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テスト2

252モントゴメリー:2024/08/17(土) 23:57:52 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
ビドー初代大統領が出した“処方箋”は、「正統」を作らないことであった。
「正統」が無ければそのカウンターパートである「異端」もまた存在し得ない。よって争う原因は生まれないという訳だ。
そのため、彼は聖典や経典と呼べるような書籍の製作を行わず、民間で発行されたものには決して「公認」を与えなかった。
そして一つだけ、一つだけ指針となる「聖句」を残し、世を去ったのである。

『汝、フランス人たれ』

この聖句は神聖な響きを持つが、実は重要なことは何一つ語っていないのである。
特に「フランス人」の定義については、FFR政府は「国民個人の“心情”に委ねる」と発表している。
つまり、国家に奉仕するのも、ワインを浴びるように飲み美食にふけるのも、恋人と逢瀬を満喫するのも、その他全その個人が「フランス人らしい」と認識した事象全てが「宗教精神の発露」として肯定されることになったのだ。
これにより“精神性の多様化”は達成され、国民同士の異端狩りという悲劇は避けられた。
またアフリカ州の各民族宗教の扱いもこれに準じた(彼らの神々はFFR国教の女神の別側面とされた)ため、この地方の統治難易度低下にも貢献している。
しかし、この方策にも欠点がないわけではない。
多様性とは「共有する根幹」があって初めて存在するものである。
根幹なき多様性とはすなわち無秩序である。

この問題に対処したのが、「謀将大統領」ことマリー・マフタンである。
彼女はリシュリューの異名である「我らが指揮官」と「全てに勝る母」を最大限に活用した。
つまり前者に対しては、FFR国民は全て「我らが指揮官」隷下の兵士である戦友であるとし、後者に関しては「全てに勝る母」の子供にして兄弟である、としたのだ。
上記の思想は20世紀中には既に民間で見られたことであるが、マフタン大統領はこれを公認し、推し進めたのである。
つまりフランス人「らしい」ことならば全てが肯定されるが、それは全てフランスのための『闘争』なのである。
ワインを飲むことも、恋人との逢瀬も、最終的にはフランスを前進させるための闘争に収束するとしたのだ。

もう一つ彼女の偉業として特記すべき点は『反抗期』を定義したことであろう。
全てが肯定されるといっても、やはり余人が眉をひそめるような行為をする者は存在した。
法には触れずとも肯定するには抵抗がある者たちを、マフタン大統領は反抗期としたのである。
これはレッテル張りという問題はあるが、これにより

「反抗期=悪い子=悪い子でも、全てに勝る母の『子供』であることには変わらない」

という論理を組み上げたのである。
そして全てに勝る母の子供ならば自分たちの「兄弟」だ。兄弟を否定するのは心理的に大いに苦労する行為である。
また反抗期とはいつか終わるものである。なので「今はそっとしておこう」という心理も働いた。

反抗期として一番有名なのは、マフタン大統領の総参謀長を務めたアナイス・ベルナルドである。
一説には、現役軍人最高位の彼女が反抗期となることで国民に対しそういった人々を受け入れさせる心構えをさせたのだとされる。
つまり、アナイス総参謀長がことさら伊達者を気取っていたのは演技であり、道化となることでマフタン大統領を援護していたのだという説であるが、歴史はその答えを示してはくれない。

253モントゴメリー:2024/09/03(火) 23:59:36 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
MAT82短機関銃
口径:10mm
銃身長:250mm
使用弾薬:10x25mm フランセーズ・オート弾
装弾数:32/20発着脱式箱型弾倉
作動方式ストレート・ブローバック式オープンボルト
全長:480/720mm
重量:約4kg(マガジン無し)
発射速度:600発/分
有効射程:約150〜200m

【概要】
MAT 82は、MAT(Manufacture Nationale d'Armes de Tulle:チュール造兵廠)で設計された、フランス連邦共和国(以下FFR)の短機関銃である。
10x25mm フランセーズ・オート弾(10x25mm Français Auto)の採用を前提としており、短機関銃としては絶大な火力を有する。

【開発】
「暗黒の30年」が終わり、FFRが「暁の20年」と呼ばれる高度経済成長期に入る頃、FFR各軍でも装備更新が急ピッチで進められたことは以前にも述べた。
その流れで開発されたのがフランセーズ・オート弾である。
そして弾薬はそれ単体では効果を発揮せず、対応する銃器が存在して初めて運用できるものであるのは自明の理である。
そこで陸軍では新世代の新型短機関銃の採用を計画し、チュール造兵廠に開発を命じて完成したのが本銃である。
MAS50という“FFRの魂”と呼ぶべき銃器を設計したサン=テティエンヌ造兵廠の影に隠れがちであるがMATも数百年の歴史を誇る銃器設計の名門である。
MATは名門の復活をかけて本銃の設計に邁進した。

254モントゴメリー:2024/09/04(水) 00:00:27 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【構造】
MATは設計に当たり、以下の基本方針を設定した。

・生産性を重視し安価な銃とすること
・信頼性と整備性を高い水準で両立させること
・その上で操作性にも配慮する事

これらの項目を達成するため、基本構造は量産に適したプレス加工を多用し作動方式はシンプルブローバック方式・オープンボルト撃発を採用している。
これは短機関銃としては一般的な方式であるが、精度の確保が困難である。
“100m先の敵の眼球を狙撃できる”というドイツ帝国が開発したMP5短機関銃が示した「高精度な短機関銃」という新時代の潮流に逆行しているのであるが、それに対するFFRの回答は単純明快であった。

「射撃精度はエラン・ヴィタールで補えば良い」

である。
…とはいえこれはフランス流冗句が半分である(つまり半分は本気である)。
そもそもFFRの哲学として、短機関銃で狙撃をすることは“邪道”である。
狙撃をしたいのであれば、FFRにはMAS50というこの上なく頼りになる「相棒」がいるのだ。
彼に任せれば良い。
短機関銃の運用とは安価に弾をばら撒くことである。
そしてその哲学に則れば、MAT82は何の問題も無かった。

信頼性や整備性を向上させるため、構造は単純であり部品数も少ない。
また、同様の理由で他国の短機関銃のような単射/連射切り替え機能がなくフルオート射撃だけである。
コッキングハンドルは銃の左側面にあり、射撃中は動かず前方にとどまる。
ピストル式グリップの後部にグリップセーフティーが装備され、しっかり握らないと射撃できない。
このグリップセーフティーは本銃で唯一の安全装置である。
銃床と弾倉部は前方に折り畳むことが可能であり、より持ち運びしやすい形となる。

警察用として製造されたものはMAT49/54の名称で呼ばれ、ベレッタ Modello 1938Aと同様にセミオート用とフルオート用の2つの引き金が装着され、銃身を延長して固定式の木製銃床を装備している。

銃身が拳銃よりも長くなったので初速が1割ほど増加している。
運動エネルギーもそれに呼応して増大しており、約1250ジュールとなった。
この大威力弾薬を使用し射撃時の安定性を確保するため、銃本体の重量は4㎏とMP5の3割増しとなっている。
(MAS50と比較してもこちらの方が若干重い)

【運用】
MAT82は制式採用後即座にFFR各所に普及した。
陸軍では歩兵部隊のみならず戦車兵の護身用装備として(空軍の飛行士でも同様)、海軍でも艦内戦闘用の主要装備となった。
また特徴である価格の安さからフランス国内軍でも人気となり、財政的に余裕の少ない地方の自治体では市街地の部隊においてはMAS50よりも装備数が多いという事態が発生した。
(正規兵よりも練度が低い国内軍兵士には弾幕を張れる本銃の方が適しているという評価も関係している)
また民間市場での売れ行きも好調であり、特に女性の購買層に好まれた。

255モントゴメリー(オルタ):2024/09/11(水) 23:11:04 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
日本大陸連合 Strong Style③——前編——

——「旧」防衛省庁舎
その一角にある会議室に多くの人間が集まっている。
「被占領国」たる列島日本からは総理大臣を筆頭とする文官たち。及びそれに助言をするために「元」統合幕僚長以下少数の武官(敢えてこう明記する)。
「占領国」、通称『大陸連合』総司令部からは議長を始めとして文武の高官たちが出席している。
列島日本の総理大臣は、大陸連合内の強硬派の主張により降伏文書調印後に「八つ裂き(直喩)」にされる所を、穏健派の取り成しにより「切腹(直喩)」へ、更に「切腹(保留)」へと減刑され未だに政府の代表を務めている。

なお、大陸連合が列島日本占領政策における軍事面で第一に成した事は「防衛省及び自衛隊の完全解体」である。
彼らから見れば、それらは軍事組織として使い物にならなかったからである。
実戦部隊たる自衛隊に関して言えば、装備や練度についてはまだいい。この世界の技術レベルを考慮すれば及第点くらいは認めてやれる。
しかし、隊員たち個人個人の心構えはいただけない。ある古参の自衛官に聞き取り調査した時など

「私は人の命を救うために自衛隊に入ったんだ。戦うためではない」

という返答が帰って来て大陸連合関係者を唖然とさせた。
確かに国民の生命財産を守ることが軍隊の「使命」である。しかし、その使命を果たすためには戦闘という「手段」を避けては通れない。
その心意気は警察官や消防士ならば天晴れであるが、“防人”としては失格なのだ。
更に言えば、現場を支えるべき法令関係の整備が不足している…というよりほぼ皆無であったのが致命的だ。
軍法会議すら開けないなど、これ実際に戦争になっていたらどうするつもりだったのだろうか?と大陸連合の法務将校は首を傾げた。

このような惨状から大陸連合総司令部は、自衛隊を発展改善するのではなく新しい国軍を一から創り上げた方が早いと判断したのだ。
自衛官は統合幕僚長から二等陸士まで全員が解雇された。
されど大陸連合の者たちは勇士への敬意の表し方を知っている。
彼らのほぼ全員が一階級昇進の上、規定通りの退職金のみならず基本給1年分が一律で給付された。さらに、希望者は新国軍への優先入隊権が与えられる。
(思想調査などの各種試験を突破する必要はあるが)
また、先の戦闘で負傷または「戦死」した隊員は二階級特進の上それに見合う額の一時金か遺族年金が支払われた。

防衛省に至っては存在自体が害悪と言ってよい。
予算確保という“自己保存”すらできないとは、軍事に限らず国家機関としての条件を満たしていないではないか。
こちらも職員は全員解雇である。退職金を出しただけまだ慈悲深い。
防衛省に代わって「兵部省」が新設される予定である。

256モントゴメリー(オルタ):2024/09/11(水) 23:12:12 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「——これより『列島日本正常化計画』、その初期段階の説明を始める」

議長が厳かに宣言した。
なお、議長は列島日本占領の元凶となった特使夫妻殺害事件。その被害者を出した世界出身であり強硬派の最右翼集団のトップである。

「まず前提として、列島日本の統治方針は天武天皇を模範とする」

列島日本の出席者たちはその言葉の意図を測りかねていた。ただ一人を除いて。

「…『凡政要者軍事也』。政治は軍事を第一とするということですか」
「流石は安倍氏の末裔と言った所か?腐っても鯛だな」

総理の言葉に、議長は面白くなさそうに返す。

「国家の役割とは究極的には『国防』と『司法』と『物流』だ。
 私は夜警国家主義者ではないが、この三つの条件を満たした共同体が国家を名乗る資格があるという主張には全面的に同意するものである。」
「そして、その意味ではこの列島日本は国家未満ですね」

議長の言葉に連合側の一人が付け加える。

「いかにも。本計画が“正常化”と銘打たれているのもそれが理由である」

議長は言葉を続ける。

「国家の基本である軍事、そのまた基本である兵員数については『人口の約1%』を基準とする」
「1%…?」
「具体的には総兵力『130万人』である」

その言葉に列島側の人間がざわめいた。何せ旧自衛隊の5倍以上の数である。

「そ…なんな数の兵員をどうやって揃えるおつもりか?」
「志願制で賄うのが最善であるが、それは望み薄であることも承知している。
 ——徴兵制を施行する」
「っ!?」
「更に総力戦体制の構築も進め、最終的には『人口の約10%』、1300万人を動員可能な体制を目指す」
「……!!」

列島側諸氏は言葉を失った。その中でも、財務省からの参加者が声を上げる。

「し、しかし…。徴兵制を採用したら経済への悪影響が…」
「経済だと?貴様らがそれを言うか?経済的失策を繰り返し『失われた30年』とやらを生み出した貴様らが!?」

議長はその声を一蹴しつつ続ける。

「我々を侮るな。貴様らと違い、軍事と経済を両立してご覧に入れよう。我々はそれを常になしてきたのだ」

実際、大陸連合加盟国の大半は21世紀になっても徴兵制を維持し続けている。

「それに、敢えて言うが我々が必要なのは『ゲート』の番人なのだ。
 1000万の精兵が揃うならば、1億の民が飢えに苦しむことになろうと一向に構わない」

議長の言葉に、列島側参加者は肩を落とし、顔を青ざめた。

「——まあまあ、議長。あまり事を急いではいけませんよ」

沈黙が満ちた会議室に一人の声が響く。
先ほど発言していた大陸連合側の出席者である。

「議長の仰る方針は誠に正しい。国家を一人の人間とするなら軍事力は筋肉です。筋肉がなければ何もできません。
…しかし、栄養失調状態の者にいきなり筋肉を付けさせようとしても逆効果です」
「…ふむ?」
「まずは段階を踏みましょう。フルマラソンの前に、1500m走が出来る程度の筋力をつけることを目標とするべきです」
「具体的には?」
「我々の提案する計画は——こちらになります」

彼が手元の端末を操作すると、プロジェクターに数表が表示された。

「まずは最低限の備えとして、『人口の0.5%』、65万人体制を目指しましょう。これならば現状でも達成可能です。
我々の方策により『職を求める人間』が激増する予定ですので、志願制でも賄えるかと。
…どうでしょうか?列島側の皆さんにとっても悪い話ではないかと思いますが?」
「…! は、はい。それでよろしいかと」

急に話を振られた総理は一瞬呆けながらも即座に再起動し同意した。
正直言って65万人でも過大な要求である(旧自衛隊の3倍弱)し、最後にものすごく不穏な一言が添えられたような気がするが、この“蜘蛛の糸”を掴まなければより深い地獄へと落とされるのは確定なのだ。
拒否できるはずも無い…。

「どうでしょう議長殿、このあたりが落としどころだと推察いたしますが?」
「……階段は一段ずつ登らないと足をひっかけるか。
よろしい、貴殿達の顔を立てる意味でもこの『暫定案』を採用しよう。しかし、あくまで暫定案である。最終目標に変更は無いことは明言する」
「ありがとうございます。——では、昼休みとしませんか。見たところ皆さんお疲れのようですから。」

こうして会議の第一幕は無事?閉幕した。

257635:2024/09/23(月) 20:21:25 HOST:119-171-250-58.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一一四



『御所市蛇穴の渡辺和夫さんいらっしゃいますか!今回の転送でお孫さんの伊藤大翔さんを見つけました!!』

『葛城市笛吹の上田佳子を探しています!80歳くらの女性です!』

『いたいよぉ。いたいよぉ…。』『ママぁ、どこぉ…?』


土蜘蛛が出現して以降、衛星軌道上のゲートイゼイラの機動人工亜惑星要塞内の転送施設は大混乱に見舞われている。
次から次へと矢継ぎ早に片っ端から奈良県民が転送されてきており中には重症を負った者や親と逸れた小さな子供までいる。
そしてその転送されてくる者らの中に家族や知人の姿を探す日本人の姿もあった。
安全だった為に初期に強制転送されて来た者達だ。

最初に無理やり転送されてきた彼らはどういうことかと転送されてくる日本人を待ち構え待機していた人工亜惑星要塞の職員らに詰め寄る。
しかし後から続々と転送されてくる重軽傷者や服が破れたり汚れたり着の身着のままな日本人、
そして職員から見せられた奈良南部の現状を知らせる広域情報バンクからの情報を見て言葉を失う。
怪獣にしか見えない巨大なクモの化け物が人を襲う、出来の悪いパニックホラー映画としか思えない状況。

そうして事態を漸く把握した彼らは日本の携帯電話回線を使用出来る亜惑星要塞内で家族や友人にスマホなどでSNSを通し連絡を取るが現地の電話回線の混雑や断絶で殆ど繋がらず。
災害掲示板を利用しなんとか行方不明の家族や知人の置かれている状況が書き込まれるのを確認出来ればまだいい方…確認出来ない人も少なくない。


【テレビでやっていたヤルバーンの人らの居る方向へ向かいます】

【ラジオで自衛隊が大勢いるって言ってたからそっちに向かうね】


そして、書き込まれたものにはそういったものも多数ありそれを見た親類縁者は身内が自衛隊が投入されている方向に向かうということに安堵する。


『〇〇市にはクモに対し自衛隊の戦車やイゼイラのロボットが投入され野党は抗議活動を…。』

『××町では激しい戦闘により自衛隊の攻撃で行政センターが破壊され…』


だがそのテレビやラジオが流すのは避難場所や安全地帯、受け入れ拠点の情報ではなく、
自衛隊がどこでどれだけ周囲に被害を与え戦闘行っているかという訴え。流されるのは自衛隊が多く投入される激戦区の情報のみ。
この直ぐ後、ヂラール遭遇事件時に事象情報バンクの情報を生でゲート日本に齎した有志らが再び立ち上がるのだがこの時はまだ奈良の情報を知るにはテレビかネットに投稿、配信している人物等の情報しかなかった。




「一向に減らんぞッ…!?」


そんな戦場の上空でゲート日本の藤堂は護衛艦グレイファントムの中で声を漏らす。
グレイファントムが僚艦のクォーターなメガロードと共に奈良県上空に到達、機動兵器を吐き出してすでに一時間は経過していた。
吐き出したM9、陣風や烈風改、ズイウーン改二やヴァズラー他、自由号に何故か居着いたトミーのプロヴィデンスまで戦線に加わりそれはもう大変な事になっている。
ゼルモニターの画面の中には戦場各地のデータが投影される生き残った市民の位置や敵数などが表示され撃破数は跳ね上がっているが湧出する土蜘蛛の数が減ることはなく市民救出も平行しているので均衡状態といった所だ。

258635:2024/09/23(月) 20:24:16 HOST:119-171-250-58.rev.home.ne.jp

映る部隊を示す光点や防衛ライン示す線は時折、赤くアラートの表示に変わる。
一部部隊や戦線が危機的状況にあるのだ。
多すぎ一向に減る気配のない土蜘蛛に疲労からのミスや初の実戦による誤射、誤爆による士気の低下、
激戦区の自衛隊がいる場所を目指した避難民が入り込み戦線が崩壊しかけるケースも散見された。
援軍の艦娘と銀河連合日本やゲートイゼイラのロボットスーツ部隊の増援や電達が遊撃行いつつ高火力や指揮技能・カリスマ持ちサーヴァントを召喚、放り込むことで戦線を立て直しどうにか補っていた。
グレイファントムも元ネタそのまま配置された連装粒子ブラスターや1m超えの斥力砲で対地支援砲撃に参加している。
そしてブリッジの響く声でセンサー員が叫ぶ。


「艦長!銀河連合日本の部隊戦闘中のエリアに複数の生体反応検知、生存者です…これは…子供です!」


その激戦区にテレビの情報から入ってしまった民間人だ。


自身より更に小さな妹を抱え瓦礫の山の中に息を潜め蹲る少女の頭上を機関砲の弾群の曳光が走ると数百メートル先のお化けの様な大きなクモが咥えていた民間人だったものごと体液を撒き散らし絶命、その後を轟音と共に緑色のズイウーン改二が過ぎ去る。
続き前面ガラス張りのキャノピーを持つどう見てもR型な航宙戦闘機が腹に抱えた大口径の多銃身粒子ガトリング砲より粒子弾をバラ撒くと面白い様に土蜘蛛の群れがが建物ごと豆腐の様に引き裂かれる。

そして少女の居る瓦礫のすぐ脇をグライドホイールで走行する頭部に三連センサーターレットを搭載したコマンドトルーパーの部隊が土蜘蛛の群れ目掛けアサルトライフルを射撃しながら引き撃ちを行い、
群れが減った所を空中より降下したどう見ても戦術機陣風が背部含め四基の突撃銃で掃討、その砲弾の薬莢が少女の直ぐ側に落下してくる。
市街地外の野戦では隊列を組んだゲートイゼイラのシルヴェルや歩行形態のヴァズラー、16式機動戦車が粒子ブラスターや実弾兵器による砲撃をしその爆発の合間を潜り抜け騎兵部隊が突撃を行う。
高高度には衛星軌道上から降りてきた航宙艦仕様の艦娘に率いられた海洋生物型艦艇群が対地砲撃をし土蜘蛛の大群を消滅させてはいるが流石に市街地更地にするような攻撃は市民が生体反応から残っているのが分かっているので流石に出来ないでいる。

さてこの少女、自衛隊のいる激戦区にやってきた一人だ。
普段より家にいない両親は今日も居らず普段から親に代わり面倒を見る幼い妹と共に昼寝をしている所に鳴り出したサイレン。
何も分からぬまま外をみれば恐ろしい容貌をした巨大なクモの怪獣で溢れそれを見て泣き出す妹。
泣きたいのは少女も同じだったがお姉ちゃんだからとぐっと堪え両親のスマホに電話するがいくら掛けても繋がらずまた泣きたくなった。
こういう時にはまず情報からだとテレビを付ければ自衛隊が日本国内で戦闘を始めたとの報道。
自衛隊がどこそこで戦闘を行っていると、どの様な破壊を行っているかと報道を見た少女は自衛隊がいる所ならば安全という一般的日本人が持つ思考から弟妹を連れ最前線に向かってしまった。
それは少女だけではない少なくない市民もまたテレビをやラジオの情報から最前線に向かった。
戦闘していると分かっているのにだ。
元来軍隊が活動している場所は危険地帯だ。それは戦闘が行われる緊急時ならば尚更。
しかし今までの災害などの経験則から来る自衛隊がいる所ならば大丈夫という日本という国の常識的認識を是正しなかったこと、
そして本来避難方法などを伝えるべきマスメディアが仕事を怠った故の悲劇だった。

引き撃ちしながら下がる銀河連合日本の部隊と共に砲声が遠ざかる。
そして十分に遠くなった所で少女が状況確認の為に瓦礫の隙間から外を覗いて見ると…巨大なクモと目が合った。
へたり込む少女、その股間は濡れ始めチョロチョロと流れ始める。
クモ…土蜘蛛はその巨大な口を開き、迫る巨大な口は奈落の底の様に暗い。
大きな口を開き迫る土蜘蛛の牙が少女を貫こうとした瞬間、その牙はすんでの所で止められる。


「はいはい、そこまでだよ。土蜘蛛さんや。」

259635:2024/09/23(月) 20:25:41 HOST:119-171-250-58.rev.home.ne.jp

たおやかな白い指が自身の腕よりも太い牙を軽々と止める。
その白い指の主は流れる長い白い髪とその頭部にヒトではない耳を生やした女。
女は牙を掴んだままその外見からは想像も出来ない怪力で土蜘蛛を牙を掴んだまま持ち上げるとそのまま回り始め、
そのままハンマー投げの様に土蜘蛛を放り投げる。

すると女の後ろより巨大な金属の肉食獣達が女の前に出るとそのまま土蜘蛛たちに襲い掛かりその爪と牙を以て土蜘蛛を血祭りに上げていく。
フンとその様を見ると女は少女に近づくと姉妹の体液や汚れで服が汚れるのも気にせず抱き上げる。


「良い子悪い子普通の子、纏めて子供の味方ゴルシ号ちゃんが助けにやってきたぜェ☆」


そう言うとニカっと笑う女…ゴールドシップ号の笑みと長年忘れていた人肌の温かさから気が緩んだ少女は安心して泣き出してしまった。
彼女らは剣林弾雨を掻い潜りその身体能力と権能を以て激戦区に取り残された或いは入ってしまった人々を救助している。
その姿はテレビには映らず某笑顔動画始め電子の海の配信にやはりマスメディアが頼りにならんともう一度集結したゲートイゼイラ人や日本人らが日本各地やネットでの広域情報配信に映る。
その姿を確認するや絶叫や発狂するするゲート日本やスールな大日本帝国の競馬関係者やファン。
脳をこんがりと焼いた競走馬達が戦場、それも魑魅魍魎跋扈する最前線に立てばそうもなろう。
脚が爪が牙が彼女らを掠める度に、誰かを庇い身体が穿たれる度に狂声が日本の冬空に響き渡る。

それでも彼女らは臆することなくその脚が衰えることなく、その豪脚を以て命を守る歩みを進める。
その姿の中には2020年…デアリングタクト号などこの年にまだ記憶に新しい馬達の姿もある…。
サクラローレル号、シンボリクリスエス号やスイープトウショウ号など今年虹の橋を渡った馬達の姿もある。
この年、未だ存命のウィニングチケット号がナリタタイシン号、ビワハヤヒデ号と共に子供を抱え疾走する姿など90年代の競馬ファンの目が熱くなる。
セイウンスカイ号と共に行動するニシノフラワー号とか一部に刺さる光景もあったが。

そしてサイレンススズカ号が、アストンマーチャン号が、ケイエスミラクル号が戦場を駆け抜け罪なく失われかけた命を救い上げる、老人も若い夫婦も幼子も等しく。
ライスシャワー…祝福の名を与えられた黒き馬は電らと合流し暁…日の昇る空の名を持つ艦娘を背に乗せ戦場を駆けていた。
バトンを繋いだ、繋ぐ命達をバトンを繋げなかった彼女らが…命を繋げていく。
その姿をゴーストウィニング号と飯崎も見ておりその状況も超大陸世界にも配信されている。


『ねえ主さん。』

『なぁに?』

『出来れば自分もみんなと一緒にあそこに居たかったです。』


画面を見るゴースト号の表情は映ってはいない。
同じく命繋ぐことなく虹の橋を渡った彼女らが自分と違い彼女らが現在命を繋ぐ立場にあることに思うところがあるのか…それとも単に彼女らと共に居たいのか…責任感か…。
その言葉を聞いて超大陸のウマ娘らやゴーストウィニング号陣営の者らは顔を曇らせる。
彼女らはゴースト号が電の判断で飯崎と共に比較的安全な前線指揮所に留め置くという処置がなされたことでゴースト号が危険に晒されることはないと安堵してしまったことに自己嫌悪に陥った。
知人である筈の電やテイオー号らが未だに戦火の中を駆けずり回っているというのに。
その間もゴールドシップ号の映像は流れ続ける。


「どうしてココ(激戦区)に入ったんだ?」

「グスッ…テレビで、ここに自衛隊の人が居るって言ってたから…。」


その言葉に舌を打ち空を見上げるゴールドシップ号の瞳には目障りなマスコミの報道ヘリの姿が目に入る。
今も目に入る悲劇をゲート日本政府や自衛隊の責任としてそれは賑やかなに報道し、肝心の情報は流さずに被害を無邪気に拡大させているのだろう。
ゴールドシップ号はそのまま奈良市の臨時司令部に通信を繋ぎ事のあらましを告げると対処の返答があり通信を切った。
通信に出た深海棲艦の後ろでは県警や消防、県の防災担当のお偉いさん方がエラいキレている。
恐らくは公務執行妨害の現行犯でヘリを拘束するだろう、機動兵器を飛ばすという話も出ていた。
突如として地面が大きく震え始めると姉妹はゴールドシップ号に強く抱き着つくが蹌踉めくことはないゴールドシップ号。

260635:2024/09/23(月) 20:26:24 HOST:119-171-250-58.rev.home.ne.jp

手元のPVMCGに目をやりその振動の発生源を特定し視線を向ければ淨眼である彼女の目にマグマの様に湧き出る物理的な圧力すら感じる瘴気が映る。
地の底から登ってくる。
殺された古代のまつろわぬ民の残滓…世を呪う呪詛を取り込み日ノ本の大龍脈まで犯した日本を呪う加藤と自称する狂人。
だがその呪詛は千の歳月を超え最早それは腐り果てていた。
ただひたすらに醜い、そう表現するしかない他の個体よりも遥かに巨大な腐り果てた大土蜘蛛が瓦礫を噴出させながら出現した。
それを見たとあるテレビ局でコメンテーターとして呼ばれた憲法学者という肩書の運動家…法であるべき日本国憲法を俗の新興宗教に貶めたことに気付かぬ人間の一人は狂喜する。

そうして同時刻、異界たる京の都の結界の外側。
船岡山北西山麓より糸屋川に至るかつて蓮台野と呼ばれた地の一部が地響きと土煙を立て何かが現れる。
同じ土蜘蛛の名の縁により目覚めたたかかつて時の源氏の大将に討たれた京の都の土蜘蛛。
同じまつろわぬ名でだが全くの別物。
野辺の地…風葬により死体が打ち捨てられた蓮台野に生じ同じ名で括られた当地の亡霊の集合体の様な化生、祀って貰えぬまつろわぬもの。

斯様な存在を自分らの思想に傾倒せぬ存在を害するならばそれは九条の神と認識、あれらこそが日本を守る九条の神であると全国に向けて発信してしまった。
人と相いれぬ存在だというのに。

少女姉妹は土蜘蛛の発するその圧に顔を青くするがその圧も直ぐに霧散する。
気づけば淡い光に包まれたいたその発生元はゴールドシップ号、彼女の持つ加護が障壁となっていた。
そうして落ち着いた少女がつぶやく。


「あ、ヘリコプターが…。」

「自業自得だけど…運が悪いってレベルじゃねえぞ…アレ…。ティアマトの母ちゃんの呪いが原因か?」


少女のその言葉にゴールドシップ号が空を見上げれば土蜘蛛が出現時に噴出したと思しき瓦礫が飛んでいた報道ヘリ全てを巻き込んで叩き落としていた。

261モントゴメリー:2024/10/06(日) 14:55:44 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
Strong Style世界——石見型標準型戦艦——

基準排水量:1万6000トン
満載排水量:2万5000トン(モジュール装甲装着時)
全長:195m
全幅:28.5m
最高速力:30ノット(公称)
機関:統合電気推進(70メガワット級発電機4基)
航続力:8000海里/20ノット
兵装:50口径35.6㎝連装磁気火薬複合加速方式両用砲 3基
   65口径12.7㎝単装磁気火薬複合加速方式両用砲 6基
   70口径57㎜単装磁気火薬複合加速方式速射砲  4基
   80口径25mm多銃身自動機銃          8基
   誘導弾垂直発射装置              96セル
   二十連装艦対空誘導弾発射機          4基
   三連装短魚雷発射管              3基
装甲:14インチ通常弾対応防御(船体全周)
   14インチ磁気火薬複合加速砲弾対応防御(モジュール式装甲装着時)
乗員:250名
同型艦:石見 壱岐 丹後 肥前 相模 周防(第一期シリーズ)

1.概要
石見型標準型戦艦は、大陸連合に占領された列島日本で生まれた新生海軍で運用される戦艦である。
『標準型』という名の通り、新生海軍の基幹となることを期待された艦であり、戦艦としては珍しく量産性が重視された設計である。
コンセプトは「空母とイージス艦の役割を1隻で代替する」であり、それを実現可能な打撃力と防空能力(大陸間弾道弾対応能力も含む)を誇る。

2.計画
列島日本の再軍備計画がス開始され、旧海上自衛隊も新生海軍として再出発することとなった。
当初の計画では10万トン級大型正規空母を主軸とした戦力を整備する予定であったが、その計画は大きな障害にぶつかる事になる。

——人員不足である。

これは陸海空全ての旧自衛隊にあてはまる問題であったが、海上自衛隊ではそれが顕著であり、「もはや観艦式も開けない」と言われるほどの惨状であった。
“帰港した艦から人員を抽出し出港する艦に乗せた”という話を聞いた大陸連合の関係者は
「何で平時なのに末期戦じみた運用してるんだ?」と言葉を失ったという。
さらに言うなら、この問題は新生海軍になったとしても改善するどころか悪化することが予想された。
旧自衛隊解体時、その隊員たちは全員解雇されたことは以前述べた。
「希望者は新生国軍に優先的に入隊できる」としたが、逆に言えば希望しない者は帰って来ないのである。
故郷を襲った侵略者の手先になどなりたくない、と思う者がいるのも当然である。
また、仮に希望したとしても入隊時の思想検査で失格するものも多いと予想された。
もっと言うなら占領時の戦闘で「戦死」した隊員も無視できる数ではないのである。
大陸連合では戻って来る人員を楽観的に見積もって旧海上自衛隊の7割、最悪の場合5割を下回ると推測した。
これでは乗組員が数千人単位で必要な大型空母など運用できるはずもない。
初期段階で躓いた再軍備計画に頭を抱えた大陸連合であったが、とある世界線の出身者から対案がもたらされた。

——戦艦の建造である

空母艦載機の航続距離と同等の射程を持つ主砲を搭載した戦艦ならば、空母の代替なり得るというのである。
また、弾道弾迎撃能力を付与すれば更なる戦力の効率化も達成できると主張した。
そして提案するのみならず、彼らはその戦艦の概略図まで用意していた。
彼らの世界の新世代戦艦——敷島型という——を小型化した輸出用戦艦案——伊予型となる予定であった——をたたき台としたその設計は列島日本でも十分に建造可能であった。
彼らはこの戦艦を「量産」し、新生海軍の主力艦にすべしと主張したのである。
大陸連合としては彼らの世界では有効な策であるという“実績”と他に対案も無いという現状を鑑みてこの戦艦建造案を採択した。

262モントゴメリー:2024/10/06(日) 14:56:56 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
3.設計
3.1.船体規模
船体規模については、全長200m以下、全幅30m以下と定められた。
これは、列島日本において『量産』できる最大限の数値であると予測されたからである。
また基準排水量もここから逆算され1万5000トン前後が適切とされた。

3.2.全般配置
艦首から順に第一主砲塔、第二主砲塔。電探檣を兼ねる第一(前部)艦橋構造物。
煙突、第二(後部)艦橋構造物、第三主砲塔、最後に航空甲板の順で配置する形となった。
主砲を除く小中口径砲の熕兵装群は、第一艦橋から第二艦橋までを取り巻くように設けられている。
   
3.3.上部構造物
艦上構造物、また砲熕兵装群はいずれも可能な限り電探反射断面積の低減を図る設計が成されている。
これによる副次効果として、視覚的な印象も重厚さを備えつつもすっきりとしたものになった。

3.4.装甲
戦艦を戦艦たらしめる最も重要な要素は「防御力」である。
自らの剣に耐えられる甲冑を纏って、初めてその艨艟は『戦艦』を名乗れるのである。
よって石見型でも装甲関連は特に力が入れられている。

3.3.1船体装甲
船体装甲は複合装甲となっており、その主構造材はメラニンを主成分とした重合体(ポリマー)である。
これは従来の鎖状に形成される重合体とは異なり、これまで作ることが不可能だとされてきたシート状に広がりをもって自己形成していく重合体である。
最適な条件下では、これは平面的に大きくなり円盤状となる。これらは互いに重なりあい、各層は水素結合で結合する。
この構造は非常に安定しており強力である。
具体的な数値を挙げると、変形のしにくさを示す弾性率は一般的な防弾ガラスの4倍から6倍である。
また密度は鋼の約1/6しかないが、降服強さは鋼の2倍を超える。
即ち、装甲板として使用すれば鋼と比較して半分の厚さで同じ強度を持ち、同じ厚さならば重量を1/6まで軽減できる。
(耐久力あたりの重量は1/12となる)
さらに、この素材は溶液中で自己形成するので原料を培養装置に加えるだけで安価にかつ大量に生産できる。
また、気体や液体をほぼ完璧に遮蔽するという特性も持っているため、自動車の部品や携帯電話など向けの軽量で耐久性のあるコーティングや、橋やその他の構造物の建材などの使用に適しているが、装甲としても有用である。
石見型はこの重合体と発泡金属を組み合わせた複合装甲を採用しており、舷側には一律に厚さ170㎜(重合体150㎜+発泡金属20㎜)の装甲帯が配置されている。
これは従来装甲の340㎜に匹敵し、約500m/sで突入してくる自艦の主砲弾に耐えられる強度を有する。
また、米国のハープーンやフランスのエグゾゼなどの亜音速対艦ミサイルはもちろん、中国やロシアの超音速ミサイルの直撃にも対応できる。
(ただし、超音速ミサイルは弾頭が榴弾の場合を想定している)
これほどの厚さがあっても、重量は従来装甲の45㎜分しかないため船体全周を覆うことも可能となった。
当然、甲板装甲も同じ構成でありこちらは厚さ125㎜(重合体105㎜+発泡金属20mm)である。
設計の担当者は

「エラン・ヴィタールにできることはなぁ…大和魂にだって出来るんだよぉ!!!!」

と意味不明な叫びを発し周囲を困惑させたという。
(その後とある同僚から「これ飲んで寝ろ」とウォッカを渡されたという)

ただしこの装甲材にも欠点がある。
これは重合体全てに言える欠点であるが「熱に弱い」のである。
今回使用する素材に関して言えば、500℃前後で急速に劣化すると試算されている。
つまり、一撃を食らえばその部分の装甲は機能を停止してしまう。
これへの対策として、装甲材をブロック状に分割し「スターライト樹脂」で被覆している。
この措置により劣化は被弾したブロックのみで収まり周囲のブロックには影響を及ぼさない。
そして被弾した区画は帰港後ブロックごと交換することにより、修復に必要な時間を軽減する効果もある。

3.3.2.追加装甲
船体装甲の項目で「自らの砲弾に耐えられる」と述べたが、それはあくまで純火薬式発砲の場合である。
磁気火薬併用発砲の場合は障子紙のように貫かれるであろう。
それでは『戦艦』の名折れであるため、磁気火薬併用発砲時の砲弾にも耐えられるように追加装甲も設計された。
これは船体装甲と同じ構成であるが、厚さは1500㎜となっている。
もはや冗談のような厚さであるが、重量は従来装甲換算で250㎜分となるので対応可能である。
この追加装甲のみで約3000m/sで着弾する自艦の徹甲弾に抗堪できる。
この追加装甲は流石に全周に配置するのは困難であるため、重要防御区画にのみ集中配置される。

263モントゴメリー:2024/10/06(日) 14:58:39 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
4.兵装
4.1.1.主砲
主砲として、50口径35.6㎝連装磁気火薬複合加速方式両用砲を採用している。
これも伊予型戦艦用に設計されたものを流用している。
されど設計段階では30.5cm3連装砲の方がよいのではないか?という意見もあり“大艦巨砲性の違い”により検討会議において幾度も親“撲”会が開かれた。
最終的には、列島世界でも1万トン級の大型艦が今後主力となることが予想される事から、そのクラスの艦を一撃で撃破するにはやはり35.6㎝砲が的確だと判定された。
この砲は名前が示す通り、従来の装薬による一次加速を用いた発砲に加えて、電磁気による二次加速を併用することで、従来艦砲を遥かに上回る高初速を得る方式である。
装薬にはヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン(英:HNIW)を採用している。
これはTNTの2倍以上の威力を持つ爆薬であるが、大陸連合からすれば「枯れた技術」であり、列島世界でも既に実用化されていたものであるので採用に対する障害は無かった。
これを用いた純火薬発砲のみでも砲口初速約1,000m/sという大口径砲としては高い初速を発揮し、射程は60㎞を越える。
そして磁気火薬併用発砲の際の初速は標準電圧時で4000m/sに達する。
これは「想定砲戦距離800km」を達成するために求められた数値である。
この数値の根拠は、「空母との戦闘でアウトレンジ攻撃を仕掛け得る能力」である。
列島世界の空母艦載機の戦闘行動半径は500㎞と推測され、そこから発射される空対艦兵装の射程が150㎞前後と予測されるため、射程800㎞を達成できれば敵空母を一方的に打撃できるという訳である。
「空母の役割を肩代わりする」というのが石見型の設計思想であるため、空母と同等以上の戦術能力は必須なのである。
なお射程800㎞は「標準状態」の数値であるため、過負荷状態での射程はこれを越えるのであるが、具体的な数値は機密となっている。
この他の構造的な特徴も伊予型——その源流をたどれば敷島型——を踏襲している。
整備性向上を目的として砲身は内外筒の二重構造が採用され、砲身内部は施条が廃止され滑腔砲形式なった。
しかし、伊予型から進歩した面も存在する。それは反動軽減措置である。
これは石見型の排水量が少なすぎるため、船体だけで主砲の反動を吸収するのは困難であるからである。
砲口には砲口制退器(英:Compensator)と電狐による砲身の摩耗腐食を低減させる砲口電狐防止器を兼用する多機能砲口制御器を有しているのは変化ない。
それに加えて砲尾の駐退機構が強化されており、この機構のみで反動の60%を吸収できる。
また、磁気火薬併用発砲の際は電流を一律に流すのではなくパルス状に流し反動そのものも低減させている。
これらの措置により、主砲全基6門を斉射した場合でも安定性を損なわずに済むようになった。
その他の外見的特徴としては、砲身は電探反射断面積の低減を目的とした菱形の覆いに包まれている。
 砲弾についても既存品の設計を流用しており目新しい点は無い。
主な砲弾は被帽付徹甲弾、同榴弾、対空用の曳火霰弾、対地用の地中貫通砲弾などである。
いずれも誘導機構と展開式前部安定翼が備わった仮帽が取り付けられており、砲弾後部に設けられた展開式後部操舵翼と合わせて、滑腔砲化に伴う飛翔中の安定性を保つようになっている。
徹甲弾に関して言えば、敷島型の大質量徹甲弾から通常弾(重量約675㎏)に変更されておりむしろ退化している。
これに関しては、大質量弾頭が必要な目標が列島世界には存在していないので、扱いやすさを重視したからである。
これらの砲弾の炸薬にも上記のHNIWが採用されている。
なお、これら以外にも特殊な砲弾を装備しているとの説はある(例:核砲弾)が、大陸連合は沈黙したままである。

264モントゴメリー:2024/10/06(日) 14:59:15 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
4.1.2.主砲塔
砲塔は連装形式を採用し、3基が搭載されている。
設計時には3連装砲塔を採用して更なる重量軽減を目指すべき、という意見ももちろん上がっていた。
しかし、3連装は構造が複雑化して扱う難易度も比例して高くなる。
大陸連合自身が運用するならば無視できるハードルであるが、大型砲戦艦艇の運用ノウハウを喪失している列島日本にとってそれは高すぎた。
また、3連装2基では同時に2目標しか狙えないが連装3基ならば3目標まで射撃できる。
“分火”は本来艦砲射撃では避けるべき運用であるが、対地砲撃などで多用すると予測されたため今回はこちらが採用された。
構造については自動化が推進され、またこちらでも新素材の採用が進められたため大幅な軽量化が達成された。
具体的に言えば1基あたり約300トンと、WW2時代の半分以下にまで低減されている。
無論弊害もあり、砲塔内部は完全に無人化され中央指揮所からの遠隔操作のみで操作される。
これは継戦能力の点から言えば不安要素でしかなく、大陸連合内部からも異論が噴出した。
しかし、元々『人員不足を補う』ために設計されたのが石見型であるので、削れるところは徹底的に削らなければならなかったのである。
装填速度は完全自動化の恩恵もあり、最大で10発/分となっている。

4.2.両用砲
船体規模の観点より『副砲』となる中口径砲の搭載は見送られた。
それを補うため、両用砲として65口径12.7㎝磁気火薬複合加速方式両用砲を単装砲形式で6基6門搭載している。
磁気火薬複合式になった点では伊予型はもちろん、敷島型をも凌駕している。
これは主に弾道弾迎撃を想定した装備である。
そのため最大仰角は85度とほぼ垂直であり、最大初速は8000m/sと第一宇宙速度を超えている。
発射速度は最大45発/分であるが、最大電圧で射撃する場合は3発/分まで低下する。
また通常戦闘においても威力を発揮し、純火薬発砲でも対水上及び対地砲戦時40km、対空砲戦時18kmの射程を誇る。
砲塔も電探反射断面積の低減を図った多面構造形状である。

4.3.機関砲及び機関銃
接近する敵小型艦艇及び魚雷の迎撃を企図し70口径57㎜磁気火薬複合加速方式速射砲を単装4基4門搭載している。
こちらも敷島型に搭載されていたものを磁気火薬複合式に更新したものである。
発射速度は300発/分と据置きであるが、最大初速は3500m/sまで向上している。
弾頭は通常弾の他に水雷阻止射撃用の超貫通体弾も備えている。
対空近接防護用として80口径25mm多銃身自動機銃を8基搭載している。
給弾系統は単一で装弾筒付焼夷徹甲榴弾を用いており、有効射程は約3500mである。
そして固有の捜索追尾電探と予備蓄電器を持つことから抗堪性に優れ、最大5,000発/分という圧倒的な発射速度により高度な迎撃能力を有している。
(尚、両者共に対空・対水上目標への射撃も可能である)

4.4.誘導弾発射機
誘導弾垂直発射装置を第一主砲塔の前方に8×4配列型を1基、第二艦橋と第三主砲塔の間、その両舷にも8×4配列型を1基ずつ艦全体で合わせて96セルを搭載している。
垂直発射装置には艦対空、艦対艦、艦対潜、艦対地等の各種誘導弾を選択して装填可能であるが、平時は主に艦対空、艦対潜誘導弾が装填されている。
これは艦対艦、艦対地攻撃は主砲を用いれば良いという判断である。
(若干数の超長距離巡航誘導弾は搭載してある)
また、防護力を確保するためにこれら垂直発射装置群は側面防護装甲、底面防護装甲で逆台形状に装甲化された上、破裂板を兼ねる天蓋弾片防護装甲で覆われ、万一誘爆が生じても爆圧を上方に逃がして艦体への損害を抑える試みが取られている。
これも敷島型から採用され続けている構造であり、新世代の『戦艦』の標準構造である。
これ以外にも、対空近接防護を目的に二十連装艦対空誘導弾発射機を艦の四方に合計4基備えている。
同誘導弾は高い機動性と撃ち放し能力を持ち、有効射程は20km、飛翔速度はマッハ7に達する。

265モントゴメリー:2024/10/06(日) 15:00:30 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
4.5.光学兵装
対空近接防護用として、戦術収束光線(レーザー)照射装置を各部に合わせて6基搭載する。
これも敷島型に搭載されていたものの改良版であり、威力をそのままに高効率化されている。
基準となる出力は大きく分けて2つ。
対艦誘導弾迎撃用の200kW級照射と、弾道弾迎撃用の1MW級照射である。
なお有効射程は6kmとされているが、他の兵器同様に公称値であり実態は判然としない。

4.6.水雷兵装
三連装短魚雷発射管を片舷に1基ずつ、さらに艦後尾に1基の合わせて3基搭載している。
この短魚雷発射管は対潜用であるが、水雷迎撃用途にも用いられ、複数の超貫通体子弾が充填された水中炸裂弾頭を持つ噴進短魚雷も用意されている。

5.航空艤装
本型は艦尾付近に航空甲板と電磁式射出機2基が設けられ、その下部に艦内格納庫が設けられている。
艦載機として哨戒旋翼機"撫子"1機と無人戦域観測機"紫雲"3機が常備されている。
(いずれも敷島型から引き継いでいるため、詳細はそちらに譲る)
艦載機は第一期シリーズ就役艦では暫定的に大陸連合からの購入で賄ったが、第二期以降は列島日本でライセンス生産する予定である。

6.機関
機関にはガスタービンを用いた統合電気推進が採用されている。
この部門で特記すべき事項はMHD発電機の採用である。
液体金属を用いたクローズドサイクル方式と新開発の「超電導コイル」を組み合わせたその発電効率は理論上70%を超える。
一つの発電ユニットが発揮する発電量は約70メガワット。これは米海軍のズムウォルト級1隻の総発電量に匹敵し、本型はこのユニットを4基搭載している。
これらによって生み出された電力は推進力に使われるのみならず、蓄電池に備蓄され戦闘時に使用される。
また、それでも不足する場合に備え、小型発電機が船内各所に配置されている。

7.航行性能
航続距離は20ノットで8000海里を確保している。
新生海軍の主任務は列島の防衛、大陸連合的には『ゲート』の守備であるためこの程度で十分とされた。
なお、これは戦闘時に消費する電力を確保した前提の数字なので、平時にはより延伸される。
最高速力は30ノットとされているが、詳細は機密事項となっている。

8.電子装備
電探などの電子装備に関しては、「列島日本でも扱える範囲でも最高峰」が選択された。
具体的には『まや型』イージス艦に準じた性能を確保している。


9.居住性
船体規模に比して乗員数が少なくなっているため、1名当たりの部屋面積は海上自衛隊時代のどの艦艇と比べても勝っている。
また、豊富な電力を利用した造水施設や冷蔵庫を活用し、食事や入浴と言った面でもより快適となっている。

10.運用
本型は既にあった設計を流用した恩恵により早期に設計が完了し、建造が開始された。
まず第一期シリーズとして6隻が大陸連合主導により完成し、順次艦隊に配属された。
運用として2隻で1個戦隊を編成し、3個戦隊で現場・整備・休息及び訓練のローテーションを取る。
しかし「標準型」と名付けられたように、大陸連合としては6隻で済ますつもりは毛頭なかった。
第一期が就役してすぐに第二期シリーズ6隻の建造が開始されたのがその証左である。
(尚、第二期からは列島日本側が独力での建造を求められている)
大陸連合としては第三期も6隻を建造し総勢18隻、それが困難ならば最低でも16隻体制を構築したいと考えている。
余談であるが、第一期シリーズの6隻に付けられた艦名は、日露戦争時に鹵獲されたロシア帝国戦艦に付けられた名前を踏襲している。
これはロシアへの直接的なメッセージであり、“北方領土を返還しないならば、どうなるかわかっているな?”という圧力である。

266名無しさん:2024/10/14(月) 15:02:29 HOST:KD106154140078.au-net.ne.jp
テスト

267モントゴメリー:2024/10/14(月) 17:27:10 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
使うのでageます

268モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:20:46 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
リシュリュー級(陣龍氏支援 建造当初)

全長:275m
全幅:36.6m
基準排水量:約6万トン
最高速力:32ノット
機関出力:24万馬力(公称)
航続距離:16ノットで1万浬
乗員 約2,300名
装甲:舷側370㎜(15度傾斜)
   甲板180㎜
武装:50口径41㎝4連装砲3基
52口径15.2㎝3連装2基
65口径10.5㎝連装高角砲12基
37mm連装機銃14基
25mm単装機銃30挺
水上機:4機(常用)

同型艦:「リシュリュー」「ジャン・バール」「ダンケルク」「バレンシア」「バスク」「カタルーニャ」
準同型艦:「シャルンホルスト」「グラウゼナウ」「リットリオ」「ローマ」

1. 概要
フランス帝国が建造した最後にして最強の戦艦である。
WW2開戦前は4連装3基という他に類のない特徴的な主砲配置から、そして戦後は1番艦リシュリューが挙げた空前絶後の戦果から各国の注目の的となりフランス国民からは信仰に近い感情を向けられるまでになった“海の女王”たちである。

2. 背景
第一次大戦が終結した時、フランス海軍は控えめに言っても半壊状態であった。
世界最大と呼ばれる英国海軍に対し、終始防勢でありながらも正面から殴り合ったのであるから当然といえば当然である。
そして、海軍の再編成は思うようには進まなかった。
これもやはり当然の帰結として、戦争の終結により民生部門の復興に予算が優先されたがためである。
結果、フランス海軍は戦艦の新造を諦め、巡洋艦以下軽快艦艇の整備に注力せざるを得ない状況が10年ほど続いた。
しかし、歩みを止める訳には行かない。
フェルディナン・フォッシュ元帥が言った「第一次大戦の終わりは高々20年ほどの休戦に過ぎない」という言葉はフランスの政府及び軍上層部の共通見解となっており
事実、大英帝国ではリターン・マッチを望む声が民衆の間で湧き起こり、政府も軍備拡張を止める気配はなかった。
第一次大戦では本格参戦しなかった日本やイタリアが世界平和に向けた軍縮会議の開催を提案したが、英国はそれを拒絶している。
この状況にフランスも腹をくくり、海軍の一大再建案を開始することになる。

269モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:21:29 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
3. 戦略案
再建案の柱となったのは戦艦の新造計画である。
フランスは、次の戦争も戦艦を主軸として戦う事を決断したのである。
同盟国である日本からは空母を主力とした航空兵力を主力とした戦略案が提案され、日本海軍もそちらに移行しつつあったが、フランスは熟慮の末に航空主兵主義を捨てた。
確かに航空機の発展は日進月歩であり、空母の価値は年々増大している。
しかし、航空機を主力兵器とすることは、それ即ち国力が直接反映される戦いとなるのである。
新大陸の北半分を独占する大英帝国の工業力は強大であり、航空機生産競争となったら勝ち目は薄い。
更に言えば、航空主兵主義はパイロットになり得る人口も大きなファクターとなる。
先の大戦で痛手を受けたフランス帝国は人口面でも大英帝国に不利であった。
単独で4億の人口を有し、工業力もそれに比例している日本ならば正面から航空主兵主義で対抗できるかもしれないが、欧州にはもはやそのような余裕はないのである。
一部から日本と共同戦線を張れば問題ないとする声も上がったが、初めから他国を当てにした国家戦略など意味は無いのである。
それに対して戦艦を主力とした場合、生産力の差は航空機ほどには現れず、必要人員についても空母よりマシであった。
ここにフランス海軍の方針は決した。
空母の整備も進めるが、主任務は味方艦隊の防空であり攻撃の主役は戦艦以下水上打撃部隊が務めるという“制空権下での艦隊決戦”である。

4. 欧州標準型戦艦計画
海軍の戦略が戦艦を基幹としたものに決したのと同時期、政治面でも特記すべき事が定められた。
フランスのみならず、長年の宿敵でありながら同盟国であるドイツ帝国と、地中海の覇者を自称しているイタリア王国も大英帝国との正面対決を選択したのである。
これは、西欧3ヵ国が団結しなければ大英帝国には勝てないという危機感を共有したが故の快挙である。
この同盟をフランス人は“現代に蘇ったフランク王国”と称賛したが、某統領が「何でや!この面子なら“現代の西ローマ帝国”やろが!?」と猛反発して正式名称とはならなかった。
とにかく、次の戦争はこの三国同盟に極東の巨竜こと日本を加えた「枢軸陣営」と大英帝国とソ連を中核とする「連合陣営」の対決となった。
そして枢軸陣営で推進されたのが兵器の共通規格化である。
しかし、同じ枢軸陣営と言っても欧州と日本の距離は遠すぎたため、実質的に“欧州規格”と“日本規格”の2系統並立状態となる。
(それでも航空機、特に空母艦載機に関しては多くが日本製のライセンス生産となった)
そしてこの共通規格化の中で最大となったのが『欧州標準型戦艦』である。
航空機生産競争には乗らないと先述したが、そうであるからこそ戦艦に関しては建造競争に真正面から対抗しなければならない。
しかし、航空機よりマシとは言え、こちらの分野でも国力の差は如実に表れる。
その“差”を少しでも埋めるためには、西欧3ヵ国の国力を可能な限り効率的に活用する以外に活路は無かった。
こうした背景の下で、欧州標準型戦艦計画は始動し、コンペティションの結果フランス帝国が設計したリシュリュー級が採用された。
リシュリュー級が6隻、準同型艦を含めると10隻も“量産”されたのはこの計画の恩恵である。
なお、“標準型”とは言いながら各国の事情を反映した改設計はある程度容認されていたため、3ヵ国の特色を持つ個性豊かな淑女たちが生まれている。
更に、「フランスの風下に立つのは嫌だ!奴らよりスゴイ戦艦が欲しい!?」と叫んだ軍艦大好き皇帝と、大きいもの大好きなちょび髭宰相閣下の決断によりドイツ帝国独自設計の『ビスマルク』級が
「百歩譲ってガリア共に従うのはエエ、しかし、フン族にまで負けるのは我慢ならん!!浪速(ローマ)の漢(おとこ)の意地見せたるで!?」と奮起した統領閣下の激の下イタリア王国では『コンテ・ディ・カブール』級が建造されることになる。
この光景を見た日本海軍関係者は「標準型戦艦策定した時の連帯感はどこ行った?」と呆れたと伝えるが、両級共にリシュリューに負けず劣らず大活躍したため戦後には「英断」とされた。
(更に言えば、独伊共に最低限の理性は残っていたため各種構成要素は可能な限りリシュリュー級のものを流用している)

270モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:22:50 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
5. 設計
5.1. 船体全景
リシュリュー級戦艦の艦首はシアーとフレアが付いたクリッパー型の優美な姿であり、少し進むと波除けが配置されている。
波除けの直後には1番主砲塔があり、その後方に一定の間隔を開けて2番主砲塔が鎮座している。
その後方には1番副砲塔が配置されており、そこから艦中央部には艦橋が置かれている。
艦底部に設置されたビルジキールの先端は2番砲塔の下にあり、そこから後部艦橋直下まで続いている。
また、艦首部の錨鎖庫の後方にワイン専用倉庫というフランス艦らしい区画も存在する。
後部艦橋は煙突と一体化したMACK型となっており、後部射撃指揮所もここに位置する。
これら艦橋を囲む様に、高角砲塔群が配置される。
そこから艦尾へ進むと2番副砲塔があり、その先に3番主砲塔が存在する。
最後にカタパルト2基と飛行甲板という配置である。
また、全体を通して生産性向上のための工夫が見て取れる。
例えば高角砲や機銃のスポンソンは従来の円形から直線を組み合わせた多角形型に変更されている。
また船体そのものも、性能に悪影響を与えない範囲であるが極力直線化がなされている。
このような措置は駆逐艦などにはよく見られるが、戦艦ではリシュリュー級以外にはほとんど見られない。
欧州標準型戦艦として量産が前提だったリシュリュー級の特色と言える。

5.2. 船体規模
欧州標準型戦艦計画が策定された際、決定された要目は以下の通りである。

・基準排水量6万トン前後
・主砲は41㎝砲9門から12門
・最高速力30ノット以上

生半可な航空攻撃など跳ね返すほどの基礎体力は必要であるが、“量産”を前提とするならば野放図に巨大化させる訳には行かない。
その相反する2つの要素を可能な限り両立した結果の船体規模が基準排水量6万トン前後である。
主砲に関しては、情報部から大英帝国の新造戦艦が16インチ砲9門前後という報告がもたらされたため、それに優越する性能が求められたが故である。
なお、主砲に関しては日本より技術協力として45口径46㎝砲の設計図を提供可能であるという提案がなされた。
戦艦が『最終兵器』と信仰されたいたこの時代に、フランスがこの申し入れにどれだけ衝撃を受けたかは後世の人間には想像し難いかもしれない。
しかし日本側からしたら、既に主力は空母機動部隊への転換を半ば終えている状態であったためそれほどの覚悟があった訳では無かった。
(さらに言うなら、既により大威力の51㎝砲の開発が試作段階まで進んでいた)
しかしフランス側は、この申し入れに関しても熟慮の上で謝絶している。
46㎝砲の威力は絶大である。それ自体は喉から手が出るほど欲しい。
しかし、事前検討の結果46㎝砲を導入すると費用が莫大なものとなり“量産”に支障が出るほどだという予測が導き出された。
何せ砲そのものの製造設備から用意しなければならないし、砲弾などの消耗品も同様である。
それに対して、41㎝砲は「ノルマンディー」級戦艦の近代化改修を目的に既に製造が開始されており、製造設備も消耗品もそのまま活用できる。
そして、決め手となったのが検討会議においてとある出席者が放った

「『宰相』閣下には、祖国が鍛え上げた剣こそが相応しい」

という言葉だった。
こうしてリシュリュー級の主砲は決定された。
そして、「フランスより大きい主砲を積め!!」という軍艦大好き皇帝の厳命の下「ビスマルク」級には43㎝砲8門が
「フン族共に負けてたまるかい!!イタリアはモノ作りの国やで!?」と咆哮した某統領の指導で「カブール」級には46㎝砲6門が搭載されることになる。
速力については、大西洋上での機動戦を考慮しつつ、艦隊決戦時には敵艦隊を優越できることを念頭に設定された。
即ちリシュリュー級は、決戦時の主力となる「戦艦」としても、空母や巡洋艦と共に行動する「巡洋戦艦」としても運用できる「高速戦艦」となるべく誕生したのである。

271モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:24:21 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
6. 兵装
6.1.主砲
主砲は、50口径41cm砲が搭載された。
本砲の砲弾重量は1112㎏で、初速は830m/sと英国海軍の50口径16インチ砲よりも1割以上高速である。
これにより射撃精度と射程が向上し、装甲貫通力も強化されている。
無論完全無欠ではなく、落下角度が浅くなることで遠距離射撃時の貫通力が低下してしまうという欠点が存在する。
しかしこれに関しては運用で十分補える範囲だとして特に問題視はされなかった。
フランス海軍はドクトリン的に近距離射撃を重視していたからであるが、それはそれとして向上した射撃精度を活用して距離3万m前後での砲撃戦の研究も盛んに行われた。
なお日本からは、全長を拡大した大質量砲弾の採用が勧められたが、やっぱりここでもフランスは謝絶している。
理由はフランス海軍が重視する近距離砲戦では逆に威力が下がることと、折角向上した射撃精度が低下してしまう点が嫌われたからである。
また、国産砲弾の時点で初期型の16インチ級砲弾よりも1割弱は重量を拡大させてあるのでこれ以上は過剰だとも判断されたのである。
なお、ここまで幾度も「近距離射撃を重視している」と述べたが、高初速の恩恵により最大射程は4万mの越え、大和型戦艦と比肩する能力を持っている。

6.1. 主砲塔
主砲塔は4連装方式とし、これを3基搭載している。
4連装砲塔は「ノルマンディー」級戦艦(34㎝12門)から「リヨン」級戦艦(38㎝16門)と発展してきたフランスの伝統的な方式である。
その構造は「連装砲塔を2基組み合わせて、その中間に被害抑制用の仕切り板として装甲板を設置した」と言うものである。
この方式は同格の連装砲塔2基を搭載するより重量がかさんでしまうが、通常方式の4連装砲塔よりも信頼性が高くなる。
その他機構は基本的に同時代の各国戦艦と同様であるが、特筆すべき点として、他国では0度から5度程度の仰角範囲でのみ装填が可能であるのに対し、リシュリュー級は全仰角範囲(-5〜+35度)での装填が可能である。
装填速度は就役時点で30秒、戦中の改装で20秒まで短縮された。
砲塔防御は全面530㎜、側面375㎜、後面330㎜、天蓋部は最大250㎜と41㎝級戦艦としては最高水準の防御力を誇る。
またバーベット部は500㎜であり、弾薬・装薬庫も弾薬を上層の甲板に配置し、装薬を下層甲板に配置するという誘爆時の抗堪性を考慮した配置となっている。

6.2. 副砲
副砲には52口径15.2㎝砲が採用され、3連装2基6門が搭載された。これは、「エミール・ベルタン」級軽巡洋艦に搭載されたものと同一である。
日本からは両用砲として13㎝級の砲の搭載を勧められたが、フランス海軍は対艦打撃力が不足するとして本砲の搭載を決定した。
弾種は徹甲弾・榴弾・対空用榴弾・星弾であり。
徹甲弾を使用した場合、弾頭重量は約56㎏、初速870m/sで射程は約27㎞である。
これは日本海軍の15.5㎝砲と比較して劣勢であるが、砲弾等の互換性を考慮して採用が決定された。

6.3. 副砲塔
3連装であるのは「エミール・ベルタン」級軽巡洋艦と同一であるが、対空能力を強化するために設計は変更されている。
砲の仰俯範囲は-10度から+85度であり、装填速度は最大10発/分である。
ただし、75度以上では装填が困難となるのでそのような運用は控えられた。
(戦後の改装で解決している)
装甲も強化されており、前面130㎜、側面及び上面は70㎜となっている。
このため、砲塔重量は「エミール・ベルタン」級のものより増大している。

272モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:25:07 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
6.4. 高角砲及び機銃
高角砲として65口径10.5㎝連装高角砲が片舷6基の計12基搭載された。
これはフランス製ではなくドイツ製の火砲である。

「欧州標準型戦艦なんだから、俺たちにも一枚かませろ!!」という独伊両国からの要

求をフランスが受け入れ、装備品選定をために開かれた親“撲”会の結果選ばれたのである。
弾丸重量は15.1kg、最大射程は17700m(仰角45度)、最大射高12500m(仰角80度)であり、発射速度は15〜18発/分、初速は900m/sである。
弾丸は人力装填式(補助装置有り)だが、ドイツ艦載砲の特色である砲架のジャイロ制御装置を備えており、艦が揺れても常に水平を維持できる。
機銃は37㎜を連装で14基、25㎜単装を30挺搭載している。
なお、37㎜はイタリア製で、25㎜はフランス製である。

6.5. 電波及び光学兵装
レーダーは航海用・射撃管制用・対空用と各要素に必要な種類を各種網羅している。
当初はフランス製、もしくはドイツ製を搭載しようとしたのであるが、性能面で日本製が一歩も二歩も先んじていたため、そちらをライセンス生産し搭載することとなった。
また測距儀に関しても国産品を搭載したかったのであるが、熾烈極まる親“撲”会の結果、ドイツのツァイス社製のものが搭載されることとなった。
性能が一番良好であったのが理由であるが、これまで日本製になってしまっては欧州の沽券に関わるとして、最後の最後で仏独伊3国が団結した結果でもある。

273モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:26:45 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
7. 防御力
7.1. 船体防御
本級の耐弾防御要求は、自らの主砲弾に対して18㎞〜30㎞圏内で安全圏を有し、高度5000mからの500㎏爆弾水兵爆撃に抗堪するというものであった。
このため、舷側装甲は傾斜装甲(15度)とし、最大厚さは370㎜となった。
また主装甲を貫通された場合、下甲板装甲(最大50㎜)が最終防護として働くようになっている。
甲板装甲は機関部及び弾火薬庫部分が180㎜+40㎜(下甲板)となっている。
また、汽缶防御のため煙路が主装甲板を貫通する部分にはアーマー・グレーチング(300㎜)が設けられている。
更に、煙突部分には日本海軍の「大和」型を参考に蜂の巣装甲が配置されている。

7.2. 水雷防御
喫水線下の防御については、舷側部にバルジを設置している。また、舷側装甲を艦底部まで延長することにより耐久力を確保している(120㎜)。
それらが突破された時のために、水雷防御隔壁(厚さ50㎜)が4重(機関部は5重)に渡って設置されている。また、それら隔壁と交互になるように燃料タンクと何もない空間が存在している。これにより、液層防御と空層防御を構成している。
艦底部は2重底となっており、魚雷の艦底爆発に対する抗堪性を確保した。

7.3. その他防御
ダメージ・コントロール能力においても、当時のフランスが持ち得る全ての知識が注ぎ込まれた。
先の大戦における戦訓はもちろん、独伊両国や太平洋における日本海軍の知識も収集するほどの徹底ぶりである
一例を挙げると、主要通路の天井や側壁を装甲化し戦闘時に通行不可能になる可能性を減少させている。
また、フランス艦艇の特色として舷側主装甲と外板の間とバルジ内部、弾火薬庫部分の水雷防御区画の衝撃吸収層には「エポナイト・ムース」と呼ばれる不燃性ラバーフォーム発泡剤が充填されている。
これは、被弾時の衝撃吸収と浮力維持、そして浸水や火災の抑制効果を期待された。
更に、主砲塔の隣接部に緊急用ディーゼル発電機が設置されている。これ被弾で電路が切断された際、戦闘力を損失しないための措置である。

8. 機関
機関にはフランスのお家芸である高温高圧汽缶が採用されている。
主機は減速式タービンを4セット搭載した4軸艦、缶室と機械室の配置は抗堪性向上を配慮して互い違いに配された、いわゆる「シフト配置」となっている。
主機を各2セット配する機械室のうち、両舷外舷機を収める前部機械室は前部と後部の汽缶室の中間、両舷内舷機の収めた後部機械室は後部汽缶室の後方に置かれている。
機関出力は最大で24万馬力を発揮する。

9. 航洋性能
最高速力は敵新鋭戦艦に対し優越することを目標とし、32ノットとされた。
また航続距離は、広大な大西洋を主戦場と想定しているため余裕を持たされている。
具体的な数値は16ノットで8800海里、30ノットで3200海里である。

10. 航空艤装
観測・偵察に加えて軽攻撃に使用することを想定して常用4機、最大5機の水上機を搭載できる。
艦載機は主砲射撃による衝撃で破損することを防ぐために専用の格納庫に収納される。
カタパルトは2基設置されており、揚収用クレーンも同様である。
なお、搭載される水上機は日本製のライセンス生産品である。

274モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:28:13 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
11. 運用
リシュリュー級は設計が終了し次第、フランス帝国各地の造船所で“6隻同時建造”が開始された。
これは、量産効果により少しでも建造予算を圧縮するための措置であり、同時に建造時間の短縮も狙っている。
(そして同様の理由で独伊両国でも同時期に建造が開始されている)
その結果、リシュリュー級は辛うじてだが6隻全てが開戦までに就役が間に合うという幸運にあずかっている。
(それに対し、独伊両国は「宰相級」独自建造の悪影響により2番艦は開戦に間に合わなかった)
しかし、その代償により大型艦が建造できる造船所は全てがリシュリュー級に注力することになり、他の艦の建造は不可能となった。
そのためフランス海軍は大戦中盤まで洋上航空戦力を「カステルノー」級防空空母(商船構造でかつ誘爆対策に対艦爆弾・魚雷用格納庫を廃止した潔過ぎる設計である)を主軸に構成することを余儀なくされる。
フランスたち欧州枢軸国の対英基本戦略は「積極的艦隊運用による敵海上戦力の撃滅」であった。
後世によく誤解されることであるが、通常破壊はあくまでも二次的な目標であり、主要戦略ではなかった。
これは「通商破壊を実施したとしても、大英帝国は屈しないだろう」という予測から導き出された戦略である。
なるほど、確かに海上交通線を遮断すれば「グレートブリテン島」は干上がるであろう。
しかし、それは「大英帝国」に手を上げさせるには不十分である。
ジョンブルどもは味覚障害持ちの紅茶中毒患者ではあるが、無能でも惰弱でもないのだ。
必ずや政府機能を新大陸に移転して抗戦を継続するであろう。
彼らを屈服させるためには、実働戦力である艦隊を壊滅させるしかない。
開戦後のフランス海軍はこの方針に則り、独伊海軍と協調しつつ積極的に出撃。
大英帝国の海上交通線を脅かし、それを阻止せんとしてやって来る大英帝国海軍と激闘を繰り広げた。
特に一番艦『リシュリュー』の戦果が著しく、開戦劈頭のダカール沖海戦において“大英帝国の誇り”こと巡洋戦艦フッドを一撃で屠り、レパルスを粉砕し、救援にやって来たノースカロライナまで返り討ちにするという大戦果を皮切りに、『敵艦撃沈数』の世界記録を更新(そしておそらくこの後破られることはない)するという偉業を打ち立てている。
リシュリュー級全体のハイライトとして、第三次レイキャビク沖海戦は外せない。
リシュリュー級姉妹のみならず、独伊生まれの従姉妹を含めた全10隻が集結し大英帝国の一大拠点であったアイスランドへ進撃。
空母機動部隊と基地航空隊の延べ1300機を超える攻撃隊を、「カステルノー」級による『傘』と「コルベール」級防空巡洋艦及び自らの対空火力で退け夜戦に移行。
その夜戦で大英帝国戦艦戦力を壊滅させ、その後レイキャビク軍港に艦砲射撃を実施するまでした。
この敗戦と太平洋における第五次ハワイ沖海戦の敗北が重なり、大英帝国内で厭戦感情が爆発、講和への道筋が整った。
戦後は海軍予算削減のため「リシュリュー」と「ジャン・バール」の残し現役を退いたが、彼女たちの物語はまだ終わらなかった。
“大英帝国の後継者”を自認するアメリカ連邦が世界へ挑戦状を叩きつけたことによって始まった第三次世界大戦において彼女らも参陣。
『制空権下での艦隊決戦』というフランス海軍の必勝策を再び披露し、ニューファンドランド沖海戦でアイオワ級戦艦及びフォレスタル級航空母艦複数を水底へ転属させている。
就役から半世紀以上が経った21世紀現代においても、「リシュリュー」と「ジャン・バール」は現役艦籍簿に名前を連ねており、『フランス国民の誇り』としてその威容を海上に留めている。

275635:2024/11/04(月) 00:23:31 HOST:27-143-183-66.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一一六


奈良県某所、赤子を抱え老婆の手を引いて必死になって異形の姿の少女は崩壊した市街地をひた走る。
キグルミシステムの簡易版を民間向けテストケースとに当選した少女は設定上の吸血鬼の姫という姿だった。
普段は某特別な型の末娘が初期艦な提督やらアニメで奇跡のウマ娘に脳焼かれたトレーナーやらしながら配信する彼女、今回はリアルで配信していたのだが。


「お婆さん急いで!」

「お嬢さん、老い先短い老人は捨て置いて曾孫を連れてって逃げておくれ…お嬢さんと曾孫だけなら逃げられるだろう?」

「そんなこと言わないで!せっかく自警団の人達が逃がしてくれたんだから!」


老婆の弱気な言葉に少女は怒声を発する。
彼女は土蜘蛛出現の混乱の最中、配信もそのままにおろおろとしている老婆と幼子を発見し見捨てることも出来ずに二人を連れてスマホで得た情報を元に避難を開始、十分に避難する時間はあった筈…だった。
その途中にそのキグルミシステム使ってた現在の容姿から神崎島関係者と間違われマスコミに絡まれ逃げるのに時間がかかり土蜘蛛に補足されてしまった。
幸いにも少女らの存在に気づいた自警団により助け出され逃された。
絡んだマスコミは処置なしとそのまま捨て置かれた、その後については知らない、知りたくもない。


「あの子も自警団の人達も残された人達の為に残ったんだからお婆さんも生きなきゃダメ!!」


コラボ相手は自警団と共に残り情報を懸命に伝えていた。それだけではない。
逃げ遅れた者らの避難所と化した神社では宮司だけでなく避難してきた側の神父や僧侶らが彼らの活躍を聞くと着の身着のまま逃げたので薄汚れた衣服のまま戦う者らの為に共に祈りを捧げ。

逃げた地元議員や権力者を他所に庁舎に残った職員らは臨時FM放送局を即座に解説し政府から流される情報を可能な限り伝えていた。
一人で動けない者を連れ情報の地点へ向かう者や心あるの者らがそれらを拡散していくことでゲート自衛隊やゲートヤルバーンは救助地点の特定が出来た。
小さく儚いけれどそんな小さな灯達は確かあった。
だがそんな灯だけが人間ではない。


京都府京都市。
京都は奈良と違い避難する時間があったために市民の大半が戦場となった地域の外に避難することができ、
一部例外は政府による横暴、人権侵害と強固に避難を拒否した一部活動家や国会議員だけであった。
時間があったとは別の問題も発生したことも意味する。
京都府と市が国と銀河連合日本に要請したのだ。可能な限り市街地での戦闘を避けられたし、と。
何を無茶なと要請を受けた官邸は激怒したが銀河連合日本は何も言わず京都市北部にて遅滞戦闘を開始。
実際は避難時間を稼ぐ為だったのだが府と市は要請が受け入れられたと満足したがその余裕を保ったのは少しのこと。
加速度的に増殖する土蜘蛛に戦線の後退を始め府庁舎と市庁舎に戦場が迫り我先にと職員は逃げ出す。
京都…古い都の守りがあると地元権力者の一部の者が叫ぶも古都の霊的防衛機構は穢され機能しないことを知識としっているが実感していなかったために庁舎ごと土蜘蛛の津波に飲まれた。

山間部などの安全な地域に避難した市民らはそこから遠く見える京都市内の戦闘を見て不安げな表情をする。
千年の都は炎の海に飲まれつつあり、現実では想像し得ないアニメに出そうな二足歩行巨大ロボットとクモ型怪獣の戦いとかいう現実感ない戦いが繰り広げられているからだ。
どこぞの世界線の94式と呼ばれた機動兵器をモチーフに開発された陣風と名付けられた機体らは装備した突撃銃より機関砲の弾をバラ撒き、あるいは120mm砲弾を土蜘蛛に叩き込み、時折可変戦闘機烈風改による航空支援が行われる。
ゲート日本は人手と戦力を奈良に取られ投入されているのは福知山の普通科のみで重火器といえば87式体戦車誘導弾や重迫に無反動砲くらいなものだ。
ゲート空自も対地装備には乏しい。
故にこの戦場の主役は日本海に展開したひたち型外殻拡張ユニットを装備した龍驤と赤城より発艦した艦載機群である。
その艦載機らに赤城から通信が入る。


『こちら旗艦赤城!”避難すべき者ら”は全員退避!60秒後、ムシュマッヘを投入!
総員第二防衛線まで後退せよ!繰り返す、第二防衛線まで後退せよ!』

276635:2024/11/04(月) 00:24:36 HOST:27-143-183-66.rev.home.ne.jp



クチャクチャグチャグチャ。


それより少し前、高精細マイクが捉えた文章化すればそんな音がただただ東京のスタジオに響き渡りその音源の映像が映され続ける。
その背景に流れる音は人間の悲鳴、絶叫、助けを求める声。
避難命令無視な上、これ以上の救助は不可能、二次被害の恐れがあるとして現在京都市内にいる者らは全員死亡したものと扱われた。

スタジオにいる人間はそれらの声に反応する余裕なくただただ嘔吐を続ける。
その場の全員が映像より目を背けることを許さない。
ある者は映像を見た瞬間に椅子から落ちて打ちどころ悪く歩けなくなり、或いは映像より逃げようとコードに足を取られ動けなくなる、倒れた書割の下敷きに。
その眼前に画面やタブレット端末が落ちて映像をこれでもかと見せつける。
これがお前らの望んだ果ての結果だと。

娘であるマシュにやらかした人間とその仲間に対するティアマトの怒りという名の原初の神の呪い。
やらかしに応じて微妙に不幸になるとかポカをやらかす…何もせねば普段ならばタンスの角に足の小指ぶつけるだのササクレがえらい剥けるだのという地味過ぎるレベルのものであるのだが此度絶大な威力を発揮した。
視線を逸らすことも流れる映像を変えることも許さなかった

その結果が眼前の光景、お昼12時の昼飯時に京都で非戦と平和、土蜘蛛を守れと叫ぶ人間の鎖となった者らの現在の姿を見せつける。
避難命令に従わず人の怨嗟や絶望を喰らう存在を安易に考えてた者らの哀れな末路。

自ら自分たちを縛った鎖により人間の鎖は土蜘蛛達の餌場となった。
順番に喰らわれ後どれくらいで自分の番が来るのかと震える男。
連れてきて自分が鎖を巻いた子供が目の前で咀嚼され発狂する女、逆に眼前で前で己を縛った母の臓腑が喰らわれ発狂する子供。
先程まで避難民を収容し終えた自衛隊の撤退に笑顔で我々の勝利と喧伝したいた議員はなぜ自衛隊は助けに来ないのかと狂った悲鳴を上げながら齧られ頭が潰れ爆ぜた。

そんな阿鼻叫喚の、人が喰らわれ壊されていくが電波に乗って全国の家庭に届けられ続けている、国民に見せつける。
平和、平和、平和…その名の下の肥大化し腐った精神と法の末路、国民の怠惰の結果。
あれが日本の憲法…九条という法の神は人を腐らせ喰らい尽くす存在と成り果てた、そう見せつけているにしか見えない。

そしてこの惨状から政府が介入可能する権利のある公共放送限定であるが報道の中立の理念に反し敵性体に利する行為と認定、総理の命と警察一部からの直訴により警察の突入が実現。
反省を促す一部はこれでもう良いかと娘思いの母なる女神は呪いを一時緩めた。


映像が切り替わる。



「きゃあ!?」


老婆と幼子を連れた配信者の少女は特に巨大な土蜘蛛に追いつかれた映像。


「ガッ!?」

「おじさん!?」

「嬢ちゃん…逃げろ…!」


土蜘蛛を圧倒していた自警団は配信者の女性の眼前で質量共に増えた土蜘蛛に押され始めた。


「クソっ壁が崩れ…ヒィッ!?」

「化物グモ!?」


庁舎もまた土蜘蛛に襲われた。
避難所となっていた神社にもその他にも土蜘蛛達が押し寄せ始める。
その映像が配信をSNSを公共放送のテレビを通して流れる様を人々はただ呆然と見つめる。
かつての克明に映った大災害になすすべなど無かった時のように。




なお、同じ頃の藤原京跡臨時基地


ゴースト号 ゚д゚)→ちらりと視線をゼルモニターから外したら電に大事にしろと言われた神桃に集る腐った様なクモ多数

知人危機的状況で沸点低いゴースト号 #゚д゚)イラッ

イラッとしたゴースト号 #゚д゚)<ティ! グチャ!!>木の棒で振り払われ潰されるクモ

少し落ち着くゴースト号 ゚д゚)<……

何で叩いたか認識するゴースト号 ゚д゚)<あ…

やっべえて顔してるゴースト号 ;゚д゚)→視線の先にはグチャグチャに潰れたクモの付いた木の棒もといアロンの杖

主さん ⌒-⌒)<あー…後で一緒にアロンの杖汚しちゃいましたって謝りましょうね

ゴースト号 ´;ω;`)<はい…

277635:2024/11/09(土) 18:17:46 HOST:119-171-254-241.rev.home.ne.jp
_(???」∠)_

278635:2024/11/09(土) 18:19:17 HOST:119-171-254-241.rev.home.ne.jp
_(┐ ノε|)_……

279名無しさん:2024/11/30(土) 13:21:28 HOST:p4283154-ipxg22801hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
テステス

280モントゴメリー:2024/12/12(木) 19:04:30 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
———時空の狭間、とあるイベント会場にて

「——お集りの皆様。本日は数多の世界線より、弊社の新商品発表会へお越し下さり誠にありがとうございます。
お時間となりましたので、これよりプログラムを始めさせていただきます。
司会進行は私、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします。皆様、どうぞ“ジギー”とお呼びください」

「それでは新商品発表へ移ります。ご説明は、弊社代表が自ら執り行わせていただきます」

『皆様、ただいまご紹介に与りました、モントゴメリー企画代表取締役のモントゴメリーでございます。
本日弊社が発表いたしますのは、戦艦の設計案でございます。しかしながら、“新商品”発表会と銘打ちましたが、本日はあくまでもコンセプト案に過ぎないことをご了承ください』

『それでは、早速お目にかかりましょう。弊社が送り出す新たな“海の女王”は——こちらになります』

———会場の奥より模型が現れる。それと同時に、プロジェクターにより要目が写し出された。


元帥級戦艦(第一案)

常備排水量:35,000t
全長:約200m
全幅:約31m
喫水:約10m
機関出力:約8万馬力
最高速力:25ノット
航続距離:14ノット/8,000海里
乗員:約1,600名
兵装:45口径41㎝3連装砲  3基
55口径13.8cm速射砲 14基
45口径9㎝高角砲   8基
装甲:舷側 310mm+15mmバックプレート(20度傾斜)
   甲鈑 100mm(中甲板)+15mmバックプレート
主砲塔 420mm(前面)270mm(側面)175mm(天蓋)
司令塔420㎜

281モントゴメリー:2024/12/12(木) 19:06:15 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
『今回の商品は、“皇国世界”さまより発注いただきましたフランス帝国用の戦艦となります。発注時の仕様書には——』

1 名称:元帥級
2 数量:8隻程度
3 速度:23ノット以上は必須。25ノット程度あればなおよし。
4 主砲:最低でも15インチ砲10門〜12門。16インチ砲は8門〜9門
5 防御:集中防御方式で可。ただし防御力は史実コロラド級を超えない程度
6 排水量:常備排水量で35,000t超えることは不可
7 建造年:概ね1918年以降。なお前級はプロヴァンス級戦艦(史実デアフリ
      ンガー級巡洋戦艦を34センチ砲8門にしたもの)が4隻。
8 目 的:地中海及び紅海、北大西洋での防衛任務


『——と定められており、その全ての要目を満たした設計案であると自負しております。順を追ってご説明いたしましょう』

『えー、1.と2.に関しましては割愛いたします。
3.の“速度”につきましては、仮想敵たる英国のアドミラル級が最高速力32ノット、日本の摂津型が27ノット、さらにカナダのラウンドテーブル級が24ノットと軒並み高速戦艦と称して良い健脚持ちでありましたため
最低でもラウンドテーブル級には優越できるよう、仕様書の上限である25ノットに設定いたしました』

『そのため、機関出力は前級のプロヴァンス級より1割から2割増しとなっておりますが、アドミラル級の6割程度でありますのでむしろこれくらいは発揮できないと勝負にもならないと考え、採用いたしました』

『4.の“主砲”につきましては、当初は弊社のロングセラー商品である4連装砲塔を採用し、15インチ砲を3基12門とする予定でした
しかし、それでは17インチ級砲を8門備えるアドミラル級や摂津型に対して劣勢を免れないと判断し、
遺憾ながら4連装砲塔案は破棄し、口径は41㎝とし、オーソドックスな3連装3基9門としました。
砲身長は50口径の採用も考慮したしましたが、お客様の技術レベルを鑑み、堅実な45口径といたしました』

282モントゴメリー:2024/12/12(木) 19:08:57 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
『弊社が今回、最も力を入れましたのが5.の防御力に関してであります。こちらにつきましては追加要望として——』

・速力を抑える代わりに防御ガチガチで「沈みにくい」艦を

『——という希望が添えられましたので、そのご期待に応えるべく弊社の持てる技術を総動員いたしました』

『まず舷側装甲は、史実コロラド級の最厚343㎜を上限として設定し、それを超えない範囲でまとめております。
厚さ310mmは摂津型には劣りますが、アドミラル級の305mmには優越し、更に傾斜角度20°は摂津型と互角であります。』

『甲板装甲に関しては摂津型をも凌駕し、列強海軍1位(暫定)の耐久力を保証いたします。』

『そして、本商品の一番の目玉は砲塔の防御力であります。
正面420㎜は摂津型の4割増しではありますが、しっかりと上限である史実コロラド級(457mm)以下に収めております。
これは、主砲の生存性を向上させることで継戦能力を強化し、最後まで粘り強く戦い抜ける戦艦とすることを目的といたしました』

『先ほど最も力を入れたのは5.であると申しましたが、一番苦心したのは6.に関してでありました。
どうしたらこれだけの防御力を3万5000トン、それも基準排水量よりシビアな常備排水量に収められるか、弊社のノウハウを試された項目でありました』

『まず集中防御方式を採用するのは当然として、弊社が採った方策は“船体長の短縮”であります。
全長200mは摂津型より15%ほど短く、L/B比率はややエレガントさから離れてしまいましたが、要目を達成するため致し方無い犠牲として看過いたしました』

『7.に関しましては、特に問題はないかと存じます。
8.に関しては、以前ご提供いたしました“クールベ”級戦艦に対して——』

・地中海で運用するにしても、航続距離4000海里強では短すぎる

『——というお声を頂戴いたしましたので、約2倍の8000海里を確保いたしました』


『以上で、新商品のご説明を終了させていただきます(一礼)』
「モントゴメリー代表、ありがとうございました。
では、これより質疑応答に移らせていただきます。ご質問のある方は挙手をお願いいたします——」

283名無しさん:2024/12/24(火) 21:46:48 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
・10式戦車(D)

 平成22年に正式採用された現行最新の国産主力戦車であり、D型は2020年代以降に備えた全般性能向上型である。
 徹底して戦闘艤装をモジュール構造化した恩恵を用い、半ば別物に近い装備換装と性能改善を成し遂げている。
 このあたりはCOTS主体の設計故に、民間企業側の製品推移が激しいため、否応なしに別物になったと言えなくもない。

 C4Iなどの電子装備は完全な新型に換装され、処理系は20年代のCOTSコンピュータ複数による並列処理を採用。
 処理速度は大幅に向上し、やはりCOTS主体の自衛隊標準化ルータによる高速通信、共同交戦能力に対応している。
 砲手、車長照準器も第4世代HD赤外線センサ、二酸化炭素レーザ測距儀、三軸安定装置などを導入している。

 車体規模の小ささから窮屈と言われることも多い10式だが、モジュール構造により装備換装自体は非常に容易となっている。
 このあたりは90式以前の戦車と大きく異なる設計思想であり、長期的な運用に耐える発達余裕を確保している。
 なおKF-51のような独自のドローン運用能力などは過度に複雑とされ、専門運用部隊に委ねる形で省略している。


 戦車の一義である火力は日本製鋼所開発の、50口径120ミリ自動装填滑腔砲へと換装され、薬室も拡大された。
 発達余裕限界まで用いれば55口径砲搭載も不可能ではないが、取り回しが悪く、外部環境に影響されやすい。
 また薬室拡大と新型弾薬の開発により、向こう10年は正面から撃破不可能なAFVが存在しないレベルまで威力が向上した。

 砲もやはり照準器と同じく垂直、水平、前後の三軸電子方式で安定化され、高い追従性と即応性を両立させている。
 自動装填装置は当初より、長砲身砲への換装を見越して余裕が取られていたため、換装の必要は存在しなかった。
 必要とあらばバースト射撃さえ行える安定した高速装填は健在で、搭載弾薬数も35-40発と推察されている。

 弾薬は弾芯重量と初速双方を増した装弾筒付翼安定徹甲弾、永久築城にも有用なタンデム対戦車榴弾の二種である。
 前者は正確な貫通力は不明だが、T-80UやT-90Mの砲塔正面を3000メートル以遠より、余裕を持って射貫可能とされる。
 後者は永久築城に第一弾頭が穴を穿ち、第二弾頭が内部を焼尽する構造を用い、汎用性に優れている。


 砲以外の武装としてはM240B同軸機関銃1門、そしてFCSと連接されたRWSにM2重機関銃1門を搭載している。
 前者も砲FCSと安定装置と連接し、高い信頼性と発射速度から近距離における対人制圧火力は高い。
 後者はRWS自体にも安定装置とセンサが備えられ、砲を用いるには危険な状況で制圧射撃に用いられる。

 防御力についてもD型はほぼ別物で、20年代の技術で効率化された微細粒子結晶鋼板と外装複合装甲を主体とする。
 正面は50口径砲から射撃された新型徹甲弾複数の直撃に耐え、側面も個人携帯対戦車弾の貫通を防いでいる。
 またD型に至りついにAPSが搭載されており、イスラエルのトロフィーシステムに近いエネルギー弾によるATM防御を行う。

 74式戦車に近い寸法ゆえの居住性も、空調完備と戦闘糧食加熱器追加により多少は補われている。
 列島日本時代に生産された車両はフィードバック方式で、大陸化以降に量産された車両は当初よりD型仕様である。
 小型軽量な利点もあり202X年現在で2500台を超える10式戦車が就役し、今後も増産される予定である。

284奥羽人:2024/12/26(木) 21:14:57 HOST:sp49-109-101-112.smd02.spmode.ne.jp
兵站軍司令部
│└─統合監察部

├─ 補給総局
│ ├─ 調達部(物資の調達と管理)
│ ├─ 保管・配送部(物資の在庫管理と配送)
│ └─ 特殊管理部(危険物/NBC用資材の管理)

├─ 輸送総局
│ ├─ 陸上輸送司令部(車両/鉄道輸送)
│ ├─ 海上輸送司令部(輸送艦/補給艦)
│ └─ 航空輸送司令部(輸送機/給油機)

├─ 工兵総局
│ ├─ 建設部(基地/道路/橋梁の設営・補修)
│ └─ 環境対応部(NBC防護や災害対応)

├─ 整備局
│ ├─ 整備部(陸海空の車両・装備の整備)
│ └─ 管理部(輸送・在庫管理)

├─ 医療支援局
│ ├─ 野戦医療部(野戦病院運営・負傷者後送)
│ ├─ 疾病対策部(感染症予防・医薬品供給)
│ └─ 精神医療部(兵士のメンタルケア)

├─ 渉外局
│ ├─ 民間協力部(NGOや企業との協力調整)
│ ├─ 地域支援部(民生復興・現地住民支援)
│ └─ 国際協力部(国際機関や同盟軍との調整)

├─ 生活支援局
│ ├─ 兵営支援部(兵営生活の支援・文化活動の企画)
│ └─ 郵便部(野戦郵便局の運営・通信手段確保)

├─ 情報通信局
│ ├─ 通信部(通信インフラ・暗号化ネットワーク)
│ ├─ 分析部(補給計画支援とAIシミュレーション)
│ └─ 情報管理部(包括的な補給状況・物資情報管理)

├─ 財務局
│ ├─ 主計部(兵站予算の計画と配分)
│ └─ 監査部(予算執行の監視と透明性の確保)

└─ 戦略企画局
├─ 長期兵站計画部(戦略的兵站計画の設計)
├─ 即応支援隊(緊急時の兵站支援)
└─ 研究開発部(新技術の導入と効率化)

285モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:11:07 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新春age

286モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:42:05 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——とあるチャンネルにて

『数多の世界線の皆さん、新年、明けましておめでとうございます!!本年も我がモントゴメリー企画通販チャンネルをご覧になっていただきありがとうございます。
今年も旧年と変わらずのご愛顧を賜れるように精進いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
新年第一発ももちろん生放送です!司会はいつも通り、モントゴメリー企画代表取締役社長である私と』
「アシスタントの“ジギー”こと、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします!!
 テレビの前の皆様、今年もよろしくお願いいたします。私も今年こそは、ヴァルハラへ送り届ける戦士の魂の数でブリュンヒルト姉さまたち先輩ワルキューレに負けないように頑張ります!!
では早速。社長、今日の商品は何ですか!?」
『はい!記念すべき弊社新年第一作目は、“クロス世界線”のストライクウィッチーズ世界。その扶桑皇国さま向けの商品となっております』
「おお!?ついに我が社もファンタジーやオカルト業界に進出ですか!!」
『競争激しい昨今、変化を恐れず経営の多角化に邁進しまければ生き残れませんからね』
「確かに、“タンクマン・エンタープライズ”さまの新商品とかスゴイですからねぇ…」
『とは言うものの、経営の“芯”がブレてはいけません。
“戦えない人たちに戦うための剣を、身を守れない人たちへ護るための盾を”
この弊社の経営理念はどの世界線のお客様相手でも変わる事はございません。』
「そこが変わったらもうモントゴメリー企画じゃありませんからね」
「さらに言うなら、弊社の得意技である“堅実な商品をお値打ち価格でご提供”も返るつもりはございませんのでご安心ください」
「流石です社長です!さあ、前置きはこれくらいにして新商品を早く見せてくださいよ〜!?」
『おっと失礼いたしました(笑)
では、改めまして。本日ご紹介する商品はこちらとなっております!!』

——ババン

「伊吹」型防空巡洋艦
全長:約205m
全幅:21.5m(両舷側バルジ装着)
喫水:約6m
基準排水量:約1万3000トン
満載排水量:約1万5000トン
機関出力:15万2000馬力
速力:36ノット(公称)

武装:
60口径15.2センチ連装自動砲 4基
50口径12センチ連装自動砲  6基
20ミリ多銃身機関砲連装6基

287モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:44:35 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「おお〜、防空巡洋艦ですか」
『かの世界が今一番欲しいもの。それはネウロイのよる経空脅威に対する対抗策であると考え、ご提案いたしました』
「なるほど。で社長、具体的な内容はどのように?」
『では、順を追ってご説明いたしましょう』


『まず船体につきましては、史実最上型の改良、“改鈴谷型”を踏襲しております』
「ああ、だから“伊吹”型なんですね」
『流石はジギー、よくご存じで。
 本商品は“量産”を前提といたしましたので、提供先の世界線で馴染みがある、かつ量産可能な規模にすることを主眼といたしました』
「出ました弊社のお家芸!“コストコントロール”!!」


「次は主砲についてお願いします。“自動砲”となっていますが?」
『良くぞ聞いてくれました!!今回の目玉を正にこの主砲火力でございます!?』
『今回主砲に採用いたしましたのは史実“6インチ47口径Mk.16両用砲”を基にいたしました。』
「えーと、確か…“ウースター”級軽巡洋艦に採用された砲ですよね?」
『いかにも!?その性能は破格です!
最大の特徴である発射速度は毎分12発!?最大射程は約2万4000m、最大射高は約1万4500mとなっております』
「WW2型中口径砲の到達点ですね!?」
『はい!!
そして砲弾も各砲塔に800発程度搭載可能ですので、継戦能力にも不足しておりません』
「単純計算で1時間の連続射撃ができるんですか!?すごーい!!」
『まだまだ驚くのは早いですよジギー?
副砲として採用しました12センチ砲は、史実ボフォース社が開発した“Bofors 120 mm Automatic Gun L/50 In Naval Twin Turret”を基としております。
その発射速度は毎分42発!単位時間当たりの投射弾質量では主砲を越えております!!』
「まさに槍衾!浮かぶ防空要塞ですね!?
…ところで、この”20ミリ多銃身機関砲”ってガトリング砲ですか?」
『Exactly(その通りでございます)!!
とは言うものの、そこまで高度な技術は用いておりません。
空軍の爆撃機搭載に搭載されている遠隔操作銃塔の技術を応用し、レーダーを主体とした半自動射撃を実現したしました。いわば近接防御火器(CIWS)の初期型でございます』
「おお〜セミオート射撃。いいですね〜」

288モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:46:17 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
『そして、主砲の影に隠れて目立ちませんが、本商品の“根幹”と言って良いのが射撃システムであります』
「射撃システム?」
『はい。
主砲の射撃指揮は従来の艦と同様に艦橋トップの射撃指揮所において行われます。しかし本級は、対空射撃が本分となっておりますので各砲塔にも独自の射撃指揮装置が設けさせていただきました』
「おお、豪勢ですね」
『ここをケチっては本商品の魅力が半減してしまいますからね。
そして、艦内にはこれらを統括するために方位盤がもちろん設けられております。
そして、これには21世紀において「タフブック」と呼ばれる超高性能な携帯型パーソナルコンピューターを採用しております!!』
「“タフブック”?
 …ああ、理工学部や工学部の学生が入学時に購買部指定商品として買わされるやつですね」
『あれは民間向け商品ですね(苦笑)
タフブックは“極限環境でも動作する”というセールスポイントから、米軍や米警察はもちろん、日本の消防・警察、自衛隊でも採用されている商品です』
「えーと、“米軍MIL規格”のMIL-STD-810Fに合格してるんですね」
『いかにも。これなら被弾時の衝撃にも耐えられるでしょう』
「でも社長、特徴に“耐久性のために性能そのものは若干妥協している”って書いてありますが?」
『妥協といってもビジネス用ハイエンドモデルと比較してです。一般人や前線の軍人さんが使うなら何の問題もありません。
さらに言うなら、ストライクウィッチーズ世界さまから見たら、これ一台で世界中の機械式計算機を合わせたよりも大きい計算処理能力を持っております』
「なるほど!じゃあ大丈夫ですね!!」
『そして、その耐久性バツグンのタフブックを継戦能力向上のために更に複数を分散配置しております。具体的には前後艦橋、そして艦中央部です』
「3セットもあれば被弾で艦橋がやられても大丈夫ですね」
『さらに!この利点を用いて主砲だけでなく副砲や機関砲用に設けられていた射撃指揮装置と付属レーダーからの諸元入力も受け付けられるような仕様に設定しております』
「そうなるとどうなるんですか」
『この仕様の利点は、対空用の射撃指揮装置を対水上用にも副次的に使用することで複数目標への同時射撃、通称「分火射撃」が従来の砲塔搭載測距儀を用いたもの以上の精度で実施できるようになります!
もちろん、対空射撃時の同時対処能力も向上です!!
「おお、つまり簡易型イージスシステムということですね!」
『あれほど高度なレベルにはいきませんがね(苦笑)
また光学・(レーダー)併用によるピントを一致させ続けるだけでの自動射撃追随システムを搭載させていただきました』
「ええ、自動追随システム!これなら高速化する対空目標にも対応できますね!?』
『これだけでも史実1960年くらいまでの航空機や対艦ミサイルには対応可能でありますが、センサー類の強化により、さらに高みを目指しました』
「センサー?レーダーや光学観測機器ですか?」
『いかにも。
レーダーもコンピューターと同じく史実21世紀初頭の民生用レーダーを採用し、精度を飛躍的に高めております。
また、測距儀に使うレンズも民間テレビ局が採用している高精度レンズを用いております。
これにより、光学観測の精度は大和型戦艦と同等レベルとなるでしょう』
「おお、あの“もう作ることはできない”と言われたオーパーツと同レベルですか!」
『これらを組み合わせることにより、限定的ですが超音速の目標にも対処可能となりました』

289モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:49:46 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「いや〜、凄いですね社長!!
…で、お客様が一番気にしているのはお値段だと思うんですが、その点どうなんですか〜??」
『はい、本日は新年最初というわけで“お年玉”価格といたしました!!
具体的なお値段は——こちらです!?』

———バババン!!

「うーん、ウースター級より3割引きくらいですかね?」
『電子機器を多く用いましたが、そのほとんどを民生品で賄いましたのでこちらのお値段で提供できるようになりました。
さらに!!新春特別プランとして、主砲用の弾薬を定数分お付けいたします!?』

——主砲砲弾パック付属のテロップ

「流石社長!!
で〜も♪社長!新年なんですからもっとオマケしてください!!」
『うーん。
わかりました!セット割引といたしまして、1個戦隊分4隻をお買い上げ下さったお客様には、1隻分のお値段を値引きさせていただきます!!』

———4隻購入で1隻分サービスのテロップ!

「きゃあ〜〜、ありがとうございます社長!!
……で〜も?これだけだとタンクマン・エンタープライズさんに負けちゃいますよ〜??
こちらの世界ではあちらが先に販路拡大してますからね〜。
ここはもう一声、言っちゃいましょう!!!」
『うーん……。
わかりました、この放送をご覧の皆様に限り、本日中のご注文で弊社の全商品に使える半額クーポン券をお付けいたします!!!(吐血)』

———半額クーポン券プレゼントのテロップ…

「それでこそ社長です!!!」
『……』
「あ〜燃え尽きちゃいましたね、車長(笑)」
「では私の方で締めさせていただきます!!
今回の商品である“伊吹”型
 完璧ではございませんが、それでお客様のお役に立つと確信しております。是非ともお買い求めください!!」
「分割払い、ボーナス一括払いにも対応しておりますので、皆様ドシドシご連絡ください!!
 お電話待ってまーす!!!」

290モントゴメリー:2025/01/02(木) 20:45:10 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内


“皇国世界”代表 yukikazeさま

新年、明けましておめでとうございます。
モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。旧年中は大変お世話になりました。
今年も旧年と変わらずのご愛顧を賜れるように精進いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

本日は弊社の新春初売り企画といたしまして、新商品のご紹介をいたしたくご連絡いたしました。
貴世界線のフランス帝国さまが構想中の新型巡洋戦艦、その一助となれば幸いです。
以下がその新商品の概要でございます。



仮称「ミュラ」級巡洋戦艦
全長:約250m
全幅:約32m
常備排水量:約37000トン
機関出力:14万5000馬力
速力:33ノット(公称)

武装:
45口径34センチ4連装   3基
50口径15.5センチ連装砲  3基
60口径7.センチ高角砲   8基
3.7センチ機関砲      12基


商品説明
本商品は、史実フランスが1926年から28年に構想した『3万7000トン級巡洋戦艦』、ほぼそのままとなっております。
弊社が手を加えましたのは、ほぼ武装のみとなっております。
主砲は、原案では30.5センチ4連装3基でございましたが、貴世界線のプロヴァンス級の主砲と統一いたしまして費用の圧縮を狙いました。
(これに伴いまして、全幅も若干増大させております)
また、副砲以下の武装も同様に“元帥”級戦艦と統一いたしました。

装甲は、主装甲帯が280㎜(上端220㎜)、これに蓋をする形で中甲板に75㎜+15㎜を施しています。
さらに下甲板にはスプリンター防御を兼ねて25㎜の装甲板を装備しています。
これは、途中から下へ傾斜し装甲帯の下端に接続する形となります。

水雷防御は二重底で重油タンク、その後ろに80㎜×2のチーク材、更にその後ろに50㎜の装甲板を配置しております。
有り体に申しまして、史実“ダンケルク”級と比較し見劣りしておりますが、これは時代背景を鑑みれば致し方ございません。



以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。

改めまして、本年も弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

291モントゴメリー:2025/01/03(金) 19:14:09 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——とあるチャンネルにて

『数多の世界線の皆さん、お正月、いかがお過ごしでしょうか。今夜も我がモントゴメリー企画通販チャンネルをご覧になっていただきありがとうございます。
新年初売り企画、本日も継続中でございます!司会はいつも通り、モントゴメリー企画代表取締役社長である私と』
「アシスタントの“ジギー”こと、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします!!
では早速。社長、今日の商品は何ですか!?」
『本日は“皇国世界”さま向けの商品でございます!!』
「あれ、昨日カタログ送ったら即座にお断りメールが来たんじゃありませんでしたか?」
『あれはダメで元々のコンセプト案です。これから発表するものが本命でございます!!
弊社が持てる技術力を総動員いたしました!!』
「おお!それは楽しみですね」
『ではご紹介いたしましょう!!これこそが真なる“ミュラ”級巡洋戦艦です!!!』


仮称「ミュラ」級巡洋戦艦
全長:約215m
全幅:約33m
基準排水量:約30000トン
機関出力:13万馬力
速力:30ノット(公称)

装甲:
舷側285mm(12度傾斜)
主甲板125mm(弾薬庫部分)
    115mm(機関室部分)
下甲板50㎜

武装:
45口径41センチ3連装   2基
50口径15.5センチ連装砲  5基
(以下、詳細はオプションとなります)

292モントゴメリー:2025/01/03(金) 19:15:17 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「……主砲以外はほぼ史実ダンケルク級じゃないですか?」
『はい、本商品の目玉は何と言ってもその主砲!“元帥”級のものを砲塔ごと流用することにより打撃力と費用圧縮を両立いたしました!!』
「目玉というか、それ以外に目新しいものがないというか……」
『何を言いますかジギー!?本商品には弊社がこれまでに積んできたノウハウが詰まっているのですよ?』
「ノウハウ?……あ!そう言えばこれ、見覚えがあると思ったら去年発表した“アラスカ”級とほぼ一緒じゃないですか!?」
『ご名答!本商品は“日英蜜月()世界”さまにお納めしましたアラスカ級巡洋戦艦を基にしております』
「“基に”っていうか、ただ使いまわしただけじゃないですか!!しかもよく見たら排水量増えてるのに、装甲はむしろ薄くなってる…欠陥品ですよこれ!!!」
『否!?これはちゃんと意味がある変更です!!これも全て、弊社の未熟から来た“アラスカ”級の欠点を是正するための措置なのです』
「欠点?」
『取り敢えず、こちらのお便りをご覧ください』


ペンネーム:ブラック企業の戦闘妖精さん
乙。確かダンケルクの4連装砲塔、ノースカの砲塔と砲塔重量同じなので、
砲塔重量だけで見れば、45口径なら砲塔防御も米戦艦レベルは大丈夫。

とはいえこのアラスカ級。
多分水雷防御にそんなにリソースはれないのと、ダンケルクの事例考えても
船体構造に無理している可能性はある。


「ああ…アラスカ級に対するお客様からの声ですねこれ」
『今回の仮称“ミュラ”級はこのご意見を真摯に受け取りまして再設計いたしました』
「具体的には?」
『まず、余裕ができた排水量分で艦首部の構造を強化。また水雷防御機能も増加いたしました』
「そう言えば、全幅が史実リシュリュー級レベルまで増えてますね」
『これにより、大火力と言う長所はそのままに短所を改善した一品となったと自負しております』
「うーん、確かにいい作品ですけど…。社長、お正月企画で既存品使い回しはアレじゃないですか?“孤〇のグルメ”ヘビーローテーションのテレビ〇京じゃないんですから」
『そう言われると思っていました。
ですので!!本日は“2本立て”でお送りいたします!?』
「え、もう一つ新商品があるんですか!?」
『その通り!そしてこちらは完全新規設計でございます!!
ご紹介いたします。“ラサール”級装甲巡洋艦です!!』

293モントゴメリー:2025/01/03(金) 19:16:58 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp

仮称「ラサール」級装甲巡洋艦(A案)
全長:約205m
全幅:約24m
基準排水量:約1万7500トン
機関出力:18万馬力
速力:35ノット(公称)

装甲:
舷側180mm
甲板70mm

武装:
45口径30.5センチ連装   3基
(以下、詳細はオプションとなります)


仮称「ラサール」級装甲巡洋艦(B案)
全長:約205m
全幅:約24m
基準排水量:約1万7500トン
機関出力:15万馬力
速力:32ノット(公称)

装甲:
舷側180mm
甲板70mm

武装:
45口径30.5センチ連装   4基
(以下、詳細はオプションとなります)



「装甲巡洋艦ですか。弊社では初ですね」
『はい、こちらは史実1926年にフランスで構想された“条約型巡洋艦を圧倒する”巡洋戦艦案を基に設計しております』
「そんなものがあるなんて知りませんでした」
『本商品はそれを基にしつつ、主砲を“パリ”級戦艦のものを再利用することを主眼としております』
「リサイクルですね〜」
『“地球にやさしい総力戦”が弊社のモットーですので』
「A案とB案の違いは?」
『A案が原案の最高速力を維持した場合のスペックですね。砲塔が3つですので、8隻建造ができます』
「“パリ”級=史実クールベ級で砲塔が6つ、4隻で24個ですからね」
『対してB案は、最高速力を仮想敵である英国海軍の主力艦“アドミラル”級と同等まで下げる代わりに、火力を強化しております』
「B案では砲塔を4つ使ってますから、建造数は6隻ですね」
『いずれにしても、フランス帝国さまの巡洋艦戦力を大きく向上させることができると自負しております』
「ん〜、条約型巡洋艦を10数隻も作るよりは効率的ですかね?」
 『まあ、“皇国世界”さまでは軍縮条約が締結されていないようなのでできる芸当ですがね(苦笑)』

「そろそろお時間ですが、社長!気になるお値段は??」
『はい、本日もお年玉価格でいかせていただきます!!
まずはミュラ級から!!具体的なお値段は——こちらです!?』

———バババン!!


「おお〜3万トン級としたら随分お値打ち価格ですね!!」
『原材料の調達から輸送まで、弊社各部門が担った故の低価格でございます。
続いてラサール級のお値段はこちら!!』

———バババン!!


「こっちも十分“巡洋艦”として通用するお値段!!すごいです社長!!!」
『さらに!このチャンネルをご覧の皆さまに限り、主砲の弾薬を定数分お付けいたします!!』

——主砲砲弾パック付属のテロップ

「そうでなくちゃ社長〜!!
…で〜も?お正月なんですからもう一声お願いします♪」
『うーん…
わかりました!!本日中にご注文のお客様に限り、ミュラ級とラサール級を両方ご購入の場合に使える4割引きクーポン券を差し上げます!!!』

——セット購入割引のテロップ

「ありがとうございます社長!!!」
『これも全てお客様の笑顔のためであります』
「では私の方で締めさせていただきます!!
今回の商品である“ミュラ”級及び“ラサール”級
 無敵の超弩級戦艦とは呼べませんが、使い方によればそれと同等の活躍をお客様にお見せできると確信しております。是非ともお買い求めください!!」
「分割払い、ボーナス一括払いにも対応しておりますので、皆様ドシドシご連絡ください!!
 お電話待ってまーす!!!」

294モントゴメリー:2025/01/08(水) 23:23:35 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——とあるチャンネルにて

『数多の世界線の皆さん、こんばんは!今夜も我がモントゴメリー企画通販チャンネルをご覧になっていただきありがとうございます。
司会はいつも通り、モントゴメリー企画代表取締役社長である私と』
「アシスタントの“ジギー”こと、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします!!
松の内があけましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?会社に行くのがツライ?嫌な上司を的に射撃訓練がしたい?そんな皆さまの気持ちが晴れるような商品をお届けできるように頑張ります!!
では社長、今日の商品は何ですか!?」
『本日は“クロス世界線”のストライクウィッチーズ世界さま向けの商品のセット販売をいたします』
「おおっいいですねセット販売!お得ですねぇ」
『早速一つ目の商品のご紹介です』

——ババン

25㎜ガンポッド
重量:約250㎏
銃身長:1500mm
装弾数:30発
発射速度:毎分150発

「これは、航空機用の装備ですか?」
『如何にも。
装備更新で余剰になるであろう、扶桑海軍の25㎜機関砲の生産ラインを転用できるように同規格を用いて作製いたしました!』
「何故このようなものを?」
『ストライクウィッチーズ世界さまの航空戦力強化のためでございます。
かの世界線では、これよりネウロイの経空脅威が増大すると予測されますので、それへの対応策でございます』
「具体的な運用は?」
『重量は250㎏に抑えましたので、250㎏爆弾を搭載可能な戦闘機には運用可能であります。
例えば零式戦ならば胴体下部に一門、新鋭機の紫電改ならば両主翼下に一門ずつ計二門搭載可能であります!』
「おお!戦闘機が“空飛ぶ装甲車”になりますね!!」
『25㎜機関砲は約1500mほどは直進いたします。ですので、敵ネウロイの射程外から一撃を与えることにより、こちらの被害低減を狙うことを主眼としております』
「1500m!すごーい!!
…あれ、でも社長?これ積むと重量も空気抵抗も増えるから速度も旋回性能も落ちますよね?そこはどうするんですか??」
『えー、そちらに関しては、制空権確保はウィッチの皆さまにお願いし、これを搭載した機体は後方よりの支援に徹する運用を想定しております』
「ダメじゃないですか!?」
『“役割”が違うのです!役割が!!
ウィッチの皆さんが“騎兵”ならば、これは“短弓兵”となり戦術の幅を広げるのです!?』
「でも年端も行かない乙女たちを最前線に追いやって、大の大人が後方支援は…寒い時代すぎませんか?」
『“郷に入っては郷に従え”です。ファンタジーやオカルト世界に行くならば、その世界の法則に従うのです。これは冒険でも商売でも変わりありません』
「そんなこと言って社長、前に宇宙世紀やコズミック・イラ世界に進出した時は“戦車乗りの魂をお見せいたします!!!”とか息巻いていたじゃないですか〜??」
『認めたくないものですね、己自身の、若さゆえの過ちというものは……』
「三倍速くなりそうなセリフで誤魔化しちゃって〜ww」
『まあ、あちらは“リアル”ロボット世界という看板を背負っているのですから、それくらいの遊び心は受け入れてくれますよ』
『で、話を戻しますが!!
この商品はストライクウィッチーズ世界の皆さまをお役に立つと確信しております!?』
「はいはい。
では社長、次の商品は??」
『次の商品に行く前にCMをご覧ください』
「CM挟むんですか!?」

295モントゴメリー:2025/01/12(日) 12:59:09 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——CM明け

「はい社長、次の商品は何ですか?」
『続いても航空機向けの商品となります』

——ババン

37mmロケットランチャー

重量:50㎏(フル装填時)
弾数:36発

「ロケットランチャーですか。でも…37㎜って小さくないですか?」
『こちらは1950年代初頭に開発された“対空ロケット”の規格を流用しております。
ロケット弾として見ると頼りないかもしれませんが、低初速型の“大口径航空機関砲”の一種だとして捉えてみればものすごく軽量で強力なものだと言えるでしょう!!』
「あ〜、そう言われると確か…に?」
『具体的なスペックは、37mmロケット弾の重量は1発1kg、発射の間隔は1秒間に30発ですので、機関砲的な発射速度として見れば1800発/分相当でございます!?』
「おお!なんか凄そうに思えてきました!!」
『また、36発装填状態で重量50kgなので、60㎏爆弾を搭載可能な航空機には搭載可能であります。
零式戦ならば2基、紫電改ならば4基、そして99式艦戦ですら1基を大きな改装をすることなく搭載できるのです!!』
「…社長、これさっきの25㎜ガンポッドよりも優秀では?」
『あれは“既存品の再利用”という大事な役割があるからあれで良いのです、あれで!!』
「まあ、そういうことにしときましょうか」
『そして!
ここからが弊社オリジナルの要素ですが、“歩兵用火器”としても運用可能といたしました!!』
「へ?歩兵用ですか?」
『それがこちらとなっております!!』

296モントゴメリー:2025/01/12(日) 13:00:40 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——ババン

「……しゃ、社長。
何ですかこれ?」
『歩兵用のランチャーでございます』
「穴だらけの鉄パイプに持ち手が付いただけのように見えるのですが……」
『流石ジギー!この商品の特徴を一言で表してくれましたね!!
ではそんなジギーに商品の実演をしてもらいましょう!!!』
「え゛!?」

——モントゴメリー企画、商品開発部実験場

「社長〜〜〜聞いてませんよ〜〜(泣)」
『サプライズです!
新年なんですから、何か新しい表現をしないとお客様が離れてしまいますからね!!
大丈夫ですジギー、貴方ならできます!?』
「…ええい!やってやりますよ!?
私だって新米とは言え歴としたワルキューレです!!」
『それでこそ我が最高の相方です!!
さあ!そうこう言っている内に“実演”の目標がやってきましたよ』
「あれは…戦車ですね」
『今回は目標として、弊社のベストセラー商品である“KV-3”戦車をご用意いたしました。的が大きいので、難易度は低いでしょう。
さあジギー!やっちゃってください!!』
「よっしゃあ!?…この照準器簡略すぎません?」
『本体が“簡易兵器”ですので。ですが、航空機用装備を流用してますので、射程はパンツァーファウストなどのWW2期の対戦車火器よりも長くなっております!!』
「とういうことは…距離200mくらいで……よし、戦士の魂寄越せコラァ!?」

——発射、目標に命中
(注:自動運転ですので中は無人です)

『お見事!移動目標にも初弾命中とは流石はワルキューレ!!
どうですかジギー、撃ってみての感想は?』
「見た目通りのチープさですね。いいですねこの腹にガツンと来る濃い目の末期戦テイスト!たまに無性に欲しくなる味です!!まるでペヤン〇ソース焼きそばです!!!」
『誠にワルキューレらしい感想をありがとうございます(人選間違えたかな…?)』
「それに、軽いのに反動はほとんどないので扱いやすいですね。」
『威力の方も、オリジナルの方は榴弾のみですが、弊社独自開発の成形炸薬弾をご用意しておりますのでご安心ください!!』
「え、HEAT弾だったんですかこれ?それにしては、目標を貫通していませんが……?」
『冷戦期レベルの技術でも設計・製造できるようにしておりますので、貫通力は口径の3倍前後となっております』
「てことは大体100㎜ってことですね。…あ、だからKV-3を的にしたんですね。あれ側面装甲も150㎜ですからね」
『とは言え、パンツァーファウストと同等と威力で、射程とコストパフォーマンスはこちらが上回っております。』
「本格的な対戦車兵器が出来るまでの繋ぎにはいいかもしれませんね」
『そして弾薬が航空機と共用できると言うメリットもございます。是非ともご検討ください!!』
「社長、今夜はこれで終わりですか?」
『いえいえ!まだまだ終わりません!?
スタジオに戻ったら次の商品をご紹介いたします』

297モントゴメリー:2025/01/13(月) 15:20:15 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——スタジオ

「では社長、次の商品は?」
『お次は“M4シャーマン中戦車”の改装キットをご紹介いたします』
「シャーマンの改装キットですか?」
『はい!
ストライクウィッチーズ世界のリベリオンさまでは新型戦車の開発が難航し、さらにシャーマンの在庫が余っているという情報のお聞きしましたので、その状況を改善できる商品をご用意いたしました!!』
「どんなキットなんですか?」
『それでは、そのキットを用いて改装したシャーマンをご覧入れましょう。
名付けて“M4シャーマンジャンボ・スペシャル”です!!!』

——ババン

M4シャーマンジャンボ・スペシャル

車体長5.89m
全幅2.94m
全高2.95m
重量:約39t
エンジン:680馬力
最高速度:60㎞/h(整地)
45km/h(不整地)
主砲:51口径105mm砲
副武装:12.7mm重機関銃M2×1
7.62mm機関銃M1919×2
装甲
防盾:178㎜
砲塔:152㎜
車体前面:114㎜
デファレンシャルカバー先端部:140㎜
側面:76㎜(通常型に38㎜追加)


「うわっ!大きな主砲ですね。L7ですか?」
『確かに一番目立つのは主砲ですが、まずはこのキットの主眼である“防御力”についてご説明いたします。』
「お願いします!」
『まず砲塔については、主砲の防盾厚さは178㎜、砲塔全周は152㎜に増厚されております。
車体の方も前面は傾斜した114㎜、デファレンシャルカバー先端部に至っては140㎜まで強化いたしました!!
さらに!車体側面に関しても76㎜になっております』

298モントゴメリー:2025/01/13(月) 15:21:32 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——スタジオ

「では社長、次の商品は?」
『お次は“M4シャーマン中戦車”の改装キットをご紹介いたします』
「シャーマンの改装キットですか?」
『はい!
ストライクウィッチーズ世界のリベリオンさまでは新型戦車の開発が難航し、さらにシャーマンの在庫が余っているという情報のお聞きしましたので、その状況を改善できる商品をご用意いたしました!!』
「どんなキットなんですか?」
『それでは、そのキットを用いて改装したシャーマンをご覧入れましょう。
名付けて“M4シャーマンジャンボ・スペシャル”です!!!』

——ババン

M4シャーマンジャンボ・スペシャル

車体長5.89m
全幅2.94m
全高2.95m
重量:約39t
エンジン:680馬力
最高速度:60㎞/h(整地)
45km/h(不整地)
主砲:51口径105mm砲
副武装:12.7mm重機関銃M2×1
7.62mm機関銃M1919×2
装甲
防盾:178㎜
砲塔:152㎜
車体前面:114㎜
デファレンシャルカバー先端部:140㎜
側面:76㎜(通常型に38㎜追加)


「うわっ!大きな主砲ですね。L7ですか?」
『確かに一番目立つのは主砲ですが、まずはこのキットの主眼である“防御力”についてご説明いたします。』
「お願いします!」
『まず砲塔については、主砲の防盾厚さは178㎜、砲塔全周は152㎜に増厚されております。
車体の方も前面は傾斜した114㎜、デファレンシャルカバー先端部に至っては140㎜まで強化いたしました!!
さらに!車体側面に関しても76㎜になっております』

299モントゴメリー:2025/01/13(月) 15:29:32 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
ちょっとage

300モントゴメリー:2025/01/13(月) 15:30:33 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「ん〜、防御力面は史実の“ジャンボ”と全く同じですか?」
『はい、確実性を重視いたしましたので、こちらは実績ある強化方法を採用いたしました
しかし!それ以外の項目は弊社オリジナルであります!!』
「それ以外?攻撃力や機動力ですか」
『如何にも!
まず主砲に関しては、さきほどジギーが申した通り、L7 105㎜砲に換装しております。』
「シャーマンの砲塔に載るんですか?」
『史実ユーゴスラヴィアにおける改装案で、D-10T 100mm戦車砲を搭載する案が設計されております。
この砲は、口径長でも重量でもL7を上回っておりますので何とかなると判断いたしました。
また、装甲の強化で重量も増大しておりますので、反動も十分に吸収できます』
「なるほど!」
『また機動力に関しましては、21世紀初頭の漁船用ディーゼルエンジンを転用いたします。
これの馬力は約680馬力ですので、オリジナルの約4割増しとなっております!!』
「これ、エンジンルームに載るんですか?」
『またまたユーゴスラヴィアの例ですが、シャーマンのエンジンをソ連製ディーゼルエンジンに換装する案が設計されております。
このエンジンの寸法とそれほど変わりませんので、大幅な設計変更は必要ないと判断いたしました』
「なるほど!!」
『この改装により、最高速度は史実ジャンボの35㎞/hから2倍弱の60km/h(整地)まで強化されております!!』
「すごーい!!
火力も装甲もM60パットンと同等だし、最高速度に関しては上回っているじゃないですか!?本当にこれシャーマンですか?」
『これも弊社の技術力の賜物でございます!!』
「もうこれがあれば、新型戦車なんてそれこそエイブラムス相当のものが来ない限り不要ですね!!」
『exactly(その通りでございます)!!
……と、言いたいところですが、やはり改装は改装なので、所々“無理”をしております』
「あ…やっぱり……」
『まず、装甲と主砲を強化いたしましたので重量バランスが前方に偏ってしまいました。
これにより、操縦の難易度が上がっております。操縦の誤ると前に“つんのめる”危険性がございますのでご了承ください』
「戦車で“逆立ち”はシュールですね…」
『また、足回りはトーションバー式ではなくHVSS方式であるため、性能には限界がございます』
「なんでトーションバー式にしなかったんですか…」
『そこまで変更してしまいますと“改装”ではなく“新造”になってしまいますので…。
ただ、このHVSS方式も初期型シャーマンのVVSS方式よりは強化されておりまして、実際史実“ジャンボ”はこの方式で運用されております。
加えて、履帯幅も42㎝から58㎝に拡大しておりますので決して無策ではございません。
しかし…時速60㎞で走る事は想定されておりませんので、その速度を多用した場合、故障が頻発することをご承知おき下さい』
「それへの対策は?」
『リベリオンさまの国力を活用し、戦車運搬車の活用や交換部品の備蓄、修理体制の拡大などをお願いいたします』
「……えー、社長?
“戦場で”故障した場合は?」
『その時は、もしくはそうならないように乗員の皆さまは各々の信ずる神へ祈りを捧げてください』
「!?
リベリオン戦車兵の皆さーん!北欧神話はいかがですかー!?
私のような美人のワルキューレが皆さんをお迎えに参りますよーー!!」
『…とまあ、完璧とは参りませんが、現状の戦車戦力を大幅に強化できる改装キットであることは自信を持って言える商品であります』
「在庫品はもちろん、既存の生産ラインまでほぼそのまま流用できますからね!?」
『是非とも御一考のほど、お願い申し上げます!!』

301モントゴメリー:2025/01/29(水) 00:03:52 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「ラサール」級装甲巡洋艦

全長:約205m
全幅:約24m
常備排水量:1万9800トン
吃水:約7m
機関出力:18万馬力
最高速力:35ノット
航続距離:18ノット/8,000海里
武装:45口径30.5㎝砲   連装3基
   50口径9.0cm高角砲 連装8基
   60口径3.7cm機関砲 連装6基
76口径13.2mm機銃4連装8基
装甲:舷側180mm
   甲板80mm(中甲板)+25mm(上甲板)
主砲防盾 320mm
乗員;1100名
艦載機:水上機3機

同型艦
『アントワーヌ・シャルル・ルイ・ド・ラサール』(ネームシップ)
『フランソワ・エティエンヌ・ド・ケレルマン』
『オーギュスト・ジャン=ガブリエル・ド・コランクール』
『ルイ・ピエール・ド・モンブリュン』
『ジャン=イシドール・アリスプ』
『ヤン・ヘンリク・ドンブロフスキ』
『アンリ・ガティアン・ベルトラン』
『ジャン・マクシミリアン・ラマルク』

【概要】
ボナパルト朝フランス帝国が1930年代後半に建造した装甲巡洋艦である。
35ノットという韋駄天ぶりと、30.5cm砲6門という火力から「巡洋艦殺し」と各国海軍から恐れられた。
それでいて艦隊決戦のみならず通商破壊戦やその対極の通称護衛、上陸作戦の支援から果ては海外領土の保護まで活躍した。
艦名は大陸軍の将軍から採られており、『元帥級』と同じく『師団長級』『中将級』と呼ばれ国民から親しまれた。

302モントゴメリー:2025/01/29(水) 00:04:59 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【計画】
1920年代後半以降,フランス海軍は(イギリスの自滅により)欧州第一位の海軍となって
しまった。
これは一般国民からしたら慶事であるが、当事者としては喜んでばかりもいられなかった。
何故なら、ナポレオン二世以来のドクトリンである“弱者の戦略”通商破壊戦ドクトリンを転換しなければならないのである。
セレベス海海戦で戦略環境が激変したのは日本海軍だけではなかった。
約四半世紀ぶりの“イベント”を前に、右往左往する海軍首脳部に対して解答を提示したのが若き皇帝ナポレオン六世である。
彼の解答は“従来の通商破壊戦戦略をある程度踏襲しつつ、艦隊決戦にも対応可能な海軍を整備する”というものだった。
皇帝に言わせれば、戦略環境が変化したと言っても地理的条件は変化していないのである。
すなわち、未だに仮想敵筆頭であるグレートブリテン島は華南や北米などから資源を輸入しなければ立ち行かない。
ならば通商破壊戦の有効性は変わらない。そしてこれは東南アジアを勢力圏とした日本皇国に対しても同様だった。
皇帝が提示した新戦略に対し、フランス海軍首脳部が出した案が“元帥級を上回る戦艦と大型巡洋戦艦の整備”である。
戦艦については別項に譲り、ここでは巡洋戦艦について述べる。
用意された設計案は、セレベス海海戦で露呈した巡洋戦艦の脆弱性を可能な限り改善しつつ、『元帥級』の主砲を流用し価格低減にも留意している優れたものであった。
しかし、十分な防御力と30ノット以上の速力を求めた結果、排水量は3万トン前後となってしまった。
陸軍と空軍の近代化と拡張にも着手しなければならないナポレオン六世はこの案を費用がかかりすぎるとして却下。
より安価な「装甲巡洋艦」の新規設計を命じたのである。
ここにフランス海軍は、“外洋での通商破壊戦だけでなく、準主力にもなれる”という「ジャンヌ・ダルク」以来の方針に立ち返った正統派装甲巡洋艦の建造を決断した。

【船体全景及び上部構造物】
艦首はシアーとフレアが付いたクリッパー型の優美な姿であり、少し進むと波除けが配置されている。
波除けの直後には1番主砲塔があり、その後方に2番主砲塔が雛壇式に配置されている。
艦中央部には艦橋が置かれており、その後方には煙突と一体化した(いわゆるMACK型)後部艦橋がそびえており、後部射撃指揮所もここに位置する。
煙突と艦橋が一体化したことで、上部構造物は効率的に配置できるようになり、機能美と優雅さを兼ね備えた「フランス的」な外観となっている。
(本級は艦隊旗艦としても役割も求められたため、大きな通信能力を付与されているが、この設備も無理なく内容されている)
これら艦橋を囲む様に、高角砲塔群が配置される。
そこから艦尾へ進むと3番主砲塔が存在し、最後にカタパルト2基と飛行甲板という配置である。
また、艦首部の錨鎖庫の後方にワイン専用倉庫というフランス艦らしい区画も存在する。
(通商破壊戦などになった場合、長期間の航海が予測されたため、乗組員の士気を維持するのに必要と判断された)

303モントゴメリー:2025/01/29(水) 00:06:21 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【兵装】
主砲は、45口径30.5cm砲を連装形式で3基搭載している。
これは『元帥級』就役後に退役したパリ級戦艦の物を砲塔ごと移植したものである。
重量432㎏の砲弾を砲口初速780m/sで撃ち出すことができる。
最大射程は仰角12度で1万3500mと、戦艦の主砲としては物足りないものであったが、本級への搭載時に改装が実施され最大仰角は28度まで引き上げられて最大射程3万mを超えた。
セレベス海海戦の戦訓から、2万m以遠の射撃は命中率が低いことが判明していたが、これは水上戦闘というより対地艦砲射撃を意図したものである。
発射速度は2発/分が標準であるが、熟達した砲員ならば3発/分も可能である。
近年発達が著しい航空機への対策として、50口径9.0cm高角砲を搭載している。
これは9.51kgの砲弾を仰角45度で15,440m、対空榴弾を最大仰角80度で10,600mの高度まで到達させることが出来る。
旋回と俯仰は電動と人力が併用され、俯仰は仰角80度、俯角5度で発射速度は毎分12〜15発である。
この他に対空・対水雷艇用として3.7㎝機関砲と13.2mm機銃が配置されている。
いわゆる“副砲”と魚雷は搭載されていない。
これは、巡洋艦以下は直接主砲で打撃すれば良いし、主砲が通用しない相手ならばその健脚を活かして戦場を離脱すれば良いという判断からである。
副砲はともかく、魚雷に関しては格上殺しの手段は持っていた方が良いと異論が出たが、本級の設計案を見たナポレオン6世の

「古き良き私掠船時代ならばともかく、今の我々はこれほどの大型艦を単独で行動させるほど貧しくはないだろう?
雷撃や小型艦は護衛艦に任せればいいではないか」

という言葉に反対者は沈黙することになる。
(なお皇帝の真意は「貴重な準主力艦を魚雷の誘爆なんかで失いたくない&砲を減らして建造費用を少しでも安くしたい」であった)

【機関】
機関部は、35ノットという高い目標を達成するために新設計のインドル式ボイラーを採用している。
この措置により、機関出力は18万馬力を確保できかつ省スペース化を達成できた。
そして、スペースが用意できたのなら試してみよう、ということで新機軸の「シフト配置」が採用されている。
元々フランスの海軍ではパリ級戦艦などでも缶室分離配置を採用していたので、それを進化・発展させた思想である。

【機動力】
本級の最大の特徴はその健脚である。
「敵巡洋艦を逃がさない(…と同時に敵巡洋戦艦からは逃げられる)」ことを目標として設定された最高速力35ノットは、1万トン以上の艦艇では世界最速であった。
また旋回性能も艦の規模からすると良好であった。
さらに戦略機動力も考慮されており、18ノットで8,000海里という優秀な航続性能も併せ持っている。

【防御力】
本級は装甲『巡洋艦』である。
すなわち戦艦ではないため自らの主砲に耐えることは始めから考慮していない。想定されているのは、敵大型巡洋艦の20㎝級砲である。
舷側装甲は主要部が最大で180㎜、艦首及び艦尾部分の防御区画は120㎜の厚さを有する。
水平装甲は航空機対策も考慮され、中甲板に主装甲として80㎜、その上部に25.4mmの弾片防御甲板を施している。
水雷防御は、両舷にバルジを設置し、さらに機関区の両舷の側壁は甲板から艦低部まで縦に貫く縦隔壁が張られている。
これと水線部装甲の間に重油タンクを配置し液相防御帯として活用している。

【航空艤装】
通商破壊戦時には、広範囲な索敵が必要不可欠であると考えられたため、独力で航空偵察が可能なように水上機が3機搭載されている。

【運用】
本級は1番艦「ラサール」が就役後、特に問題も無く8番艦まで建造された。
平時は中規模艦隊の艦隊旗艦に任命され、その指揮機能を存分に発揮することになる。
また、『元帥級』の代わりに“外交の顔”の役割を担う場面も多々あり、その威容と美しさから訪問国にフランスの存在感を誇示していった。
本級の性能を見た各国(特に日英)は、対処に悩まされることになる。
既存の巡洋艦では相手にならず、かといって戦艦(はおろか巡洋戦艦も)では速度差から捕捉できないのである。
「弱い者いじめ専用艦」や「おばあちゃんの入れ歯を使う小娘」などと批判されることもあったが、“弱敵を討つは戦の常道である”とフランス側は一向に介さなかった。
これ以降、各国では装甲巡洋艦の建造が活発となっていくことになる。

304名無しさん:2025/02/02(日) 09:59:32 HOST:FL1-125-196-181-221.ngn.mesh.ad.jp
テスト
>>300-303

305モントゴメリー:2025/02/09(日) 19:16:26 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
日蘭世界SS—— loterie pour mariage——

フランス連邦共和国(FFR)、パリ、エリゼ宮にて

「La Pucelle aux cheveux argentés(銀髪のラ・ピュセル)の生産は順調です。やはりルノーを始めとする自動車メーカーのノウハウを活用したのは大きいですな」

会議室では、FFR大統領であるマリー・マフタン以下、政府閣僚と一部官僚たちが“ラ・ピュセル”たちの普及計画について話し合っていた。

「FFR各軍への配備のための予算執行は予定通り進行しております」
「現場でも、まあ戸惑いはありましたが新しい『戦友』との友誼はつつがなく育まれていますわ」

国防大臣が軍政面を、国防参謀総長が軍令面での状況を説明する。

「軍以外の政府省庁への導入も大きな問題はございません。問題になるとすれば——」
「一般国民への普及ね」

マフタン大統領が言葉を継いだ。

「量産効果で価格低減を目指すとはいえ、現状でも中級乗用車の上位から高級乗用車の下位くらいの値段になるものね。必然的に、購入できるのは中流階級以上の国民に限られるわ」
「地方の農村などでは非常に人気ですが、やはり導入できる農家は少ないですな…」

農業・食料大臣が続いた。
それに対して教育大臣「代行」が提案する。

「政府から補助金を出して、国民の購入を後押しすれば良いのでは?」
「それは悪手だ。政府の負担が増えるし、回りまわって国民の税負担が増してしまう」
「私もその手はあまり使いたくないわ。実施の難易度は低いけど、政府の負担が増すことは避けるべきだし…何よりÉléganteではないわ」

経済担当大臣と共に『先生』の名代の案を一蹴したマフタン大統領であるが、彼女としても何か代案がある訳では無かった。
沈黙が支配した会議室を動かしたのは、アナイス国防参謀総長だった。

「何も案が浮かばないならば、今日はもう終わりにしない?そろそろ退庁しないと“売場”が閉まっちゃうのよ」
『閣下、ですから電子決済で購入するべきですと進言したのです』
「わかってないわね〜クロエ?“宝くじ”は売場に並んでいる時点でもうワクワクが始まっているのよ」
『我々にはその“ワクワク”というのが理解困難です。そもそも、宝くじの期待値は0.5未満です。10フラン分購入しても5フランも獲得できないのです。
「愚者の税金」という別名は誠に理にかなっていると推察します』
「その愚者のおかげで国内の文化遺産保護などに必要な予算が確保できているのだから、政府としては“納税者”たちには感謝しないとね〜」
『ですから、制服組席次第一席である閣下がそんな愚かなことをする必要はないと——』

「それよ!!」

参謀総長とその副官の漫才(?)を止めたのはマフタン大統領の叫びであった。

「あら?マリー…大統領も一緒に並びますか?」
「それは遠慮するわ。ワクワクはこの“椅子”からもらえる分だけで満足だもの。
 そうではなくて、『宝くじ』よ——」

306モントゴメリー:2025/02/09(日) 19:50:47 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
数か月後、Française des jeux(フランセーズ・デ・ジュー、フランス宝くじ公社)より新しい種類の宝くじが発売された。
loterie pour mariage(縁結びの宝くじ)と題されたそれは、一等の当選金額が従来の1/20であった。
しかしその代わりその当選数は20であり、すなわち20人の人間にその金額を獲得できる機会があった。
そしてこの金額は“ラ・ピュセル”1体の購入金額に匹敵し、さらに副賞として当選者には“ラ・ピュセル”の優先購入権が与えられたのである。
これは一等のみならず、二等の当選数は50で金額は“ラ・ピュセル”の半額、三等は100で“ラ・ピュセル”の1/3の金額であり(ローン購入時の頭金には十分である)、副賞も一等に準じている。

loterie pour mariageは、発売以降FFR領土全域で爆発的な人気を博した。
「リュビ(サフィール級潜水艦:『幸運』と『狙撃』を司る女神であり、主に狙撃兵や博打うちたちの守護神)」の加護があれば、高嶺の花として諦めていた“彼女”たちに会えるというのが主な理由である。
その理由から、購買者は中流階級以下の男性が過半を占めていたが、意外にもそれ以外の階層の者たちからもこの宝くじは人気だった。
それは優先権が与えられるといっても、当選したら必ず“ラ・ピュセル”を購入する必要はなく、自由な用途に使用して良いからであった。
普段なら当たる訳がないと興味を持たない者たちが「一等当選確率20倍」という数字に惹かれて売場へ赴いたのである。
(「やはり人間という存在は愚かですね」と某ラ・ピュセルは言ったという…)

結果として、loterie pour mariageは当初予測を大幅に上回る売上げを記録し、その金額は従来の宝くじの10倍に達した。
「“ラ・ピュセル”たちの販路拡大」と「政府の負担軽減」という二つの命題を実にÉléganteな手法で解決した我らがFFR大統領は、今回の収益を用いて臨時の措置であったloterie pour mariageを常設の宝くじにしたという。
(加えて、販売範囲も国内のみならず、テキサス共和国やグアテマラなどの同盟国まで拡大された)

307モントゴメリー:2025/02/27(木) 23:43:35 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「リシュリュー戦記」世界SS——『決戦①』

——大西洋、アイスランド沖

ようやく太陽が海面から顔を覗かせ始めた矢先、防空巡洋艦「コルベール」の防空指揮所に声が響いた。

「電探室より艦長へ、対空電探に反応あり!?
 方位3-4-0、距離200㎞より大規模編隊接近中!レイキャビクからの基地航空隊と予測されます!!
さらに方位2-8-5、距離130㎞に別の反応!こちらは敵機動部隊から攻撃隊と思われます!?」
「こちら艦長!艦載機部隊の発見が遅すぎないか!?」
「奴ら、電探から隠れるために低空を突っ込んで来たようです!merde!!」

どのような状況であっても“紳士”でなければならない海軍士官にあるまじき単語を無視しつつ、コルベール艦長であるクレベール中佐は総員戦闘配置と叫んだ。
敵の航空戦力は、空母機動部隊とアイスランドの基地航空隊を合わせて1500機を超えると予測されていた。

「(くそっ。こちらの長距離爆撃機をかき集めて、1ヶ月以上も航空撃滅戦を実施したというのにまだそれだけの戦力があるのか!!)」

我々仏独伊の欧州連合艦隊は、その1500機の航空機からの空襲をくぐり抜け、さらに待ち構える英国艦隊を撃破して、その上でレイキャビクの港湾設備と飛行場を殲滅しなければならない。
道のりは途方もないが、それを成し得なければこの戦争に勝ち目はない。
まさにこれは『決戦』であった。

「味方戦闘機隊、西方に進出します!!」

見張り員の叫びに応じ空を見上げると、確かに上空直掩に展開している我が方の戦闘機たちが中隊毎に集結して艦隊左翼の方へと飛び去っている。

「(戦闘機隊は敵機動部隊への迎撃に集中させるのか。となると、レイキャビクからの攻撃隊には——)」
「通信室より艦長へ。『マドロン』より受信。
 “戦艦戦隊はこれより方位0-4-0に変針、方位3-4-0より接近中の敵編隊に対してT字を描く。各戦隊はこれに追随せよ” 以上です」

「やはりそうか!!航海長、面舵70度!旗艦との相対位置を維持せよ」
「了解、面舵70度!」

変針による船体の傾斜を体感しつつ、クレベール中佐は右——艦隊中央へと視線を向ける。
そこに広がるのは大艦巨砲主義者たちの理想郷、10を数える6万トン級の戦乙女たちで構成される単縦陣であった。
長女『マドロン』を先頭にした彼女ら姉妹・従姉妹たちは、二方向より迫る凶鳥たちに一切怯むことなく、ただただ堂々とその戦陣を進ませていた。
フランス帝国海軍では敵に無線交信を傍受されることを想定し、各艦に呼出符丁を設定している。
そして『マドロン』は戦艦戦隊旗艦にして、艦隊総旗艦でもある戦艦「リシュリュー」の符丁である。
(ちなみに、コルベールの符丁は『コリーヌ』だ)

308モントゴメリー:2025/02/27(木) 23:44:47 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
クレーベルは伝声管を掴み叫ぶ。

「こちら艦長、総員そのままで聞いてくれ。
 いよいよ正念場だ。今日一日はこの戦争の行く末を決める決戦となるだろう。
だが、俺たちがやることは今までと何も変わらん!我らの“宰相閣下”を護り通す、ただそれだけだ!!
諸君らはいつも通り、各々の務めを全うしてくれればいい。
以上である」

艦内各所から歓声が上がる。
艦長以下コルベールの乗組員にとって、“宰相閣下”——戦艦リシュリューは絶対に守護してみせるという誓いを立てた姫君であると同時に、勝利の女神であるのだ。
コルベールは開戦劈頭の「ダカール沖海戦」から一貫して彼女と戦列を組み戦い、勝利をつかみ取ってきた。
防空巡洋艦の本分として姫の御衣を引き裂こうとする無粋な“鳥”たちを叩き落とすのみならず、夜の帳を突き抜け脇腹に槍を突き刺そうと迫って来た“猟犬”と正面から刃を交えた事もある。
コルベールにとって、勝利とはリシュリューと共にある存在であった。

「(敵編隊にT字を描くってことは『アレ』をやるつもりなんだろうが、敵も予測済みのはずだ。どうするのだろうか?)」
「艦長、友軍機の一部が北方に向かいます!!」

見れば、確かに数機の機影が戦闘機隊とは別方向に飛んでいく。

「あれは…観測機か?」
「通信室より艦長、『マドロン』より妙な命令が…」
「妙とは何だ?」
「“接近する敵編隊との距離と方位を正確に報告せよ”です。『マドロン』の電探が故障したのでしょうか?」
「それは本艦にのみ送られた命令か?」
「いえ、本艦にではなく、輪形陣先頭に位置する『ナタリー』と最後部の『セシル』に宛てられた命令です」
「(確かに両艦ともコルベールに劣らない電探設備を持つ艦だが…いや待て、輪形陣の端と端? そうか!!!)」

思い返せば先ほどの観測機も、機上電探を装備した虎の子だった。“宰相閣下”は、『マドロン』は【魔弾の射手】となるつもりだ。
クレベール中佐が正解にたどり着くのを待っていたかのように、リシュリュー以下戦艦群に動きがあった。
各々がその“剣”を抜き放ち、向かってくる無粋な来訪者への歓迎の準備を進めていく。
そして——地上に極小の太陽が同時多発に誕生する。
km単位で離れているにも関わらず、頬を平手打ちされたかのような圧力を感じつつクレベール中佐はその勢いに乗るように視線を空へ向ける。
数十秒後、今度は空中に大輪の“花”が咲いた。
海の女王たちの“剣”——主砲による統制対空射撃である。
彼女たちリシュリュー級の主砲である50口径41㎝砲は、仰角45度で発射した場合、距離25㎞付近で高度12000m前後まで砲弾を到達させることができる。
しかし、いくら近接信管を搭載し、さらに測距は対空電探との連動式であるといっても、その距離では命中は期待できないはずであった。
だからこそ相手も油断し、密集隊形を維持していた。そのはずなのに、先ほどまでは最低でも100機はいたであろう敵——重爆撃機——編隊は、その数を半数から1/3以下にまで減らしていた。
まさに【魔弾】の如しであるが、リシュリューが使った策は魔術でも何でもない。砲戦術の基本、「三角測量」である。
ただ、その“基線”を輪形陣そのものとし、さらに観測機を用いて“角”を増やしただけである。
言葉にすれば単純なタネであるが、それにより精度は飛躍的に向上されたのである。
その光景を見たコルベールの防空指揮所では勝利の雄叫びが響き、クレベール中佐もその輪に加わったが、内心これは始まりに過ぎない、と冷静であった。
そしてそれが正しいことが次の報告から裏付けされる。

「敵重爆編隊、二手に分かれてさらに向かって来ます!!」
「こちら電探室!方位2-8-5からの敵攻撃隊は味方戦闘機が食い止めましたが、新たに方位2-7-9と2-8-8から別の編隊が向かって来ます!!」

肉眼と電子の目から立て続けにもたらされた凶報にも、クレベール中佐は動ぜずに命令を下す。

「主砲射撃用意!さあ、今日という日は始まったばかりだぞ!!」

310ひゅうが:2025/03/14(金) 05:14:26 HOST:FL1-27-127-13-252.okn.mesh.ad.jp
鉄槌世界 戦後史 年表


【原作 本土決戦まで】

1931年 満州事変勃発
1932年 5.15事件勃発、満洲独立反対派の犬養毅首相は重傷を負い辞任
満州国、独立宣言 執政に愛新覚羅溥儀が就任
1933年 日本、国際連盟脱退(発効は1935年)
     アメリカ、フランクリン・D・ルーズベルト政権が発足
     ドイツ、ヒトラーが総統に就任
1934年 溥儀、満州国皇帝に即位、親書を昭和天皇に送りその返答の形で最初に日本を訪問
     溥儀、昭和天皇に対し戦火の拡大に満洲国民が加担させられていることへの不満を直訴。
    昭和天皇、時の陸軍大臣および参謀総長らを呼び出し、直接叱責。以後形だけでも事変不拡大が国策として徹底される
     ソ連、大粛清を開始
1935年 日本陸軍、建軍以来の大改革を断行。関東軍・朝鮮軍司令官ら事変関係者が一斉更迭
     満洲国政府の権限が大幅に拡大
     7月、ソ満国境において日ソ軍が激突(小規模紛争)日本軍に大損害
    日本陸軍、5年計画での師団編成含む抜本改革を開始
     日本政府、軍事予算の緊縮を開始、軍事費が減少に転じる
1936年 2.26事件勃発。反乱軍は国会議事堂を占拠し閣僚4名を殺害
     反乱軍討伐の錦の御旗のもと、陸軍部隊はこれを武力鎮圧
帝都東京は戦場と化し、多くの国民が罹災。首謀者らは全員射殺(一部不明死体も戦闘によるものとして処理)
     陸軍主導内閣が組閣。軍はかなりの強権を手にする
1937年 ワシントン海軍軍縮条約失効に伴い海軍の大拡張開始
     米国との対立が深まり始める
     7月、盧溝橋事件発生
     8月、第二次上海事変発生
日中は全面戦争に突入する(日華事変、あるいは日中戦争)
1938年 3月頃、関東軍が越境北進。ソ連への示威行動(北満州事変)
     ソ連、大粛清を停止し大規模反撃を開始。事変は拡大の一途をたどる
     7月頃、日本陸軍は各所で大敗北。4万人あまりの戦死者を出しソ連から叩きだされたところで停戦成立
1939年 ナチス・ドイツ軍、ポーランド侵攻
英仏、対独宣戦布告。第二次世界大戦勃発
    陸軍主導により日独伊防共協定成立するも、日本政府サイドは対ソ友好関係の維持を決定
     東郷茂徳を中心とした外務省グループの工作が実り、日ソ秘密友好条約締結
     モロトフ・リッベントロップ協定成立。独ソはポーランドを東西で分割
     英仏両国は事実上ポーランドを見捨て、「まやかし戦争」期間に突入
     日独伊三国同盟成立。松岡洋祐ら親陸軍派はソ連を加えた四国同盟を画策
1940年 5月、まやかし戦争終了。ドイツ、フランス侵攻を開始
    パリ陥落、フランス降伏。第三共和政崩壊、ヴィシーフランス政府成立
     ヴィシーフランスの要請に基づき、日本、北部仏印進駐
     亡命フランス政府(自由フランス)、南部仏印において抵抗の構えを見せる
     英米蘭、対日経済封鎖を開始。日本は南方資源地帯への侵攻を考慮し始める
     バトルオブブリテン。ドイツ軍、英国上陸作戦を断念
     ドイツ軍、突如ソ連国境に軍を集結、「ほぼ無防備なルーマニアよりバクー油田の確保を目指し」進撃を開始
     日本、近衛文麿首相および東郷茂徳外相が訪ソし、独ソ停戦を仲介
日独ソ間での秘密協定成立。ソ連はバクー油田採掘権の半分をドイツに譲渡しドイツも撤兵を開始
ヒトラーに、ソ連与し易しの印象を与える

311モントゴメリー:2025/03/15(土) 19:26:14 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「リシュリュー戦記」世界SS——『決戦後➀』

——グレートブリテン島、大英帝国首都ロンドン、バッキンガム宮殿

「陛下、このようなご報告で宸襟を悩ませること、恐懼に堪えませんが…ロイヤルネイビーは、本日消滅いたしました」

謁見の間で、英国首相チャーチルはそう報告した。

「……」

その報を聞く国王ジョージ六世は、ただ口を噤み、話の続きを待っていた。

「昨日行われました『第三次レイキャビク沖海戦』にて、我がロイヤルネイビーはその持てる全てを用い侵攻してくる欧州枢軸連合艦隊を迎え撃ちました。
しかし、結果は惨敗…。空母機動部隊は母艦こそ過半は健在ですが、艦載機の稼働率は1割を切り戦力としては数えられらません」
「……」
「そして…そして、水上打撃部隊は参戦した全ての戦艦を失い、瓦解いたしました。
何隻かは戦場を離脱し、アイスランドの海岸に乗り上げた艦もいますが、この状況では修復は困難です…」
「……」
「勝利に乗じた枢軸側は、レイキャビクに対し“戦略艦砲射撃”を実施、その港湾と飛行場設備を粉砕しました。
…もはや、新大陸とグレートブリテン島との連絡線は維持できません」
「…市民の被害は?」
「幸い事前の避難が完了していたことと、枢軸側が戦時国際法に則った行動を取った結果最小限で済みました。
それでも、港湾関係者などを中心に無視できない犠牲が出ておりますが…」
「……っ」

ジョージ六世は、僅かながらも初めて顔を歪めた。

「さらに、太平洋においても『第五次ハワイ沖海戦』に我が太平洋艦隊は敗北。オアフ島に日本軍の上陸を許しました。
現在も守備隊は抵抗しておりますが、増援はおろか補給すら送ることが困難です。」
「そうか…太平洋も負けたか…」
「また、先ごろロシア戦線でモスクワ陥落が確認されました…」
「……」

王は肩を落とす。

「されど陛下、明るい話題もございます。ロシア共和国政府のモスクワ脱出が確認できました。
大統領はクレムリンの残り運命を共にしたようですが、政府機能自体は健在であります。」

そして、首相は言葉を切り、続ける。

「そして何より、サンクトペテルブルクでの『勝利』です。
ロシア海軍は再起不能なほどの打撃を受けたようですが、100万人の市民と数十万の将兵が包囲網から脱出できたことを勝利と呼ばず何と呼びましょうか。」
「…そうか、彼らは、ロシア人は『勝った』か」
「正直に申しまして、ロシア人が、特に海軍があそこまで勇敢であったとは思いませんでした。海軍屋としては誠に痛恨の極みです」

ジョージ六世は目を閉じ沈黙する。そして目を開いて言った。

「余は彼らがうらやましい。彼らは勇者として、勝者としての歴史に名を刻んだ。
対する余は、無能な敗者として未来永劫語り継がれるであろう…」
「その汚名は不忠の臣である私が背負います!!」

チャーチル首相は叫んだ。

「まだ終わってはおりません!
もはやグレートブリテン島は維持できないでしょうが、新大陸の領土は今だ健在です。陛下には一時の恥を忍び、脱出していただきたく存じます。
かの地で再起し、復仇の時をお待ちください⁉
ロシアも、我が英国資本により建設されたウラル工業地帯はほぼ無傷です。
ここをしのげば、枢軸陣営の国力から考え近いうちに彼らは攻勢限界を迎えます。そこで一気に反転攻勢に出れば、勝利の栄冠は必ずや陛下の手に帰するでしょう」
「…首相、卿はロンドンに残る気か?」
「はい。
ここまで敗北を重ねてきた者が首相を続けるなど、国民が納得しないでしょう。
ご心配には及びません、昔取った杵柄です。上陸してくる枢軸軍相手に一兵卒として最後まで戦ってみせましょう」
「……」
「ロイヤルネイビーは確かに敗北し、消滅しました。しかし、大英帝国は健在です。必ずや再び七つの海を制する大艦隊を作り上げることができます。
ご決断を、陛下——」
「失礼いたします!!」
「何事か⁉」

312モントゴメリー:2025/03/15(土) 19:27:29 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
謁見の間に乱入してきた補佐官に対しチャーチルは一喝する。しかし、補佐官の言葉に顔色を変えた。

「宮殿の周りに国民たちが集まって来ております!?
ここは危険です、退避を!!」
「なっ……」

気が付けば外が騒がしい。ここまで喧噪が聞こえるということは、数千、或いはそれ以上の群衆が集まっているのであろう。

「断頭台の露と消えるか。無能な君主に相応しい末路であろうな」
「陛下、まだ間に合います。地下通路から脱出を!!」

運命を受け入れたジョージ六世と最後まで足掻くつもりのチャーチル首相が問答をしていると、不意に喧騒が止み、静寂がバッキンガム宮殿を覆った。
二人が訝しんでいると、旋律が聞こえてきた。

『『『英国斯く誓えり “海波統べん( rule the waves)”と
英国斯く歌えり 兵士の勇ましさ
諸国は聞き、疑を抱く
何ゆえ歌うか?
我らでさえ見失い
風吹き朽ちてゆく 風吹き朽ちてゆく

誰が世の覇者たるか? 思い起こす日ぞ!
そは「陛下の兵士」我が父、我が母!
命を賭す兵士 我が意地見せる時!
勝利に導くは 誰かと問うなら
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!』』』

ジョージ六世は弾かれたように立ち上がり、制止の声も聞かずに廊下へと駆け出していく。チャーチル首相もその後に続き、窓の外を見て驚愕した。
国民が、歌っていた。バッキンガム宮殿を「包囲」した数千…否、数万の国民が歌っていたのだ。
「Soldiers of the Queen(陛下の兵士)」を。
ボーア戦争を生き抜いた老人が、先の大戦で片腕の失った壮年が、この戦争で父を失った少年が、赤子を抱いた母親が、皆が声を合わせて歌っているのだ——!!

『『『黒雲天地覆い 四方は敵ばかり
英国底力に 試練の時ぞ今
"党議にふけ、備え無し"
敵は自惚れり
されど我ら立ち上がり
義の為、国の為、戦とあらば征く!

誰が世の覇者たるか? 思い起こす日ぞ!
そは「陛下の兵士」我が民、我が国!
護国に常に立つ「陛下の兵士」なり!
勝利に導くは 誰かと問うなら
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!』』』

「首相…否、ウィルよ。卿の言う通りだ。我々は、大英帝国はまだ負けていない」
「陛下、では——!!」
「いや、脱出するのは君だ。私はここに残る」
「それはなりません!陛下以外に誰が大英帝国を、あの忠勇なる国民を率いることができましょうか⁉」

必死に翻意を促すチャーチルに対し、ジョージ六世はただ首を振る。

「その忠勇なる彼らを見捨てることなど、余にはできない。
チャーチル首相、卿に命ずる。玉璽を卿に託す故、先に脱出した娘を即位させて、この戦争に勝つのだ」
「…陛下は、どうなさるおつもりで?」
「余は彼らと共にある。余の首と、持ち出せなかった王室財産を差し出せば、グレートブリテン島の民を救う事ぐらいはできるであろう。」
「………」

感極まり、声が出ない首相に対し、王は続ける。

「卿には辛い役目を押し付けてしまうが、娘と、この国の行末を託したぞ。
さあ、我らも歌おうではないか!」

曲は丁度3番に差し掛かっていた。

『『『うわべの挨拶など もう止めるべきだ
いざ起て剣佩きて “海波統べる( rule the waves)”とき
兵役こそなけれども 奴の敵非ず
そがものかは 見せ付けよ
英国たる者は 皆々兵士なり!

誰が世の覇者たるか? 思い起こす日ぞ!
そは「陛下の兵士」我が友、我が子よ!
名誉の守護に立つ「陛下の兵士」なり!
勝利に導くは 誰かと問うなら
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!———』』』

313モントゴメリー:2025/04/12(土) 01:12:24 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
集合1-1

どこかの、とある世界線。
水平線上にさえぎる物が何一つない大海原を艦隊が、否、「大艦隊」が進んでいた。
その中の1隻の艦橋に、ギリギリ青年と言って良い男性と妙齢の女性がいる。
司令官席に座る男に対し、女性は尋ねる。

「どうですか【閣下】 本艦の乗り心地は?」
「極上だね。
戦艦の迫力と空母の鋭さ、そして駆逐艦のスリルを同時に味わえる艦なんてこの艦以外にはないだろうね」

それは奇妙な艦であった。
艦前部に3連装2基の主砲が背負い式に配置されているのは特に不自然ではない。しかし、その後から風景が一変する。
艦橋は航空母艦と同じアイランド型であり、それも中央部ではなく右舷側に設置されている。
そして後方からは飛行甲板が艦尾まで続いているのである。
その奇妙な艦の名は、アラスカ級偵察戦艦『アラスカ』という。

「しかし、この艦もそうだけど他の艦も灰汁が強いというか、艦隊全体がアンバランスというか…」

【閣下】と呼ばれた男は艦橋の窓から外を見る。
『アラスカ』の後ろには同型艦である『ハワイ』が続いている。この2隻がこの艦隊の中心である。
そして、その周囲を固める艦艇たちがこれまた個性派揃いであった。
まず『アラスカ』級の後方で別個に陣を敷いている空母群に目を向けよう。
10隻の『インディペンデンス』級軽空母と、5隻の『サモア』級軽空母はまだいい。
“史実”と呼ばれる世界線の『インディペンデンス』や『サイパン』級とほぼ違いはない。
(細部は色々とあるが…)
10数隻の「オリョール」級も許容範囲である。
「ロング・アイランド」級護衛空母の準同型艦として、補助戦力としては十分に使える。
だが、同じく10数隻の『エセックス』級正規空母からは話が変わって来る。
全長275m、基準排水量2万6000トンという堂々とした体躯からは頼もしさを感じるが、実態は一発の被弾で轟沈する危険性を孕んだ脆弱さである。
空母の命とも言える速力も30ノットに届かない(約29ノット)。
とてもではないが空母機動部隊同士の殴り合いなんかには怖くて投入できない。
しかし、これでもまだ「普通」の範疇である。
ここからさらに怪しくなる。

314モントゴメリー:2025/04/12(土) 01:13:43 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
8隻の改「オマハ」級防空巡洋艦はその名の通り、オマハ級の主砲を5インチ両用砲に換装したものでいわば「ジェネリック・アトランタ級」である。
ペンサコーラ級改め「キーロフ」級重巡洋艦の変わらない姿を癒しとしつつ、今度は前方を向けば、4隻の「ボルチモア」級重巡洋艦はこれも史実と変化がないように見える。
しかし、よく見れば主砲が違う。
その主砲はMark 4 25.4 cm(50口径)3連装砲3基に変更されていた。

さらにさらに、「アラスカ」級に負けず劣らず奇抜な造形をしている艦影が連なる。
「キアサージ」級高速戦艦と、「アラスカ」級巡洋戦艦。
共に16インチ3連装主砲を2基前方集中配備しているのは同じであるが、前者は基準排水量3万5000トンと手堅い設計に対して後者は2万8000トンとギリギリまで切り詰めていて余裕がない。
まあ、それを代償に“量産”性を確保しているので、ある意味合理的に割り切った艦である。
彼女らを見た後だと、魔改造された「ガングート」級が普通に見えてくる。
主砲をアメリカ製45口径16インチ連装砲3基に換装した4姉妹は立派な巡洋戦艦に生まれ変わっていた。
(砲塔を減らす代わりに機関も強化している)
おっと、その改装で取り外された30.5㎝3連装砲を主砲とする「クロンシュタット」級偵察戦艦も忘れてはいけない。
あの子たちもこの「アラスカ」の一族である。
そしてやっぱり私がいないと駄目ね!?とでも言いたげに旧ワイオミング級である「ボロディノ」級戦艦が脇を固めている。

艦隊のワークホースである駆逐艦はもっとヒドイ。
12隻の「ミッチャー級」嚮導駆逐艦は基準排水量3800トンで主砲は47口径15.2cm砲連装3基という艦種詐欺である。
(世界水準超えてる軽巡をさらに超えている)
と、思えば60隻の「グネフヌイ」級駆逐艦はいわゆる“フラッシュ・デッカー”であるという両極端。

「よくもまあ、こんなニッチを攻めた艦ばかり集めたものだね」

その男の独白を聞いた女性は、からからと笑い始める。
「貴方が、貴方がそれを仰いますか!我々を生み出したのは他ならぬ貴方ではありませんか!!
【閣下】、いえ、【お父様】!?」

笑い終えた女性——偵察戦艦「アラスカ」の艦娘は居住まいを正し、続けた。

「お父様、『モントゴメリー艦隊』α任務部隊“ Good Ol' Rebel(古き良き反逆者)”、全艦戦闘配置を完了しております。
ご命令を」
「うーん。取り敢えず他の任務部隊と合流しようか」

アラスカの問に男は静かに返した。

315バーコードハゲ:2025/04/14(月) 17:05:34 HOST:KD059132006213.au-net.ne.jp
ちょっとテスト
|神秘学家《アルカニスト》

316バーコードハゲ:2025/04/14(月) 17:09:44 HOST:KD059132006213.au-net.ne.jp
あ、ルビ振りだめかここ
<ruby>神秘学家<rt>アルカニスト</rt></ruby>

317バーコードハゲ:2025/04/14(月) 17:10:19 HOST:KD059132006213.au-net.ne.jp
これもダメか

318モントゴメリー:2025/04/23(水) 23:43:17 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
MAT82bis短機関銃
口径:10mm
銃身長:250mm(口径漸減部分含まず)
使用弾薬:10x25mm フランセーズ・オート弾
装弾数:32/20発着脱式箱型弾倉
作動方式ストレート・ブローバック式オープンボルト
全長:480/720mm
重量:約4kg(マガジン無し)
発射速度:600発/分
有効射程:約500m

【概要】
MAT82bisは、フランス連邦共和国(以下FFR)が設計した短機関銃である。
その名が示す通り、MAT82短機関銃にMAS50bisで用いられた技術を採用して改良した。

【開発】
10x25mm フランセーズ・オート弾(10x25mm Français Auto)は、それまでの7.65x20mm Longue弾の3倍以上の威力を誇り、それを採用したMAT82も短機関銃としては破格の威力を有していた。
しかし、時代が過ぎるにつれOCU始め列強諸国の歩兵用防弾装備は強化され続けており、フランセーズ・オート弾の神通力も色褪せつつあった。
そこでFFR陸軍は短機関銃の更新を決意。MAT(Manufacture Nationale d'Armes de Tulle:チュール造兵廠)に設計を依頼した。
その際出された設計項目は「使用弾薬はフランセーズ・オート弾のまま」という一点のみであった。
(兵站上の理由から)
MATは単純であるが極めて高い要求に四苦八苦しつつも、MAT82を改良するという形でその要求に見事応えたのである。

319モントゴメリー:2025/04/23(水) 23:45:33 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【構造】
改良において最も大きな変更点は、MAS50bisでも採用された新型銃身と新型ブリーチ(遊底)である。
まず遊底はカムで回転する螺旋状になっており、強固な閉鎖を可能としている。
これにより、従来は密閉できず無駄になっていた圧力を効率よく利用して弾速を向上できる。
つまり、従来の弾薬のまま初速を向上されることで可能なのだ。
また、薬室に装着されたときに薬莢を取り囲むコレットも改良を施し、コレットのテーパー状のウェッジにより、引き抜き力を 50% 減少させることに成功した。
これで、ボルトの回転により多くのエネルギーが残すことできる。
銃身に関しては口径漸減砲、いわゆる「ゲルリッヒ式」である。
これら2つの新規軸を採用した結果、発砲時の初速はおよそ1200m/sまで強化された。
これは同じ弾薬を使用する拳銃の約2.5倍であり、運動エネルギーは約6倍の6000Jとなった。
そして、運動エネルギーが6倍ということは射撃時の反動も単純に考えれば6倍になる。
されどMAT82の重量は一般的拳銃の4〜7倍に相当するため、十分に吸収できた。
連射時の制御については『エラン・ヴィタールで抑え込む』という必勝の方程式で臨む——

謀将国防大臣(当時)「何でもエラン・ヴィタールで解決しようとしたらダメよ?」

——のは上層部からの鶴の一声で却下となった。
現場の努力は素晴らしくかつ尊いものであるが、上層部や技術者がそれに頼るのは“怠慢”以外の何物でもないのである。
そして「『我らが指揮官』隷下の兵士たちの辞書には怠惰という文字はない」のだ。
(某美人戦車乗り「『ただし、あくまで原則的に』だけどね〜♪」(“御守り”の中身をコーヒーカップへ注ぎつつ))
またエラン・ヴィタールに不可能はないが、同時に無限でもない。連続使用し続けては枯渇してしまう。
戦術的観点からしてもエラン・ヴィタールの節約は重要な課題であった。
そこで、ヴァレ155㎜簡易自走砲にも採用された反動軽減機構と同系統の装備を銃床に内蔵した結果、反動はおよそ半分にまで軽減された。
これでもMAT82初期型と比較して2倍以上の反動であるが、許容範囲とされた。

【運用】
MAT82bisは21世紀初頭に制式採用され、従来のMAT82を置き換える形で普及していった。
強化された初速により有効射程は約2倍となり、戦術的柔軟性は大きく広がった。
また威力の方も距離50mで20㎜、200mで17㎜の装甲版を貫通できる能力を有している。
(通常弾の場合)
これならば強化される一方である歩兵用防弾装備にも十分に対応できる。
「置き換える」と言ったが、遊底と銃床を交換して銃身先端に口径漸減部分を追加すれば初期型から簡単に改修できてしまうため、FFR正規軍やフランス国内軍ではこの方式が採られた。
それに対して民間市場に対しては「新商品」という情報を前面に押し立てた宣伝を行った結果、流行に敏感である10代〜20代女性を中心に大変な反響が起こり、大人気商品となった。
(その影に隠れるように改修キットも販売されているが)

320モントゴメリー:2025/05/24(土) 23:34:44 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内②


“皇国世界”代表 yukikazeさま

モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。
戦線に復帰なされたこと、誠にお喜び申し上げます。

過日は弊社の「ラサール」級を採用していただきありがとうございました。
本日はそのラサール級に対応する「ハイ&ローの“ロー”」となる軽量巡洋艦の案をご紹介いたしたくご連絡いたしました。
貴世界線のフランス帝国さまが構想中の新型巡洋艦、その一助となれば幸いです。
以下がその新商品の概要でございます。



(仮称)マルセイユ級巡洋艦

常備排水量:7800トン
全長:195m
全幅:17.5m
最高速力:36.5ノット
機関出力:約14万馬力
航続距離:18ノットで8000海里
武装:55口径15.2㎝3連装2基
   50口径9.0cm連装高角砲4基
   55㎝4連装魚雷発射管4基(片舷2基)
水上機:6機
装甲:舷側75㎜(最大)
   甲板40㎜
   主砲防盾100㎜
備考:優れた指揮・通信能力を保有


・商品説明
装甲巡洋艦の興隆により「“巡洋艦”に対するビジョンが見えなくなっている」というお悩みを抱えているとお聞きしました。
それに対し弊社が導き出したソリューションは『原点回帰』でございます。
巡洋艦の原点、すなわち帆船時代の「フリゲート」の役割。『索敵』に重点を置いた設計となっております。
大まかなコンセプトは、史実ラ・ガリソニエール級に大淀型の航空機運用能力を足したというものとなります。
多数の偵察機を使い周囲を索敵し、輸送船団など自身で対処可能な目標は撃破し、タウン級のような対処困難な目標はラサール級や潜水艦などの味方に位置を報せそちらに対応してもらう、という運用となります。
しかし二線級というわけではなく、必要とあればラサール級と共に艦隊決戦に投入できる潜在能力は有しております。
36.5ノットという健脚はタウン級から逃げるためだけではなく、ラサール級に追随するためのものです。
(航続距離も同様です)
主砲はタウン級には役者不足ですが、水雷戦隊旗艦として駆逐艦を先導して突撃する際妨害してくる敵軽快艦艇を排除するには十分な威力を有しております。
そして誘爆対策に雷装を廃したラサール級とは異なり、「格上殺し」たる魚雷もあります。
装甲はタウン級対策を諦め、対13㎝級に割り切っております。
索敵にも前衛にも主力にも使える「万能艦」たる巡洋艦の役割を果たせる艦であると自負しております。

以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。
特に速力に関しましては、ラサール級が「35ノット」という前提に設計しております。
yukikazeさまの方で32ノット前後に調整してある場合は、それに合わせ再調整し、浮いたリソースを武装や装甲に割り振ることも可能であります。
(航続距離も過剰である場合はそれに準じます)

改めまして、これからも弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

321モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:26:10 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
MAS7.5㎜小銃Mle1950ter(MAS50ter)

口径:7.5㎜
全長:1200㎜(銃床折り畳み時約800㎜)
重量:約4㎏
総弾数:20発(着脱式箱型弾倉)
想定射撃距離:800m

【概要】
フランス連邦共和国(以下、FFR)で制式採用された小銃。その名が示す通りMAS50の3番目(ter)の改良型である。
改良の主眼はMAS50bisの激烈なる反動の低減であり、その目標は見事に達成された。
兵士たちからは慣例に従い“MAS50ter”と呼ばれ、初代MAS50から三世代に渡る信頼を保持している。

【計画】
チュール造兵廠(Manufacture Nationale d'Armes de Tulle:MAT)が世に送り出したMAT82bis短機関銃は、大人気商品となった。
特に若い女性から根強い支持を受けたそれは、FFR全体で社会現象と言えるほどの存在となった。
しかし、それを面白く思わない勢力もあった。

——サン=テティエンヌ造兵廠(Manufacture d'armes de Saint-Étienne:MAS)である。

「FFRの魂」とまで言われる名銃MAS50シリーズを生み出したMASからしてみれば、ライバル企業の成功など面白くないのは当然である。
“主役”の座をMATから奪還するべく、MASも独自設計の「新商品」の開発を決定、起死回生を狙った。
なお、この報を聞いたアナイス・ベルナルド国防参謀総長は

「ああ素晴らしきかな意地の張り合いよ! やはり『破壊的革新』は民間企業同士の競争から生まれるのね!!」

と宣い、即座にお付きのラ・ピュセルから

「MASもMATも官営の工廠では?」

と突っ込またという。
そんなことは露知らないMASは、“第一陣”としてMAS50シリーズの最新型を設計することに決め、邁進することになる。
(MAT82シリーズに正面から挑む連発銃も開発するが、そちらは第二陣とした)

322モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:27:12 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【設計】
今回の改良の主眼は『反動の軽減』であった。
当たり前の話であるが、弾丸の運動エネルギーが13㎜級の重機関銃に匹敵するのであれば、反作用のエネルギーもそれに準じるのである。
現状はそれを兵士たちのエラン・ヴィタールで押さえつけているのであるが、そのままにしていい問題ではない。
これまでも幾度か言及しているが、上層部や技術者が現場の努力に胡坐をかくのは“怠慢”以外の何物でもないのである。
そして「『我らが指揮官』隷下の兵士たちの辞書には怠惰という文字はない」のだ。
(「『ただし、あくまで原則的に』だけどね〜♪」
 「閣下、誰に向かって話しているのですか?それ以上加えますとコーヒーとアルコールの適切な比率から離れます。私のタンクから抜き取ったコアントローなのですから浪費は控えてください」)

反動軽減という目標を達成するために、MASは実用化されたあらゆる技術を投入するという方針を取った。
同時に、そのための費用増大は看過することも決断した。
此度の新型銃はMATシリーズと異なり軍の制式装備となることを目標として設計するのだ。
ならば過度に費用圧縮を試みるよりも、性能を追求した方が得策なのである(武人の蛮用に耐える耐久性を確保するのは大前提であるが)。
まず始めに、銃床部分にMAT82bisにも採用された反動軽減機構を搭載した。
これはヴァレ155㎜簡易自走砲で初めて採用された機構であり、その特許はシュナイダー社が保有しているため素直に頭を下げるだけでいい。
しかし、これだけでは反動を50%しか軽減できない。これに組み合わせる他の機構が必要であった。
次に採用したのはM1974 50mm狙撃擲弾砲にも採用された反作用錘であり、この錘の動作により発射の反動を相殺する。
なお、M1974ではこの錘の性能限界により、発射速度が制限(最大30発/分)されていたが、半世紀に渡る技術革新によりその制限はほぼ無くなっている。
加えて射撃時に銃身・機関部が後座するように変更しこれにより更に反動を吸収する。
この機構の副産物として、ボルト・アクション式のままながら排莢を自動化することに成功している。
これは往年の対戦車砲などに見られる機構である。
(著名なものでは旧ソ連のPTRD1941対戦車ライフルが採用している)
これにより、射手の負担はより一層軽減された。
(「閣下、ここまでするのならば完全な自動小銃にするか半自動式にした方がよろしいのでは?」
「流石に毎分数百発も撃ったら射手の前に銃そのものが持たないわよ。そして半自動式は歩兵閥が絶対に認めないわ」)
銃口制退器(マズルブレーキ)の採用ももちろん検討されたが、装着した場合凄まじい発射音と衝撃波及び発砲炎が発生してしまう。
それでは伏撃時に不利となるだけでなく、射手自身やの周囲の味方にも悪影響が出るので不採用となった。
これら各種機構を搭載した結果、射撃時の反動はMAS50bisからおよそ80%削減することに成功した。

このように様々な機構を追加した結果、目標とした反動軽減は達成された。
と同時に新たな問題も発生した。
———重量の増大である。
特に反作用錘の影響が大きかった(というより、これはある程度の重量がなければ効果を発揮しない)が、その他諸々合わせ最終的には約1kgも重量が増加してしまった。
「重量が増えれば更に反動を吸収できる」と楽観的な声もあったが、試作品を扱った兵士たちや将校たちからの評価は低かった。
前線では1g単位で重量軽減に苦心しているのに、そこに1kgも増やすなんてとても受け入れられないのである。
そうした声を受けて、MASは銃全体に手を加えることにした。
具体的には「新素材への置換え」である。
従来は木製や金属製であった箇所で変更可能なものを、新開発されたVP(Vêtements en Papier:紙の衣)や特許が切れたスターライト樹脂などに変更したのである。
当時VPはまだまだ高価であったが、MASはここで採用すれば逆に量産効果で安くなるはずだとして採用することに押し切った。
これにより、全体重量は各種機構を追加してもなおMAS50bisと同等にまで抑制された。

323モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:29:00 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【運用】
開発が完了した本銃は、試験の結果FFR正規軍に制式採用されることとなり「MAS7.5㎜小銃Mle1950ter」と命名された。
そしてMAS50bisを置換える形で配備が進んでいき、兵士たちからはMAS50terと呼ばれ親しまれるようになる。
おおよそ1/5にまで軽減された反動の恩恵により、操作性は飛躍的に向上している。
過半の将兵は好意的反応を示したが、一部の古参兵は

「あの“おてんば娘”のような反応がないと寂しい」
「あのツンツンしていた個性も嫌いじゃなかったなぁ」

などと言って黄昏れていたという。
(「理解が困難な思考です。操作性が向上したことを評価しないなど」
「いい、クロエ?男という存在はいつまで経っても子供なのよ?」
「D'accord、『殿方の精神年齢は年齢と比例しない』、記録しました」)

そんな障害?を乗り越えつつ正規軍では普及していったが民間市場への展開は手控えられた。
販売価格が高価になるという理由もあったが、何より一般市民に往年の対戦車ライフルに匹敵する威力の火器を保有させた場合の問題を考慮したからである。
代わりに、フランス国内軍の備品に指定され、各地方自治体の保管所に備蓄されることになった。
(戦時には国内軍兵士となった市民たちに配布される)

324earth:2025/06/17(火) 20:28:00 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
テスト

325モントゴメリー:2025/07/01(火) 23:35:58 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
教育・文化保護隊

【概要】
教育・文化保護隊(Corps d'éducation et de protection culturelle)とは、フランス連邦共和国(FFR)に存在する組織である。
教育省隷下の武装組織であり、教育大臣『代行』の指揮下にある。
その業務はFFR領内にある各種学校及び美術館や博物館、図書館などの文化施設の警備であり、国民からは

「子供たちの最後の盾」
「『先生』直下の実働部隊」

と呼ばれ敬意の対象となっている。

【沿革】
この組織の始まりは、やはり第二次世界大戦期にまで遡る。
降伏後のフランス本国は、脱走した中華植民地兵の狼藉により治安が急速に悪化していた事は既に何度も述べて来た。
そして、それに対応するべき政府や軍は占領下という状況もあって半ば機能不全に陥っていたことも。
そこで立ち上がったのが『鉄人』、後のFFR初代大統領ジョルジュ・ビドーであり、彼が組織した自警団(対大洋連合レジスタンス組織をそのまま持ってきた)が「フランス国内軍」の祖となった。
この自警団発足により被害は減少傾向になったが、中華植民地兵の数は多く、逃れた範囲は広大であった。
自警団(そして治安戦に参加したドイツ武装親衛隊)だけでは全ての市民を救う事は能わなかった。
特に彼奴らの標的になったのが「弱き者」——子供たちであった。
身代金目的などで学校が襲撃される事態が各地(特に地方)で頻発し、多くの子供たちが犠牲となったのである。
また同時に、金銭目的で美術館や博物館を襲う中華植民地兵も多く、ひどい場合には図書館に火を放たれることもあった。
これに対応するために、各地の学校や美術館などが独自に武装化を始めたのが教育・文化保護隊の源流である。
当初は政府からの補助はなく完全自己負担であったため、装備や人員の質はまちまちであった。
資金に余裕のある施設(主に都市部の美術館など)では退役軍人など本職の者を雇用し、装備もそれなりのものが用意された。
対して余裕のない所(地方の学校など)では職員たちが私物の武器(拳銃から果物ナイフまで様々)で武装するのが限界というような状況である。
当然、このような備えで中華植民地兵を「撃退」することは不可能である。
自然と彼らの作戦目標は「自警団が来るまで、もしくは子供たちが逃げ延びるまで時間を稼ぐ」という形になった。
第二次世界大戦中や戦後の臨時政府時代には、文字通り子供たちの『盾』となり散っていった教師たちが数多いたと伝えられる。
時代が下りFFRの御代となると、これら各種自警団は正式な武装組織となった。
数は大幅に減ったとはいえ、未だ中華植民地兵の脅威はそのままであるし、「暗黒の30年」の停滞の空気の中ではフランス人による犯罪率も高止まりしており治安は安定していなかったからだ。
……と同時に、『鉄人』は彼らに「正規軍のカウンターパート」としても役割も期待したと言われている。
彼は『元帥』亡き後の正規軍(特に陸軍)を完全には信頼していなかったと伝えられている。
(まあ、現役の将官が首都でクーデターを起こすような組織を信頼できる訳がないのであるが)
こうして生まれたのがフランス国内軍であるが、その際、学校や各種文化施設の自警団は完全に分離され独立した。
これが教育省の管轄となり再編されたのが教育・文化保護隊である。

326モントゴメリー:2025/07/01(火) 23:37:29 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【装備・練度】
教育・文化保護隊の特色として挙げられるのが「屋内近接戦闘への特化」である。想定される状況が学校や文化施設へ侵入してくる賊の排除であるから自然とそういう流れとなった。
しかし、「特化」と言っても詳しく見ると二系統に分かれている。各種学校に配属されている部隊は、遠足などの課外学習時の子供たちへの襲撃に対応するため、最低限(FFR基準)の中距離以遠の屋外戦闘への備えをしているのに対し、美術館や博物館の部隊は屋内の閉所戦闘技術を磨くことに全てをささげていた。
これは装備にも表れており、貴重な展示品を破損しないように、それらに配属される部隊は刀剣類で賊を制圧することを重視している。
もちろん銃火器も装備するが、長射程のものは装備目録から除外されている。
FFRの美術館、それこそルーブル美術館やオルセー美術館に足を運ぶと、要所にサーベルを帯びて警備をする彼らを目にするが、あれは単なる飾りではないのである。
彼らの練度は、正規軍の評価では

「短時間の室内近接戦闘に限定すれば、FFR陸軍の現役兵に匹敵する」

と太鼓判が押されている。
具体的な装備は、MAS50シリーズは当然であるが、銃身が短くなった「Carabinier(騎兵銃)」であり、他に拳銃が備品として配布されている。
(通常の士官は自弁である)
他に散弾銃や、散弾を装填した擲弾発射機などがあり、学校配備部隊にはこれに軽機関銃や対戦車火器が加わる。
装甲車両の導入も幾度か検討されたが、

「君たちが戦車を必要とするような状況を想定するというのは、我々への侮辱かね?」

というフランス国内軍(あと一応正規軍)の反対によりその都度却下されている。
また、別枠に「設備」扱いで機関砲を敷地内に置いている施設もある(対人・対空両用)が、戦時国際法に則り校舎や展示館からは一定の距離が空けられている。

人員の内容についても変遷があった。
初期から中期は、退役軍人など専門教育を受けた者が中心であり、教職員や学芸員とは明確に区別されていた(素人である教師が人柱となった歴史を繰り返さないため)が、時代が下り一般市民が最低限(FFR基準)の軍事能力と知識を有するようになると、人材採用の敷居は低くなった。
21世紀現在では、保護隊職員として勤務する傍ら、勉強や実務経験を積んで教員免許や学芸員・司書の資格を得る者も多い。

327モントゴメリー:2025/07/10(木) 23:38:29 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
age

328モントゴメリー:2025/07/10(木) 23:42:18 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
マルセイユ級航空巡洋艦

常備排水量:約7,800トン
満載排水量:約10,000トン
全長:約195m
全幅:約18.0m
吃水 :約6.0m
機関出力 :約90,000馬力
最高速力 :30.5ノット
航続距離 :14ノット / 10,000海里
武装:50口径15.5cm3連装2基
   50口径9.0cm連装高角砲4基
   55㎝4連装魚雷発射管2基(片舷1基)
  60口径3.7cm機関砲 連装8基
76口径13.2mm機銃 4連装8基
水上機:6機
装甲:舷側75㎜(最大)
   甲板40㎜
   主砲防盾100㎜
乗員: 約900名

【概要】
ボナパルト朝フランス帝国がラサール級に続いて建造した巡洋艦である。
その最大の特徴は、同規模の艦艇としては破格の航空機運用能力と長大な航続距離であり、『航空』巡洋艦という新たな類別を誕生させたエポックメーキングな艦である。
ラサール級の補完戦力として運用され、艦隊の作戦範囲と情報収集能力を飛躍的に向上させた。
艦名はフランス勢力圏の都市から採られたため、『都市級』と国民から呼ばれている。

329モントゴメリー:2025/07/10(木) 23:43:19 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【計画】
フランスが世に送り出した「ラサール」級は、誇張抜きに世界の海軍バランスを崩すほどの能力を秘めた傑作であった。
既存の巡洋艦を圧倒する火力と防御力、戦艦には容易に捕捉されない健脚を併せ持つ彼女は、その評価に相応しい。
ラサール級の登場により、世界各国の海軍では巡洋艦の整備計画が大混乱することになったのであるが、フランス海軍に彼らを笑う余裕は存在しなかった。
——「巡洋艦の整備計画がご破算になった」のはフランス海軍自身も含まれているからである。
自国がラサール級という「装甲巡洋艦」を生み出したならば、他の列強も必ずその対抗となる艦を用意するはずである。
(実際、社会主義連合は「タウン」級装甲艦というカウンターパートを早々に発表し、量産体制に入っていた)
そうなった場合、既存の巡洋艦では装甲巡洋艦に対し勝負にならないのは明白だが、“ならばどういった艦ならば良いのだ?”という回答をフランス海軍もまた持ち合わせていなかったのである。
しかし、やはり先行者の利は大きく、フランスは他国よりは余裕があった。

——我らには既に8隻のラサール級が存在するのだ。敵の装甲巡洋艦の相手は彼女たちに任せることもできる。
ならば、次に用意するべきはラサール級という「ハイ」を補完し得る「ロー」の軽巡洋艦である。

この方針が固まるのにそう時間はかからなかった。
それに対し、技術部門が出した回答は中々に野心的であった。
常備排水量8,000トン弱の船体に水上機を6機搭載するというのだ。
艦載機のみならず艦そのものの性能も高く、36ノットというラサール級以上の速力と片舷8射線の雷撃能力、そして敵駆逐艦を排除するに十分な火力と強力な指揮・通信能力を以って水雷戦隊の旗艦も務めることが可能だという。
正に巡洋艦の原点回帰、「万能艦」と呼ぶべき逸品である。
しかし、この計画案が日の目を見ることはなかった。
皇帝ナポレオン六世の「費用が掛かりすぎる」という一言で“撃沈”されたのである。
しかし全くの無駄になったわけではなく、次期巡洋艦は、これを素案として費用を低減されたものに決定した。

【船体全景及び上部構造物】
基礎となる設計はラサール級に範をとっている。これは「巡洋艦」の設計としてはラサール級がフランスの先端であるためである。
そのため、艦首から始まる線形はラサール級の優美さを踏襲しているが、航空機運用時の安定性を考慮し若干幅広の船体となっている。
また主砲は艦前部に集中配置され(背負い式)、これにより艦後部に航空機運用に必要な空間を確保している。
艦橋は艦中央部に配置されている。この規模の艦ろしてはやや大型であるが、これでも原案より小型化されている。
原案は「高度な指揮・通信能力」を付与するために艦橋が肥大化したが

「(水雷戦隊を率いる訳ではないから)通信能力はともかく、指揮能力は必要十分な規模があれば十分」

という若き皇帝の意向により削減対象となった。
艦橋の後方には煙突と後部マストが配置され、その周辺には高角砲を始めとした対空火器が空へ睨みを利かせている。
そして艦後部には本級最大の特徴である広大な航空作業甲板と、大型の箱型格納庫がその存在感を主張している。
その規模は船体の約1/3を占めるほどであり、2基の大型カタパルトと複数のクレーンが、6機もの水上機を迅速かつ継続的に運用することを可能にしている。
他に、これもラサール級に倣い乗員の居住区画は従来の同クラス艦艇よりも拡張され、士気維持への配慮がなされている。
(小規模ながらワイン専用倉庫も存在している)

330モントゴメリー:2025/07/10(木) 23:44:11 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【兵装】
主砲として、50口径15.5cm砲を3連装2基搭載している。
これは「元帥」級の副砲を流用しており、信頼性の確保と費用圧縮を両立させている。
しかし当然ながら、威力は仮想敵の「タウン」級装甲艦に対しては完全に不足しており、それどころか日本海軍の球磨型巡洋艦に対しても劣勢であった。
これは、敵装甲艦などの大型艦の相手はラサール級や元帥級に任し、本級は索敵や通商破壊を主任務とするので、それを妨害する敵駆逐艦を排除できればそれでいいという割り切りであった。
副砲は搭載していないが、高角砲としてラサール級にも採用された50口径9.0cm連装高角砲を4基搭載している。
さらにそれを補完する対空火器として3.7cm機関砲と13.2mm機銃が各所に配置されている。
雷装に関しては、原案では片舷8射線合計16射線が計画されていたが、これも削減対象となり55㎝4連装魚雷発射管2基(片舷1基)と半分になってしまった。
皇帝は当初ラサール級のように雷装を全廃することも検討したが、ラサール級と異なりタウン級から逃げ切れる速力を持たない本級で魚雷と言う“最後の希望”を取り上げては乗組員の士気に関わるという進言を受け入れ、最低限の装備を許可したという。

【機関】
機関出力は原案では14万馬力を確保するとしていたが、やっぱりこれも削減対象となり約9万馬力にまで抑えられた。
機関構成そのものは、インドル式ボイラーの採用などラサール級を踏襲している。

【機動力】
原案での最高速力は36.5ノットであったが、機関の削減の結果公称で30.5ノットとなった。
ラサール級のような仮想敵を翻弄する健脚ではないが、実用上これで十分とされた。
それに対し航洋性能は原案から維持され、14ノットで10,000海里の航続距離を確保している。
これは哨戒任務や通商破壊戦に十分に対応できる数字である。

【防御力】
装甲は舷側主要部で75mm、甲板で40mmである。
(以外にも、これは原案とほぼ同じである)
これも主砲と同じく、敵駆逐艦との撃ち合いに勝てればよく主力艦との戦闘は考慮しないという割り切りである。
ある意味では本級はその航空機運用能力を駆使した索敵能力が最大の「盾」なのである。

【航空艤装】
これこそが本級の核心であり、存在意義である。
艦後部の広大な作業空間は、雷撃も可能な高性能水上機を格納・整備・運用するために使われる。搭載数は最大6機である。
2基の大型カタパルトは設置されており、それにより短時間での連続発進を可能としている。
また大型クレーンも装備されており、荒天下での機体回収を支援する。
格納庫内には充実した整備施設と部品庫、航空燃料タンク、爆弾・魚雷庫が備えられ、艦隊から離れた単独航海でも長期間の航空作戦を継続できる。
これにより、本級は単なる「水上機母艦」ではなく、攻撃的な「航空巡洋艦」としての能力を発揮する。

【運用】
本級は1番艦「マルセイユ」が就役した後、特に大きな障害もなく第二次世界大戦勃発までに当初予定されていた6隻全てが艦隊に配備された。
就役後はその設計思想通り、フランス海軍の「眼」として活躍し、大戦時には索敵のみならず通商破壊戦で活躍。艦隊の「槍」としての役割も全うした。
更には当初想定されていなかった艦隊決戦に参加し勇戦。
その姿は正にラサール級の「補佐」であり、ラサール級の存在する戦場全てで駆け回りその名を世界に刻み付けた名艦となった。

331635:2025/07/21(月) 10:33:31 HOST:119-171-249-152.rev.home.ne.jp

日蘭世界ゲートネタ 仮称トリトン(Tactical Rapid-Impact Torpedo Offensive Navy vessel)重雷装コルベット計画艦


排水量 2800トン(満載)
全長/全幅/喫水 100m/14m/4.2m
速力 最大 30ノット以上
航続距離 約4,500海里(15ノット巡航時)
乗員 約70名(+ミッション要員最大10名)

推進・電源システム
項目 内容
主機構成 CODAG方式:GE LM2500 ガスタービン×1+ディーゼルエンジン×2
推進形式 ウォータージェットまたは可変ピッチプロペラ
補助電力 高出力電源、冷却能力強化(電子機器+発射装置対応)

センサー・電子装備
種類 装備 備考
多機能レーダー TRS-4D AESA(回転式)
射撃管制レーダー AN/SPQ-9B
EO/IRセンサー 複合マスト型光学・熱感知システム
電子戦装備 簡易ESM/ECMパッケージ

兵装構成
分類 装備 配置
主砲 Mk110 57mm速射砲×1門
近接防空 SeaRAM×1基(RAM Block II)
主打撃兵装 Mk48ADCAP重魚雷×8発(四連装魚雷発射管コンテナ二基、対潜兼用)
副兵装 12.7mmRWS機銃×4基
VLS Mk41VLS×8セル(ESSM用)
対魚雷装備 曳航式デコイ(NIXIE)+曳航ソナー(オプション)


トリトン重雷装コルベット計画艦は20XX年に出現した日蘭世界(米呼称E-1)に接続した超時空門の存在により計画された第二次世界大戦後のアメリカ海軍初の雷装を主兵装とする艦である。
同世界では大型水上打撃艦が未だに現役であり21世紀に入っても新造艦が建造されるなど海軍の主力として存在、高い対水上打撃能力を保持し戦艦を補佐する艦艇の打撃能力も侮れるものではなかった。
対する米海軍の対水上打撃能力は相次ぐ対艦ミサイル開発の中止や遅延により日蘭と比較し大きく劣っており、ある程度の対抗可能と思われる攻撃型原子力潜水艦は数が決して多くなく整備自体も遅れていた。
そこで米海軍作戦部門内に置かれた超時空門対処部門である特別計画局より提言されたのがトリトン重雷装コルベットである。

設計開発及び建造期間を圧縮する為に縮小・小型化したフリーダム級沿海域戦闘艦の船体を採用、全体的な形状はフリーダム級に似ながら戦闘艦として十分な強度・防御力を得る為に船体の大半はアルミ合金より高張力ステンレス鋼に変更しその内側にはケプラー装甲が貼られある程度の防御力の向上が行われている。
兵装配置としてはフリーダム級と同じく艦橋前面の艦首方向にMk110 57mm砲を配置、フリーダム級に似た形状の艦橋上部には回転式のTRS-4D多機能レーダー及びEO/IRセンサーを配置。
艦上部構造物後方のヘリコプター格納庫であった場所を幾分潰すことでMk41VLSを8セル分確保している。なおこれにより格納庫容積は減少、艦載ヘリコプターの運用は航空甲板への露天係止以外不可能になり格納庫は主に各種ドローンの格納庫として利用されている。
そして航空甲板下のミッションベイが存在した区画に魚雷発射管コンテナ二基を両舷側に搭載、各種ミッションパックの装備やウェルドックの設置は不可能となっているが主任務が対戦艦戦闘故に問題とは見做されていない。

332635:2025/07/21(月) 10:41:52 HOST:119-171-249-152.rev.home.ne.jp

日蘭世界ゲートネタ 仮称トリトン(Tactical Rapid-Impact Torpedo Offensive Navy vessel)重雷装コルベット計画艦


排水量 2800トン(満載)
全長/全幅/喫水 約100m/14m/約4.2m
速力 最大 30ノット以上
航続距離 約4,500海里(15ノット巡航時)
乗員 約70名(+ミッション要員最大10名)

推進・電源システム
項目 内容
主機構成 CODAG方式:GE LM2500 ガスタービン×1+ディーゼルエンジン×2
推進形式 ウォータージェットまたは可変ピッチプロペラ
補助電力 高出力電源、冷却能力強化(電子機器+発射装置対応)

センサー・電子装備
種類 装備 備考
多機能レーダー TRS-4D AESA(回転式)
射撃管制レーダー AN/SPQ-9B
EO/IRセンサー 複合マスト型光学・熱感知システム
電子戦装備 簡易ESM/ECMパッケージ

兵装構成
分類 装備 配置
主砲 Mk110 57mm速射砲×1門
近接防空 SeaRAM×1基(RAM Block II)
主打撃兵装 Mk48ADCAP重魚雷×8発(四連装魚雷発射管コンテナ二基、対潜兼用)
副兵装 12.7mmRWS機銃×4基
VLS Mk41VLS×8セル(ESSM用)
対魚雷装備 曳航式デコイ(NIXIE)+曳航ソナー(オプション)


トリトン重雷装コルベット計画艦は20XX年に出現した日蘭世界(米呼称E-1)に接続した超時空門の存在により計画された第二次世界大戦後のアメリカ海軍初の雷装を主兵装とする艦である。
同世界では大型水上打撃艦が未だに現役であり21世紀に入っても新造艦が建造されるなど海軍の主力として存在、高い対水上打撃能力を保持し戦艦を補佐する艦艇の打撃能力も侮れるものではなかった。
対する米海軍の対水上打撃能力は相次ぐ対艦ミサイル開発の中止や遅延により日蘭と比較し大きく劣っており、ある程度の対抗可能と思われる攻撃型原子力潜水艦は数が決して多くなく整備自体も遅れていた。
そこで米海軍作戦部門内に置かれた超時空門対処部門である特別計画局より提言されたのがトリトン重雷装コルベットである。

設計開発及び建造期間を圧縮する為に縮小・小型化したフリーダム級沿海域戦闘艦の船体を採用、全体的な形状はフリーダム級に似ながら戦闘艦として十分な強度・防御力を得る為に船体の大半はアルミ合金より高張力ステンレス鋼に変更しその内側にはケプラー装甲が貼られある程度の防御力の向上が行われている。
兵装配置としてはフリーダム級と同じく艦橋前面の艦首方向にMk110 57mm砲を配置、続くフリーダム級に似た形状の艦橋上部には後方より移動させたRAMが搭載されているが発射機がSeaRAMに変更されている。
艦上構造物中央部には回転式のTRS-4D多機能レーダー及びEO/IRセンサーを配置。
艦橋から続く上部構造物後方内にはMk41VLSを装備、ヘリコプター格納庫であった場所を幾分潰すことで8セル分の空間を確保している。
なおこれにより格納庫容積は減少、艦載ヘリコプターの運用は航空甲板への露天係止以外不可能になり格納庫は主に各種ドローンの格納庫として利用されている。
艦尾航空甲板下のミッションベイが存在した区画に魚雷発射管コンテナ二基を両舷側に搭載、各種ミッションパックの装備、多目的甲板としての利用、ウェルドックの設置は不可能となっているが主任務が対戦艦戦闘故に問題とは見做されていない。

333635:2025/07/21(月) 10:42:26 HOST:119-171-249-152.rev.home.ne.jp



以下、米海軍作戦部門・特別計画局の国防総省及び議会軍事委員会への提言文書



新時代の雷撃艦構想:超時空脅威下における即応型水上戦闘力の整備に関する提言

提出先:アメリカ合衆国国防総省/合衆国議会軍事委員会
提出者:米海軍作戦部門内 特別計画局
提出日:20XX年X月X日


1.概要

超時空門を介して接続された並行世界「E-1」における戦力構成は、我が国の現行海上戦力体系と著しく乖離しており、特に水上火力投射能力において米海軍は致命的劣勢に立たされています。

E-1世界において戦艦戦力が主力として運用されており、口径410mm以上の重砲を備え、かつCIWS・SAM・指向性エネルギー兵器を統合した高防御性能艦が複数確認されています。
我が海軍が有する対艦打撃手段(SLAM-ER、ハープーン、LRASM)はそもそも対戦艦戦闘に設計されておらず、また射程・貫通力・同時攻撃力において大きな不備が存在します。


2.現状の戦力ギャップと制約

項目 状況

戦艦対抗戦力 アイオワ級戦艦の再就役は船体老朽化、主砲整備不能により断念
大口径艦砲製造 国産ライン全廃、溶接鋼板・厚板鍛造能力の低下により非現実的
対艦ミサイル戦力 ハープーン系列は貫通力不足、LRASM長距離対艦ミサイルは配備遅延と高コスト、HALO極超音速ミサイルは開発中止
水上打撃艦の不足 DDG(X)、FFG(X)はいずれも対艦戦において火力不足か配備が未定
造船能力 空母・潜水艦向けに集中、汎用戦闘艦の量産基盤は脆弱


3.提言:重雷装コルベット計画の創設

本提言では、既存兵器体系の制限を回避し、魚雷という成熟兵器を中核とした重雷装型小型戦闘艦の緊急整備を提案します。

主目的

・重装甲艦(戦艦・装甲巡洋艦)への確実な撃沈手段の提供
・既存造船インフラ及び装備品を用いることで短期量産可能な水上打撃力の創出
・対艦・対空自衛力を兼備した低コスト高致死性プラットフォームの実現


4.重雷装コルベットの主要特徴

要素 説明

排水量/規模 2800トン級コルベット/沿岸域〜外洋任務対応
主打撃力 Mk48ADCAP重魚雷×4(コンテナ内蔵)による艦底破壊攻撃
主砲 Mk110 57mm速射砲:CIWS・対艦・対地射撃兼用
自衛力 ESSM及びSeaRAM搭載による限定的飽和ミサイル迎撃能力
多機能レーダー TRS-4D(回転型 AESA)+SPQ-9B FCSの組み合わせによる低コスト即応型統合センサー
機関 GE LM2500+ディーゼル:高信頼・即応対応型CODAG推進
建造性 既存のLCSベース造船ラインでの設計転用が可能(フリーダム級派生型)
コスト・量産性 1隻あたり約3億ドル/24か月で建造可能(準量産時)


5.導入と配備シナリオ

フェーズ 内容 

緊急開発フェーズ 試作艦1隻の設計・発注(LCSフリーダム型設計ベース)
限定生産フェーズ 先行量産艦3〜5隻(西太平洋配備) |
戦力化フェーズ 並行世界対応タスクフォースに12〜18隻配備/艦隊護衛隊編成
連携運用 無人艦艇・攻撃型原潜と共同で機動雷撃戦を展開 |


6.政治・戦略的メリット

・既存技術の活用による早期装備化
・対艦ミサイルに依存しない「非対称的な戦艦キラー」としての抑止力
・沿岸防衛・列島線防衛・狭水域封鎖戦などにも転用可能
・造船産業基盤の即時活性化と関連州(ウィスコンシン、アラバマ等)への経済効果
・連邦議会の超時空門対応予算の一部転用で初年度着手可能


7. 結語

超時空門という未曾有の地政学的変化に対し、米国海軍が保有する火力は危機的に乏しい状況にあります。戦艦のような重装甲艦に対する即時の抑止力を確立し、主導権を奪還するためには、従来型の艦艇・兵装体系に囚われず実用性と即応性を重視した新たな「雷撃主義」戦闘艦の整備が不可欠です。

重雷装コルベットは、低コスト・短納期・高致死性の三拍子が揃った戦時的対応兵力であり、米海軍の「臨時だが現実的な牙」として国家防衛戦略の空白を埋める存在となることを確信します。

334モントゴメリー:2025/07/21(月) 22:56:05 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
FFRの街道シリーズ①——La Veine Verte(緑の血管)——

【概要】
La Veine Verte(緑の血管)とは、フランス連邦共和国(FFR)、そこのサハラ砂漠に巡らされている道路及び鉄道網のことである。
衛星軌道上から見ると、防砂用の緑地帯がサハラ砂漠に広がる血管のように見えるためそう名付けられた。
具体的には、地中海に面した「アフリカ州の玄関」ことアルジェリア県のアルジェからサハラ砂漠の中心都市であるタマンラセットを抜け、サヘル地帯の要衝ガオとマリ県の首都バマコを経由して、大西洋岸の要港ダカールへと至る、全長6,600km以上に及ぶ壮大な縦貫路である。

【計画】
『暗黒の30年』期の中盤以降、アフリカ州の物流は「線路の無い列車」ことTFLシリーズとそれを駆る乗組員の不断の努力により何とか安定傾向を示してきた。
これにより現地の治安も徐々に改善していったのだが、『鉄人』ジョルジュ=ビドー初代大統領はその現状に甘んじなかった。
本当の意味で物量網を構築するのならば、一般乗用車(せめてトラック)が通行できるしっかりとした「道」を創らなければならない。
彼はこの信念を以ってアフリカ州の道路網整備を主張し続けたが、『暗黒の30年』期のFFRにはそれを成せる力などどこにも無かった。
しかし、『鉄人』が現役を退いた後も彼の信念は受け継がれていた。
そうしてようやく30年の夜が明け、『暁の20年』と後世呼ばれる高度経済成長期が訪れると、『鉄人』の夢を形にできる環境が整いつつあった。
――サハラ砂漠縦貫道路計画は、このようにして開始された。

335モントゴメリー:2025/07/21(月) 22:59:15 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【経路】
最優先目標として設定されたのは「アルジェ―ダカール間の開通」であった。
「アフリカ州の玄関」たるアルジェと、大西洋岸の要港であるダカールを陸路で繋ぐことは経済上非常に有益であるからである。
また、現在はダカール港に多くを依存しているアフリカ西部から南部の物流についてもこれで助長性が確保できる。
(当時のFFR上層部は、戦時にはヨーロッパ州とダカール間の海上交通線は維持できないと達観していた)
なので当初は両者の最短経路を試みて、アルジェから南西方面へ進みモーリタニア県を縦断する経路が設定された。
しかし、それに待ったをかけたのが『鉄人』である。
大統領職を退いた後も意気軒高であった彼はその計画の弱点を見抜いていた。
それは「最短」経路ではあるかもしれないが、「最適」経路ではないということをである。
一見、最短経路が最も難易度が低いように思われるが、そこは現在何もない「砂の海」である。
つまりゼロから全てを構築しなければならないため、必要な作業量は膨大なものとなるのである。
それに対し、『鉄人』が示した経路は以下の通りである。

・アルジェから一度南下しタマンラセットを目指す
・タマンラセットから更に南下し、マリ県のガオへ接続
・その後は西進しトンブクトゥを通りマリ県の首都バマコを経由して、大西洋岸の要港ダカールへと至る

それは正しくサハラ砂漠の中心を打通するが如き経路であり、「遠回り」のように見えた。
怪訝な表情を示す関係者たちに対し、『鉄人』はこう言ったと伝えられる。

「最短距離で結ぶのは、ただの『線』だ。我々が作るべきは、内陸の心臓部を貫き、領土全体を豊かにする『大動脈』でなければならない」

以下に『鉄人』が示した経路を解説する。
まず第一に経済的な理由である。
「タマンラセット」はサハラ砂漠の中心に位置し、ここを抑えることはサハラ砂漠そのものを支配することを象徴するのである。
「ガオ/トンブクトゥ/バマコ」等これらの都市はFFRアフリカ州の中核をなすマリの主要都市であり、政治・経済・文化の中心地だ。
仮に「最短経路」を選んだ場合、これらの重要な内陸都市は物流網から外れてしまう。
その果ては沿岸部は発展するであろう。しかし広大な内陸部はその発展から取り残され、アフリカ州に「格差」が生まれてしまう。そうなればようやくほぼ鎮火した反乱の火種も再燃してしまう。
アフリカ州のフランス化に誰よりも心を砕いてきた『鉄人』にとって、それは断じて受け入れることはできなかった。

第二に政治的な理由である。
「全てのフランスの後継者」を自認するFFRは領域内の『歴史』を継承する義務があるのだ。
「タマンラセット」は古来からのサハラ交通・軍事の要衝である。19世紀からはフランス軍の軍事郵便局が設置されたほどである。
「ガオ」は7世紀から続く交易の拠点であり、ソンガイ帝国の首都でもあった。
15世紀後半にはニジェール川交易の東端として繁栄を極め、7万人の人口と千隻の舟を擁したと伝えられる。
「トンブクトゥ」もまたサハラ交易の結節点として栄え、大航海時代前の欧州では「黄金郷」と呼ばれたほどである。
(大航海時代になり衰退)
「バマコ」も同様であるが、さらに言うなら1883年に占領して以降、フランスのアフリカ統治の重要拠点であり続けた。
これらを経由することで、歴史ある交易路を受け継ぎ飛躍させるのだという政治的メッセージとするのだ。

第三は難易度の問題である。
実は、今まで示してきた経路は、『鉄人』の独創ではない。何世紀にもわたってキャラバン(隊商)が通ってきた、伝統的な「サハラ交易路(トランス・サハラ・ルート)」とほぼ一致する。
ではなぜこの道が使われてきたのか?それは、

•オアシス(水源)が点在している。
•比較的、地形が安定している。
•古くからの集落や都市が存在する。

からである。
すなわち、この経路は「砂の海」を切り拓くのではなく、インフラが(たとえ僅かでも)存在し、経済活動の歴史がある、最も現実的で建設しやすい経路でもあるのだ。
全く何もない砂漠にゼロから道路と防砂林、給水設備を建設するよりも、既存の都市やオアシスを中継拠点として活用しながら建設する方が、遥かに効率的で、建設後の経済効果も大きいのは自明の理である。
このようにして経路は決定された。

336モントゴメリー:2025/07/21(月) 23:00:31 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【構造】
方針は決しても、それを実行するのはさらなる困難を越えねばならない。
何せ相手は砂である。
一日かけて整備した道路が翌日には砂の下、ということは日常茶飯事であった。
当初は道路を守る「壁」を建設しようとした。
しかし、言うは易く行うは難し。
「壁」の建設には膨大な予算が必要であるという試算の前に、この計画はしばし停滞することになる。
(「暗黒の30年」中に計画が進展しなかった主な理由である)
事態が動いたのは「暗黒の30年」末期、サハラ砂漠の地中に大量の地下水が発見された時である。
この水によりサハラ砂漠の緑地化計画は一気に推進するのであるが、同時に「壁」の問題も解決された。
「壁」をレンガやべトンではなく樹木で作るのである。
以下にその防砂林帯(Voie Verte de Protection)の構造を述べる。

1. 最外周:
ここは砂の移動を止める「物理的な壁」である。地表を転がってくる砂(クリープ、サルテーション)を物理的に受け止め、その場に堆積させるのを目的とする。
砂防林帯の中で最も過酷な環境に耐える必要がある。
具体的な植物は、「レプタデニア・ピロテクニカ(Leptadenia pyrotechnica)」や 「パニカム・トゥルギドゥム(Panicum turgidum)」である
前者はサハラやサヘルに自生する、ほとんど葉を持たない灌木。極度の乾燥と熱に強く、密生させると強力な砂のトラップとなり得る。
後者は「砂漠の草」とも呼ばれるイネ科の植物で株状に密生し、根と茎で砂をがっちりと固定する。
これらが選定された理由は現地の生態系に完全に適応しており、最小限の水で生存可能であるからだ。この層を「Béton de maréchal」製の杭と「VP」製のネットを組み合わせた機械的な柵で補強しつつ、これらの先駆的な植物を植え、最初の防御ラインを構築する。

2. 中間層
ここは地面を固定し、風を弱める「緑のカーペット」となる。目的は密な根を地中に張り巡らせて土壌そのものを安定させ、地表付近の風速を大幅に減速させることである。
具体的な植物は「アカシア・トルティリス(Acacia tortilis)」や「ジジフス・マウリティアナ(Ziziphus mauritiana - インドナツメ)」である。
前者はサヘル地帯を代表するマメ科の樹木。非常に強い乾燥耐性を持ち、根を深く広く張るため土壌の安定化に絶大な効果を発揮する。また、根粒菌との共生により土壌を肥沃にする効果も期待できる。
後者は成長が早く、棘のある枝が密生するため、風除けとして非常に優秀であるばかりか、果実は食用にもなる。
これらを密植することで、砂が舞い上がるのを根本的に防ぐ。
3. 中心層
ここでは舞い上がる砂を捕らえる「空中のフィルター」を形成する。
中間層を越えて空中に舞い上がった、より細かい砂塵(浮遊)を高い樹木で濾し取り、道路や線路への到達を防ぐ最後の砦とする。
具体的な植物は「ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)」である。
これは「オアシス」を象徴する樹木で知名度も高い。背が高く、その葉は空中の砂塵を捕らえるフィルターとして理想的である。加えて果実(デーツ)は貴重な食料となり、経済的な価値も生み出す
「ユーカリ・カマルドゥレンシス(Eucalyptus camaldulensis)」も有力な候補であったが、豪州が原産であるため見送られた。
中心層はその高さと密な葉で、最後の防御壁を形成する。またナツメヤシは食料生産という副次効果も大きく、沿線に生まれるサービスエリアや集落の経済基盤にもなり得る。

道路自体の幅は上下線、中央分離帯、サービスエリアなどを含めれば50〜60メートルに及ぶ。
その外周に中心層が左右約40mずつ、中間層が約100mずつ、最外周部が約80mずつと並び、全てを合計すると500mほどの幅となる。
また300から500km毎に全天候型サービスエリア(Relais du Désert - 砂漠の駅)が設置されており、燃料・電力供給のみならず簡易休憩所ではできない車両整備工場(TFL対応)、や「TFL-3」で培われた快適な宿泊施設が完備され、砂漠を行く人々の命綱となっている。
(この他50から100kmおきに、果実用の比較的小規模な「収集・一次加工拠点(Centre de Collecte et de Traitement Primaire, CPPC)」が、設置されているが、今回は割愛する)

【運用】
La Veine Verte(緑の血管)は計画始動から数十年を経た2010年代に全線開通した。
その後はアフリカ州の物流の根幹となるまさしく「動脈」となったのである。

337モントゴメリー:2025/08/09(土) 21:17:16 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
M2010 65mm狙撃擲弾砲CaGreT-65
口径:65mm
全長:約1600mm
重量(脚含む):12kg(二脚)/20kg(三脚)
初速:450 m/s
有効射程:約1200m(直射)
      3000m(曲射)
      9000m(面制圧、三脚使用時)
弾倉:箱型6発/ドラム型12発
発射速度:30発/分(標準)

【概要】
フランス連邦共和国(FFR)においてM1974 50mm狙撃擲弾砲CaGreTの後継として開発された携行擲弾発射器である。
口径と初速が増大しているにもかかわらず、重量と反動は減少しているため威力と運用性が格段に向上している。

【計画】
M1974 CaGreTの運用実績は申し分ないものであった。しかし、時代が進むにつれて陳腐化の影が迫ってきた。
特に対装甲火力の不足が目立ち始め、このままではOCUやBCの新型装甲車両には通用しなくなるのは明白であった。
(そもそも、M1974は治安戦用装備重視の方針が残っていた頃の装備である)
そこでFFR陸軍上層部は装備の更新を決断。
威力増大を主眼としつつ、運用性の向上も目指し設計されたのがM2010である。

【構造】
基本的にはM1974を踏襲しつつ、各要素を改良・強化している。
まず一番の変更点は口径である。M1974では50㎜だったのが65㎜まで拡大された。
これは、純粋に威力増大を意図しつつ、M1954山砲より受け継がれている「歩兵砲」の伝統を踏襲した結果である。
口径の増大に伴って全長も約100mm延長されているが、数々の軽量化措置により重量は逆に2割も削減され運用性は向上している(15kgから12kg)
弾倉は6発の箱型弾倉か12発装填のドラム型弾倉を選択できる。また上部から1発ずつ装填することも機構もM1974より受け継いでいる。
装填方法もボルトアクション式を継続しているが、MAS50terで実装された自動排莢機構を採用したため、発射速度が大幅に向上している。
(M1974に存在していた発射速度制限は撤廃されている)

338モントゴメリー:2025/08/09(土) 21:18:25 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【火力】
口径増大の恩恵により、火力も向上している。
成形炸薬弾の場合、口径増大と設計の最適化により、命中時の状況にもよるが280㎜から330㎜程度の貫通力を発揮する(均質圧延鋼鈑換算)
これはロシア帝国軍が保有するRPG-7の初期型弾頭に匹敵するが、後述するように射程と命中率ではこちらが圧倒的に上である。
この特性を活かして、FFR陸軍では一度命中した箇所を更にもう一撃打撃して重防御の目標を撃破する運用が多用されている。
(通称「エラン・ヴィタール式二重弾頭」)
その他通常の榴弾やフレシェット弾もM1974から引き継いでいる。
榴弾は時限信管で空中炸裂させた場合、最大で半径25mの範囲の人員を薙ぎ払うことができる。
フレシェット弾では600本の「矢」が内蔵されており、250m先の直径20mの円内に降り注ぐ。
この他にも照明弾など多種多様な弾頭を使用可能である。
また、初速も1割以上強化(400m/sから450m/s)され、射程も延長されている。
(これもMAS50terで用いられた螺旋遊底閉鎖機構が利用されている)
これにより、直射での有効射程はM1974の1000mから1200mまで延伸している。一般兵の想定射撃距離は800mから改定されていないが、命中率は向上している。
また、選抜射手や狙撃兵が用いた場合は、1200mはもちろん曲射で2000m以遠の目標を「狙撃」することも可能である。

【重量軽減】
従来のまま上記の性能を発揮しようとした場合、重量は20㎏を越えることが想定された。
それでは兵士一人で運用するには難があるため、軽量化が模索されることになった。
しかしこれはそれほど困難ではなかった。MAS50terでも示した通り、FFRがこれまで積み上げてきた材料工学の精華はこの「壁」を完璧に乗り越えて見せたのである。
基本的にはMAS50terの時と同様に、従来は木製や金属製であった箇所で変更可能なものをVP(Vêtements en Papier:紙の衣)や特許が切れたスターライト樹脂などに変更したのである。
これにより、重量は12㎏とM1974よりも軽量化された。
【反動制御】
初速と弾頭重量が増大し、重量が軽減したのならば反動が大幅に強化されるのは必然である。その対策をしなければ生身の歩兵では運用できない。
しかし、こちらもMAS50terが切り拓いてくれた道を進めば自ずと解決できた。
まず、M1974でも採用されていた反作用錘の構造をより洗練し搭載した。この副産物としてM1974で設定されていた射撃速度の制限は撤廃されている。
次に射撃時に砲身・機関部が後座するように変更しこれにより更に反動を吸収する。MAS50terの時と同様に、これにより薬莢が自動排出され射撃速度は向上した。
もちろん、銃床にはもはやFFR火器の標準とも言える反動吸収機構を備えている。
さらにM2010独自の装備として、砲口制退器(マズル・ブレーキ)を備えている。
MAS50terの時は「凄まじい発射音と衝撃波及び発砲炎が発生してしまう」として不採用となったが、これは新設計により解決した。
(小型減圧型ブレーキ孔を外周に帯状配し、音響・衝撃波を最小化)
このような各種機構により、反動は75%から80%軽減されM1974よりも使いやすくなったと兵士たちから評判になった。

【運用】
M2010は採用され次第、M1974を更新する形で順次FFR陸軍各部隊に配備された。
運用はM1974と大きく変化することは無かったが、強化された威力と射程は最大限に活用されている。
また一部の部隊では、強化された初速を活かして対空射撃にも使用している。
(時限信管で榴弾やフレシェット弾を撃つのみならず、着発信管で直撃させるという芸当をする兵士もいるという…)
その活躍は正に「歩兵の友」であり、M1954山砲より連綿と受け継がれてきた歩兵砲運用の結晶であった。

339モントゴメリー:2025/08/10(日) 22:58:37 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
M1970 65mm携行擲弾砲改(bis)

口径:65mm
全長:約85㎝
重量:約6.5g
有効射程:400m(曲射)
     800m(直射、ロケット推進弾使用時)

【概要】
M1970 65mm携行擲弾砲の改良型。
その開発目標は「威力はそのままにして軽量化」である。
またCaGreT-65と比較するとその費用は約1/3と非常に安価であるため、フランス国内軍やその他の組織に愛用された。

【計画】
CaGreT-65は非常に優秀な兵器であったが、欠点もあった。
かなり軽減されたとはいえ、12㎏という重量は正規軍の現役兵士ならばともかく、フランス国内軍や教育・文化保護隊の構成員には文字通りやや荷が重かった。
また、国内軍はともかくとして、教育・文化保護隊では直射で1200m先の目標を狙うという状況はあまり存在しないため、過剰性能であった。
そして一番の問題は「費用」である。CaGreT-65はその高性能ぶりから取得・運用コストが高く設定されており、正規軍以外では中々採用できないのであった。
こうした状況を鑑みて、そのような組織や一般市民の要望に応えた簡易版が設計されることになった。

【構造】
設計の母体はM1970 65mm携行擲弾砲が採用された。
これを基に軽量化が模索された。
まず全長が5㎝削減された。これは装薬および照準装置の改良により精度が維持できると期待されたためである。
そしてもちろん、FFRのお家芸と化しつつある「新素材への置き換え」も実行される。
これらの措置により、重量はM1970より35%も削減され6.5㎏となった。
これはCaGreT-65の約半分である。
また、反動軽減機構もCaGreT-65に準じている。
これに関しては費用面の観点から異論も出たが、やはり運用性向上は必要であるとして採用された。


【火力】
基本的にはCaGreT-65と弾薬は共用できるので、火力もそれに準じる。
本装備独自の弾薬として、ロケット推進弾がある。
これは発射後一定の距離を飛行した後ロケットモーターが点火し、目標へ飛翔する弾頭であり目新しいものではない。
何故この弾頭が開発されたかと言うと、緊急時の対戦車戦闘を考慮した、というのが公式発表であるが、実態は「商品」の付加価値を上げるための企業側の思惑が裏にあった。

【運用】
本装備は発表された後、フランス国内軍や教育・文化保護隊始め各種民間防衛組織から好評を得て瞬く間に普及した。
(正規軍でも海軍陸戦隊が艦内戦用装備として取得している)
従来のM1970より35%も軽いのに反動は最大で80%も軽減されたため運用性が大幅に改善されたのがその主な理由である。
加えて本装備は取得・運用費用の面でも優秀であった。
各種反動軽減機構を採用しても尚、その生産費用はCaGreT-65の1/3程度であったのだ。
その素性の良さから、テキサス共和国やローデシア王国などの同盟国正規軍が採用し始めるとFFR陸軍でも予定を変更して採用された。
陸軍での運用は、主に分隊支援火器として対陣地攻撃などを期待された。
さしもの正規軍兵士でも、低初速な本装備では「エラン・ヴィタール式二重弾頭」を実施することは困難であるため、対戦車戦闘は困難であると予測されたからである。
しかし、現場兵士のエラン・ヴィタールは常に上層部の予想を上回るのがFFR国軍の風物詩である。
兵士たちはその低初速を逆手に取り、曲射によって戦車の上面装甲を破壊する戦法を考案し、実行したのだ。
65㎜成形炸薬弾は、傾斜を持って弾着した場合でも250㎜程度は貫通できるため十分な打撃力があった。
演習では目標とした戦車の車長用ハッチに直撃させた猛者をいる。
(尤も、これを成したのはFFRで最高峰の練度を誇る「フランス海軍歩兵装甲旅団(BBFM)」の兵士であるため、正規軍兵士でも全員ができる訳ではない)

340635:2025/08/11(月) 09:04:57 HOST:119-171-249-152.rev.home.ne.jp
絵文字化けた…(´・ω・`)。
アスキーアートに変えてみるべ…。


平素より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございますm(_ )m
このたび、一部のお客様においてログインができない不具合が発生いたしました(・・;)
ご利用の皆さまには、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます<(_ _)>

現在、原因の特定および復旧作業を完了し、正常にご利用いただける状態となっております(`・ω・´)ゞ
再発防止に向け、システムの監視体制を強化し、より安心してご利用いただける環境づくりに努めてまいります(`・ω・´)ゞ

引き続き変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます(〃⌒ー⌒〃)ゞ

341モントゴメリー:2025/08/15(金) 17:06:02 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内③


“皇国世界”代表 yukikazeさま

モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。
盛夏の候、いかがお過ごしでしょうか。

過日は「ラサール」級に引き続き、弊社の「マルセイユ」級巡洋艦を採用していただきありがとうございました。
“皇国世界”の興隆に幾許か助力できたのならば、弊社としても喜ばしい限りでございます。
本日は先日来お話のありましたボナパルト朝フランス帝国の駆逐艦に関するご提案をいたしたくご連絡いたしました。
艦隊のワークホースたる艦種の選定に、一助となれば幸いです。
以下がその新商品の概要でございます。


(仮称)モガドール級嚮導駆逐艦

常備排水量:3150トン
全長:136.0 m
全幅:13.0 m
機関出力:100,000 馬力
最大速力:39.0 ノット
航続距離:5,800海里 / 15ノット
兵装:138.6mm 連装密閉砲塔4基(計8門)
55㎝ 三連装魚雷発射管 2基(計6門、艦の中央線上に配置)
37mm 連装機関砲 2基
13.2mm 連装機銃 2基
その他特記事項:水雷戦隊指揮に足る司令部施設、大型作戦室、対空・対水上レーダーを装備。また旋回性能向上のため二枚舵(ツインラダー)式


基本的には史実の「モガドール」級駆逐艦に準拠しております。
しかし、モガドール級は旋回性能が低いという欠点(「ダンケルク級戦艦より半径が大きい」とすら言われた)がございましたので、その克服を第一といたしました。
具体的には全長をわずかに短縮(137.5m→136.0m)し、船体の幅を広げる(12.5m→13.0m)ことで、高速航行時の安定性と旋回性能を両立。さらに、舵の面積を増大させた二枚舵を採用し、俊敏な運動性を実現しました。

その他の変更点は、モガドール級で不評だった半密閉式の主砲塔の機構を全面的に見直した完全な密閉式連装砲塔に進化。給弾システムの信頼性を向上させると共に、乗員を荒天や砲弾の破片から守ります。
さらに仰角+45での対空射撃も限定的に可能となっております。
また、嚮導駆逐艦として運用できるよう艦橋構造物を大型化。内部に広大な作戦室と司令官室、増強された無線室を設け、最新の指揮通信設備とレーダーを搭載します。

誇り高きフランス海軍水雷戦隊の槍の穂先として、ラサール級などと共に突撃するに足る能力を有している作品であると自負しております。
その優れた旋回性能を活かし、ラサール級とはまた異なった俊敏な舞いで敵を翻弄して見せましょう。

以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。

改めまして、これからも弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

342モントゴメリー:2025/08/16(土) 19:11:33 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内④


“皇国世界”代表 yukikazeさま

モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。
昨日は弊社の「モガドール」級嚮導駆逐艦を採用してくださりありがとうございます。
本日はそれに続く主力駆逐艦案をご紹介したくご連絡いたしました。
以下がその新商品の概要でございます。

(仮称)「フルーレ」級駆逐艦

常備排水量:1,850 トン
全長:115.0 m
全幅:11.2 m
兵装:45口径130mm連装砲2基(計4門)
55㎝ 五連装魚雷発射管1基(計5門)
37mm 連装機関砲1基
25mm 単装機関砲4基
機関出力:50,000 馬力
最大速力:38.0 ノット
電子装備:対空・対水上レーダー(初期型)


本級の特徴は以下の様になります。
・設計の簡素化
 Yukikazeさまの「史実カプリス級駆逐艦に近い感じ」という要望を基として、生産性を
考慮した戦時設計となっております。
そのため、船体形状も可能な限り直線を多用し、砲塔数も史実「ル・アルディ」級の3基
より減らし2基とし、魚雷発射管も2基(連装+3連装)から1基(5連装)に統一いた
しました。

・速度と攻撃力の追求
 しかし、機動力と打撃力には最大限の注意を払っております。最高速力37.5ノットの「モ
ガドール」級の戦術機動に追随できるよう、速力は38ノットを確保しております。
主砲も連装2基4門は同世代と比較すると劣勢ですが、敵駆逐艦を撃退するのは必要十
分であるとして量産性を重視しました
 そして最も特筆すべきは雷装です。魚雷発射管を1基に集約することで、建造の簡素化と軽量化を実現すると同時に、一度の攻撃で放たれる魚雷の密度を高めました。
必殺の一撃に全てを賭ける。この攻撃精神こそがエラン・ヴィタールであります。


以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。

改めまして、これからも弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

343モントゴメリー:2025/08/16(土) 19:12:23 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内④


“皇国世界”代表 yukikazeさま

モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。
昨日は弊社の「モガドール」級嚮導駆逐艦を採用してくださりありがとうございます。
本日はそれに続く主力駆逐艦案をご紹介したくご連絡いたしました。
以下がその新商品の概要でございます。

(仮称)「フルーレ」級駆逐艦

常備排水量:1,850 トン
全長:115.0 m
全幅:11.2 m
兵装:45口径130mm連装砲2基(計4門)
55㎝ 五連装魚雷発射管1基(計5門)
37mm 連装機関砲1基
25mm 単装機関砲4基
機関出力:50,000 馬力
最大速力:38.0 ノット
電子装備:対空・対水上レーダー(初期型)


本級の特徴は以下の様になります。
・設計の簡素化
 Yukikazeさまの「史実カプリス級駆逐艦に近い感じ」という要望を基として、生産性を
考慮した戦時設計となっております。
そのため、船体形状も可能な限り直線を多用し、砲塔数も史実「ル・アルディ」級の3基
より減らし2基とし、魚雷発射管も2基(連装+3連装)から1基(5連装)に統一いた
しました。

・速度と攻撃力の追求
 しかし、機動力と打撃力には最大限の注意を払っております。最高速力37.5ノットの「モ
ガドール」級の戦術機動に追随できるよう、速力は38ノットを確保しております。
主砲も連装2基4門は同世代と比較すると劣勢ですが、敵駆逐艦を撃退するのは必要十
分であるとして量産性を重視しました
 そして最も特筆すべきは雷装です。魚雷発射管を1基に集約することで、建造の簡素化と軽量化を実現すると同時に、一度の攻撃で放たれる魚雷の密度を高めました。
必殺の一撃に全てを賭ける。この攻撃精神こそがエラン・ヴィタールであります。


以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。

改めまして、これからも弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

344モントゴメリー:2025/08/16(土) 19:13:28 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
ageます

345ナイ神父Mk-2:2025/08/17(日) 21:33:52 HOST:p684199-ipxg02901akita.akita.ocn.ne.jp
テスト

346新人艦長:2025/08/21(木) 20:32:21 HOST:182-166-38-132f1.osk2.eonet.ne.jp
q

347モントゴメリー:2025/08/21(木) 23:15:24 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
FFRの街道シリーズ②——La Corniche Atlantique(大西洋岸街道)——

【概要】
La Corniche Atlantique(大西洋岸街道)は、フランス連邦共和国(FFR)の主要幹線道路及び鉄道網の中の一つの呼称である。
陸路と海路を合わせ約5500㎞に及ぶ壮大な街道でありFFRアフリカ州の大西洋岸主要港湾を繋ぐ交通の要衝であるが、その名前から受ける印象とは裏腹にその経路の過半は沿岸ではなく内陸部を通っているのが特色である。


【計画】
ジョルジュ=ビドー初代大統領が追い求めたアフリカ州を網羅する物流網。
その一端を構成するために計画された街道である。
「FFRアフリカ州の街道」というと「La Veine Verte(緑の血管)」が真っ先に挙げられるが、実は計画立案及び着工はこちらの方が先である。
理由は複数あるが、まず第一に難易度が低かったことがある。沿岸部には既に主要都市や港湾が存在し、ある程度のインフラが構築されていたのでそれらを活用することで比較的容易に街道を敷設することができた。
また海上輸送という「兵站路」を利用して、ダカール、アビジャン、ドゥアラといった複数の主要港に資材と人員を同時に送り込み、各区間を並行して建設することも可能となった。
これにより工事期間を短縮することも期待できた。
さらにアフリカ州中部の資源地帯から産出される各種資源の輸出に直結することから「緑の血管」よりも経済的恩恵がわかりやすかったことも早期建設に拍車をかけた。


【経路】
本街道は大きく四つの区間に分けられる。
第1の区間は「La Veine Verte(緑の血管)」の終点であるダカールからギニア県のコナクリまで。
直線距離ではおよそ700㎞とアフリカ大陸の規模から見ると短いが、問題があった。
間にBC勢力圏であるガンビアとギニアビサウが存在するのである。
無論、外交交渉で道路を通し使用権を得ることは不可能ではない。されど、仮想敵国に自らの物流の命運を握らせるつもりはFFRには一切無かった。
日本の農学者兼歌手が歌っているように、己が倒れることを喜ぶ物に己のオールを渡してはならないのである。
FFRが採った手段は内陸部への迂回である。具体的にはダカールからまず「緑の血管」に沿って東進。セネガル県中央の都市タンバクンダまで進みそこからは南下。
目標にしてギニア県の中枢都市たる港湾都市コナクリへと至る。この経路の総距離は1000㎞を越える。

次の区間はコナクリからコートジボワール県のアビジャンまである。
こちらも沿岸部をそのまま伝っていければ楽なのだが、やはり間にBCのシエラレオネとCISのリベリアが邪魔なのである。
いっその事占領してしまおうか?という悪魔のささやきに対し、まだその時期ではないと理性で打ち勝ったFFR政府が示した経路は、やはり内陸迂回である。
両国との国境線をなぞるように南東へ進み、沿岸部へ到達したらそこで東へ転じアビジャンまで接続するのである。
こちらはおよそ1300㎞の旅路となる。

ここから「大西洋岸街道」はその姿を大きく変える。次なる目標はトーゴのロメとベナンのコトヌーであるが、やっぱりBCのガーナが立ちふさがるのである。
いい加減、迂回するのも飽きたFFRは、ここで街道を二つに分けた。
アビジャンから従来通り内陸部への迂回経路と、海路である。
海路はロメ・コトヌー両都市ではなく、その先のカメルーン県の重要港湾であるドゥアラを主な接続先とする。
(ロメ・コトヌーへの定期便が無いわけではないが)
なお迂回路に関してはその長大さから「La Grande Boucle (大環状線)」とも呼ばれるが、その物語は別の機会に譲ろう。
海路の総距離は約1700㎞(約920 海里)に及ぶ。

最後の区間はドゥアラからガボン県のリーブルビルを繋ぎ、更にコンゴポアント・ノアール港へと至る。
そこは赤道ギニアが通せんぼをしているが、もう慣れたもので国境線沿いに迂回している。
1400㎞を突き進み、大西洋岸街道は完成する。

【経済及び戦略的意義】
大西洋岸街道の開通により、アフリカ州の大西洋沿岸部の主要港湾都市は有機的に接続されることになった。
これの恩恵は大きい。
ギニアのボーキサイト、コートジボワールのカカオあるいはガボンやコンゴの石油・木材などの豊富な資源が各港を通し、FFR勢力圏全てへ円滑かつ安価に供給することが可能となったのである。
正にFFRアフリカ州の経済大動脈と言える。
「緑の血管」が『砂漠の克服』の象徴であるならば、 「大西洋岸街道」は『豊穣の最大化』を実現したFFRのもう一つのトロフィーなのである。

348モントゴメリー:2025/09/01(月) 00:07:51 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
秋の新商品のご案内

晩夏の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
モントゴメリー企画代表のモントゴメリーでございます。
本日は秋のキャンペーンに向けた弊社の新商品のご紹介をいたしたくご連絡いたしました。
今回のジャンルは「戦車」となります。この分野はどうしてもタンクマン・エンタープライズ様の後塵を拝する状況が続いておりますが、それを打破し得るヒット商品にもなれると自信を持ってお送りすることができる逸品に仕上げております。
以下が商品の詳細となります。


試製79式戦車
全長:10.5m
全高:2.8m
重量:30トン(基本車体)
   32トン(Sパッケージ装着時)
   39トン(Jパッケージ装着時)
   41トン(Cパッケージ装着時)
   42トン(Aパッケージ装着時)
動力:ミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉
最高速度:135km/h(基本車体)
130km/h(Sパッケージ装着時)
     115km/h(Jパッケージ装着時)
     110km/h(Cパッケージ装着時)
     105km/h(Aパッケージ装着時)
乗員:2名(操縦手、車長兼砲手) ※車体前部に並列配置
武装:135㎜電磁投射砲(仰角最大75度)
   3連装対MS重誘導弾ポッド(砲塔側面に1基ずつ)
   13.2mm重機関銃(主砲同軸)
   30mm機関砲(遠隔操作式)
その他特記事項:戦闘支援AI及び操縦系に全天周モニターシステムを搭載

【商品説明】
主に宇宙世紀系の世界線でご活躍されるお客様向けの商品となっております。
コンセプトは「対MS戦闘を主眼とした主力戦車」でございます。
以前より多くのお客様よりいただいておりましたご意見である

『MSを作る技術で戦車を作ったら強いのでは』

に対し、弊社が全力を出してお応えしたのが本商品となります。
以下に本商品の特徴を上げさせていただきます。

349モントゴメリー:2025/09/01(月) 00:08:27 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
➀核融合炉の搭載
 「MSの技術」で真っ先に思い浮かぶのはこちらかと存じます。戦車に積めるほど小型化できるのか?という問に対し
“コア・ファイター”に搭載されたものを参考にした小型軽量の融合炉を解答とさせていただきました。
この心臓より供給されるエネルギーが、本商品の走攻守全ての土台となります。

②電磁投射砲の採用
 膨大なエネルギーの恩恵を一番受けたのが主砲です。主砲に採用された135㎜電磁投射砲は、激烈な打撃力を誇り第二期以降のMSに対しても有効打となり得ます。

③優秀なる機動力
 こちらも豊富なエネルギーを活用した分野です。
本商品は「軽量な車体」と「高出力な核融合炉」の組み合わせにより、重量あたりにかけられる馬力(パワーウェイトレシオ)が、61式を始めとする従来の戦車や仮想敵たるザクなどの陸戦型MSを凌駕しています。
具体的には核融合炉の電力を高トルクのモーターに直接伝達して履帯を駆動させます。
これにより、驚異的な加速力と応答性を獲得しております。
また高速走行を支えるため、路面の状況に応じてダンパーの硬さを瞬時に最適化する、AI制御のアクティブサスペンションも標準装備です。
装備する装甲モジュールにより変化しますが、最高で135mk/h、最低でも105km/hという驚異的な速度はこれらの技術により支えられております。(61式は最高90km/h)
仮想敵たるザクは地上での最高速度は60km/h、グフでも99km/hであるため本商品は余裕を持って戦術的主導権を握ることができます。

④車体レイアウトの刷新
対MS戦闘を前提とするため、従来の戦車とは一線を画す構成となっております。
最大の相違点は、「頭上砲塔」の採用です。
すなわち、主砲本体と自動装填装置や反動吸収システムといった機構の全てが、砲塔(というより車体上面)ではなく、砲塔の「上」に、一つの装甲化されたユニットとして搭載されています。
これにはいくつかの利点がございます。
まず「仰角の確保」
従来の方式では、大きな仰角を得るのは困難でありました。そのため、MSとの近接戦闘やジャンプへの対応ができず不利となっていました。
しかし、この頭上砲塔式ならば砲尾が沈み込むためのクリアランス(空間)が設計段階から確保できるため、75度という極端な大仰角を実現できます。
次に「全高の低減」
砲塔自体は単に砲システムを旋回させるための土台として機能すればよいため、極限まで小型化・低背化が可能となり、本車両の優れたステルス性に貢献しています。
なお乗員に関しては車体前方の最も防御力の高い区画に横並びに座っています。(史実世界の「アルマータ」に近いです)
最後に「乗員の生存性向上」
仮に砲塔に直撃弾を受け弾薬が誘爆したとしても、乗員区画とは物理的に隔離されているため乗員の生還率は劇的に向上いたします。

350モントゴメリー:2025/09/01(月) 00:09:41 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
⑤センサー類の高精度化
 MSに搭載されるような光学カメラや赤外線センサーなどを複合した「球状統合センサー・ユニット」 砲塔上部に設置しています。
それら高解像度カメラ、サーマル、レーザー測距儀から得た情報を統合し、戦闘支援用AIがリアルタイムで脅威分析を行います。
これにより本商品は61式とは隔絶した戦闘力を発揮いたします。
61式では、車長がペリスコープを覗き自分の目で索敵・警戒する必要がありました。
しかし79式では、車体に搭載された全球状統合センサー・ユニットからの情報をAIがリアルタイムで統合処理します。
具体的には、AIが敵MSの熱源や音響を探知し、距離、移動速度、武装などから脅威度を瞬時に判定。最も危険な目標から順に、車内のパノラマモニターにハイライト表示します。
乗員は物理的な窓から外を見るのではなく、AIが合成した360°のクリアな映像を見ます。これにより、人間の死角という概念がなくなります。
つまり、AIが3人目の「目」と「頭脳」として機能するため、車長は索敵作業から解放され、戦術的な「判断」と「命令」に専念できるのです。
(これはF-35戦闘機などで採用される方法であります)

⑥装甲のモジュール化
 こちらも現代のMBTに用いられる方式を踏襲しております。
それらのモジュールの組合せと用途は以下のようになります。

Sパッケージ(偵察・高機動仕様 - Scout Package)
内容: 装甲は最低限の追加に留めるか、増加装甲なし(素体状態)で運用。
用途: 偵察や奇襲など、防御力よりも速度と隠密性が求められる任務。

Aパッケージ(対峙戦闘仕様 - Assault Package)
内容: 車体前面と砲塔正面に、ルナ・チタニウム合金を含む最も分厚い複合装甲モジュールを取り付ける。
用途: 平原などでの長距離砲撃戦。敵と正面から撃ち合うことを想定した重装甲構成。

Jパッケージ(立体戦闘仕様 - Jungle Package)
内容: 車体・砲塔の上面にルナ・チタニウム製対トップアタック装甲を、側面には爆発反応装甲(ERA)モジュールを配置する。
用途: 市街地や森林など、あらゆる方向から攻撃を受ける可能性がある戦況に対応。

Cパッケージ(一般量産仕様 - Common/Cost)
内容:全ての追加装甲モジュールを、ジムと同じ「チタン・セラミック複合材」で構成する。
用途:通常仕様(これでもザク・マシンガンの直撃には耐えられる)

これにより被弾した場合も破損したモジュールだけを交換すればよいため、修理時間が大幅に短縮され整備性が向上しております。
また、装甲素材が進歩してもモジュールを更新するだけで対応できます。

351モントゴメリー:2025/09/01(月) 00:10:26 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
⑦ファミリー化
 こちらも現代の装甲車両に倣い、単一の車体(プラットフォーム)を基に多様な任務に対応する派生車両を生み出します。
これによりコストを削減し、かつ整備や訓練を共通化できるようにいたします。
具体的な形式は以下の通りです。

SPV-79A 歩兵戦闘車
役割: MSとの連携を前提とした、新時代の歩兵戦闘車(IFV)。MSが制圧した拠点へ安全に歩兵を送り届け、その後の掃討作戦を支援する。
車体の変更点: レールガンと大型の無人砲塔を撤去。車体後部の上部構造物をかさ上げし、8名の完全武装した歩兵が搭乗できる兵員室を確保。車体後部には昇降用の大型ランプドアを設置。
武装: 砲塔は小型の遠隔操作式銃塔に変更。
主武装: 25mm機関砲(対軽装甲車両、対人用)
副武装: 7.62mm同軸機銃、対戦車ミサイル2連ランチャー
戦術的意義: MS、戦車、そして歩兵が同じレベルの機動力で連携できるようになる。MSと79式戦車が敵の装甲戦力を破壊し、直後に本車両が歩兵を展開して拠点を確保・維持する。これにより、連邦軍の地上作戦能力は飛躍的に向上する。

AAG-79D 対空(対MS)機関砲システム
役割: 対空とは言いながら、「対MS制圧」を主目的とする車両。
市街地や峡谷で、高低差を利用して立体的に攻撃してくるMSに対し、圧倒的な弾幕を形成してその機動力を封殺する。もちろん、従来の航空戦力にも絶大な効果を発揮する。
車体の変更点: 車体はほぼ79式戦車と共通。大型の無人砲塔は、高速旋回・俯仰が可能な専用のものに換装される。
武装:
主武装: 連装90mm機関砲システム。 ジム・マシンガンと同じ弾薬を使用できる、高初速・高発射速度(ハイサイクル)の90mm機関砲を2門搭載。MSの装甲を貫通可能な弾丸の「豪雨」を浴びせかける。
センサー: 砲塔には、ミノフスキー粒子下でも有効な、高性能な光学・赤外線センサーとレーザーを組み合わせた立体走査センサーを搭載。高速で三次元的に移動する目標を瞬時に捕捉・追尾する。
戦術的意義: 本車両の存在は、MSとの戦い方を根本から変え得る。これまでMSが自由自在に跳び回っていた市街地や森林は、90mm弾の弾幕が飛び交う「キルゾーン」へと変貌し、敵MSは安易に立体機動を使えなくなる。
それは79式戦車やジムが圧倒的優位を確保するということである。

この「ファミリー化」によって、79式戦車は単なる一兵器から連邦軍の次世代地上戦術を支える「基幹プラットフォーム」へと進化いたしました。

⑧徹底したコストコントロール
 ここは弊社が得意とする分野ですが、優れた兵器も量産できなければ意味がありません。
装甲のモジュール化やファミリー化による量産効果に加え、生産ラインの30から40%を61式から流用できるように整えるなどありとあらゆる方策を取った結果、ここまで生産コストを圧縮することが可能となりました。
以下に示すのは、61式の生産コストを「1」とした場合のコスト比較表であります。


兵器名
61式戦車     1
79式 基本車体     3
SPV-79A (IFV)     4
79式戦車-C型     4
RMV-1 量産型ガンタンク 5.5
AAG-79D (対MS/AA) 5.5
79式戦車-J型     6
RGM-79 ジム     8
79式戦車-A型     8
RX-75 ガンタンク 12
RTX-440 陸戦強襲型ガンタンク  15


通常装甲のC型でジムの半分、ルナ・チタニウム装甲をふんだんに使用したA型でもジムと同等までコストダウンに成功しております。
これならば、MSの汎用性にも勝てるコストパフォーマンスを発揮できるでしょう。



以上、弊社の秋のキャンペーン商品の説明でございました。
もしご興味をお持ちくだされたのなら、お気軽にご連絡ください。


モントゴメリー企画
代表取締役 モントゴメリー


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