日本大陸を考察・ネタスレ　その195

945：陣龍：2022/10/23(日) 18:44:36 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp: 【異世界はとっても理不尽だ】

　僕は英雄育成学校のとある学生。最近は『ゲート』と言う異世界と繋がる門が出て来てからは治安の良化や悪化の乱高下が凄い事から、
学生であっても時と場合によって現場に参入する事も多くなっている。そんな僕らは、以前から極めて警戒されていた、
悪党どもの首魁にして扇動者である【マルガリア・ヴィッペラン】がとうとう街中で暴動を開始したと言う事で、先生や現場の『英雄』達と一緒に、
現場に急行した。

「……なぁにこれぇ？？？」
「……なぁにこれぇ？？？」
「……何が起こってるんだ、一体」
「(声も出せずあんぐり茫然)」

　そんな僕たちが現場に急行して真っ先に目に飛び込んで来た光景は、建物が倒壊するでも無く、ましてや数多くの怪我人や動けない人がいる訳でも無い、
ちょっとだけアスファルト道路や建物の壁が皹が入っている程度の商業地にて、既に各地の事件で目撃され、一部では捕縛されている【改造強化者】が、
目算で10人程度が倒れ伏している死屍累々の有様と、一人の女の人が【マルガリア・ヴィッペラン】と対峙している光景だった。尚、【マルガリア】は襤褸雑巾である。

　そして僕たちのみならず、先生や英雄も呆けている中、怒りの咆哮を轟かせて剛力剛腕の筋肉を盛り上がらせた【マルガリア】は、
地面ごと爆砕するかのように大きく振りかぶって女の人を殴り付ける。身長5メートルにもなる巨体から叩き付けられる破壊力は、
普通であれば女の人を跡形もなく叩き潰すであろう勢いだった。

「……なぁにあれぇ？？？」
「……なぁにあれぇ？？？」
「……完全に、戦闘不能だな。【マルガリア】」
「(何度も目を擦って現実確認)」

　だがその一発は、相対する女の人の神速の右ストレートによるカウンターによって、殴り付けた右腕の拳に真正面からクリーンヒット。
明らかに有り得ない轟音と共に骨肉が爆砕した事に反応が出来ずに茫然と自身の砕かれた右腕を見遣る【マルガリア】を、
女の人はノーモーションで飛び上がり、地面へと顔面を殴り付けて倒れ伏しさせた事で、【マルガリア】は完全に白目を剥いて沈黙した。
減り込んだアスファルト道路は小さなクレーターが出来ているが、まぁ明日には直っているだろう。

「……多分、日本軍の精鋭兵だろうな」
「日本軍……ですか？」
「ああ、ゲートの先の国の兵だ。……あぁ、全く。厄介な事になったもんだ、お互いに」

　溜息を吐いて頭を抱える先生を他所に、その『日本軍の精鋭兵』は此方に手を振って、今し方撃砕した【マルガリア・ヴィッペラン】を指さして、
死屍累々の【改造強化者】と共に捕縛する様に頼んで来た事で、半ば反射的に学生達は捕縛の手伝いに向かう。これが僕たちに取って未だ未知の国であった、
『日本』と言う国が誇る『戦決服隊所属兵』である【空舞　咲】さんとの出会いだった。

「いやぁ、私衛生兵だから戦闘力に関してはどれだけ下駄履き評価でも良くて『下の上』だよ、戦決隊の中だと」

　すみません、その事実は知りたく無かったです。

日本大陸を考察・ネタスレ その195