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架空戦記系ネタの書き込み その122
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無論、彼らとて単に「親日的」だからこのような行動を取っていたわけではない。
この時期、イギリス空軍は、スピットファイアの後継機種として、ホーカー社に開発を命じていたのだが
この機体のエンジンとして選ばれたのは、ネピア社のセイヴァーエンジンであった。
この辺は、ロールスロイスが次期主力エンジンとして開発していたヴァルチャーエンジンが、欠陥品と呼
んでも差し支えない出来であり、イギリス空軍の信頼を失っていたことが大きかったのだが、ロールスロ
イスにしろヴィッカーズ・アームストロング社にしろ、現状はともかく、将来的には利益が頭打ちになっ
てしまうことが確定であり、だからこそ設備投資回収のためにも、日本陸海軍に売り込んだというのが
真相であった。
勿論、日本陸海軍もこの絡繰りについてはある程度理解していたのだが、グリフォンエンジンが、日本陸
海軍が喉から手が出るほど欲しがった「高馬力且つ信頼性のある」エンジンであったことは事実であるし
更に言えば、同エンジンに換装したスピットファイアの性能が凄まじかったのも事実(何しろ1万メート
ルまで約8分。水平速度で640kmである)であったことから、中島の発動機部門を吸収した石川島重工業
にグリフォンエンジンのライセンス生産を認める代わりに、グリフォンエンジン搭載のスピットファイア
の導入も併せて決定することになる。
なお、「なぜこれほどまでに素晴らしいエンジンと機体を、イギリス空軍は大々的に採用しなかったの
か?」という疑問を抱いていた面々は一定数おり、そして彼らは、グリフォンエンジンが、性能も信頼性
もよいが燃費が悪いという事実に頭を抱えることになるのだが、既に後の祭りであった。
せめてもの救いは、グリフォンエンジン搭載のスピットファイアが史実Mk. XX系統への設計変更が進めら
れており、最低限の航続距離は確保できたことと、迎撃戦闘機としては破格の性能を持っていたという
ことであろう。
そして、このエンジンの獲得に狂喜乱舞したのが堀越であった。
元々、マーリンエンジンを高く評価していた堀越にとって、このグリフォンエンジンは、次期主力戦闘機
の心臓として十分にふさわしい性能を持っていると判断した。
彼がどれほどグリフォンエンジンを評価していたかというと、同エンジンのライセンス生産が認められた
次の日には、同エンジンを積んだ新型戦闘機の概念図を書き上げ、三菱及び海軍に提出していたことから
も明らかであろう。
海軍側も、40式艦上戦闘機の優秀さから、堀越に対して全幅の信頼をおいていたことから、最終的には
堀越の要望を受け入れることになる。
以下、本機の特徴について説明する。
全金属製のセミモノコック構造で製造された主胴体部は、防火壁後方から尾翼部を除く部分までで、鋼管
フレームで構成された発動機架部分が防火壁にボルトで取り付けられていた。
本機の発動機及びプロペラの推力線は、胴体基準線に対して3度下向きとなっているが、これは日本海軍
において病的なレベルで主張される前方視界の向上のためである。
なお、上記取り扱いにより、着艦進入時の低速飛行の際の機首上げ角を抑えることができたため、前下方
視界も良好であった。
本機は胴体高が高く余積があることから、無線機やバッテリー、酸素システムや油圧システムなどの各種
機構は、概ね発動機後方から操縦席後方に装備された防弾板の後方部に集約して装備され、胴体後部は
ほぼ空きスペースとなっている。
一応後期型においては、空きスペースに防弾仕様の燃料タンクを増設することも計画されていたものの、
防御面及び重量増を嫌い、計画のみに終わっている。
これにより、エンジン以外の主要区画は防御装甲で守られていることになり、エンジンに被弾しない限り
本機がしぶとく戦える要因となっている。
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