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架空戦記系ネタの書き込み その112

902yukikaze:2019/10/13(日) 09:57:48 HOST:91.228.242.49.ap.seikyou.ne.jp
この巡洋潜水艦四型は、日本海軍でどちらかと言えば冷遇されていた潜水艦派
にとって、逆転の切り札とも言うべき艦であった。
史実UボートXXI型のリファインと言ってもいい同型は、水中を最大18ノットで
機動出来るこの艦は、従来の対潜護衛艦の価値を著しく減少させることになっ
た。
何しろ、これまでの対潜護衛艦の速度が(軍縮条約の縛りもあるとはいえ)、
20ノットに抑えられていることから、新型潜水艦との間に速度差が殆どなく、
潜水艦を制圧するための運動の余裕がなくなってしまったのである。
実際、演習では、同潜水艦の果敢な攻撃に、護衛部隊は効果的な対潜バリヤー
をはることに失敗し、散々な目に合ってしまっている。

この事態に、海軍側は、従来の対潜護衛艦では、船団護衛は困難ではないかと
いう事実を不承不承ながら受け入れざるを得なかった。
無論『安価な艦を多数保有する』ことにより、数での制圧を行うという意見も
あったが、コストを考えれば、画餅でしかなかった。
第一、高性能潜水艦を補足し、攻撃すべき兵器も、同様に高性能化、複雑化を
するのが確実である以上、どれだけ費用が安くても、相手を討ち取る手段がな
ければ意味がなかった。

1939年に計画された新型対潜護衛艦案は、この現状の追認に他ならなかった。
彼らは、戦時中に、かつて想定した大量の護衛艦を就役させることが不可能で
あるのならば、ある程度大型化した船体に、優秀な対潜装備を乗せた艦を、
平時においても一定数保有し続けなければならないと判断したのである。
無論、想定よりも護衛部隊が格段に減少する以上、エアカバーによる対潜が
必要であるというコンセンサスも出来ており、彼らは、対潜哨戒機や対潜ヘリ
の開発に尽力するのだが、それは別の話である。

以下、同艦について説明する。

主砲については、この時期に完成した戦艦や巡洋艦の対空火器である、
50口径76mm連装速射砲を2基備えている。
対潜が主任務であるとはいえ、個艦防空能力も必要であるということで装備され
たのだが、2番砲塔については、近代化改修において、アスロックを備える
ことになる。

対潜兵装としては、球磨型軽巡洋艦の一部に採用された305mm4連装対潜ロケット
砲が、1番砲塔と艦橋の間に設置されている。
砲弾は1発辺り80kgの重量であり、射程として、1,500m〜2,500m有している。
同システムは、遠隔操作で旋回・俯仰・発射でき、甲板下から12回の再装填が可能
である。装填時は、仰角を90度と垂直にし、筒後端より装填することになる。
同システムと、325mmアクティブ音響ホーミング誘導式魚雷が、同艦の対潜兵装で
あるが、誘導魚雷については、信頼性が低く(あわや自艦に直撃する事例もあった)
同魚雷の信頼性が構築する1940年代中頃までは、対潜ロケットが重宝されることに
なる。

船体については、コスト逓減と居住性の為に、商船構造を大々的に採用している。
また、船体設計に当たっては、従来は重量配分を基準として行われていたのに対し、
同級では、日本海軍の軍艦としては初めて、スペースベースの手法が導入された。
これにより、レーダーやソナー、指揮・統制(C2)装備など電子機器やそのための
各種配管・空調設備のため、急激に増大していたスペース所要への対応がなされた。
科員一人あたりの居住面積は2.5平方メートルとされ、冷房量の増大に伴い、従来の
低圧通風方式に替えて中圧通風方式を採用、ダクトの大型化を回避し、出口騒音の
増大に対して低減対策を施している。

機関については、艦本式24号12型ディーゼルを、減速装置を介して2基ずつ2軸に
まとめるというマルチプル・ディーゼル方式が採用されている。
また、同級では、ソナーへの影響を考慮して、主機の防振・防音対策の強化が図られている。
特に、煙突と煙突室の容積を有効活用して排気管の拡張性を大きくするなど消音器
の能力強化が図られて、かなりの成果をあげている。




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