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死者たちが集ってよもや話をするスレ

762強化外骨格「名無し」:2008/12/16(火) 20:51:58 ID:IgSuhDnU0

散はルイズの様子を見て踵を返す。
「今日の所は好きにさせてやろう」
「ありがとうございます兄上」
「あるべき場を乱すは王の所業にあらず。寛容の心も又統治には不可欠よ」
そう言い残し、何があろうと変わらないであろう超然とした態度で去っていった。
散を見送った後、覚悟は才人に目線のみでルイズを頼む旨を伝え、その場を後にする。
想いを胸の奥に仕舞い込む。そんな事をしていて、ふと気が付くと、
すぐ隣に、いつのまに来たのかヒナギクが並んで歩いていた。
「……いいの?」
二人の関係も一言では言い表せぬ間柄。
そんな関係と無縁ではない、覚悟のルイズへの対応を問われたのだ。
覚悟も真剣にそう問うたヒナギクの真意を汲み取る。
そして熟考を重ねた上、ゆっくりと語った。
「……これは、本来ヒナギクさんの前で語るべき言葉ではないのかもしれない。
 だが……それでも、伝えておいた方がいい、そうも思う」
ヒナギクはただ覚悟が語る言葉に耳を傾けるのみ。

「結ばれるばかりが恋にあらず。俺は、そう思っている……」

一度だけ振り返ると、その視線の先では、漸く顔を上げたルイズを才人がしどろもどろに慰めている。
「俺は、それでいいと思っている……」
二人の様子を見守るように微笑む覚悟。
ほんの一瞬だけそうしていて、すぐに視線をヒナギクへと戻すと、ヒナギクは何かを堪えているような様子で、
少し頬が赤らめながらじーっと覚悟の足元を見ていた。
「ヒナギクさん?」
「……ズルイ……」
「ん?」
「……何か、覚悟君かっこよすぎてズルイ……」
不意に顔を上げると、ヒナギクは何時ものヒナギクの顔をしていた。
いや、微妙に違うのだが、覚悟にはその差がわからない。
「ねえ、覚悟君。お願いがあるんだけど」
「ん? 私で出来る事なら構わないが」
「蹴っ飛ばすわね♪」
「は?」

ばこんっ!

「え? あの、ヒナギクさん? ……や、やはり私が何か……」
走って覚悟から距離を開けた後、ヒナギクは勢い良く振り返り、

「べーっだ!」

あかんべーをし、後ろも見ずに走り去ってしまった。
呆然とその場に立ち尽くす覚悟。
「零よ、やはり……まずかったか?」
『……最早お前にかける言葉なぞ無い。その程度で済ませてくれたヒナギクに感謝するがいい』



一部始終を見ていたかがみはぼそっと呟く。
「……あかんべーは無いと思うのよ。子供か……」
村雨は至極一般的な感想を述べる。
「小学生のケンカを思い出したな……」


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