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架空戦記系ネタの書き込み その122
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フレイザー提督はなんとかして同航戦に持ち込もうと艦隊を一斉回頭させた
それこそが最大の罠であった
距離5万メートルから米艦隊は砲撃を開始。
砲弾を大型化し、砲弾直後に「第2装薬」を設置することで砲身の内部でまるで多薬室砲(ポンプ砲)のように2次加速を行い射程距離を大幅に延伸させた通称「ノーフォーク矢型弾」(実際は回転を前提としてスクリュー状に羽根が設けられていた)の連続斉射であった
そして、艦隊針路の一斉回頭を行うということは、それが完了するまでの5分から10分間は距離がまったく変わらず、敵側からみれば極端にいえば静止目標を撃つほどにたやすいのである
さらに米艦隊には切り札があった
海軍所属の大型飛行船「アクロン」「メイコン」「シェナンドー」
この3隻の大型飛行船はこの日、高度1万メートルに陣取り、高度3000メートルから1000メートルおきに展開するB-17改造の気象観測機とともに極めて正確な気象データを送っていた
さらには、3角測定によって英艦隊旗艦の正確な位置までも把握しつくしていたのである
これに加えて米艦隊は禁じ手を使っていた
東京海軍軍縮条約には、「既存主力艦の主砲換装による口径増大はこれを厳に禁じる」という条項が存在していた
だが、ノーフォーク矢型弾の特性上、発射される弾体は従来よりひとまわり小さくなってしまう
(形状からしてのちの装弾筒安定翼付き徹甲弾ことAPFSDSによく似ているため)
であるならば、主砲の方を巨大化させてしまえば、射程距離も伸び、一石二鳥である
この論理から米海軍は軍縮条約を無視し、サウスダコタ級以降の戦艦の主砲口径を18インチ級や20インチ級に拡大させていたのである
このことから、落下してくるノーフォーク矢型弾の重量は16インチ、いや17インチ砲級に大きく、さらには奇襲兵器であることや命中率があまり期待できないと判断されたことから大量の焼夷弾子を搭載した、いわば榴散弾であった
12月8日午前11時15分
英グランドフリート旗艦「セント・デイヴィッド」(セント・ジョージ級戦艦)はその身に12発ものノーフォーク矢型弾を受け、艦橋構造物をしたたかに炎上させられた
うち1発は、18インチ砲艦のわりには薄い艦橋防御を貫いて炸裂
一瞬のうちにフレイザー提督以下、グランドフリート首脳陣を全員戦死に追い込んでいた
さらに悪いことには、同様の悲劇が巡洋戦艦部隊旗艦であった巡洋戦艦「インコンパラブル」にも発生
こちらは基本設計がWW1の最中であったことからいまだ薄い水平防御を貫かれて一撃で轟沈してしまったのであった
英グランドフリートは、この一撃で頭脳を失ってしまったのである
三次席指揮官であったトーマス・フィリップス大将が事態を掌握するにはさらに15分を要した
その間に、接近してきた米艦隊は通常砲撃に切り替える
18インチ砲が次々に唸り、さらに制空権を確保したことによる航空機からの諸元情報はグランドフリートを次々に血祭りに上げつつあった
「卑怯者のヤンキーが!奴ら主砲を換装していやがるぞ!!」
普段の穏やかさをかなぐり捨てた「親指トム」が絶叫する
このときまでに3隻のグランドフリート所属戦艦が海底に送り込まれていた
当然、その中には総旗艦「セント・デイヴィッド」も含まれていた
この時点で炎上していた「インヴィンシブル」(インヴィンシブル級巡洋戦艦)および「インドミタブル」(同上)および「セント・ジョージ」(セント・ジョージ級戦艦)もまた同様の結末をたどりそうであった
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