」
アレク「ダメよ私には夫と娘がいるのよ!?あっ、でもどうしてもというのなら、ああっでも」
白金「いやいや、何を勘違いをしているか知らないけどやって欲しいのは結婚式の道具作りの手伝いだから」
アレク「へっっえっ、そうなのですか?」
白金 「だからあっちにいる伊藤博士の手伝いよろしくね〜〜〜」

伊藤博士「ああ。もう何日寝てないだろう」

アレク「これが報いというものかしら」

758強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:48:29 ID:IgSuhDnU0
注意:こちらは今までの死者スレの流れとはパラレルな
   その場での思いつきでございます。その点を考慮に入れ
   生暖かい目で見守ってください、是非っ

759強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:49:03 ID:IgSuhDnU0
才人を巡り争う三人の女(?)。だがその戦力差は歴然としていた。
例え虚無の魔法を操れようと、葉隠散と戦うなぞ夢の又夢。
ましてや一介の学園メイドにどうこう出来るような相手ではなかったのだ。
それでも健気に立ち向かうルイズ、シエスタ。
散はそんな二人の勇気を好ましく思うも「それとこれとは話が別なり!」と容赦する気も無いらしい。
しかしルイズには、会場にて共に戦った戦友が居たのだ。
「そこまでです兄上!」
声高らかに葉隠覚悟が現れると、ルイズは飛びあがって喜ぶ。
「カクゴ! 来てくれたのね!」
「もちろんだ。君の危機と聞いて黙ってはおれぬ」
「そうよね! カクゴは正義の味方だもの!」
当然というべきか、そんなやりとりを見ていた才人は面白く無い。
あからさまにわかる程不機嫌そうに覚悟とルイズを睨みつけるが、ルイズはその視線の意味に気付かない。
「サイトもぼーっとしてないでカクゴの応援しなさいよ!」
むっすーとした顔でそっぽを向いてしまう才人。
「……何で俺がそんな奴応援しなきゃなんねえんだよ」
才人の言葉を聞くなり、同じぐらい機嫌が悪くなるルイズ。
「何よそれ! アンタは知らないでしょうけど、カクゴはものすごーーーーーーーく強いのよ! あんな男女敵じゃないわ!」
「ああ、そうですかー。だったらそいつに守ってもらったらいかがでしょうかねぇ」
大人げの欠片も見られない才人。
ルイズは才人の反応が心底納得いかず、全身で反論する。
「何よ何よ何よーーーーー!! せっかくカクゴが私達の事守ってくれてるっていうのにそんな態度って無いでしょ!」
不穏になってきた二人の雲行きに、シエスタは当然傍観(この流れは本気ケンカに発展すると見た為)
散は散で久しぶりの覚悟との対戦に胸躍らせており、無視である。
「だからそいつに守ってもらえって言ってんだ…………って私達?」
「そうよ! カクゴは私の味方なんだから、私達の邪魔者みーんな蹴散らしてくれるわよ! 才人は嬉しくないの!?」
「え? 何それ、覚悟さん俺達の仲応援してくれてんの?」
「あったり前じゃない! 何たってカクゴは正義の味方なんだから!」

「覚悟、今お主の雰囲気変わらなかったか?」
「変わっておりません」
「いや、こう付近一帯が凍りついたかのようなそんな気配が……」
ずいっと散の前に顔を突き出す。
「変わっておりません」
常に無い程の迫力に、散もそれ以上の追求を諦める。

760強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:49:37 ID:IgSuhDnU0

形勢不利と悟ったシエスタ。
即座に次なる策を講じ始める。
「え? でもミスヴァリエールは覚悟さんと随分仲がおよろしいとお聞きしましたが
 ……そういった男女の仲と誤解されてもしかたないぐらい」
「何言ってんのよバカメイド! カクゴと私はそんなんじゃないわよ! もっとこう違う……そう戦友よ!
 勇気ある戦士と貴族には合い通じる物があるのよ! 貴方みたいな庶民にはわからないでしょうけどね!」

どしゅっ

「えーでも聞いた話だとげーむせんたーとか言う所でデートしたとか……」
「あれは! …………あれは……」
見るからに落ち込むルイズ。
「私が……わがまま言っちゃって……あの時は本当にカクゴに悪い事したと思ってる……でもっ! カクゴは紳士だったわよ!
 好きとかそういうのじゃなくって、紳士として対応してくれたわ! そんなあの人の誠意を疑うなんて本気で怒るわよ!」

どしゅどしゅっ

「じゃあ、最期の呼びかけを覚悟さんにしたのはどういう意味なんでしょうかー」
「もちろん! 頼れる戦友に全てを託したのよ! カクゴはそれに応えられるだけの力を持った人よ!」

どしゅどしゅどしゅっ

哀れみすら篭った目で覚悟を見やる散。
「……覚悟、顔色一つ変えないのは見事と言ってやるが……色々と突き刺さって見えるのは私の気のせいか」
「気遣い無用に願います」
そこで今まで無言であった零が口を挟む。
『覚悟よ……あのような落ち着きもなく、騒がしいだけのこじんまりした少女ではとてもお主の相手は務まらぬ。
 やはりここは我等が勧める婦女子の鏡、かがみを嫁とするのはどうか』
「零まで何を言い出すか!?」
『まあ聞け。今はまだ村雨もその気になっておらぬ。男女の仲というのは不可思議なものよ。
 形を先に整えてしまえば、自然と実態もそれに伴って来よう。だからこそ村雨に先んじてだな……』



離れた所で、村雨とかがみの二人が様子を見ている。
「呼んでるわよ村雨さん」
「……むしろ話の主体はかがみだと思うんだが……」
「あんな当て馬みたいな言い方されて、どうやって顔出せって言うのよ」
「それもそうだが……しかし、覚悟も大変だな」
「あーごめん。私この件に関してはヒナギクの味方だから、覚悟君に同情なんてしてあげないわよ」
「かがみまで敵に回ったら覚悟の奴、本気で追い詰められると思うんだが……」
「女の子振るなんて真似した男は、須らく痛い目を見るものなのよ」
「…………肝に銘じておく」

761強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:51:21 ID:IgSuhDnU0


「いい加減にしろ零! それにルイズさんを指して騒がしいだけの人とは何たる侮辱か!?
 あれだけの勇気と優しさ、そして強さを兼ね備えた人そうはおらぬぞ!」
ムキになる覚悟。
しかし零も散も既にそういう目で見ていたので、その言葉に何ら説得力を感じない。
助け舟を出してきたのは江戸川コナンであった。
「ルイズさんへの評価って話なら、それ俺も同意するぜ」
「コナン殿?」
「俺も……ルイズさんに助けられた口だからな。腕が立つとか実力があるとか、そういうんじゃなくて、
 本当の意味でルイズさんは尊敬出来る、素晴らしい人だと俺も思う」
コナンの言葉に服部が茶々を入れる。
「ほーほー、それはお前の幼馴染よりもか?」
「バーローそういうんじゃねえよ。俺はただ……俺も、ルイズさんみたいに強くなれたらな……って思ってるだけだ」
そこに劉鳳とアミバも加わる。
「服部、そのぐらいにしておけ。お前もルイズの正義と頑張りは良く知っているだろう」
「あの反逆は見習いたいぐらいだった。誰かさんみたいにただ我を押し通すのではなく、
 最後のその瞬間まで、人を信じさせようと懸命になる姿には感動すら覚えたものだ」
劉鳳がじろっとアミバを睨む。
「誰かさんとは誰の事だ?」
「自覚はあるようだな劉鳳。お前のわがままで俺やブラボーや服部がどれ程苦労したか」
「わがまま? ……俺の耳がおかしくなったか? アミバ、貴様俺の正義をわがままとぬかしたように聞こえたが……」
「正常に機能しているようでありがたい、この場ではっきりと言わせてもらうが、いつもいつもお前は暴走しすぎ……」
二人揃って暴発する。そんなタイミングで服部が割って入る。
「ええ加減にせえ。ルイズも反応に困ってるやんか」
服部の言う通り、ルイズも才人も、褒められてるんだか何だかわからない顔をしている。
特にルイズが震えているように見えたので、二人は渋々矛先を納める。
「まあ何にしてもや、俺も覚悟はんの言う通りルイズは凄い奴や思うで。ここに居るみんながアンタの事尊敬してると思う」
ここだけは意見が一緒だと言わんばかりに大きく頷く劉鳳とアミバ。

ルイズは、きょとんとした顔で服部を見、続いて劉鳳、アミバ、コナン、覚悟と順に目をやる。
誰もが嘘偽りの感じられない、率直な敬意を示してくれていた。
「あ……うぅ……その……」
何かを答えなければならない気がして言葉を紡ごうとするも、うまく言葉になってくれない。
胸の内から湧き上がる感情を、うまく表現できない。
「お、おいルイズどうしたんだよ急に! どっか痛い所でもあるのか!?」
才人が心配そうにルイズの肩を掴む。
「ち、違うの……私、こんな風に……尊敬してるなんて言われた事無かったから……
 こんなにたくさんの人に、凄いなんて言ってもらった事……無かった…………から……」
堪らなくなったのか、才人の胸にしがみついて顔を埋める。
静かに聞こえてくる嗚咽の声に、皆は一様に静まり返る。
ルイズの持つコンプレックスを理解しているのは才人のみ。
一人納得顔である才人を見て、劉鳳とアミバは後は任せるとその場を立ち去る。



服部もその場を離れようとしていたのだが、不意に服の裾を引っ張られているのに気付き立ち止まる。
「タバサ? どないしたん?」
「ルイズ……そんなに凄かったの?」
二人が同郷である事を思い出した服部は、ルイズと才人の邪魔にならぬよう静かに語り始める。
「ああ、かっこよかったで。俺が工藤から聞いた話なんやけどな……」

762強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:51:58 ID:IgSuhDnU0

散はルイズの様子を見て踵を返す。
「今日の所は好きにさせてやろう」
「ありがとうございます兄上」
「あるべき場を乱すは王の所業にあらず。寛容の心も又統治には不可欠よ」
そう言い残し、何があろうと変わらないであろう超然とした態度で去っていった。
散を見送った後、覚悟は才人に目線のみでルイズを頼む旨を伝え、その場を後にする。
想いを胸の奥に仕舞い込む。そんな事をしていて、ふと気が付くと、
すぐ隣に、いつのまに来たのかヒナギクが並んで歩いていた。
「……いいの?」
二人の関係も一言では言い表せぬ間柄。
そんな関係と無縁ではない、覚悟のルイズへの対応を問われたのだ。
覚悟も真剣にそう問うたヒナギクの真意を汲み取る。
そして熟考を重ねた上、ゆっくりと語った。
「……これは、本来ヒナギクさんの前で語るべき言葉ではないのかもしれない。
 だが……それでも、伝えておいた方がいい、そうも思う」
ヒナギクはただ覚悟が語る言葉に耳を傾けるのみ。

「結ばれるばかりが恋にあらず。俺は、そう思っている……」

一度だけ振り返ると、その視線の先では、漸く顔を上げたルイズを才人がしどろもどろに慰めている。
「俺は、それでいいと思っている……」
二人の様子を見守るように微笑む覚悟。
ほんの一瞬だけそうしていて、すぐに視線をヒナギクへと戻すと、ヒナギクは何かを堪えているような様子で、
少し頬が赤らめながらじーっと覚悟の足元を見ていた。
「ヒナギクさん?」
「……ズルイ……」
「ん?」
「……何か、覚悟君かっこよすぎてズルイ……」
不意に顔を上げると、ヒナギクは何時ものヒナギクの顔をしていた。
いや、微妙に違うのだが、覚悟にはその差がわからない。
「ねえ、覚悟君。お願いがあるんだけど」
「ん? 私で出来る事なら構わないが」
「蹴っ飛ばすわね♪」
「は?」

ばこんっ!

「え? あの、ヒナギクさん? ……や、やはり私が何か……」
走って覚悟から距離を開けた後、ヒナギクは勢い良く振り返り、

「べーっだ!」

あかんべーをし、後ろも見ずに走り去ってしまった。
呆然とその場に立ち尽くす覚悟。
「零よ、やはり……まずかったか?」
『……最早お前にかける言葉なぞ無い。その程度で済ませてくれたヒナギクに感謝するがいい』



一部始終を見ていたかがみはぼそっと呟く。
「……あかんべーは無いと思うのよ。子供か……」
村雨は至極一般的な感想を述べる。
「小学生のケンカを思い出したな……」

763強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:52:57 ID:IgSuhDnU0


才人の慰めが功を奏したのか、ルイズも落ち着きを取り戻し出す。
散すら空気を読んだのだ、さしものシエスタもこれ以上は踏み込む事も出来ず、撤退を余儀なくされていた。
気付けば二人っきりになった空間。
妙に近づいている距離。
大慌てでルイズは才人から飛びのく。
「あ、あああああアンタ! 勘違いしないでよね! わ、わわわ私はべつに……」
素直でないルイズの反応が、ちょっと悔しかったのか才人はここで少しルイズをからかう事にした。
「別にー? 何ですかー? 二人っきりになるまでわんわん泣いてたのは誰でしたっけねー?」
しかしこの才人、大人げない。
「バッ! バカ言ってんじゃないわよ! どうして私が泣くのよ! そそそ、そんなのあるわけないじゃない!」
ぎゃーぎゃー騒ぎながらも、むしろ才人の言った「二人っきり」の方が気になって仕方が無い。
「それに二人っきりってどういう事よ! ほ、他のみんなはどうしたのよ!」
「空気読んでみんなどっか行っちまったよ……その、だからさ、ルイズ……」
ルイズの両肩に手を回す才人。
ルイズは混乱の極みである。
「えー!? そっ! ちょっと待って! えっと、その、あうあう……」

「……二人っきりじゃないんだけどな」

ぼそっと聞こえてきた声。
その主を探してルイズと才人の目線が下を向く。
ルイズの視線からすら外れるちんまい身長の持ち主、江戸川コナンがそこに居た。
「こ、ここここコナン! アンタ今の見てたの!?」
「何だよ子供かよ、お前ももうちょっと空気読めよなー」
物凄い不本意そうな顔になるコナン。
「俺だって居たか無かったよ……でもな、もう少ししたらここに……」

「ハヤテー! こっちだ! こっちならば人もおらぬし二人っきりになれるぞ!」
「はいはいお嬢様……マリアさんは銀時さん達に任せておけばいいかな……」
三千院ナギと綾崎ハヤテの主従コンビが近づいてきたいたのだ。

コナンはそう読んだからこの場に残ったのだが、その先を想像すると気分が滅入る。

ナギは嬉しそうに駆けていたのだが、目を付けていたこの場所に人が居ると知るなり急転直下、不機嫌の極みになる。
「……何だ、先客が居たのか。ふん、貴様等もう少し人間関係の機微を学んだらどうだ?」

ぴきっ

「いきなり現れた出歯亀が何か言ってるわね。今ならまだ許してあげるから無礼を詫びて立ち去りなさい」

ぴききっ

「やはり知性も教養も感じさせぬ下々の者に、高尚な立ち回りを要求したのが誤りであったか。
 もう少しわかりやすく言ってやろう。貴様等こそ消えうせろ」

びしーっ

「大貴族ヴァリエール家の人間に向かって良く吼えたわ。その無知蒙昧な蛮勇だけは褒めてあげる。
 いいわ、私も下賎な庶民に合わせてあげる。消えなさい、私の目の前から、今すぐに」

ばちばちばちばちっ

数分と経たずして火花飛び散るバトルフィールドと化す。
コナンはこれを止めるべくこの場に居たのだが、口を挟む間も無く、あっと言う間にここまでに陥るなぞ予想すら出来ない。
『相性悪いとは思ってたが……ここまでヒドイのかよ』
そもそもナギがここに来たいと言ったのを聞いて、確かここにはルイズ達が居たと思い出し、
嫌な予感がしたから先回りしたのだが、その後のあれやこれやで完全に後手に回ってしまった。

764強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:53:37 ID:IgSuhDnU0

「お嬢様、そのようなケンカ腰では……」
穏やかにナギを止めるハヤテ。
「ルイズ、お前それ言いすぎだって」
才人もルイズの口の悪さに閉口しつつ注意を促す。

「ハヤテは黙っていろ!」
「才人はすっこんでなさいよ!」

どちらも効果は無かったようだが。
ルイズはしかし、はたと思いついたように口を開く。
「……いえ、そうね。そちらにも貧相で使い物にならなそうだけど、一応従者が居るみたいだし、
 私の使い魔がどれだけ強いかわかれば、その生意気な口も二度と叩けなくなるわね」
「ほほう、その何処にでも居るような才気の欠片も感じぬ間抜け面と、私のハヤテを比べようというのか。
 面白い、言っておくがハヤテは何時如何なる時でも完璧で瀟洒な執事だぞ」

『お前都合の良い時だけ、人を使い魔扱いするよな……』
『お嬢様、この場には本家本元ザ・ワールド使いが居るのですからそのネタは……』

「という訳でやっちゃいなさいサイト!」
「こやつらにお前の力を見せ付けてやれハヤテ!」

そうは言われても二人共ロクに恨みも無い相手にケンカを売れるような人間でもない。
才人はあからさまに嫌そうな顔をしたままルイズに抗議する。
「何で俺がそんな事しなきゃなんないんだよ。そりゃ向こうの口も最悪だけどさ、
 ルイズだってすげえケンカ腰だったじゃん、その点お前きちっと謝れよ」
「何よそれ!? 貴方自分の主人が愚弄されてて腹が立たないの!?」
「そりゃ、確かにあの言い草は腹立つけどさ、お前だって凄い勢いで挑発し返してたじゃん」
「な、何よ! 才人は私の為に戦ってくれないの!? 私を守るって言ってくれたじゃない!」
無意味な挑発は才人も良くやるのだが、やったのが自分でないと、結構冷静になれるらしい。
方やハヤテも穏やかーにナギを言い含めようとしていた。
「お嬢様、どうかお気を静めて。筋肉番付してる方々じゃないんですから、
 何かあったら即ケンカというのはあまりに短絡すぎますよ」
「ハヤテ! そんな弱腰でどうする! 三千院の名を賭けて戦う勇士には、ハヤテこそが相応しいと私が選んだのだぞ!
 誇りにこそすれ、チキンに逃げ出す口上を述べるとは何事か!?」
「いやもう、チキンでもビーフでもいいですから。ケンカは良くありませんて」
「そ、そんなに私の為に戦うのが嫌だというのかハヤテ! あの日の約束は嘘だったというのかっ!」

激昂するルイズとナギであったが、才人もハヤテもそんなアホな理由でケンカなどしたくもない。
ちらっと見ただけだが、才人から見たハヤテは人の良さそうな優しい青年に見えたし、
ハヤテから見た才人も乱暴で粗雑な人間にはとても見えず、主人に謝罪を勧める強い態度などはむしろ好感が持てると感じていた。
そして遂にナギが業を煮やす。
「ふん! ならばもうハヤテなどには頼らん! 出ろっ! スパイスガール!!」
ナギの背後に幽鬼のごとく立ち上がる影、スタンドが現れる。
それを見たルイズも、才人の懐からディスクを一枚強引に抜き取り頭に差し込む。
「いいわよもうっ! 才人なんて知らないんだからっ! 出なさいっ! ハイエロファントグリーン!!」

完璧で瀟洒な執事と称された綾崎ハヤテは、二体のスタンドを見るなり即座に動く。
この二人、もう言葉では止まらない。
一度やりたいだけやりあわせなければ収まらないだろう。
となると今のハヤテがやるべき事は、二人のとばっちりを極力減らし、
それが原因で後で落ち込むだろうナギの負担を少しでも軽くする事。
「才人さん!」
声をかけ、才人を抱えるとその場から大きく跳んで距離を取る。
ハヤテの脚力に驚く才人だったが、武器を抜かねば普通の人間と変わらない才人は、この心遣いに素直に感謝の意を述べる。
「悪いハヤテ、助かるよ。しっかしルイズもだけどそっちの主人もエライ喧嘩っ早いのな」
「あ、あはははは……とにかく嵐が過ぎるまで避難してましょう」
「だな。スタンドの戦闘に巻き込まれるなんて冗談じゃねえよ」
着地すると才人は腰に刺していたバヨネットを抜く。
「借りっぱなしは癪だしな……」
同時にガンダールブの紋章が輝き、たったそれだけの挙動で才人の存在感が大きく増す。
「あのスタンドにはエメラルドスプラッシュって技がある。流れ弾は全部俺が弾き返してやるよ」
彼が守られるだけの存在ではないと察したハヤテは、その気持ちをありがたく受け取る事にした。
「あはっ、じゃあよろしくお願いしますね」
似たような環境に置かれた者同士、合い通じるものがある模様。

765強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:54:28 ID:IgSuhDnU0


一方面白く無いのはルイズとナギだ。
どちらも最後には何だかんだ言いつつ手助けしてもらえると思っていただけに、
従者同士が和気藹々としている様は、予想外であり、不愉快極まりなかった。
二人の不機嫌を現すかのごとく、二体のスタンドもその迫力とパワーを増していく。
もうそれスタンドの表情じゃねーよと言いたくなるようなびっきびきに引きつった顔をする、
ハイエロファントグリーンとスパイスガール。
その主たる二人も物凄い顔をしてるかと思いきや、二人は半泣きになりながら半ば俯いてしまっている。

「何よ……きっと助けてくれるって……そう、思ってたのに……今度こそサイトが助けてくれるって……」
「ひ、ヒドイのだ……ハヤテならきっと、私が戦うなら自分がって言ってくれると信じておったのに……」

ハイエロファントグリーンは、ああ八つ当たりだよ文句あるかといわんばかりの勢いでスパイスガールにガンを飛ばす。
方やスパイスガールも、何だこらヤんのかボケとハイエロファントグリーンの額に自らのそれを押し当てドスを効かせる。

そして綾崎ハヤテが瀟洒でも完璧でもない執事である証、
一人この場に取り残された江戸川コナンは、何かもういろんな物を諦めた気分でとりあえず絶対安全圏である、
両スタンドの足元にしゃがみこんでいる。パンチならここに居れば当たらんだろうという至極冷静な読みだ。
とりあえずスタンドで発散した後、おそらく本体同士の殴り合いに発展すると読んだコナンは、
ルイズには借りもある事だし、出来るだけ近くに居てこれを防ごうと考えていた。



「サイトの……」
「ハヤテの……」



『バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
 バカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!』


「うるせーーーーーーーーーーーっ!!」

まさかスタンドに殴らせる時に絶叫するとは思いも寄らなかったコナンは、
自らの推理がまだまだ完璧とは程遠いと身に染みて理解したのであった。
しかしリスクを負った分は確実なリターンが望める。
スタンドで全力を出し切った二人相手でこの間合いならば、
体力の劣るコナンでも一撃の犠牲も出さず止められると思われるからだ。
女の顔に傷でも残っちゃ大変だからな、そんなフェミニストでかっこつけしー発想が、
とんでもない墓穴を掘る事に彼はまだ気付いていない。

766強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:55:02 ID:IgSuhDnU0

お互いの拳はそれぞれの拳打を相打ちにより無効化し、遂に最後の一打を残すのみとなる。
この一撃に両者共全てのスタンドパワーを篭めまくる。
そんな一撃、必殺のクロスカウンターは、しかし放ちきる事が出来ず未然に防がれてしまった。
コナンの背後にぬっとそびえ立つその者は、両手を伸ばし、両者の拳を真横から掴むという離れ業をやってのけたのだ。

「全く、こんな所でバカ騒ぎとはお里が知れるアル。すぐに暴力に訴えるなんて文明人のやる事じゃないネ。
 お前等どっちも原始時代から進化やりなおしてくるアル」

首だけを上に向け、コナンが背後の人物を確認する。
そこには酢昆布をくわえた万屋の(自称)ヒロイン神楽が居た。



『……嘘だろ……いや一応助けに来てくれたんだろうけどよ……
 いやいやいや、ちょっと待てよ。これどう考えても俺詰んでねえか?』
コナンの思考は三人の声によって強引に断ち切られる。

「ア、アナタ! あの時の生意気な女ね!」
「相変わらず礼儀のなってない小娘ね。そのキンキン声どうにかしろって言っておいたアルヨ。それに……」
今度はナギの方を向きわざとらしく見下ろす。
「チビがデカイ口叩くもんじゃないネ。育つ所きっちり育ててから出直すアル。
 もちろんそこのバカピンクみたいな惨めな成長じゃない、私みたいな御淑やかレディとしての成長をアルヨ」
あっと言う間に敵対関係を築けるのは、最早才能なのでは無かろうか。
コナンのそんな場違いな感心を他所に、状況は更に悪化する。
「ふん、淑女を語りたいんなら、貧相な身なりと貧乏くさい顔を何とかしてからにする事ね」
「貧すれば窮するを体現したかのような貧乏小娘が偉そうな口を叩くな」
大貴族と超金持ちの二人である。
経済的余裕から生まれる育ちの良さ、そしてそうでない者を見分ける能力は高い。
一瞬で神楽の生活事情を察するなり、最も効果的と思われる侮蔑の言葉を並べ立てる。
というか、こんな事金持ってる奴に言われたら誰だってキレる。
「お、お金が全てみたいな価値観のお前等に心の美しさを語る資格はないアルッ!!」
「お金? そんなのどうとでもなる物じゃない。そもそもその程度の物に左右されるような生活なんてしてないわよ」
「貧乏人はすぐにその理屈に逃げたがる。金も無ければ捻りを加える知性も無いとは、救いようが無いな貴様」
そろーっとこの場から逃げようとするコナンだったが、どんっと神楽に押し出される。
「コナンはそこで聞いてるネ! 金を持つと人間がどれだけ腐るか私がたっぷり教えてやるネ!」
よろめくコナンはそのままルイズの脇を通り過ぎようとするも、やはりルイズに突き飛ばされる。
「コナン! 貴方は私の味方よね!? こいつらが如何に無礼か今から私が教えてあげるわ!」
ふらふらとよろめく先にはナギが居た。当然のごとく押し返される。
「おお! 貴様はコナンか! ちょうど良い、この場で誰が一番なのかお前が判定するのだ!」

「……やっぱり逃げらんねーか……」

コナンの呟きを他所に、三人の猛烈な舌戦が始る。
筆舌に尽くしがたい、かん高い声がサラウンド放送できんきん響いてくる正にこの世の地獄だ。
そしてコナンの高い能力はこんな時も無駄に発揮され、三人の話す内容をその脳に拾ってしまう。
三人共、他人を口で虐げる能力に長けている。
というかドが付くSだ。やめてくれ、そんなの同士が本気全力で罵りあうなんて聞くに堪えない。

てめー服部! そっちで笑い転げてねーで助けろ! 灰原も呆れた顔して見てねーで何とかしてくれよっ!!

767強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:55:51 ID:IgSuhDnU0



「あの才人さん、三人の真ん中に誰か居るように見えるのですが……」
「ああ、居るな……不幸な奴だ。おお恐い、ルイズが三人に増えた挙句、
 その真ん中でよってたかって責め立てられるとか想像するだけで身震いするぜ」
「助けなくていいのかなー、なんて……」
「何だよ、ハヤテはあの中に首突っ込む勇気あんのか? 言っておくけど俺は無いっ!」
「ガンバレー、時期に疲れて飽きるでしょうからそれまでの辛抱ですよー」
「……せめてアイツに聞こえるような声で言ってやれよ」
「いや、それで巻き込まれたら嫌ですし」
才人とハヤテは真顔で見つめ合った後、お互いに爽やか満点スマイルを交わすのだった。



灰原哀は手に持った紙をじーっと見つめていた。
すぐ側で未だに服部平次は笑い転げている。
ふと、灰原のそれに興味を持ったのか、タバサがそちらに視線を向けた。
「ああこれ? 何でもお蔵入りになった支給品らしいんだけど……」
タバサは灰原からそれを受け取り同じくじーっと見てみるが、あまり良い気配は感じなかった。
「……破り捨てるべき」
「そうね。名前からして怪しげだしこういうものは……」
突然服部が首を突っ込んでくる。
「何や何やー。おもろいもんでもあるんかー?」
ひょいっと紙を取り上げると、そこに書いてある文字を読む。

『 呪いのヒナ人形 
  効果:周辺で一番運の無い人間に恐るべき呪いがかかる
  注意:出てきた人形の首をもいではいけません
     いいか、やるなよ、絶対やるなよ、それだけはやっちゃダメだからな』

「よしっ」
あっと言う間に開封した挙句、出てきた人形の首をもぐ服部。
「ちょ、ちょっと服部君貴方!?」
「……しーらない」
二人の抗議の視線にも服部は臆する所もない。
「芸人なめんな! こないな挑発受けて黙ってられるかい!」
「探偵業はどうしたのよ」
「……運の無い人間……」
タバサはおそらくアイツ以外おるまいと思われる人物に目を遣る。
まだまだ地獄は真っ盛り、そろそろ真っ白に燃えつきかけている江戸川コナン君だ。
何やら洗脳され初めている気配すら感じられる。あな恐ろしや。
「……何も起きんで……ってどわっ!」
服部の手元から光が真上へと飛びあがる。
輝きは、上空数メートルの位置でうろうろと飛びまわっている。
「あれが呪いなん?」
「知らないわよ……動いたわっ!」
しばし迷走した後、一直線に目標目掛けてかっとんで行く。
「…………?」
光は、コナンの方には飛んでいかなかったのだ。

768強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:56:33 ID:IgSuhDnU0


同世代であり、かつ元の世界の話が出来る相手というのは、才人にとってありがたい相手であった。
元々ハヤテは少々暴走気味だが、他人に配慮したり気を使ったりする事に抵抗を感じない人間だ。
だから才人が嬉々として語る、元の世界と今まで居た自分の世界の差の話題も自然に受け入れたし、
それを楽しんで聞くだけの度量も持ち合わせていた。
「いやー、ハヤテって話せるなー!」
才人はハヤテとの会話に大層ご満悦。
そして対するハヤテも、同世代の男の子との接点が少なかった事からも、この会話を充分に楽しんでいた。
「こちらこそ面白い話ばかり聞かせてもらっちゃって、話だけでこんなに楽しいのは久しぶりです」
主人同士はさておき、従者同士の相性はすこぶる良好である。
「でさ……」
次なる話題を才人が振ろうとした時、それは突然起こった。



ハヤテの体がふわっと浮き上がったかと思うと、光と闇のグラディエーションがハヤテを包む。
ゆっくりと一回転した後、燕尾服の上がぱっと弾けて消える。
続いてズボン、シャツが光と共に飛び散る。
同時に周囲を花弁の帯がくるくると回る。
遂に最後の下着(BVD)も消え、あられもない姿を晒しながら、
ハヤテは優雅に背を反り、片腕を胸元に残りを天に向け突き出す。
花弁はまずすらっと伸びた清潔な足全体を包み、黒のタイツへと姿を変える。
更に全身を覆うレオタード、光沢を放つそれを半回転程魅せた後、順にだぶっとした上着、スカート、靴と姿を変え、
背後の大きなリボン、この時ハヤテは後ろを振り返って軽くウィンク。
真上に顔を向け、両手を天に伸ばして全身で伸び上がる。
ここで各種のフリルが添えられ、着地と同時に両手足を付き、才人の方を向き上目遣いににこっと微笑む。
締めのうさ耳が頭にちょこんと乗っかり、変身は完了した。



「……………………」
「……………………」

無言の間、ほんの僅かな間であったが、才人はその間に様々な思考を展開していた。

これ俺どんなリアクション期待されてんだ?
いやさハヤテ凄い良い奴だと思うよ、これは本気でそう思うんだぜ。
でもさ、いやいやいやいや、これは無いって。無しだよ、勘弁してくれよ。
趣味? いや確かにスカロン店長みたいな趣味……ってあの人の趣味だっけか?
あーもうそれはどうでもいい! それよりも問題の点だ!
正直に言って、ドンが付く程引いてるよ俺。
でもさ、それでもフォローさせてもらえるんなら、すげー似合ってると思うんだ。
元々女顔なのか? というかむしろこっちが基本形なんじゃないのかっつーぐらい。
そうだよ、ルイズと比べりゃ胸の小ささもまーあんなもんだろーとか思えるし、
何より一つ一つの仕草っていうの? それがもー俺どうにかなりそーなぐらい可愛いって。

じゃなくって!

と、ともかくだ。俺は何かを言ってやらなきゃならない気がする!
そうでないとハヤテが救われないというか、せっかくこんなに頑張ったのに、俺無視かよとかひどいじゃん。
よ、よよよよよしっ! 言うぞ! ハヤテのハートに抉りこむような一撃を!

「……BGMとか……さ、俺歌った方が良かったか?」

「うわああああああああ!! 見ないで下さあああああああああい!!」

あっと言う間に走り去ってしまった。
何故か少しほっとした。
「……やっぱりアレ恥ずかしいんだ」
恥じらい臆面も無く感想聞かれたらどうしようかと悩んでいたのは、
ハヤテには秘密にしておこうと心に決める才人であった。

769強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:57:07 ID:IgSuhDnU0
以上っ! 本編で出来なかったネタをつなぎ合わせただけのものっ!
オチなんてないーさー!

770強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 21:15:21 ID:Tpcx1Kio0
なんつー小ネタ集wwww

771強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 22:45:16 ID:cNxJv.8A0
こなた「という映画を作って見たんだけど?」
ハヤテ「どうしてコナンさんじゃなくて僕に呪いがかかるんですか!?」
劉鳳「俺の正義がわがままとはどういうことだ!!」
神楽「私の出番が少ない上になんであんなボロカス言われなきゃいけないアルか」
コナン「あー、くそっ耳と頭がズキズキしやがる」
覚悟「あの後ヒナギクさんが喋ってくれないのですが・・」
ルイズ「サイトとのラブシーンがあるっていったわよね〜」
シエスタ「私なんかほぼ空気じゃないですか!!」
こなた「あれれ〜、もしかしてみんな怒ってる?」
一同『当たり前だ』
こなた「やばっっ、パピヨ〜ン」
パピヨン「天が呼ぶ・地が呼ぶ・こなたが呼ぶ・といわけで俺参上」
こなた「私を連れて逃げて」
パピヨン「お安いご用だ」
ナギ「あ、空を飛んで逃げたぞ」
こなた「はっはっはっぁ〜、さらばだ無能な警察諸君!!なんてね」

ルイズ「エクスプロージョンっ、も〜なんで当たらないのよ!?」
ハヤテ「すごいですね幸運補正って、平山さんならフルボッコの事態なのに」

772強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 22:50:24 ID:zjNma8vsO
爆笑した!そして感動した!GJ!!!

773強化外骨格「名無し」:2008/12/17(水) 17:34:03 ID:xCJdDltI0
覚悟「最早!中途半端な愛情、劣情は無用!!!俺を憎んでくれヒナギクさん!!!!」


ナルミ「…という夢を見たんだが」
白金「そんな顔でボクを見るなよ〜ん」

774強化外骨格「名無し」:2008/12/17(水) 18:16:57 ID:OdIsYvFc0
>>768
カズキ「ハ、ハーマイオニー……はっ!? い、いかんいかん!! 俺には斗貴子さんが……っていうか、そもそもハヤテくんは男で……」
ナギ「ばっ! カズキ! そういうことは口に出すな!!」
TQN「綾崎……ハヤテェェェェェェ!! 臓物をぶちまけろおおおおおおおおおぉぉぉぉおおぉぉぉ!!!」
ブラボー「いかん……久々に暴走してしまったぞ」
才人「……じゃあな、ハヤテ。お前のことは忘れないぜ!」
承太郎「やれやれだぜ……」


ギャー!? ツムラサンヤメテクダサーイ!!
ドゥマッテブティマケルォォォォォォォ!!
アッー!!

775強化外骨格「名無し」:2008/12/20(土) 00:21:38 ID:FZXPeMRc0
キュルケ「ハーイみんな、料理は完成したかしら」
つかさ「なんで料理を作らせられたのかなー?」
キュルケ「今から各々で作った料理を好きな男性にあげてきてね!」
こなた「手作り料理で彼のハートをゲットってわけだね」
キュルケ「そうよ!というわけでレッツラゴーよ」

セラス「そんなわけでどうぞ」
平山「モグモグなかなかおいしいすっね」
セラス「いや、これでも子供の頃から作ってますから」
平山「へえーそうなんだ」
セラス「両親が殺されてからはずっと自分でやってましたよ」
平山(・・・・・・重いな)

つかさ「どう、バルサミコ酢入りパスタ?」
川田「いつ食べてもつかささんの料理はおいしいぜ」
つかさ「えへへーそういってもらえると嬉しいな」

こなたパ「どうだいパピヨン」
パピヨン「旨い・・・が、ここは失敗して萌えを演出するのが王道だろう」
こなた「わかってるね〜パピヨン!でもそれはかがみん達が天然でやるだろうからね
    私はおいしさを追求してみたんだよ」
「まあいいさ、所で定番のアレををやってみないか」
こなた「そうだね、じゃあパピヨンあーん」
パピヨン「あーん」

かがみ「私は料理がうまくないからおいしくないでしょ?」
村雨「いや、うまいさ」
かがみ「そ、そう///」
村雨「ああ俺が記憶を失っていた時に食べていた物にくらべれば大分ましだ」
かがみ「なんか納得いかねえ!!!!」

ヒナギク「覚悟くんどうかしら私の料理わ!」
覚悟「とても美味だと思います。ヒナギクさんの料理」
ヒナギク「ふふん、当然よ」
覚悟「次は俺がヒナギクさんに料理をふるまいましょう」
ヒナギク「楽しみにしてるわよ」

シエスタ「どうですサイトさん」
散  「散の料理は盛りつけまで美しいだろう」
才人「どっちの料理もおいしいよ」
ルイズ「次は私の番ね!ナギとの合作料理よ」
ナギ「ハヤテも一緒に食べるのだ」
ハヤテ「それじゃあたべましょうか」
才人「・・・おう」(黒い!料理が全部黒い!!)
パクッッモグモグゴクン
才人  ルイズの爆発×10倍の痛み
ハヤテ ナギのおかゆ×30倍の痛み
才人(無理、絶対無理!!)
ハヤテ(でも食べないとお嬢様達が悲しむ)
才人・ハヤテ(どうすれば!?)

ヒナギク「どうしたの覚悟くん?」
覚悟「友が・・友が助けを求めている」
ヒナギク「・・・行くのね」
覚悟「ああゆく、そうだヒナギクさん」
ヒナギク「何?」
覚悟「戻ったら大事なはなしがあるんだ」
ヒナギク「わかった。待ってる!」
覚悟「ありがとう、いってくる」
ヒナギク「いってらしゃい」

覚悟「ルイズさん、俺も少し食べさしてくれないか」
ルイズ「いいわよ、たくさんあるしね」
ナギ「ふむ、いいだろう」

才人ヒソヒソ「いいのか覚悟?」
覚悟ヒソヒソ「この身を誰かの笑顔のために役立てたいんだ」
ハヤテヒソヒソ「それでは一緒に」
パクッッモグモグゴクン
覚悟  螺旋×5倍の痛み
ルイズ「あっ、お茶もあるからのんでね」
才人「これもか」
ハヤテ「黒いですがコーヒーですか?」
ナギ「緑茶だぞ?」
覚悟「・・・いただきます」
ごくごく
覚悟  JUD戦のダメージ×2倍の痛み
才人  七万の兵との戦いのダメージ×2倍の痛み
ハヤテ  ラオウ戦のダメージ×10倍の痛み
ハヤテ「美味しかったですよお嬢様♪」
才人 「うまかったよルイズ」
覚悟「ご馳走様でした、お二人とも」
ナギ「それでは器を洗いにいってくる///」
ルイズ「じゃあいってくるわね///」
タッタッタッタッタッタッ
三人「・・・いったか、なん・とかもったな俺達のからだ」バタッ

776強化外骨格「名無し」:2008/12/20(土) 18:07:59 ID:so6VwPHM0
殺人料理の完成www

777強化外骨格「名無し」:2008/12/20(土) 21:14:39 ID:BSpy4jXo0
前から疑問だったんだけど、なんで平山とセラスがカップルになってんだろう……
この二人、どっかに接点とかあったっけ?

778強化外骨格「名無し」:2008/12/20(土) 22:29:38 ID:TQQ95YR60
確か二人とも初期で死んで、この板で交流重ねていく内に
良い仲に…って流れだったような

779強化外骨格「名無し」:2008/12/20(土) 23:00:54 ID:6Ml3t2u60
正確に言うなら
毒吐きでセラスと平山のコンビ見たかったなー

当時あまり死者スレは人気薄い

じゃあ仲良くしちまえ、人も少ないし

と言うわけで平山&セラスを書きまくる

え?あれ?なんか公認になっちゃった。

そして死者スレを書きまくるようになった俺

780強化外骨格「名無し」:2008/12/21(日) 17:36:53 ID:Phe6gMx2O
コナン「……なあ服部、灰原。
今更なんだがよ……あれ使ったらやっぱりやばいか?」
服部「迷うとこやなぁ……
でも、小五郎のおっちゃんがおるしまずいんちゃうか?」
灰原「それに、薬の効果だって不安定なのよ?
あなたの体がどうなるか分からないわ」
コナン「う〜ん……そろそろ元の体に戻りたいんだけどな」
本郷「どうしたんだ、三人集まって相談なんかして?」
コナン「あ、本郷さん……服部、灰原。
本郷さんなら話しても大丈夫だよな?」
服部「そりゃ大丈夫やろ、ここで一番信用出来る人の一人なんやし」


本郷「……つまり、君は元の高校生の体に戻りたいが、薬の効果が不安定なことや小五郎さんのことがあるから、悩んでいるというわけか」
コナン「ええ……前は母さん達にも協力してもらえたからおっちゃんを誤魔化せたけど、ここは人数が限定されてますからそうはいきませんし」
灰原「それに、私の薬も完璧とは言えない。
生命の水や核鉄のデータも参考にはしてみたんだけど、正直うまくいくかどうかは保証できないわ」
本郷「なるほど……これは厄介な問題だな。
なんとかしたいのは山々なんだが……」

【コナン そろそろ工藤新一に戻りたくなってきた】

781らき☆すた ありえたこんな日常:2008/12/22(月) 23:25:05 ID:ylXpVM460
 その日――
 稜梅学園高等部2年E組のホームルームは、いつになくざわめていた。
 その理由は。

「この二人が今日から一緒にこの学園で学ぶことになった、
桂ヒナギクさんと、柊つかささんだ。みな、仲良くな」
「――よろしくお願いします」

 教師の紹介に合わせて二人のが頭を下げる。
 一瞬遅れて、クラスに歓声が満ちた。
 当然というべきか、クラスの男女を問わず、まず好意的な視線を向けるのは、
 鮮やかな赤い髪と白皙の横顔、そして凛とした佇まいをもつ桂ヒナギクである。
 大方の男子はヒナギクの圧倒的な美貌に、高嶺の花だなぁとさっさと心の中で白旗を揚げつつも、
 あわよくばお友達くらいにはと未練をすてきれず、多少なりとも自分に自信があるものは、
 意味もなく髪を整え始める。
 翻って女の子達はといえば、これは男と違って多少複雑であった。
 意味もなく嫉妬する者、頭はどんなんだと値踏みする者、もしくはそれ混淆と誠に雑多であった。
 とはいえ、性別問わず、人は美形に弱い。
 あんな子と友達になりたいなあと素直に思う者が大半であった。
 
 そして、ひとしきりヒナギクに視線を向けた者たちが思い出したように視線を向けるのが、
 桂ヒナギクの隣の女の子―柊つかさ、であった。
 つかさに視線を向けた者の目に浮かびあがる感情の色は、大半が「安心」であった。
 つかさの穏やかで優しそうな雰囲気は、見る者に「この子とはうまくやれるだろう」
「クラスの和を乱したりする子ではない」という安心感を抱かせるには十分だった。
 
 ともあれ、色々な感情を抱かれたにせよ、
 二人の少女は概ね好意的にクラスにむかえられたのであった。

 蛇足ではあるが、ほぼ同時刻に新しく二人の少年――葉隠覚悟と川田章吾を、
 転校生として迎えた二年F組を支配していた感情が「困惑」であったことを付け加えておく。

782強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:27:28 ID:ylXpVM460


「――だから、X=3、Y=√3 になるわけ」
 はぁっという感嘆ため息がヒナギクを取り巻いていた生徒達の口から洩れた。
「桂さんって、何でもできるのね……」
「な〜んか、スゴすぎて嫉妬する気にもなれないってカンジ」

 朝から昼休みまでの短い時間にもかかわらず、ヒナギクの優秀さは、
 すでにクラス全員が認めることとなっていた。
 教師がどんな質問をしようがサラリと答え、おそるおそる聞きに行けば、
 ちらちらと見ただけでズバっと答えを言う。
 その上、人柄もいいと来ては――
 桂ヒナギクが、元の世界でもそうであったように、
 級友たちの心を掌握しきるのにさして時間は必要なかったといえよう。

 口々に賞賛の言葉を投げかける級友たちに、
「そんな、そこまで褒められるほどじゃ……」
 このテの称賛の言葉には慣れているヒナギクは、嫌味にならない程度に謙遜しつつ、
 微笑を浮かべてみせた。
(何事も初めが肝心だものね……)
 あれこれ話しかけてくる級友たちに完璧な笑顔と態度で対応ながら、
(つかさの方は……と)
 ヒナギクはこっそりつかさを探して視線を巡らせた。

 ――いた。

 何人かのクラスメートに囲まれ、談笑している。
(よかった……)
 つかさなら方大丈夫――ひょっとしたら自分よりも早くクラスに溶け込むかも――
 と思っていたが、何事にも絶対はない。
 ヒナギクはそっと安堵の息を吐いた。
 
 
 歓迎ムード一色になって盛り上がる女の子達を、男子人は苦々しげに見つめていた。
 休み時間のたびにヒナギクのところにも、つかさのところにも、
 女子生徒の壁ができ、話しかけることすらままならない。
(まぁいいか……。チャンスはこれからいくらでもある)
 男子生徒達が、とりあえず今日のところはあきらめておこうと首を振りつつ、
 あるものは弁当を広げ、あるものは学食に向かおうとしたその時――

「失礼する」

 ドアが開き、おさえられた張りのある声が、教室に響き渡った。
 開いたドアをくぐって二人の少年が教室に足を踏み入れた瞬間――

 教室の時は止まった。

783強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:31:09 ID:ylXpVM460

 ――何者!?

 その場にいたほぼ全員が心の中で同じ問いを絶叫した。
 制服からしてこの高校の人間であることは間違いない。
 しかし、しかしである。
 まず目を引くのは――丸坊主の男。

 ――お、おっさん!?

 貫禄からして、とても高校2年には見えない。
 その上、服の上からでも分かる筋肉の量ときたらどうだ。
 筋肉バスターなんてものではない。長谷川バスターである。
 その隣の少年――「失礼します」の声はこの少年の者だろう。
 一見、かたそうな秀才タイプに見えるが。

 ――違う。この男も……。われわれとは違う!?

 雰囲気がなんというのか、常人のそれではない。
 こちらの少年も、よくよく見ると明らかに鍛えられた体をしている。
 得体のしれない二人の乱入によって、教室を包みかけた重苦しい沈黙の泥を、

「あ、川田君!」
「覚悟君!」

 一つの弾んだ声が、一つの冷静ではあるがどこか嬉しげな声が吹き飛ばし、
 今度は混乱という名の烈風がクラスに吹き荒れた。
 顔に盛大な疑問符を浮かべる級友達を尻目に、つかさはいそいそと、
 ヒナギクは微苦笑をもらしながら、二人に近づいて行った。
「どしたの?」
 花のような笑みを浮かべながら、つかさが坊主頭の少年――川田省吾に尋ねた。
「いや、あのな……」
 四方八方から視線を向けられ、居心地悪そうに川田は言いよどんだ.。

784強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:31:58 ID:ylXpVM460

 ――あっ!

 ハッと思い当たったヒナギクと、そのヒナギクの変化を読み取った川田が何か言うより早く、
「男子として多少いぎたなくあるとも思ったのだが、
作ってもらう側の俺と川田が取りに行くのが筋であると思ったので、来た次第だ。
つかささん、我らの昼しょ――」
「あ! ごめんね! 今持っていこうと思ってたんだけど……」

 ――昼しょ!? 持って行く!? ま、まさかアレか!? アレなのか!?

 クラス全員が注視する中、照れたように頭をかきつつ、
 いそいそと席にとって返そうとするつかさの腕を、ヒナギクが握った。
「ちょ、ちょっと待ってつかさ」
 朱色をその白い頬に上らせながら、
「と、とりあえず、落ち着きましょう」
 ヒナギクが言い、
「そうだぜ。とりあえず平常心だつかささん」
 額に微量の汗を浮かべながら、川田が落ち着けというジェスチャーをする。

(川田君っ!?)
(止めはしたさ! 礼に反するって聞く耳もたなかったんだよ!)

 一瞬のうちに川田とアイコンタクトをすませ、ヒナギクは焦りとわずかな苛立ちを込めて
 覚悟を見つめた。

 ――もうっ! 初日からこれはないんじゃない!?

 ヒナギクの表情から何かを読み取ったのか
「……すまない。どうやらまた俺が何か――」
 すまさそうな覚悟の声音に、しかめられていたヒナギクの表情がふいに緩んだ。

785強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:32:22 ID:ylXpVM460

 ――ま、いいか。

 葉隠覚悟という男の子は、どうしようもなくこういうヤツなのだ。
 不器用で。何でもそつなくこなす――こなしていた彼とは、全然違っていて。
 だから、傍にいてあげたいと思う。いたいと思う。
 それに――
(敵はなかなか強敵だものね。消極的にやってたって、差がつくだけだわ)
 何せ、相手の評価は絶対に下がらず、時と共にあがっていくだけなのだから。
 思い出はいつでも美しく、死者とはある意味最強の強者なのだ。
 ふっと一呼吸。 
 先ほどとはうってかわって、悪戯っぽい笑みを口の端に浮かべながら、
「覚悟君。頼みがあるんだけど」
「何だろうか?」
 戸惑ったように尋ねて来る覚悟に、
「中庭にいって、4人分スペース確保しといてくれない? 私達もすぐ行くから」
「了解した!」
足早に出口に向かう覚悟に、肩を一つすくめて川田も続く。
 席にもどりながら、
「ごめんなさい。お昼ご飯一緒に食べるの、今日は無理みたい」
 さっき昼食をいっしょに食べようといっていた子たちに謝りながら、
 ヒナギクは鞄から包を2つ取り出した。
「ううん。ねえ…それより、ちょっと聞いていい?」
 好奇心に満ち満ちた視線を向けて来る級友達に、
「そうね…。見ての通りの関係ってとこかしら?」
 教室の出口に向かって歩き出しながら、ヒナギクは軽やかに笑ったのだった。

786強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:33:28 ID:ylXpVM460
 その日、学食のおばちゃんは、血涙を流しながら多量の飯をかき込む生徒が複数いることに、
 大いに首をひねることになるのだが、それはまた別の話である。





 日が傾き、紅があたりを染める中、長い四つの影が道に落ちていた。
「ーそれでね!
ヒナちゃん、剣道部の顧問やってる先生から一本取っちゃったんだよ。
こう、パシーンって! すっごくカッコよかったんだから!」
手足を大きく振りながら、頬を紅潮させながらつかさが言う。

 ――可愛いな。

 自然と心に浮かんでくる感情に、川田は苦笑した。
(それに……。人をそれだけ心から褒められるのも、十分すごいと思うがね)
 こういうところは、つかさの紛れもない美点だと思う。
 もう一度つかさに視線をおくろうとして――
(おっと……)
 ヒナギクと目が合いそうになった――否。合ってしまった。
 わずかではあったが、ヒナギクの唇の端が持ち上がるのを川田は見た。
 緩んでいたであろう視線を見られてしまったことに、心の中で川田は小さく舌打ちする。
「……災難だったな、その先生も」
 微量の意趣返しを含んだ川田の物言いに、
「…仕方ないじゃない。それに、私はちゃんと手加減したわ!」
 ヒナギクが口をとがらせて反論する。
「悪い悪い」
 手をひらひらと振りながら川田は答えた。
 手加減したというのは嘘ではあるまい。
 だが、天性の才に加え、幾多の超人達との実戦をくぐった今のヒナギクが強すぎるのだ。

「ヒナギクさんの日夜の鍛練の成果が出たということだろう」
 どこか満足そうに言う覚悟を半眼で見つつ、
「そうね…。ちゃんと前に進んでるんだって分かって安心したわ」
 その「日夜の鍛練」で覚悟にあしらわれているのを思い出し、ヒナギクはこっそりため息をついた。

787強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:34:51 ID:ylXpVM460
 実のところ、あまりにも実力差のある人間とトレーニングしても意味がないのでは? 
 と最近悩んでいたのだ。
 とりあえず、前に進んでいることは実感できたものの、
(いったい、いつになったら覚悟君から一本とれるのかしら?)
 道はかなり遠い気がする。
 何となく暗澹たる思いに囚われ、ヒナギクはもう一度息を吐き出した。
「――そういえば覚悟君、勉強どうだった?」
 思い出した、というようなつかさの言葉に、ヒナギクは顔を上げた。
「問題なかった」

「ホント!?」

  勢い込んで尋ねるヒナギクに向かって、覚悟は柔らかな笑みを浮かべた。
「ヒナギクさんと川田のおかげだ」
 荒廃しきった、作物栽培が授業の一部、というような覚悟の世界の教育レベルが高かろうはずはない。
 ましてや、覚悟は幼少から時間の大半を零式の訓練に費やしてきた。
 ヒナギクやつかさのいた世界に近い教育レベルである、この「仮面ライダーがいる世界」の
 教育についていくことなど不可能――の、はずであった。
「2人の助力なしに、俺の学力が今の水準に到達することなどなかった……
本当に、ありがとう」
 川田と、ヒナギクのつききっきりの指導を思い出しながら、覚悟は頭を下げた。
「水くせぇぞ、葉隠。
大体、あれだけ勉強すりゃ、先生が誰だとかそういうもんは些細な事だと思うぜ?」
 照れと半ば以上の本音を含めて川田が言う。
 川田の言葉に同意するようにヒナギクも真顔でうなずいた。
「うん……。覚悟君頑張ってたもんね……。ものすっっっごく」
 賞賛とともに微量の呆れともいえる感情をこめてつかさも言う。

 葉隠覚悟の零式は、己を殺す技。
 もとより覚悟の中に、「飽きた」「厭になった」「疲れた」などという言葉は存在しない。
 ヒナギクの稽古、そして仕事に向かう時以外はひたすら机に向かい、睡眠は座ったまま1日数分。
 そんな覚悟の姿勢に3人は畏怖すら感じたものだ。

788強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:35:27 ID:ylXpVM460
「そんなことはない! 俺の努力の方こそ些細なこと!」

 ――些細? あれで?

 覚悟以外の3人は期せずして同時に顔を見合せあい、一度肩をすくめあった。
 ややあって――
「それにしても良かったよね……。みんな一緒な高校で勉強できそうで」
 しみじみとしたつかさの言葉に、川田、覚悟、ヒナギクはそろって大きくうなずいた。
「滝さんのおかげだな……」
「そうね。一応電話はしておくけど、今度みんなでお礼を言いに行きましょう」
「うん! 私も滝さんにお礼いいたい!」
 
 戸籍のない4人がこの世界で学校に通うことなど――否。本来まともに暮らすことすら不可能だ。
 戸籍がない。というより、あったことすらないということは、不法滞在者以下の存在であるということ。。
 しかし、本郷猛の友だったという滝和也の奔走によって、こうして4人は学校にすら通えている。
 BADANの長に召喚され、地獄のゲームに叩き込まれ、何とか脱出はしたが元の世界に帰れなくなった――
 こんな話を信じる方がどうかしている。
 けれど滝は、4人の言葉を信じてくれた。涙を流してくれた。怒ってくれた。
 
「今の言葉、必ず滝隊長に伝えよう。忙しい人ゆえ、俺もなかなか会うことはできないが、
会えたならば必ず!」

「頼むぜ!」
「頼むわよ!」
「お願いね!」
 3人の真剣な眼差しを、覚悟はこれ以上もない峻厳な眼差しで受け止めた。

789強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:36:50 ID:ylXpVM460


「なかなかのもんだな」
 川田が口笛を吹いた。
 二人の目の前に広がるのは、俗に「アキバ」という名称で呼ばれる町の街並みであった。
 夕刻にもかかわらず、ひっきりなしに人が行き交い、店の両側には山のような品物が積まれた店が立ち並ぶ。
(あ、驚いてる……)
 揺るがない表情を作ろうと努力しているが、覚悟が大いに驚いていることがヒナギクには分かった。
 大量の物や人ごみ、というものと縁遠い世界で生きてきた覚悟にとっては、
 かなりのカルチャーギャップであろう。
「ほら! ボサっとしない!」
「……すまない」
 ヒナギクに肩をつつかれ、覚悟の瞳に平常心が戻る。
 そんな覚悟を見て、ヒナギクはクスリと笑った。
「どうしたんだ? ヒナギクさん」
「別に? ただ、覚悟君もだいぶ普通っぽくなったなと思って」
 常人のような感情表現というものものとは無縁に見えた、初めてあったころとは、
 ずい分変わった気がする。
 零式の後継者としてはどうだか知らないが、今の方が人間としては素敵だと、
 そうヒナギクは思う。
 
 返事は帰ってこなかった。
 

 溜息を一つ。
 視線は前に固定しながら、ヒナギクは言葉を紡ぎ始める
「零式防衛術を継ぐものとしてこれでいいのか?
悪鬼の技を継ぐ自分が、牙なき者すべての剣となるべき自分が、
このまま人として生きていいのか?
人並の人生を送ることが許されるのか……」、
 ヒナギクの声量自体は少なくとも、その言葉は的確に覚悟の心の真芯をとらえていた。
 あの悪魔の手から脱出し、学校へ通うための勉強に励みながらも、
 その問いは常に覚悟の心の片隅にあった。
 自分を見つめる覚悟の視線を感じながら、
「ねえ――覚悟君。滝さんは『戦士』じゃないと思う?」

「そのような考え、微塵たりとも抱いてはいない!」

 間髪入れず、断固とした声が大気を震わし、ヒナギクの顔が緩む。
「それなら思い出してみて欲しいんだけどな……。滝さんがどんな人か」
「そっ……それは……」
 覚悟は言葉に詰まる。
 この世界に投げ出された自分達を救ってくれた滝和也は誰よりも「人間」だった。
 熱き魂を持ち、誰よりも人たらんとする、人として戦い続ける「戦士」だった。
 足を止め、葛藤する覚悟の正面に立ちながら、
「戦士は何もかも捨てなきゃならないなんて、そんなことないと思う」
自分は零式の後継者だから。戦士だから。人のために戦うことが運命だから。
だから、自分の人生に――」
 春風の優しを声と瞳に宿し、ヒナギクは覚悟を見つめた。

「自分には何もいらない……。そんな風に思わないで」

 覚悟の全身が震えた。
 覚悟の心の水面の揺れがヒナギクの心にも伝わってくる。

790強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:38:31 ID:ylXpVM460
「覚悟君は、私たちのことが邪魔? 私達は覚悟君の足かせ?」

 ――違う。

 言葉はなくとも覚悟が全身で叫ぶのをヒナギクは感じた。

「だったら、生きようよ。私達と一緒に。
一生にちゃんと生きよう? 死んでいった人達の分も」

 そう言って、ヒナギクはぐっと顔を近づけた。
「言っておくけど、逃げようとしても無駄よ? 私たち、みんなしつこいんだから!」
 しばし沈黙の後、
 覚悟がちいさく――頷いた。
 胸がたまらなく熱くなるのをヒナギクは感じた。
 自然と顔がほころび、笑顔が浮かぶ。咲き誇る大輪の花のような笑顔が。
 道行く人が思わず足を止めてしまう、美しい笑顔が。
「ヒナギクさん、俺は……」


「あ〜。お二人さん。ちょっといいか?」


 ハっとして覚悟とヒナギクは、あわてて顔を逸らし合い、声のしたほうに視線を送った。
 二人の見つめる先で、つかさが目をきらきらさせている。
 隣で川田が苦笑を顔全体に浮かべている。
「まぁ、その何だ……。友人としてもう少し見守ってやりたくはあったんだが……。
TPOってもんがな……」
 川田の言葉にヒナギクは、おそるおそる視線を左右にさまわよわせた。

 顔から火が出ることはまさにこのこと。

 幾多の視線と眼が合い、或いは高速でそらされた。
 好奇の視線、いまどきの若いもんはという視線、微笑ましいものを見守る視線、
 カップルなんか死ねばいいという視線、何やら羨望の入り混じった視線……etc
(ま、負けないんだから!)
 ヤケクソ気味に胸を張り、
「覚悟君!」
 いいざま、覚悟の腕をとる。
「行くわよ!」
 引きずらんばかりに腕に力を込める――必要はなかった。
 すぐに覚悟が歩き出してくれたから。
 そばに彼がいる。隣で一緒に歩いてくれる。

「何所へでも」

 すぐそばで声が聞こえた瞬間、今までで一番頬が熱くなった。
 でも、頬の熱が、とっても心地いい。
 肩越しにそっと後ろを振り返ってみる。
 つかさと目が合った。つかさが小さくガッツポーズをした。
 吹き出しそうになりながら川田の方を見る。笑いながら軽く手を挙げていた。

(お父さん、お母さん、お姉ちゃん……)

 心の中で名前を読んだ瞬間、懐かしい3つの顔が脳裏に浮かんできた。
 帰る方法は見つかりそうにもない。
 ひょっとしたら――ううん。きっと帰れない。
 お父さんに、お母さんに、お姉ちゃんに、生徒会のみんなに会えないのはとっても悲しくて。寂しい。
 ヒナギクの瞳に、一瞬、暗い悲しみの色が浮かんだ。
 でも――
(私、大丈夫だから)
 川田がいる。つかさがいる。
 隣に彼がいる。握った腕から彼の熱が伝わってくる。


 私は、一人じゃないから。

791強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:39:52 ID:ylXpVM460


(大胆になったもんだな……。ヒナギクさんも)
 腕を組んで歩い二人をみながら、川田はひとりごちた。

 ――違うか。

(つたない脳の導きに素直になった――ってとこかね)
 素直に、いいことだと思う。
 言うべきことを言わずに、したかったことをせずに後悔するのは自分なのだから。
 その言葉を教えてくれた少女の面影が、瞼の裏で明滅する。
 同時に、小さく胸に走った痛みに川田は顔をしかめた。
 痛みを息に込めて吐き出し、
「さて、俺たちも行くか。つかささ――」
 川田の瞳孔が一気に拡大した。
 
 いない。

 先ほどまで傍らにあった小さな体がない。
「クソっ!」
 苛立たしげに川田は舌を打ち鳴らした。
 考え事をしていたのはどれくらいだ? 長くて数十秒だと思ったが――
(もっと長かったのか?)
 わけもなく焦燥に駆られ、川田は視線を左右に視線をはしらせた。
 だが、途切れることのない人波が邪魔して十分に視線をいきわたらせられない。
 とりあえず、携帯をかけてみる。
 何故か、不通。
(落ち着け……)
 つかさとて高校生。
 迷子になったら助けを呼ぶだけの幼子ではない。
 けれどここは、頻度こそ下がったが、いつ、何が起きてもおかしくない世界なのだ。
 湧き上がる焦燥の波に押し流されるように、川田は足を速めた。

792強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:40:42 ID:ylXpVM460
「川田君、どこ行っちゃのかな……」
 きょろきょろと辺りを見渡しながら、つかさは呟いた。
 ラノベの新刊のポスターにつられて、川田のそばを離れたのがまずかった。
 携帯を鳴らしてみるが――つながらない。
「う〜ん? トイレとか、かなぁ?」
 小首をかしげつつ、つかさは取りあえず足を止めた。
 この状況で動き回ったら、よけいにはぐれてしまいそうだ。
 ヒナギクや覚悟を呼ぶという手もあるのだが、邪魔をしては悪い気がする。
 せっかく、ヒナギクが勇気をだしたのに。
「ヒナちゃん、頑張れ!」
 小声でエールを送り、つかさはもう一度件のポスターに目をやった。
(この小説、確かお姉ちゃんが好きだったな……)
 大好きだった、どこへ行くのも一緒だったかがみ。
 次々と思い出が浮かんでくる。そして、その最期と最後の言葉も――

 小さく頭に痛みが走るのをつかさは感じた。

(アレ? えっと……)
 違和感がつかさの中で形になりかけた瞬間、
 眩しい光を浴びせられ、つかさは顔をしかめた。

「一枚お願いします!」

 声と共にまた光を浴びせられた。
(前にもあったっけ……。こんなこと)
 既視感と、そして強烈な懐かしさに囚われ、つかさは状況も忘れ、悲しげな笑みを浮かべた。
 二度あることは三度あるというが、今、目の前にいる男もなんというか、
「ザ・おたく」という感じの格好で、あの時と同じようなカメラを持っている。
 あの時。ゲームのナントカというキャラに似ているとか言われて、街で写真を何度も撮られた時。
 自分は、かがみが助けてくれるまで、震えながら顔を隠すことしかできなかった。

 でも、今は。

 笑みを消し、つかさは静かに男を見つめた。

「やめてください」

 短い言葉と静かな視線。睨むわけでも、怒鳴るわけでもない。
 けれど、その言葉と視線には、確かに「力」があった。
 気圧されるものを感じ、男はカメラを下げ、こそこそと立ち去ろうとする。
 その時、
「何やってんだ、お前?」
 極限まで圧縮された怒気が込められた声が響き、
 男は肩を誰かにつかまれたのを感じた。

793強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:41:37 ID:ylXpVM460
 掴まれた個所からは、男にとっては圧倒的ともいえる物理的な「力」が伝わってくる。
「す、すいま――」
 謝ろうとして自分の肩を掴んでいる男の顔を見た瞬間、自分の呼吸が停止するのを男は感じた。

 ――こ、殺される? 

 ガチガチと歯が鳴り、体が勝手に震えだす。
 数時間内に水を飲んでいたら間違いなく失禁していただろう。
 男の眼の中にあったのは、すさまじい酷薄さと静かに燃える漆黒の炎。

 ――この男は、その気になれば自分を殺すことができる。
 
 結果として殺すことになる、のではなく、この男は「殺せる」
 男の生物としての本能が、最大警戒警報をがなり立てていた。
「す、す、いぃま」
 金魚のように口をパクパクさせながら、男はなんとか言葉を紡ごうとする。

「やめて、川田君。私、大丈夫だから」 

 静かな、けれど確かな意志のこめられた声だった。
 肩を掴む手がわずかに緩み、男が迷っている様子が掌ごしに伝わってくる。

「いいから、ホントに」

 数舜が男にとっては、永遠に感じられた。
 肩に置かれていた手からいきなり力が抜けた。
「分かった……」
 盛大な溜息とともに、男の手がカメラをひっつかみ、中のフィルムだけを引きずり出す。
 用は済んだとばかりに踵を返した男の背中が「失せろ」と言っていた。

「すいませんでした!!」

 謝ると同時に駆け出す。
 ひたすら足を動かしながら、
(許可を取らずに撮影するのはやめよう……)
 無事に済んだことを神か何かに感謝しながら、男は心底そう思ったのであった。

794強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:43:32 ID:ylXpVM460


「……怪我とか、本当にないんだな?」
「うん! 大丈夫だよ」
 つかさが笑うのを見た瞬間、全身から力が抜けるのを川田は感じた。
「ひょっとして、ずっと探してくれたの?」
「まぁな……」
 やれやれと安堵の息を吐き出しながら、川田はつかさを見つめた。
「ごめんね、川田君」
「いいさ。けどな――」
 次からは気をつけてくれ、と続けようとして、
「でも、どうして携帯とってくれなかったの? その……トイレとか?」
 川田は硬直した。

 ――携帯!?

 慌てて携帯を取り出し、ディスプレイを見てみる。
 
 着信履歴3件

 その表示を見た瞬間、川田は心底脱力感を感じ、座り込んでしまいそうになった。
(何やってんだ? 俺は)
 つまり、初めに不通だったのは同時に電話を掛けていたから。
 そして、その後は探し回るのに夢中で気付かなかった、というわけだ。
 いくらマナーモードにしてあったとはいえ――
(普通、気づくわな……)
 川田は痛感する。
 自分がどれほど目の前の少女を大事に思っているかということを。

 どれだけ――好きかということを。

 きょとんとした表情で覗き込んでくるつかさに、何でもないと首をふってみせ、
 川田は手をのばし、つかさの小さな手を握った。
 顔を赤らめながらも、つかさが握り返してきた。
 手から伝わってくるすべてが、この上もなく愛おしく感じられる。
 そのまま歩き出しながら、
「悪い。ちょいとまぁ……何だ。間抜けなことをやっちまった」
 頭をかきながら川田は謝罪の言葉を口にした。
「ううん、川田君は悪くないよ。
私が川田君に何も言わないで離れたりしたからだよ……。ごめんね、川田君」
 頬を赤く染め、視線を下に落としながらつかさが言う。
 小さくて華奢な体。どこか儚げで、そして限りなく優しい瞳。
 
 自分の中で何かが弾けるのを川田は感じた。

795強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:44:14 ID:ylXpVM460
 感情という名の津波が自分の心の堰を押し流そうとしているのを感じる。
(さっきあんなことがあったとはいえ、えらく唐突だな。
時と場所を考えろと、さっき葉隠達に言ったばかりじゃなかったか?)
 心の中の冷静さを保とうとする声が、揶揄するに言う。
 
 ――違う。そうじゃない。

 川田はその声をはっきりと否定した。
 ずっと思っていた。思ってきた。
 あの時、あのアパートのドアから出てきた彼女を見た時から。
 守りたい。自分の手で幸せにしたい。

 今度は。今度こそは、間違わない。

 かろうじてだが、周りを見渡す余裕があったことを好運に思いながら、川田は足を止めた。
 運よく、人の流れが途絶えている。
「君は――」
 手に軽く力を込める。
 つかさが自分を見ている。疑うことを知らない瞳が自分を見つめている。
 囁くように。だがあらん限りの決意と誓いを込めて。

「君は俺が守る。これからどんなことがあっても、
俺のすべてをかけて、絶対に守る」

 つかさの瞳が揺れて、一度閉じられた。
「ありがとう。嬉しい……。川田君の気持ち、とっても、嬉しいよ」
 暖かいものが胸に満ちていくのを川田は感じた。
(言えたな……。今度は、ちゃんと)
 脳ではなく、心が導くとおりに今度はちゃんと伝えられ――

「でも……。でも、私にも川田君のこと、守らせてね」
 
 心臓を握られたかと思った。
 驚愕と――そして夢から醒めたような感覚に襲われ、
 川田はもう一度つかさを見やった。

796強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:45:26 ID:ylXpVM460
「私もね、川田君のこと守りたいって思ってるんだよ?
川田君が辛そうにしてたら、支えになってあげたい。守られるだけの子にはなりたくない。
川田君が泣きたいときに、ちゃんと傍にいて、支えになってあげたい」

“私だって川田くんやヒナちゃんの支えになってあげたい” 
 
 あの時、本郷の遺言を独りで全てを背負いこもうとした自分につかさが言った言葉。
「川田君が、私のためにって無理したりするのは――嫌。
私は、川田君にはいつも笑顔でいて欲しいもん……」
 茫然と立ち尽くしながら、川田はつかさの言葉を噛みしめる。
 さっきの自分、つかさを守ろうとするあまり、男を怒りに任せて叩きのめそうとした自分は、
 つかさのことを考えていただろうか?

 ――彼女の「心」を考えただろうか?

(そうか……。そうだよな……)
 自分の心に耳を傾けるだけではだめなのだ。
 守りたいと思う相手の「心」にも、耳を傾けること。
 
 そして――自分を犠牲にしないこと。 

 誰かのために自分を犠牲にするのは、自分の心に沿うことにはなる。
 けれど、きっとその行為は守ろうとした人を、傷つけることになる。
 守ろうとするだけでは――駄目だ。

「分かった」
 
 優しい笑み――川田の大好きな笑顔だ―を浮かべるつかさの手をしっかりと握り、
 どこか不敵な笑みを浮かべ、

「一緒に、頑張ろうぜ。つかさ」

 つかさが笑った。
 
「うん! 頑張ろう!」

 そのまま二人は道を歩き出す。
 何やらけっこう視線が集まっている気がするが――まあ、仕方ない。
 つかさの携帯が鳴った。
 空いている手でつかさが器用に携帯を取り出し、耳に当てる。
「うん! うん! ――分かった。ごめんね、ヒナちゃん。今から行くね!」
 電話を切り、
「川田君! ヒナちゃんが、早く来なさいだって!」
 慌てたようにつかさが言って、川田の手を放し、走り出そうとする。
 川田は手に力を込めた 

「嫌なこった」

 つかさの目が点になった。、
「もう少しこうしていたいって俺の心が言ってるんでね……。
ヒナギクさんには、もう少し葉隠とイチャついててもらうとするさ
「あははっ!」
 可笑しそうにつかさが笑う。
「そだね〜。ヒナちゃんには少し悪いけどもうちょっと、待ってもらおうカナ」
「考えてみりゃ、さっさと先に行っちまったのは、二人の方なんだ。
待ってもらう権利はあると思うぜ? まぁ、万が一怒ってたら――」
「……怒ってたら?」

「謝ろうぜ、二人で」

 言い放って川田は歩を進め始める。
 傍らの少女の手をしっかりと握ったままで。

797強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:47:21 ID:ylXpVM460


「だいぶ遅くなっちゃったね……」
 闇の中に見えてきたアパートを見て、安どのため息をつきつつ、つかさが言った。
「いいんじゃない? どうせ明日は休みだし。覚悟君は非番。私達も今日はバイトないし」
 アパートの斡旋はしてもらっても、生活費や家賃まで払ってもらうわけにはいけない。
 勉強と労働の両立は甘くないだろうが、まあ仕方ない。
 幸いにも、危険手当が山盛り状態の覚悟の給料はかなりのもの。
 贅沢しなければ何とかやっていけているだろう。
 
「大丈夫? 覚悟君」
「仔細なし」
 家電も含めた山のような荷物を抱えつつ、覚悟は淡々と答えた。
「……何もここまで一度に色々買う必要はなかったんじゃないのか? ヒナギクさん。
確かに送料も、積もれば馬鹿にならないけどよ」
 覚悟ほどではないが、これまたかなりの量を持っている川田が、ぼやくように言う。
 さすがにこちらは、多少の色が濃い。
「仕方ないじゃない。みんなが一緒に出かけられる日って今日しかなかったんだから」
「楽しかったね!」
 満面の笑みを浮かべながら、つかさが川田に寄り添う。
「……少し持とうか? 川田君」
「いや……。持たなくていい。
けど、代わりにってのも変だが、今日は旨いもん作ってくれよ? 腹減っちまった」
「つかさ! 気をつけたほうがいいわよ?
川田君って意外と亭主関白なタイプかも」
「そりゃないぜ……。 ヒナギクさん」
 大げさに川田が嘆き、つかさとヒナギクが笑いあう。
 
 ――暖かい。

 笑い声が鼓膜を揺らすたびに、皆の笑顔がこぼれるたびに、心に小さく火が灯る。
 あの地獄の庭で、初めて火を感じた時、温もりを感じた時、戸惑った。悩んだ。
 幾多の犠牲の果てに生み出された零式を操る自分が、人を殺すことしかできぬ自分が、と。
 数多の屍を築き上げた男の呪われた血を引く自分が、と。
 
 望んではいけないと思っていた。夢も愛も。
 牙なき者の剣となり戦い続ける。いるべき場所は弾丸飛雨の只中。
 友とすべきは心を繋いだ鎧のみ。
 けれど――

 川田省吾は覚悟にとっての何だ? と聞かれたなら。
 柊つかさは? と聞かれたなら。
 きっと自分は答えるだろう。
(ありがとう、ヒナギクさん)

 ――永遠の友だ、と。

 友でいたいと心から望んでいると。
 彼女の言葉を聞いた今なら、胸を張り、限りなき誇りを込めて言える。
 では、
 
 ――桂ヒナギクは?

 即答できない。
 彼女はいったい自分にとって何なのだろう?
 昼間自分は彼女に何と言おうとしたのだろう。

「ねえ、覚悟君! 今度ゲームセンターに行かない?」

798強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:48:19 ID:ylXpVM460
 覚悟が言葉の内容を理解するのに数秒が必要だった。
 つかさの言葉を覚悟の脳が認識した瞬間。

“約束よ。貴方の怪我が治ったら、またゲームセンターに行きましょう”

 弾むような声と、そして桃色の髪が覚悟の脳裏で舞った。
「今日、お店回ってる時に見つけたんだけどね。
カラオケとかも一緒についてて、楽しそ――」
「つ、つかさ!」
 焦ったようなヒナギクの声。
 一瞬おいて、つかさのカ顔さっと青ざめた。
「ごめん……。覚悟くん……」
 みるみるうちに暗いものがつかさの顔を覆っていく。
 大きな眼をぎゅっと苦しげに閉じているつかさに向かって、

「それはいい。是非行こう」

 穏やかな声音につかさの顔が上がり、川田とヒナギクが目を丸くする。
「これでも、ゆーふぉーきゃっちゃーには、いささか自信がある」
「へぇ、言うじゃない。じゃあ、勝負する?」
 芝居かかったような調子でヒナギクが挑戦してくる。
「受けて立とう」
 覚悟も不敵に笑って承諾の言葉を発した。
「つかさ、みんなのスケジュールってどうなってたっけ?」
 覚悟の言葉を受けてヒナギクが、つかさに問いかける。
「ええと、来週の日曜はヒナちゃんがバイトで……」
 ポカンとしていたつかさがあわをくったようにスケジュールを取り出す。
 つい、とヒナギクが顔を寄せてきた。
「……いいの?」
 どこか複雑なものが宿したヒナギクの問いかけに、

「俺は、君たちと生きる。いや――生きたいんだ」

 守るべきはは今。
 それなら、いうべき言葉など決まっている。
 それに、「彼女」ならきっと今の自分の言葉を喜んでくれるはず。
 
「おい! 行くのは依存ないんだが……。
その相談はこの荷物を、家に置いてからにしようぜ!?」
 川田の、かなりの割合で本気が入り混じった声が響く。
「はいはい。それじゃ、とりあえず帰りましょうか。我が家へ!」
 少々混乱した場をおさめるべく、ヒナギクが宣言し、全員が頷いた――瞬間。

 覚悟の仕事用の携帯が激しく震えた。

799強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:52:16 ID:ylXpVM460
 覚悟の表情がさっと引き締まり、残りの3人にも緊張が走る。
 携帯に向かって覚悟が短く何かを確認し、すぐに携帯を切った。
「すまない。後、5分で迎えがくるゆえ、俺はこの荷物と共に先にアパートへ戻る」
「そう……」
 固い表情でヒナギクが言う。
 非番の覚悟にまで召集がかかるのだ。

 今日の敵は、強い。

「覚悟君、気をつけてね」
 つかさが、本当に心配そうに顔をゆがめ、ぎゅっと手を胸の前で組み合わせた。
 川田が無言で頷く。
 覚悟の強さは知っている。必ず戻ると信じている。
 けれど――絶対はない。
 人は死ぬのだ。そのことを自分たちは嫌というほど知っている。
「覚悟君……」
 押し殺したような声だった。
 何故かそのまま、下を向いてヒナギクが近づいてくる。
「ヒナギクさん……」
 ヒナギクが意を決したように顔をあげた。
 一体どうしたのかと問いかけるより前に、覚悟の視界でヒナギクの顔が一気に拡大した。
(か、顔が近っ……)
 否。これでは近すぎる。
 避けようにも大量の荷物のせいで動きづら――
 
 それは、この上もなく柔らかい感触だった。

「まだちょっと、遠いかな……」

 空白となった覚悟の意識の中で小さな声が響き、
「ほらっ! 覚悟君!!」
 耳の近くで響いた大喝で覚悟の意識は色を取り戻した。
「何をぼさっとしてんのよ!? 行かなきゃならないんでしょ?
速くいきなさいよね!」
「……了解」
 少々理不尽さを感じたものの、覚悟は全身のバネをたわめ、走り出さんとする。
 その背に、 
「ちゃっちゃと片づけて帰ってきなさいよ! 私たち、待ってるから!」
だから――」
 言いかけて一度、ヒナギクは言葉を切った。

「勝って――勝って、絶対帰ってきなさい!!」

800強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:53:57 ID:ylXpVM460
 抗いがたい欲求に囚われ、覚悟は顔をヒナギクの方に向けた。
 闇夜の中でも鮮やかな赤い髪が風に舞い、きらきらと感情が瞳の中できらめている。
 刹那。覚悟は自分の心に眩いばかりの炎が生まれるのを感じた。

 ――消せない。

 この気持ちを殺すことはできない。
 誰にも。何にも。零式にすら。

「応っ!!」

 咆哮とともに、風となって覚悟は走った。
 瞬く間に、質素なアパートに到達。
 鍵を開け、自分と川田の部屋に駆け込み、押入れを引きあける。
 扉の向こうには、質素なアパートの部屋にはあるべきはずもない、
 最新鋭の機能が施された鋼鉄の扉。
 厳重なセキュリティを次々と覚悟は解いてゆく。
 中にあるのは――教科外骨格零。
 零は兵器。個人が兵器を所有することは、法律上許されない。
 ゆえに、本来ならSPIRITSによって厳重に保管されるべきであるのだが、、
 覚悟の断固たる姿勢と滝の口添えもあって、このような折衷的な保管となっているのである。
 
「零!」

 覚悟の声音ですべてを察した零が、振動のみで応答。

「瞬着っ!!」

 光とともに、超鋼をまとい、覚悟は一気に屋上へと駆け上がった。
 軍用ヘリが見る見るうちに近づいてくる。
「爆芯っ!!」
 宙へ飛翔した覚悟の体にみるみるうちにヘリが迫る。
「っ!!」
 気合とともに、ヘリにしがみつき一瞬でヘリの機内へと覚悟は身を躍らせた。
「ご苦労様です!」
 声をかけてくる操縦員に、敬礼を返し、覚悟は腰をおろした。
 入隊した頃は、パートタイマー感覚の野郎など不要だという陰口をたたく者もいたが、
 覚悟の実力が示されるにつれ、陰口は激減している。
 敵の場所、概要はすでに聞いている。
 
 後は、待つのみ。

801強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:54:30 ID:ylXpVM460
『どうした覚悟? いつになく猛っているようだが』
 零の問いかけに、
「そうだろうな……」
 荒々しい笑みを覚悟は浮かべた。
「覚悟よ――」
「心配するな、零! 俺は負けない。負ける道理がない」
 零の困惑が伝わってくる。
 覚悟は眼を閉じた。
 零の心配はもっともなこと。
 己の中の愛憎怨怒を滅殺するのが零式防衛術。
 乱れた心では因果は打てぬのだ。
 ややあって
『……不可解なり。お前の心は燃えている。だが、揺らいではおらん』
「当然だ。その燃える心を込めた足が俺を支えてくれる。
友の心に支えられた俺の足が、なぜ揺らごうか!」
 誇らしげに答えつつ、覚悟はヘリの窓から眼下を見下ろした。
 
 闇の中に幾多の光があった。
 あの光の1つ1つに安らぎと幸せがある。
 きっと、今頃は自分の帰るべき部屋とその隣の部屋にも明かりがついていて、
 空から見たならばきっと、同じように煌いて見えるはず。
 この煌きを守るためなら、進んで弾丸飛雨の真只中に身を置こう。
 そして己もまた、この光の一つとなり続けよう。
 運命だから行くのでない。零式を継ぐ者だから行くのではない。
 友と共に生きる世界を守りたいから、共に生きていきたいから――征く。
 
 たとえ行手に死神が待ち受けようと、避けぬ!
 ぶち砕くのみっ!!

 ヘリの速度が――落ちた。
 一気に下降していく。
 ホバリングするヘリから飛び降り、覚悟は駈け出した。
「加速!」
 零から噴射剤がほとばしり、爆発的な推進力で覚悟を前へと運ぶ。
 みるみるうちに視界がばまっていく。
 その視界の中に、

 ――見えたっ!!
 
 覚悟の目がとらえたのは巨大な異形。
 だが、その巨体も天地を揺るがす咆哮も、覚悟の心を揺るがすことはできない。
 どのような力も覚悟を伏せさせることはできない。

 俺に在るもの――父の教え。心を繋ぎし鎧。心を繋ぎし友の想い。
 そして。
 覚悟の瞼の裏で赤い髪が揺れる。
 全てが己の体を支えてくれる。因果を打ち込む礎となってくれる。
 
 ――十分だ。十分すぎる。
 
「直突っ!!」

 加速全ての運動エネルギーを込めた拳が、異形の巨体を吹き飛ばした。
 轟音と共に土煙が天を覆い、異形の口からは絶叫が、
 そして先発していたSPIRITSの隊員たちからは歓声が上がる。

 ――超鋼よりも大強固たる俺の礎。砕けるものなら、砕いてみろ。

「SPIRITS十番分隊所属、零式防衛術葉隠覚悟、参るっ!!」

 清冽な雄叫びが闇夜を切り裂いた。

802強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:55:50 ID:ylXpVM460



 覚悟が駆け去った闇を見つめていたヒナギクが歩を進め始めた。
 川田が荷物を担ぎなおし、歩き始める。
 つかさは――目を閉じた。

「つかささん!」
「つかさ!」

 二人が自分を呼ぶ声がする。
 簡単だ。
 目をあけて、二人の後に続けばいい。
 そうすれば、大好きな人達と笑顔を浮かべ、愛し合える未来へと歩き続けることができる

 だから、つかさは――

「……つかさ?」
「つかささん?」

 その場に立ち止まったまま動かない柊つかさを呼ぶ声に、疑問の響きが混じり始めている。
 目を開け、少し微笑む。
「ヒナちゃん! 川田君! 覚悟君!」

 万感の思いと決別の思いを込め、つかさは叫んだ。
 
「ありがとう! 私を、よろしくね!」



 全てが消えた。

803強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:57:14 ID:ylXpVM460
 何もない白い空間に、つかさは一人でいた。
 恐怖は感じなかった。
 見守るような視線を感じていたから。


 ――いつ、気づいたの?

 声が響いた。
 世界でいちばん聞きなれた声が。
 その問いかけには答えず、
 
「ねえ、さっきの世界に私はちゃんといるの?」

 ――ええ。「今日」の記憶も自分の記憶としてちゃんとあるわ。

 ――あなたとさっきの世界の“つかさ”の差異は記憶の量だけだもの

 ――あなたと重なっていなくても、同じ行動をとったはずよ。

 ――最後のアレは、別だけど。

「そうなんだ。良かったぁ……」

 ――何が良かったと?

 響いた声には、呆れたというような感情が込められていた。

「だって、あんな世界があったら素敵だなって思うもん」

 覚悟も、川田もヒナギクもちゃんと生きている世界。
 これからもずっと4人で歩んでいける世界。

 ――そりゃそうよ。かなりマシな世界を選んだんだもん。

「ええと……。だったら、もっと酷い世界も……?」

 ――あるわよ? 人間の美徳が全部、悲劇の引き金になった世界とかもあったかな。

「ひ、酷いねぇ」

 ――や、あんたらの世界の結末もマシな方ではあるけど、全滅してるのは結構な悲劇だと思うんだけどな。

 体裁を取り繕うのをやめたらしく、口調がどんどん砕けたものにかわっていく。
 もっとも、つかさには始めからバレバレだったのだけど。

804強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:58:41 ID:ylXpVM460
「悲劇って……。それは、そうかもしれないけど……」
 誰一人として、生き残ったものがいないのだ。
 悲劇と言えば――そうなのかもしれない。

 ――今ならまだ間に合うわよ?

 つかさの心境を見透かしたように声が言ってくる。

 ――さっきの世界の「柊つかさ」はあんたと途中までまったく同じ経験をして、生還してるから。

 つかさは無言でいることを、考えている証拠取ったのか、響く声の口調は熱を帯びたものになっていく。

 ――乗っ取るわけじゃないのよ? さっきの世界のつかさと今のあんたが融合するだけ。

 ――記憶だって、足りない分を加えるだけ。ほんの一部しか失わない。

 ――封印するんじゃなく、忘れてしまえばきっと違和感だってなくなるはずよ。

「じゃあ、やっぱり私が死んじゃう時の記憶はなくなっちゃうんだ?
その後、強化外骨格の中で視てた記憶もだよね?」

 ――まあ、それは……。

「嫌だよ……。忘れちゃうの」
 つかさは首をふった。

 声は返ってこなかった。

「私、なくしたくないもん。みんなが頑張った記憶」

 忘れたくない。覚悟の苦悩を。ヒナギクを失って慟哭する姿を。それでも最後まで戦いぬいた、彼の雄々しい姿を。
 忘れたくない。ヒナギクの悲しい決意を。最後まで頑張って、頑張りぬいた姿を。そして、無念を。
 忘れたくない。川田の狂気とその結末を。できればあんな風に行動してほしくなかったけど、それでもあれは川田章吾。
          好きになって。どうしても守りたくって、守ることができた川田だ。
          覚えていたい――死ぬ間際に感じた彼の手の温もりを。言葉を。満たされた気持を。

「死んじゃう時の怖い気持も、死んで行く感覚も、全部私だけのものだもん。
捨てちゃうなんて、もったいなくてできないよ」
 

 ため息が、聞こえた。

805強化外骨格「名無し」:2008/12/22(月) 23:59:33 ID:ylXpVM460
 つかさは、ちょっと困ったように笑った。

「ごめんね、お姉ちゃん」

 ――やれやれ。

 いきなり近くに人の気配が発生。 
 あわてて振り返ると、そこにはいつもの制服をきた姉――柊かがみの姿があった。

「あんたが意外と頑固だってのは知ってたけど……」
 もう一度、“かがみ”はため息はついた。
「えっと……。やっぱり、お姉ちゃんも神様になったお姉ちゃん、なの?」
「そうよ。私は、あんたんとこの「柊かがみ」のように消耗せずにすんだ「柊かがみ」ってわけ」
「すごいねぇ……。お姉ちゃん、本当に神さまになっちゃたんだねぇ」
 “かがみ”の肩がガクっと落ちた。
「あんたは、あんたは、ホントに……」
 つかさはクスリと笑った。
 姉の仕草があまりにも見慣れたものだったからだ。
 すると、“かがみ”は改まった調子で、
「本当にいいの? 確かに今は存在できてるけど、いつかは――」
「いいよ、それでも」
 
 最後の最後、自分が自分――柊つかさを最後に手放してしまう瞬間まで、忘れたくないから。
 魂に焼きついた、覚悟の、ヒナギクの、川田の、自分の記憶を。
 そして――

「あんなに頑張ったお姉ちゃんのことも、忘れたくないから」

 “かがみ”が息を飲んだ。
「私、ヒナちゃんと、覚悟君と、川田君と一緒にいるのが楽しくて――
全然、違和感とか感じなかったんだけど、お姉ちゃんが死んじゃう時の記憶がね、
何か違うなって思ったんだ……。これは私の知ってるお姉ちゃんじゃないなって、思っちゃった」

 そこからはどんどん違和感が酷くなっていった。
 ヒナギクと覚悟の関係も。川田とのことも。
 何だか『夢』みたいだなって思ってしまった。

 そう、夢。

 こうなったらよかったのにな、と思い描く『夢』を見ているような感じがして、落ちつかなかった。
 本当は、もっと早く気づいていたんだろうと思う。
 
 ――でも、醒めたくなったから。

 醒めたくなくて無理してたから、覚悟の傷口に触れかねないことを口走ってしまった。
 分かっていても迷ってしまうくらい、これが現実だったらよかったのになってつい思ってしまうくらい、
 さっきの世界は魅力的で、輝いていたから。

「あれっ……」

806強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 00:03:01 ID:RRA9fzTE0
 涙が、つかさの頬をつたった。
 とめようとするのに、涙は止められない。
 自分が情けなくて。口では拒絶していても、心のどこかでさっきの世界に未練を感じている自分が情けなくて。
 歩めたかもしれない未来を諦めなくてはならないのが、やっぱり悲しくて。
 思いが溢れてしまって、どうしても涙が止まらない。

「ごめんっ!!」

 いきなり、思い切り抱きしめられた。
「ごめん、つかさ!! こんな、こんなつもりじゃなかった!!
あんたを悲しませるつもりなんか、なかった!!
あんたにもっと生きて欲しかった。私の分も生きて欲しかった。
それだけだったのに……。
苦しめて、ごめん。私の気持ちだけ押し付けて、ごめん。
ダメなお姉ちゃんで、ごめんね……。ごめんね、つかさ……」

 背中にまわされた手が震えていた。
 痛いほど“かがみ”の心が伝わってくる。
 深い深い悔恨。妹への深い思い。妹とそして自分の運命の不条理さに対する怒り。
 そして――
 
「お姉ちゃん、私――」

 “かがみ”の体がびくりと震えた。
 分かる。つかさにはなぜか分かってしまう。
 どんな道を辿ったかは分らないけど、目の前の“かがみ”は、“つかさ”とすれ違ったまま、
 最後の最後まですれ違ったまま、“つかさ”を永遠に失ってしまったのだ。
 力を得た後でも、きっと、どうにもならなくて。
 せめて違う世界の“つかさ”だけはと思って、いろんな世界を見ているうちに、
 きっと怖くなってしまったんだと思う。
 だから、言ってあげなきゃ。
 
「お姉ちゃんのこと、ずっと大好き。これからも、私が私でなくっちゃうまで、
ずっとずっと、大好きだよ」

 背中にまわされた手に痛いほど力が込められた。
 つかさも“かがみ”の背中に手をまわし、抱きしめ返しす。

「ありがとう、つかさ。私も、大好き……」

807強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 00:03:40 ID:RRA9fzTE0



「それじゃあ、ね」
 “かがみ”が軽く手をあげた
「うん、さよなら……。お姉ちゃん」
 小さく手を振りながら、つかさは“かがみ”に向かって微笑んだ。
「さっきの世界の記憶。それに私の記憶も……。消さなくて、いいのね?」
「うん……。やっぱり忘れたくないもん」
 夢のようだった1日を。
 夢のような1日をくれた優しい“お姉ちゃん”のことを。
「そう……分かったわ」
 
 “かがみ”の言葉とともに、全てが遠ざかっていく感覚がつかさをおそった。

「ありがとう。お姉ちゃん……」







「……ごめんね、つかさ。かがみじゃなくて」



 ――え?

808強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 00:04:20 ID:RRA9fzTE0
 ふいにぼやけていた焦点が合った。目の前にはヒナギクの顔。
 苦笑とも微笑ともとれる笑みを浮かべながら、自分を見ている。

「おはよう、つかささん」
 向かいの椅子に座った川田がおかしそうに言う。
「すまない、つかささん。我らのために無理をさせたようだ」
 川田の隣に座った覚悟が小さく頭を下げる。

 ――なんじゃコリャ?

 ボケっとした頭で、必死につかさは思考を巡らせる。
 確か今日は――そう、覚悟とヒナギクと川田を呼んだのだ。
 かがみは多分、今日も村雨さんのところに行くだろうから、
 邪魔しちゃいけないと思って、声をかけなくて。
 こなたに連絡しなかったのも同じ理由。
 ユキちゃんと、本郷さんとはうまく連絡がつかなくて――
(それで、どうしたんだっけ……?)
 確か、しこたま料理をこしらえて、3人を迎える準備をして、
 やってきた3人に料理をふるまって、この4人になるのは久し振りだったから、
 すごく盛り上がって――

「はぅ!」

 そこまで考えて、つかさは自分がヒナギクにもたれかかっていることに気づき、
 慌てて身を起こした。
「ごめん、ヒナちゃん……」
 はしゃぎ過ぎて疲れて寝てしまうなんて、まるで子供ではないか。
 身を縮こまらせて謝るつかさの髪をやさしく触りながら、
「いいわよ、別に……。ありがとね、つかさ。料理、とっても美味しかったわ」
 ヒナギクが礼を言った。
「ああ、美味かった」
 川田が同意し、覚悟が重々しくうなずいてさらに同意を示す。
「あ、あのね……」
 ふと気になって、つかさは3人を見渡した。
「私、どれくらい寝てたのかな?」
 
 すると、3人は顔を見合せ、

「1時間……は、経ってないわよね?」
「そうだな。4,50分ってとこか? 葉隠」
「おそらくは」
 
 3人の答えに、つかさは硬直する。
(そんな……。そんなことって……)
 夢のような1日が、“かがみ”との邂逅が、たったそれだけの時間だなんて。
(夢……だったの?)

 唐突につかさを恐怖が襲った。

809強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 00:04:48 ID:RRA9fzTE0
 そもそも記憶とは何だ? 今の自分は魂だけの存在。
 魂も夢を見るのか? 
 自分の記憶の何が本当で、何が夢なのだ?
 分らない。分かるはずもない――

「どうしたの、つかさ?」
「どうしたんだ?」
「どうかしたのか? つかささん」

 三者三様の声が自分の名前を呼んだ。
 
 すさまじい既視感。
(なんか、死んじゃう少し前にもこんなことあったような……)
 そっと視線だけ動かして、隣を見て、前を見てみる。
 
 ――やっぱりあった。

 ヒナギクの、覚悟の、川田の心配そうな顔が。
 なんだか、嬉しくて、可笑しくて――
 つかさは我慢できずにふき出してしまう。

「私達……同じもの食べたわよね?」
「そのはずだがな……」
「つかささん、気をしっかり持つんだ!」

 記憶がどうとか、どうでもよくなってしまうのをつかさは感じた。
 記憶なんて関係ない。目の前にみんながいる。
 それれ以上に、いったい何が必要だというのか。
 気持ちが高ぶって抑えきれない。
 ふいに、泣いていた“かがみ”の顔が浮かんだ。

「えい!」

 つかさは隣にいたヒナギクに飛びついた。
「なっ……。ちょ、ちょっと……。つかさ、本当に一体どうしちゃったの?」
 耳元で、心底焦ったヒナギクの声がした。
 顔はトマトみたいに真っ赤だ。

「ヒナちゃん、好き!」

810強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 00:06:38 ID:RRA9fzTE0
 しばし、静寂が部屋を支配した。

「……つかささん?」
 呆けたような口調で川田が言う。
 滅多にというか、見たこともないような間の抜けた川田の表情に、
 つかさはまた吹き出しそうになる。

「つかさ……。そりゃね、私もあなたのこと好きよ?
でも、いくら魂だけになって性別がなくなったからって……。
急には無理っていうか……」

 ヒナギクが混乱しきった調子で何やら言っている。
「いったいどうしたんだ? つかささん」
 覚悟が心配そうに問いかけてくる。
 クスっと笑うと、つかさは覚悟に近づき、

「覚悟君も、好き!」

 さっき、“かがみ”を抱きしめた時の要領で覚悟を抱きしめる。
「……ありがとう」
 数瞬の間のあと、覚悟が首をかしげつつも、どこか嬉しそうに礼を返してきた。
 うん、と笑顔で覚悟にうなずいた後、

「川田君!」
 
 さすがに先ほどのショックからは立ち直ったものの、脱力状態の川田の顔を
 つかさは覗き込んだ。
「つかささん……。愛情表現はもうちょっと穏便にやるべきだと思うぜ」
 額に手を当てつつ、川田が呻く。
「そだね〜」
 言いつつつかさは、爪先立ちになり―

 2度目はちゃんと味がした。

「川田君、大好き!」

 弾むような声で言って、つかさは皆の顔を順々に見やった。
 ヒナギクは、ソファの背もたれに背中を預けて苦笑。
 覚悟は彼らしい、静かな笑みを浮かべている。
 川田は――

 降参だというように両手を挙げた後、
「俺もだよ。つかさ」
 それだけ言って、照れくさそうに顔を逸らしながら、
 それでも目はこっちをまっすぐ見ている。

811強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 00:07:15 ID:RRA9fzTE0
 

 ありがとう。出会ってくれて。
 ありがとう。叱ってくれて。
 ありがとう。勇気をくれて。
 ありがとう。一緒に料理を作ってくれて。
 ありがとう。一緒に歩いてくれて。
 ありがとう。一緒に探してくれて。
 ありがとう。一緒に悩んでくれて。
 ありがとう。一緒に考えてくれて。
 ありがとう。一緒に戦ってくれて。
 あるがとう。友達になってくれて。
 ありがとう。守ってくれて。
 ありがとう。守らせてくれて。
 ありがとう。愛してくれて。
 ありがとう。愛させてくれて。

812強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 00:07:46 ID:RRA9fzTE0

 

 

 

 



 みんなに会えて――よかった。

813すげえの来てた……本スレに投下するべき作品だ:2008/12/23(火) 00:52:06 ID:HbN42myk0
JUDO「なあ、ワシズ、アカギ、銀時……」パチ!
ワシズ「言いたいことはわかる……がしかしなあ……」パチィ!
銀時「そう言うのは野暮ってもんだぜ」パチッ!
アカギ「ククク……JUDO、お前は埋める必要がある本スレでやるべきだ、と言いたい訳だな……!」パチイ!
JUDO「……それほどにすばらしい作品じゃないか」パチ!
ワシズ「コォッコォッコォ……だがそれだと意味が無い、ここだからこそまた栄えるもんじゃ……
あ、ちなみにJUDOそれロンじゃ、役満36000」
銀時「あ、俺も役満36000」
アカギ「トリプル……!144000」
JUDO「そ……そんな馬鹿なことがあ〜」ぐにゃ〜

814強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 10:18:10 ID:bClJ0dSIC
GJ!!!

815強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 12:58:36 ID:aP5KC8C60
ラオウ「何…!…涙が…とうに枯れ果てたはずの涙が…」
神楽「お!鬼の目にも涙ってのはこう言うことを言うアルね!」
エレオノール「ああ…なんて友情…愛情…素晴らしいものを見させていただきました」
ブラボー「ブラボー!おぉ、ブラボー!感動をありがとう!」

816死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w:2008/12/23(火) 21:06:44 ID:RaW4I2iw0
皆さんお久しぶりです。
死者スレ統計係です。
漫画ロワも完結したので、今回が最後のランキングとなります。
というわけで、今回は特別に作品別の登場回数のランキングを先に載せます。
ちなみに、参加者限定で、2人は合計の2倍、3人は4/3倍、5人は4/5倍にしました。

>>815まで

1位 ハヤテのごとく! 217回
2位 HELLSING 213回
3位 ゼロの使い魔 213回
4位 らき☆すた 204回
5位 アカギ 195回
6位 覚悟のススメ 172回
7位 BATTLE ROYALE 163回
8位 銀魂 160回
9位 北斗の拳 156回
10位 仮面ライダーSPIRITS 140回
11位 スクライド 134回
11位 名探偵コナン 134回
13位 武装錬金 131回
14位 からくりサーカス 117回
15位 ジョジョの奇妙な冒険 116回
16位 グラップラー刃牙 112回

何か不備でもあればご指摘お願いします。
個人のランキングは少々お待ちください。

817死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w:2008/12/23(火) 21:34:23 ID:RaW4I2iw0
引き続いて、個人のランキングです。

>>815まで

→1位 平山幸雄 96回
↑2位 泉こなた 77回
↑3位 平賀才人 76回
↓4位 セラス・ヴィクトリア 75回
↓5位 シエスタ 73回
→6位 毛利小五郎 66回
↑7位 綾崎ハヤテ 65回
↓8位 カズマ 63回
↑9位 三千院ナギ 62回
↑10位T 柊つかさ 59回
↑10位T ルイズ(略) 59回
↑12位T アーカード 58回
↑12位T マリア 58回
↑12位T 葉隠散 58回
↓12位T 高良みゆき 58回
↓16位 本郷猛 57回
↓17位T 坂田銀時 56回
↓17位T 杉村弘樹 56回
↓19位 ジャギ 52回
↓20位 市川 50回
↓21位 武藤カズキ 48回
↓22位 桐山和雄 46回
↑23位T アミバ 45回
↓23位T 花山薫 45回
↓25位 三影英介 44回
↓26位 鷲巣巌 43回
↓27位T 志村新八 42回
↑27位T 空条承太郎 42回
↑29位 川田章吾 41回
↑30位T DIO 40回
↓30位T 白金 40回
↓30位T 桂小太郎 40回
↓33位 タバサ 39回
↑34位T 津村斗貴子 38回
↓34位T 加藤鳴海 38回
↑36位T ラオウ 37回
↓36位T 灰原哀 37回
↓38位T 才賀勝 35回
↓38位T 防人衛 35回
↓40位 劉鳳 34回
初41位 桂ヒナギク 32回
↑42位 範馬勇次郎 30回
↓43位T 吉良吉影 29回
↓43位T 範馬刃牙 29回
初45位 葉隠覚悟 28回
↓46位 アレクサンドル・アンデルセン 27回
↑47位 江戸川コナン 24回
↓48位T ケンシロウ 22回
↓48位T マーティン・ジグマール 22回
↓48位T 神楽 22回
↓51位 三村信史 20回
↓52位 キュルケ(略) 19回
↓53位 シェリス・アジャーニ 15回
初54位T 柊かがみ 10回
初54位T 蝶野公爵(パピヨン) 10回
初56位 愚地独歩 8回
初57位 服部平次 7回
初58位 赤木しげる 6回
初59位 ジョセフ=ジョースター 5回
初60位T 村雨良 4回
初60位T 才賀エレオノール 4回

何か不備でもあれば指摘お願いします。
長い間行われた死者スレランキングも今回で最後となりました。
今まで本当にありがとうございました。
2ndでも機会があればやろうと思っているのでそのときはよろしくお願いします。

818強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 22:25:50 ID:yFkglLow0
ランキング乙です!
しかし、初のランキングでヒナギクと覚悟は上位食い込みすぎだろww
そして……遂に! 第一回から誰も破れなかったトップ3の壁を、
こなたと才人が天元突破!! というかサイトが意外すぎる。
そして、最後の最後までトップをぶっちぎった平山に乾杯。

819強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 22:26:19 ID:2m7LAeSM0
平山「くそ!!……あと4回で100回だったのに…!」
こなた「あれ?私こんなに多く出演してたんだ、いや、悪いねぇみんな」
才人「え…俺?本当に3位になっちゃったの?…やったぞ!!」
セラス「そんな……せっかく2番死守してきたのにぃ…がっくり…」
シエスタ「よかったですね皆さん、私も何とか5位で終われてよかった♪」
小五郎「まぁこんなもんだろう、ベスト10入りしてただけでもありがたい」
ハヤテ「あ…あの…僕がこんなに上位でよかったんですか…?う〜ん…参ったぞ」
カズマ「どーでもいいや、でもま、ありがたくいただくとするぜ」
ナギ「ハヤテ!主である私よりも順位が上とはどういうことだ!」
つかさ「やった♪ベスト10入りだ〜」
ルイズ「あの馬鹿犬…なんであんなに上位なのよーー!!!」

820強化外骨格「名無し」:2008/12/23(火) 23:09:24 ID:9UCc3SZAO
JUDO「……………」
アカギ「ククッ……まあ、仕方ないさ。
お前は参加者ではないんだからな」
ギィ「そうだよ。
それに、プッチ神父や暗闇大使達も同じ扱いなんだからさ」

821強化外骨格「名無し」:2008/12/24(水) 15:16:49 ID:srUjRz3Y0
JUDO「そういえば、我からお前達に褒美をやっていなかったな」
村雨「褒美……だと?」
JUDO「ああ。我をあそこまで楽しませてくれたお前達に、褒美をやらぬのは筋違いであろう?」
服部「それで? 大首領様はどんな褒美をワイらにくれるっちゅうんじゃ?」
JUDO「そうだな。元の世界に魂を送り返す、ぐらいはできるぞ?」
覚悟「なんと!?」
パピヨン「それはつまり、元の世界に心残りがあるやつらに、それを晴らさせるということか?」
JUDO「そういうことだ。なんなら、別世界に送ってやってもいい。霊感の希薄な人間にも見えるよう、霊魂の強度と密度も底上げしてやろう。
    さぁ、どうする……? ツクヨみんでは、お前達の元の世界の座標を知らぬ故、できぬことだぞ?」
銀時「お〜い、みんなぁ! 悪の親玉がクリスマスプレゼントくれるってよぉ!!」
JUDO「……なに?」
劉鳳「おのれJUDOめ!! クリスマスに託けて何を企んでいる!?」
アミバ「貴様の邪悪な企みは!」
ブラボー「我らブラボー戦団が全力で阻止するぞ!!」
JUDO「……くく、成る程。貴様らも、最後の一撃に加わっていたな。ならば、この場にいる参加者全員に、資格はあるか……。
    まぁ、良い。さぁ、戯れるぞ……!」


思いつきで書いた。特に続かない。

822強化外骨格「名無し」:2008/12/24(水) 21:23:55 ID:7IOzIyeM0
真面目な話、みんな別れを伝えたい相手とか多そう
でも急にロワに放り込まれて死亡したなんて話したら泣くだろうな……

823強化外骨格「名無し」:2008/12/24(水) 21:41:45 ID:gQwR799A0
>>822
鷲巣←国外逃亡寸前
市川←消息不明
平山←死亡
アカギ←いるとしても二十年以上先

こいつらは大丈夫だ

824強化外骨格「名無し」:2008/12/25(木) 01:35:15 ID:T6OAZk3EC
アカギ勢や桐山あたりは大首領と残ってくれそうだなwヘルシングは微妙か…。

825強化外骨格「名無し」:2008/12/25(木) 11:05:55 ID:jC0Z69s.0
だれも大首領の『ツクヨみん』発言にはつっこまないなんだな。
個人的には、こなたと共に結婚報告へ行くパピヨンの姿を幻視した。死んでるけど。

826強化外骨格「名無し」:2008/12/25(木) 12:29:33 ID:APY777FQO
>825
誰に報告するんだ?

827強化外骨格「名無し」:2008/12/25(木) 18:33:26 ID:8I7LS87k0
>>826
パッピーの世界のカズキとか、こなたの父親とか、ゆーちゃんとか。

828強化外骨格「名無し」:2008/12/28(日) 22:59:09 ID:YJonhZLE0
ヒナギク『大事な話があるって言ってたけど、なんだろうな?覚悟くんったら』
覚悟『待たせてすまなかったな、ヒナギクさん』
ヒナギク『それで、話ってなにかしら?覚悟くん』
覚悟『新しい趣味に目覚めたので協力して欲しい』
ヒナギク『協力するけれど、なんで覚悟は私の前で寝転んでるの』
覚悟『ヒナギクさん。俺の顔に嘔吐してくれ!』
ヒナギク『・・・はぁ?今、なんて』
覚悟『さあ俺の顔に嘔吐してくれ。さあ!!さあ!!!!さあ〜〜ー〜!!!!!!!』
ヒナギク『こんな趣味の覚悟君イヤァァァァァァァ・・・・・』



ヒナギク「アァァァァァっあ?あれ、夢・・・ああ、びっくりしたー」
覚悟「ここにいたのかヒナギクさん」
ヒナギク「ひゃっ、かっ覚悟君!?」
覚悟「すまない、驚かしてしまったか」
ヒナギク「いいのよ、気にしないでちょうだい」
覚悟「わかった。・・・ヒナギクさん!大事な話があるんだ」
ヒナギク「・・・話ってなにかしら?覚悟くん」(・・・もしかして)
覚悟「ヒナギクさん!!俺には君が必要だ。結婚してくれ」
ヒナギク「えっ、あっ、はい」
ヒナギク「・・・・・・・・・・・・・」
ヒナギク「・・・・・・・・・・・・・」
ヒナギク「えええええええええええええええええええええええええ」
覚悟「・・・駄目だろうか?」
ヒナギク「あのえと、その・・・喜んで///」
覚悟「・・・・・・・・・」
ヒナギク「どうしたの、覚悟君?」
覚悟「すまない、こういうときどんな顔をしたらいいかわからないんだ」
ヒナギク「笑えばいいんじゃないかしら」

829強化外骨格「名無し」:2008/12/29(月) 18:53:43 ID:3g2HzRig0
散「やってくれたのう……否、よくぞやった! それでこそ男子だ! 覚悟よ! この散、心から祝福してやろう!」
本郷「ヒナギクさん、おめでとう。俺も祝福させてもらうよ」
つかさ「ヒナちゃん、覚悟くん、おめでと〜」
川田「しかし、いきなりプロポーズとは……葉隠もやるな。とにかく、おめでとう」
かがみ「神前婚の場合は、私とつかさに任せて。勿論、実家が神社だからよ? 私が神様とかやめてよ?」
ルイズ「か、覚悟……い、いきなり結婚なんて……! いえ、けど、これぐらい積極的じゃないといけないのかしら…………」
ラオウ「くっ……あやつが、今までよりも雄々しく見える、だと……!? これが愛の力か!?」
独歩「結婚てのはいいもんだが、大変だぜぇ、覚悟よ? ま、困ったことがあったら俺のところに来な。先輩として、色々とアドバイスしてやるよ」
新八「はい、これ。ちょっと早いけどお祝いの品」つツッコミハリセン魂USDX(超鋼コーティング)
零『ヒナギク嬢か……うむ! 彼女もまた覚悟の伴侶に相応しき女性だ! 我らも祝うぞ、覚悟よ!!
 ……で、良よ。お前はどうなのだ?」
村雨「む? ああ、言い忘れるところだった。おめでとう、覚悟。幸せにな」
ハヤテ「はは、村雨さんにはそういう相手なんて誰もいませんもんね」
村雨「ああ。だが、別に気にするようなことじゃないさ。あいつらを見ていると、それだけで俺も幸せになる」
零『ふむ……では、良の嫁は我らが見繕うとするか。やはり、かがみ殿が第一候補だな……』

830強化外骨格「名無し」:2008/12/31(水) 17:20:49 ID:2gy6eS/E0
勇次郎「邪ァァッ!!」
ラオウ「ムゥンッ!!」
勇次郎「邪ァァッ!!」
ラオウ「ムゥンッ!!」

ハヤテ「……何というか、凄い光景ですね」
川田「あの二人、よく餅つきなんて一緒にやる気になったよな……」
本郷「こちらも蕎麦打ちを急がなければな」

新八「本当、今年も後僅かですねぇ……」
村雨「ああ……いい年を迎えたいものだな」

【死者スレ 年越しに向けての準備中】


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