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中編以上のネタの書き込み【架空戦記版】 その1

1ひゅうが:2014/07/13(日) 23:52:08
ネタスレから発展した中・長編や連載のうち、ミリタリー分多め(例:史実準拠)のネタを書き込んでください。
試験的に投稿される場合はネタの書き込み板にどうぞ。
ネタ内容に関係のない雑談・議論は雑談板にお願いいたします。

投稿にあたってはマナーを守り、常識の範囲内でお願いいたします。
二次創作にあたってはルールのあるものもありますので(例:らいとすたっふルール2004等)そちらも参照ください。


※ 投稿にあたっては下記注意事項をよく読み、それに則りお願いする次第です。 デン氏作成「中編以上のネタの書き込み用 規則10条 −   Ver1.02」 更新 2012年 2月28日

【新板につき暫定的に流用させていただきました。】


――このスレには注意すべき事や規則があります。以下の文をお読みになり承諾できる方のみお読み・書き込みしてください。

一つ、ここは中編以上のネタ用スレなので様々な話が長期に渡って飛び交う可能性があります。場合によっては個人的に好きな内容や嫌いな内容が出る事がありますので、それらを覚悟した上でお読み・書き込みをしてください。

二つ、ここは中編以上のネタ用スレなので「少々の議論」はともかく、「本格的過ぎる議論」や「相手の価値観を潰す議論」は絶対にしないでください。以前それが原因で話が失速や潰れたりしています。冷静かつ楽しく書き込みを行って下さい。

三つ、ここでの話題はネタスレで中編以上のネタスレへの移行が推奨された話題のみです。それ以外の話題についてはネタスレに書き込むようお願いいたします。

四つ、「不適切発言」や「暴言」、「高圧的な発言」はしないでください。

五つ、ネタSSを投稿する際は出来るだけ、前持って投稿宣言をして下さい。いきなりですと動揺や迷惑、SSの分断の元になる可能性がありますのでご協力をお願い致します。

六つ、ネタSSは原則何でもご自由ですが「生々し過ぎる・性的・残酷すぎる」SSは禁止です。それらを守れれば「自重しないSS」はOkです。後は七つ目を読み、警告を入れましょう。

七つ、ネタSSが人を選ぶ様な場合はSSの最初に警告で目立つ様に表示してください。

また、ウィキに搭載しても良い場合は警告の時に一緒に供述してください。またこのSSに限り何か禁止、許可したい場合なども警告に一緒に供述してください。

八つ、他作者の二次創作関連の話は慎重に取り扱いましょう。荒れる可能性が高く、他作者のファンの皆様の機嫌を損なう可能性があります。十分気をつけましょう。

九つ、産業作品や他作者の二次創作関連も含め、批評などは「きちんとした理由」なしに書き込まないようにしましょう。元々二次創作などは炎上しやすく、些細な事でここの掲示板に多大な迷惑をかける可能性が高いです。そこら辺もよく考えた上で書き込みましょう。

十つ、みんなで仲良く話しましょう。

次スレは>980が立てること、できない場合はスレ作成を依頼して下さい。

851名無しさん:2014/07/21(月) 14:46:28
煙突の位置と形状によっては煙が視界を妨げたり、気流を乱しますからね。
そら煙突について色々、煩く言いたくなりますよ。

852名無しさん:2014/07/21(月) 14:50:23
イギリスはフューリアスでかなり苦労したからな

853名無しさん:2014/07/21(月) 15:42:10
ああ、後部には煙突の熱の所為で着艦できないからと、前部の飛行甲板に着艦したりしてたよな

854名無しさん:2014/07/21(月) 15:51:29
各国試行錯誤して其々の煙突形状になっているんですよねえ。

855名無しさん:2014/07/21(月) 15:52:33
日本の場合は、なぜ、曲がった煙突を採用したしになるんだが

856名無しさん:2014/07/21(月) 15:58:20
気流の関係です

うかつな位置にうかつに設置すると、まあまず煙が視界を邪魔し
発艦着艦を妨害します

では、とむりやりにでも煙が邪魔にならないところに設置した場合、状況によっては
この煙突が気流を乱し、着艦発艦をまた致命的に妨害してしまうのです

ましてこの当時の航空母艦ともなれば発艦時は最大戦速で風上に向かう必要があります
故に乱れる気流の量も強さも相応のものとなってしまいます

様々な試行錯誤の結果、日本海軍は「ああいう」煙突が最善と判断しました

857名無しさん:2014/07/21(月) 16:00:08
日本の場合は煙突と一体化した艦橋以前の空母では船体の側面に煙突を設置していたからなあ。

858名無しさん:2014/07/21(月) 16:01:33
艦橋の大型化と船体構造の変化などで艦橋と一体化した煙突についてはあのような斜め煙突になったのか。

859名無しさん:2014/07/21(月) 16:03:24
さらに言うとほかの国は知りませんが日本の空母は海水をくみ上げ
煙突内部に流すことで冷やし、煙を海面を這うようになるよう工夫する、という
実験も行っていたと聞きます

その機能が採用されたかは存じませんが

860名無しさん:2014/07/21(月) 16:06:19
>>859
ベアルンが採用してたような。海水で冷やすのは

後、横張り式着艦ワイヤーもベアルン

861名無しさん:2014/07/21(月) 16:09:15
不適切な設計もあるけど、大本はベアルンで完成しているんですよね

862名無しさん:2014/07/21(月) 16:22:05
なのにすぐ次の空母として設計したジョッフルはどうしてああなったんだ。
ジョッフルの次の設計はエセックス級並の先進的な設計が行われているのにー

863名無しさん:2014/07/21(月) 16:26:04
水上雷撃機を使う予定だった
艦橋を無駄に大きくし過ぎた
飛行甲板を左に大きくずらした

とマイナス要素が多いけどな

864名無しさん:2014/07/21(月) 16:28:17
インディペンデンス級やカサブランカ級みたいに、いったん真横に伸ばしてから上に曲げるタイプの煙突はどうして流行らなかったんだ?
L字型とでもいう感じの奴

865名無しさん:2014/07/21(月) 16:36:40
>>863
先進的設計は“ジョッフル級の次の設計”だよ。

866名無しさん:2014/07/21(月) 16:37:44
だから、ジョッフルのマイナス要素ですよ

867名無しさん:2014/07/21(月) 16:40:58
ジョッフルはまあ、あの時期になんであんなの造ろうとした?と言われるありさまだから。
まあ、軍艦を知っている人からするとポンコツだよなあ。

868名無しさん:2014/07/21(月) 16:51:56
飛龍型以下の飛行甲板に搭載機でどう評価しろと?

869Monolith兵:2014/07/21(月) 17:01:35
陸軍国の空母としてはありなんじゃないの?

870名無しさん:2014/07/21(月) 17:05:02
>>869
まだ同じ陸軍国のドイツが設計していたグラーフツェッペリンやエウロペの方がまともなんだよなあ(汗

同じような海軍力を持つイタリアのアクィラとは比べるのも哀れというべきか。まあこっちは完成しないというオチがついたんだけど(白目)

871名無しさん:2014/07/21(月) 17:10:16
イタリアのスパルヴィエロはなぜああなったし、と頭抱える設計ですが
これ図面

ttp://digilander.libero.it/shinano/Italia/Sparviero/Foto/schema.htm

872名無しさん:2014/07/21(月) 17:14:12
1936年に十字型エレベーターでキャットウォークのような発艦スペースか。

873名無しさん:2014/07/21(月) 17:14:54
というか桟橋のような長い先端が謎である

874名無しさん:2014/07/21(月) 17:21:47
>>871
補助空母というべきかなんというべきか。
どうしてこうなった、という話だよなあ。

875攻龍 ◆N7DVv.HogQ:2014/07/21(月) 17:32:08
>なぜ、曲がった煙突を採用
>>856で回答が出ていますので、補足を。
鳳翔の可倒式煙突で、横向きにした場合飛行甲板への排煙の直接被害が減少するなど、航空機運用上都合が良いこと、また横向きのままでも航行上不都合が少ないことが確認されました。
鳳翔の場合、気流の乱れなど若干の不都合があったので、整形の結果赤城のあの斜め下向きの煙突となりました。
赤城以降、煙突内部に海水を噴射し排気温度を下げることで排煙による乱流発生を抑える工夫が施されました。

ただ、赤城や加賀の斜め下方煙突は構造上大傾斜時には海面が近くなり、最悪の場合は缶室に海水を拾いやすくなる欠点がありました。
このため甲板高さが抑えられる装甲空母(大鳳)にはこの方法は好ましくなく、新たな形状が必要となりました。
で…各種実験などの結果用意されたのが、あの艦橋一体型斜め煙突、というわけです。

>米空母のL字型とでもいう感じの煙突
インディ/サイパン級の場合は艦橋の発生する乱流域の中に立ちつつ、甲板から引き離す…という意味でああなっていると思われ。
本来ならエセックスのような艦橋一体型がいいのだが、唯でさえトップヘビー気味な軽空母。
それをやってしまうと間違いなくろくな事にならないので、ある意味妥協した簡易構造でああなったのだと。

護衛空母の場合は、あれ…両舷に飛び出しているのですよ。
片側にまとめると工作が複雑になるうえ重量が増える。しかも機関出力が低いので排煙も少ない…
で、両舷から細い煙突を突き出した、というわけ。

なぜ下向きにしなかったのか…おそらくは排煙効率が低下するのを嫌ったのかと。
下に向けるという発想が無いわけはないんですよね…(´ヘ`;)ウーム…

876yukikaze:2014/07/21(月) 18:35:55
とりあえず作り終わったんで投下。
後はエピローグになります。

  戦後夢幻会ネタSS――前史「彼らは来た」

8 破壊神降臨

宇垣艦隊の猛攻により、レイテ湾は文字通り地獄と化した。
2時間半にわたる熾烈な艦砲射撃は、6万人もの戦死・行方不明者をアメリカ陸軍に支払わせる
ことになった。(他に数万名もの重軽症患者も発生している。)
ここまで一方的な大敗北は、アメリカ陸軍史上でも類を見ないものであった。
レイテの目をそむけるような光景を見たマッカーサーは「海軍のバカどもが・・・」と、怒りの
あまりトレードマークのコーンパイプをへし折り、マッカーサーの報告を聞いたスティムソン
陸軍長官は「マックが狂って誤報を出したならばどれだけよかったか・・・」と、頭を抱えながら
呪いの言葉を口走ったとされる。

圧倒的な航空戦力による制空権の確保。
反日ゲリラを利用しての敵戦力の分散。
そして手薄になった地域に大兵力を投入して制圧。後は制空権と制海権があることを利用しての
各個撃破。
陸軍にとってフィリピン戦は、極めて堅実な思考のもとに作成された作戦であり、そうであるが故
に失敗する可能性など限りなく少ないはずの作戦であった。
だが、まさかの作戦失敗。それも陸軍の不手際ならばまだしも、海軍の失態(陸軍視点による)
により2個軍団が編成上から消滅するという極めつけの悪夢である。
報告を聞いた陸軍上層部が半ば呆然とし、そして我に返ると猛然と海軍への怒りを爆発させたのは
当たり前の行動であった。

では、陸軍の当然の怒りを受けた海軍側はどうなっていたか。
まず真っ先に責められることになったキングは当然のこと荒れ狂った。
彼は凄まじいばかりの罵詈雑言をニミッツに叩きつけると、その口で彼とハルゼーの解任を命じた。
これに対しニミッツは「解任は甘んじて受け入れるが、本作戦が終了するまで待っていただきたい。
太平洋艦隊司令部と第三艦隊司令部の解任により指揮系統が空白になってしまえば、第三艦隊は
全く身動きが取れなくなる」と返答する。
さしもの暴君もこのニミッツの正論には反論できなかったのだが、だが彼の怒りは収まらず
「1隻でも多くのジャップの船を沈めろ。さもないと貴様らは永遠の負け犬だ」と、捨て台詞を
吐くことになる。
この言葉に、ニミッツは能面の表情で受話器を置くと、机からキングのポスター大の写真を撮りだし
トンプソンとダース単位のマガジンを身に着けると、隣接した射撃場に30分ほど籠ることになる。
射撃場から出たニミッツの言葉は「もう少し持続的に撃てればいいんだがね」だったのだが、
ニミッツのこの反応は、ハルゼーのそれと比べれば極めて紳士的であった。
何しろハルゼーは、キングの督促電に対し、キングに勝るとも劣らない罵詈雑言で返すと、
艦隊の更なる増速を命じたからだ。

877yukikaze:2014/07/21(月) 18:36:32
さて・・・今や完全にアメリカ海軍のお尋ね者となった宇垣艦隊ではあったが、彼らには大きな問題
が一つ残されていた。それは、度重なる損傷によりどれだけ頑張っても20ノット以上は出せない
武蔵の存在であった。
これが曳航しなければならない程の被害だったならば自沈で済むのだが、幸か不幸か武蔵は未だ
戦闘航行可能状態であった。
そして武蔵の活躍は、サンベルナルジノ海峡海戦やレイテ湾での艦砲射撃を見ればわかるように、
連合艦隊の中でも群を抜いて優れた戦力である。
宇垣艦隊司令部にしろ連合艦隊司令部にしても万難を排してでも連れて帰りたい戦力であった。
だが、武蔵に速力を併せた場合、明日以降、アメリカ空母機動艦隊に捕捉される可能性が高いのである。
31日のは遠距離であったのと、小沢機動艦隊が控えていた事から、どこか及び腰の攻撃であったが、
既に小沢機動艦隊はなく、第二航空艦隊の直援も望み薄。艦隊は疲れ果て、前回のようなダンスを
効果的に行えるかは不明であり、何よりハルゼー艦隊は怒り狂っている状態である。
そんな状態でハルゼーの攻撃を受けたならば、間違いなく艦隊は大打撃を受けることになる。
『黄金仮面』とあだ名された宇垣中将であるが、この時ばかりは苦悩に満ち溢れた表情をしていた。

そうした宇垣の苦悩を悟ったように、武蔵から一つの信号が発せられる。

『我艦隊ノ殿ヲ務ム。後ハ任サレタシ』

自分達を置いて逃げろと言っているのである。足手まといにはなりたくないと。
そしてそれに呼応するかの如く、他の艦からも殿を望む信号が放たれることになる。
宇垣はその反応に、じっと目を閉じ、しばらく考えていたが、やがて一つの決断を下す。

『武蔵、熊野、鈴谷、大井、四水戦ノ小破マデノ艦隊ハ殿ヲ務ムベシ。必ズ生キテ戻レ』

命じられた艦は、殿を希望し且つ戦闘能力を発揮できる艦であった。
宇垣は殿艦を単なる囮ではなく、可能な限り生き延びらせるだけの戦力を整えたのである。
大和と共に海域を離れる全艦艇乗組員は、上は司令官から下は二等水兵に至るまで、全ての乗組員が
この殿の艦隊に対して無言で敬礼をしたと言われている。

そして11月1日午後6時。武蔵率いる艦隊(臨時に白石艦隊と呼称)がスリガオ海峡に差し掛かろうと
するその時、偵察機から至急電が入ることになる。

――敵水上艦隊ガ猛進ス。戦艦5 大巡7 駆逐艦8

早朝より艦隊の出せる最大船速で猛追してきたハルゼー艦隊が遂に追いついてきた瞬間であった。
武蔵に座乗した白石提督は、ただちにスリガオ海峡で迎え撃つことを決断。
ここにフィリピン沖海戦最終幕を告げるスリガオ海峡海戦が始まることになる。

878yukikaze:2014/07/21(月) 18:37:35
スリガオ海峡海戦の戦力を見た時、質量ともにアメリカ海軍は圧倒的に優位であった。
アメリカ海軍のどれもが練度に不安はなく、弾も十分にある。電探の能力も日本海軍のそれを
凌駕しており、士気もレイテの悲劇を防げなかったことへの恥の感情で鬼気迫るものがあった。
勇将の下に弱卒無しを体現する艦隊であったと言えよう。
だが・・・彼らには2つの問題があった。
1つは燃料の問題である。
何が何でも宇垣艦隊に追いつかんと艦隊が出せる最大船速で飛ばした結果、多くの艦で燃料が
危険なレベルまで減少をしていた。
特にクリーブラント級軽巡洋艦やフレッチャー級駆逐艦は、元々がトップヘビーの傾向が強い艦
であることから、艦の動揺に酷く悩まされることになった。
もう一つの問題は、士気の危うさであった。
ハルゼーを筆頭に、多くの乗組員が怒りと恥で心を奪われすぎており、ややもすると冷静な判断が
出来なくなる危険性を有していた。
そしてそれは時間が立てばたつほど『焦り』という感情によって増幅しかねないものであった。

対する日本側であったが、こちらは水上艦艇に捕捉された時点で帰還という選択肢を捨てていた。
敵の戦力は圧倒的に上であり、更に言えば速度も向こうの方が上である。
白石提督自身は武蔵のみを囮にするつもりであったが、武蔵単艦で時間稼ぎできる時間は少なく
後は落ち武者狩りのごとく狩りたてられるだけである。
ならば日本側としては敵水上艦艇を可能な限り拘束、あわよくば翌日以降の敵機動艦隊の攻撃も
吸引して本隊撤退を成功させるのが一番良い策であった。
片や現状で最良の方策が何かを理解している艦隊、片や怒りで自らを見失おうとしている艦隊。
スリガオ海峡海戦で、白石艦隊が予想以上の奮戦を見せた理由はそこにあった。

まず最初に先手を取ったのは日本海軍であった。
戦力が劣勢である以上、先手を取り続けなければ、一気に押し切られるからだ。
そして日本海軍には艦隊決戦用の切り札の一つであり、いまだ一射線残していた大井があった。
武蔵、鈴谷、熊野の三艦は、戦艦群の護衛として立ちふさがろうとしている大型巡洋艦6隻
(どれもがクリーブラント級)に対し砲撃を開始。敵艦隊を一時的に混乱させると共に、
大井の魚雷発射を成功させる。
大井自身は、魚雷発射直後に戦艦群の両用砲の乱打を受け機関停止。最終的には自沈することに
なるのだが、この魚雷攻撃により、ニュージャージーが艦首を被雷して一時的に戦場離脱。
アイオワもニュージャージーの急な転舵に混乱し、何とか衝突は免れたものの、大きく戦列から
離れることになる。
そしてワシントン、アラバマ、マサチューセッツは熟練の動きで回避に成功したが、
流れ弾としか言えない1発によって、ピロクシーが大破(後自沈)することになる。
この日本側の先制で、アメリカ軍はアイオワ級2隻が一時戦列から離脱、
クリーブラント級6隻の内、1隻撃沈(武蔵の砲撃)、1隻大破という損害を受ける。
この時点で白石は、巡洋艦部隊は鈴谷と熊野に、慌てて接近する敵水雷戦隊は第四水雷戦隊に
任せ、自身は残り3隻の戦艦を相手取ることにする。

さて、日本側のいきなりの奇襲により戦略を減らすことになったアメリカ海軍であるが、一時的に
指揮権を握ったリー提督にとっては別に焦る理由はなかった。
確かに彼はソロモンで、破壊神の片割れによって一敗地にまみれたが、あれはサウスダコダの練度
不足とそれに伴う機材トラブルによって生じたものであり、まともにやりあえば十分に清算が
あると考えられていた。
しかも彼は対大和用に秘策も考えていた。この秘策を利用すれば無傷でも勝てると。
そして彼はその秘策を実行に移すべく、後ろ二隻に命令を下すのだが、彼自身がその秘策を目にする
ことはなかった。
何故か? 彼は一つ重要なファクターを理解していなかった。
彼は砲術の大家であり、レーダー射撃の専門家であった。
だからこそ電子技術には他の提督よりもよく理解しており、同時に日本海軍の技術力ではレーダー
射撃は実用できたとしても相当劣ると考えられていた。
そう。彼の意見は正しい。日本がこの時『独自で』設計量産していた電探では、出来なくはないが
様々な制約があった事も事実である。
しかしそれはあくまで『自国製』でかつ『量産できる』ものである。
裏を返せば『他国製』で『一品物』ならば、この時期の日本海軍でも、精度は劣るかもしれないが
満足できるレーダー射撃が可能である事も事実であった。

879yukikaze:2014/07/21(月) 18:38:36
そして大和と武蔵には、ドイツからライセンス生産を許可された「ホーエントヴェール」が設置
されていた。水上電探であるが射撃電探としても利用可なこの装置を積んだ武蔵の砲撃は、
リーの策を嘲笑うかのように、ワシントンに3発の命中弾を浴びせ、14インチ砲弾の防御しかない
同艦を一撃で爆沈に追い込んでいる。

だが、ここからがアメリカ側の本領発揮であった。
勢いに乗る武蔵は、アラバマを沈めようとしたが、砲撃を行った直後、アラバマは急激な転舵で回避。
思わぬ軌道に唖然とする武蔵に、今度はマサチューセッツが砲撃を加え始めたのである。
一隻が回避に特化し、もう一隻が砲撃に特化する。
これがリーが考えた秘策であり、同時にラプラタ沖海戦で、イギリス海軍の三隻の巡洋艦が
シュペーを最終的に自沈に追い込んだ戦法であった。
この戦法に武蔵は徹底的に翻弄されることになる。
いかな破壊神と言えども物理法則にはかなわない。何しろ撃った瞬間に相手は回避行動に移るのである。
そして砲弾は予測された未来位置以外には着弾しない。
勿論、回避した敵艦もまた、射撃に移るには時間がかかるが、しかし相手は二隻いるのである。
どちらかが回避すればどちらかが撃つ。着弾時間は長引くものの、確実にダメージは受けるのである。
砲撃から20分ほどたつと、レーダー射撃を考えれば、やや少ないものの、それでも多数の砲弾を
受けた武蔵の船体は至る所から火災が発生し、パーペットに着弾した第一砲塔は旋回不能になっていた。
この状況に、アラバマとマサチューセッツでは歓声が沸き起こっていたという。
一時戦列から離れていたアイオワもこのころには戦列に復帰しようとしており、敵の巡洋艦隊や
水雷戦隊も抑えつつあり、アメリカの勝利は目前に迫っていた。

しかし、事態はさらなる展開を見せる。
アメリカ海軍巡洋艦部隊と殴りあっていた鈴谷と熊野が強引に警戒線を突破して戦艦群に突撃したのである。
ただでさえトップヘビーだったのが、燃料不足も相まって艦の安定性が悪化し、結果的に命中率が悪化した
のと、1万メートル付近での殴り合いに際し、日本海軍巡洋艦部隊は最適の防御構造をとっていたのが
合わさっての事だったが、盾となるマイアミに多数の20センチ砲弾を叩き込んだ後(マイアミはダメコン
に失敗し、後沈没)それぞれも上部構造がボロボロになりながらも最大船速で突っ込んだのである。

この状況に、アラバマとマサチューセッツは、砲撃対象を武蔵から2隻の重巡に移した。
燃え盛る武蔵からは砲撃速度は明らかに低下しており、逆に日本海軍重巡は酸素魚雷を装備している
ことから、どちらが脅威対象かというと、重巡に比重を移すのも無理はなかった。
そして彼らは2斉射の後、鈴谷を爆沈し、熊野を停止状態に追い込んだのだが、この一瞬のすきが命取り
になる。
鈴谷と熊野が作った機会を、武蔵は無駄にすることはなく、アラバマが熊野に放った瞬間、アラバマに
怒りの一撃を叩き込むことに成功する。
これまで破壊神を愚弄するかの如く、挑発的なステップを踏んでいた彼女であったが、自らの砲撃で
ステップを踏むことが出来ず、破壊神の一撃をまともに受け、自らの行いを恥じるかのように、
海に没することになる。
そして急な展開に我を忘れたマサチューセッツは、アイオワやようやく復帰しようとするニュージャージー
と共同で先程の策を取ることもせず(同型艦でない為、艦隊運動の混乱になりかねない事と、アイオワの
命中率が予想以上に悪かったこともあるが)武蔵との殴り合いを継続。
数発の砲弾を叩き込み、武蔵の傾斜を強めはしたものの、自身も数発の弾を浴びて大破。
海水の流入に耐える事が出来ず、海戦終了後に自沈することになる。

880yukikaze:2014/07/21(月) 18:39:19
だが、武蔵の頑張りもここまでであった。
既に傾斜の度合いは強く、砲撃を行う事は不能。
第七戦隊の重巡二隻は既になく、第四水雷戦隊も、敵の巡洋艦と駆逐艦何隻かと刺し違えて壊滅している。

「もはやこれまで」

白石提督は生き残ったわずかな艦艇に撤退を命じると、のろのろとした速度で、スリガオ海峡の一つの小島
に進み始めた。
どうせなら陸地に乗り上げることで一人でも多くの乗組員を助けようとしたのだ。
アメリカ側もこの事実には気付いていたが、しかしそれを許すわけにはいかなかった。
それを許せば完全な勝ち逃げになるからだ。
アイオワとニュージャージーの支援の元、生き残った駆逐艦部隊は一斉に魚雷を発射。
4本の水柱が武蔵の右舷に立ち上った時、武蔵の傾斜は一気に拡大し、そして海面に横倒しになった。
まるで古の恐竜が、力尽きるかのように。
ある従軍記者は「我々は本当にあの破壊神を倒せたのか半信半疑であった。もしかしたらまた浮き上がって
咆哮を上げるのではないかと。破壊神が海中で2度大爆発を起こして、黒煙が立ち上っても尚、歓声どころ
か不安そうな表情を浮かべているものが殆どであった」と記している。

このスリガオ海峡海戦によって、一連の海戦は終わりを告げることになる。
追撃をするにはハルゼー艦隊は損傷を受けすぎており、更にミッチャーの艦隊が殴りかかるには、宇垣艦隊は
離れすぎていた。
余談だが、この海戦に参加し、尚且つ大破しながらも生き残った時雨と夕立は「希代の強運艦」として
その武勲を讃えられることになる。

以下が両軍における最終的な被害である。

日本海軍

沈没
<大鳳><翔鶴><飛鷹><瑞鳳><千歳><千代田>
<武蔵>
<鈴谷><熊野><愛宕(自沈)><鳥海(帰路、潜水艦により)>
<阿賀野><鬼怒><大井>
駆逐艦8隻

大破
<龍鳳><隼鷹>
<霧島><伊勢><日向>
駆逐艦4隻

中破
<瑞鶴>
<大和><榛名>
<高雄><妙高><筑摩><摩耶>
<北上><那珂><球磨><多摩><木曽>

アメリカ海軍

沈没
<ファンショー・ベイ><セント・ロー><ホワイト・プレインズ><カリニン・ベイ><ガンビア・ベイ>
<ワシントン><マサチューセッツ><アラバマ><メリーランド><ウエストヴァージニア>
<ミシシッピー><カルフォルニア><テネシー><ペンシルヴァニア>
<ルイスビル><ポートランド><ミネアポリス><シュロップシャー>
<ヴィンセンス><マイアミ><ピクロシー><ナッシュビル><ボイシ><フェニックス><サンタフェ>
<デンバー><コロンビア>
駆逐艦26隻
輸送船団多数

大・中破
<プリンストン(陸上機の攻撃)>
<バーミングハム>
駆逐艦7隻
輸送船団多数

881yukikaze:2014/07/21(月) 18:48:07
何とか終了。いやあ・・・派手な殴り合いさせたもんです。
当初の予定と比べてアメリカ海軍巡洋艦部隊の被害が激増していますね。
当初予定では8隻沈没でしたが、第七艦隊が文字通り全滅してしまったので
最終オーダーは13隻の沈没。
これですらまだ回復可能って所に、米帝いい加減にしろという気分が起きるの自分だけ?

あと、読めばわかりますが連合艦隊も、戦略上では圧勝ではなく辛勝ですね。
これ以降日本海軍は大規模な海上機動戦を封じられることになります。
小沢機動艦隊を囮にした代償は大きいものでした。
逆にアメリカ海軍は、戦術的には大敗ですが、第三艦隊の空母群が、艦載機は
半減しましたがそれ以外は無傷ですので、半年後は強力な牙となって攻め込める
ことになります。つまり時間が立てばたつほど日本が不利に。

もっとも、大規模渡洋戦力が壊滅し、司令部も太平洋艦隊と第三艦隊は更迭確定で
第七艦隊は文字通り消滅と、アメリカ軍の人材枯渇は司令部の面で深刻な影響を与える
ことになる訳ですが。

一応次回がラストエピソードになります。
ストーリー的にお気に召さない方もおられると思いますが、次が最後ですので
我慢していただければ幸いでございます。

882New:2014/07/21(月) 18:52:12
乙です。武蔵散る( `ー´)>
米海軍は頭が冷えたと思ったら大被害で真っ青になってそうだな。

883名無しさん:2014/07/21(月) 19:03:33
すいません、ピクロシーって何ですか?

ググっても出てこないのですが

884名無しさん:2014/07/21(月) 19:04:19
乙です。大和型戦艦は化物か……
それにしても、武蔵の沈没位置もわかってるから宇宙戦艦ヤマトではヤマトとムサシにシナノまで加えた大和型三姉妹の活躍が見られそうですな

885トゥ!ヘァ!:2014/07/21(月) 19:06:14
乙です

殿艦隊に敬礼

にしても両軍とも凄まじい被害が出たもんだ(汗

886yukikaze:2014/07/21(月) 19:09:08
>>882
後世ハルゼーが愚将扱いされる要因の一つとなります。
無理な進軍をしたことで被害を増やしてしまったと。
反対派にしてみれば翌日の航空攻撃で対応できたはずだと。
まあここら辺は全部ifになっちゃうんですけどね。

>>883
失敬。ビロクシーの打ち間違いですわ。

>>884
実際問題化物ですよ。
少なくとも3万5千トン級戦艦なら2隻相手に出来る位のレベルですし。
だからこそリーは史実ラプラタ沖海戦の戦法を利用して、数で押しつぶそう
として、半ば成功を収めています。
彼らも何も考えていなかった訳じゃないんですよ。

887攻龍 ◆N7DVv.HogQ:2014/07/21(月) 19:12:27
お疲れ様です。
いや〜、武蔵、壮絶な最後でしたね…。
鈴谷、熊野も重巡のお手本的な戦いでしたし。

>ピクロシー
綴りからいえば"ビロクシー"のほうが正しいかも。
クリーブランド級軽巡洋艦 Biloxi CL-80(同級計画18番艦、就役12番艦)

888名無しさん:2014/07/21(月) 19:12:54
アメリカの巡洋艦丸々消滅してね?これは

889名無しさん:2014/07/21(月) 19:14:33
さりげに史実では沈んだプリンストンが生還しているんだな

投下乙です

890名無しさん:2014/07/21(月) 19:14:47
しかし、ここまでやっても勝てないって米国どんだけやねん……
連合艦隊やロイヤルネイビーなら既に二回どころでなく消滅してるぞ……
earthさんが本編で水葬戦記を決断する訳だわ

891名無しさん:2014/07/21(月) 19:22:18
アメリカとソ連にそこそこ巨大な隕石が落ちるのを祈るレベル。

892名無しさん:2014/07/21(月) 19:35:07
>>890
最終的に日本の方が戦力尽きて敗北を受け入れざるをえなくなるレベルの相手だからね。

893名無しさん:2014/07/21(月) 19:36:23
逆にいえば、アメリカ海軍以外なら、余裕で勝てる日本海軍という

894名無しさん:2014/07/21(月) 19:37:44
機関銃持ち出すなよw

895名無しさん:2014/07/21(月) 19:39:11
レイテ当時の戦力ですらフランス、イギリスボコれるのにイタリア、ドイツ海軍ときたら。

896名無しさん:2014/07/21(月) 20:23:05
工業力が低いとか上層部の硬直とか陸海軍の対立とか言われても、世界3位の海軍力は伊達じゃない。
ロイヤルネイビーだって戦艦は旧式か欠陥艦で空母の中身はアレという状態です。

897名無しさん:2014/07/21(月) 20:26:32
第2位と評価してもおかしくないな。実績的に

898トゥ!ヘァ!:2014/07/21(月) 20:28:27
色々いわれれますがアメリカと真っ向からやり合えた稀有な海軍なんですよね…

899名無しさん:2014/07/21(月) 20:36:45
>>893
単純な海軍の軍事力では当に第二位なんですよね。
長距離移動するだけの補給手段が確保できるかとかは別にしますが(汗)

アメリカはそういうのも含めて当に世界最強なんだよなあ。

900名無しさん:2014/07/21(月) 20:42:16
史実でもアメリカ以外だったら海軍の再建をあきらめるレベルの損害を与えてるけど、
それを回復するどころか数倍の艦隊にして戻ってくるのがアメリカ

901トゥ!ヘァ!:2014/07/21(月) 20:50:23
もうアメリカってなんなの…

902名無しさん:2014/07/21(月) 20:52:30
ファンタジー国家もしくは超大国

903名無しさん:2014/07/21(月) 21:15:42
他にもマンハッタン計画とかVT信管の開発生産の予算も別枠。
ジェットもパーシングも無理すれば実戦配備可能だけどそのままでも勝てるから技術の熟成を選択。
これがコメリカ帝国。

904名無しさん:2014/07/21(月) 21:17:02
ところがどっこい‥‥‥‥幻じゃありません‥‥‥‥! 現実です‥‥‥! やつは現実‥!(濁った眼

905名無しさん:2014/07/21(月) 21:18:53
もし日本がそんなアメリカの艦隊をその都度火葬にしていたら日本どんな二つ名をもらっていたんだろうか。

906名無しさん:2014/07/21(月) 21:23:25
火葬国家日本とか?
火葬国家vs幻想国家

907名無しさん:2014/07/21(月) 21:24:36
海上のルーデルだなこれ以上の説得感はない。

908名無しさん:2014/07/21(月) 21:25:09
軍事的正論を真正面から押し通せる唯一の国。
最近は色々と配慮が過ぎてのた打ち回っている様ですが。

909名無しさん:2014/07/21(月) 21:27:55
やはり経済大将軍には米帝も勝てないのか

910名無しさん:2014/07/21(月) 21:28:10
陸のヘイヘ、空のルーデル、海のYAMATO

911名無しさん:2014/07/21(月) 21:31:35
三体揃ってバビル二世の下僕なりって違うかw

912名無しさん:2014/07/21(月) 21:31:51
ギネスに乗るな大和型戦艦伝説が。

913名無しさん:2014/07/21(月) 21:32:33
まあ、たとえどう足掻いても結局は正攻法で踏みつぶしてしまえるんですよねえ。

総合していくと戦術勝利を収めた側が人的にも物的にも筆舌にし難い大損害を最終的には負っているんだよなあ。

914名無しさん:2014/07/21(月) 21:35:40
>>912
アメリカも載るかもね戦術的敗北を幾度もしたが正攻法により結局日本に自分以上の損害を与え屈服させたんだから。

日本海軍は壊滅し、陸上機部隊も九州方面の精鋭が壊滅状態。陸軍もすり切れている。という結果が残るからね。

915名無しさん:2014/07/21(月) 21:37:26
流石のアメリカだって戦艦数十隻空母数十隻その他千隻位沈めれば勝てるから(震え声

916名無しさん:2014/07/21(月) 21:38:45
しかし・・・マリアナの攻略は諦めたはずなのに
陸軍が報復としてB29で東京を丸焼けにしたとあるけど
何処から飛んできたんだ?

917名無しさん:2014/07/21(月) 21:40:30
旧八八艦隊物語だったか、陸の東部戦線、海の太平洋戦線。と言っていたが、この世界も損害を見るとそう言われそう。

918名無しさん:2014/07/21(月) 21:43:04
中国の基地からは可能……だが、展開と補給が大変なので
丸焼けにするには何回爆撃が必要なのか。と言うか、護衛機なしで燃料ギリギリだからキツイぞ

919名無しさん:2014/07/21(月) 21:44:22
空母を合体させてだな…

920名無しさん:2014/07/21(月) 21:46:46
護衛空母を横に50隻?

921名無しさん:2014/07/21(月) 21:47:58
いやいや、合体させるならB29をだな。ツインフォートレスとか胸が熱くならんか?

922名無しさん:2014/07/21(月) 21:48:43
福島「過去の米軍の実績が私の言葉の正しさを証明してます(キリッ」

923名無しさん:2014/07/21(月) 21:50:09
報復って何ぞや?

と思ったら、>>624のssね

確か、これはyukikaze様のss観だからマリアナは占領してませんね

おっしゃるように色々足りませんね

924名無しさん:2014/07/21(月) 21:50:39
>>918
マリアナが制圧できないと反復爆撃を何度も繰り返さんとあかんからねえ。
日本軍が維持できなくて自発的にマリアナから撤退した、でもないと。

925名無しさん:2014/07/21(月) 21:52:49
>>916
ひゅうが氏の世界観でもマリアナでアメリカ軍は大打撃を受けているはずだからね。
ただマリアナが守り切れたかどうかはわからないからその後、結局陥落ないし日本軍が撤退するしかない状況に追い込まれ占領したマリアナから一斉に出撃という可能性もあるかと。

926名無しさん:2014/07/21(月) 21:55:53
それに史実と違って戦後も1個とはいえ空母機動部隊を保持し続けるわけだから、運用ノウハウなんかも途切れることなく存続するわけで
今後は合同演習もやるだろうし日米機動部隊は仮想的には困らないから、米海軍なんかは史実より運用がより洗練される可能性もあるね

927名無しさん:2014/07/21(月) 21:57:09
恐怖!100機単位のガソリンの空中給油。
途中不時着でソ連が大量にゲットした模様。

928名無しさん:2014/07/21(月) 22:01:26
>>926
米軍指揮下での合同艦隊による作戦行動なども普通に考えられるからねえ。
当然の様に合同訓練を繰り返し演習も行うから当然、洗練されていくよね。

順次独立していく親米国家とも軍事演習するだろうし全体的に底上げできるかもね。

929ひゅうが:2014/07/21(月) 22:13:10
ああ、日本側はマリアナ防衛困難と判断し撤収にかかっています。
しこたま艦砲射撃で叩かれたうえ、5倍の敵戦力に攻められて防衛線力は壊滅寸前。
そこへきて数十隻の空母機動部隊が真珠湾に姿を現したわけですから、とても防衛態勢の再建は困難です。
(マーシャルやビアク、パラオが陥落していますし)

これらの結果、レイテ沖時点(10月末)でマリアナは陥落。
日本本土への大規模空襲は12月からとなり、空襲被害が大幅に縮小されることとなります。
副次的効果として、レイテへの投入戦力が少し少なくなっています。

930yukikaze:2014/07/21(月) 22:22:24
>>887
日本海軍重巡の一番恐ろしい所ですよねえ。艦隊決戦に徹底的に
適合させたために、近距離での突撃戦に猛威を振るうと。

>>888
ソロモンの被害も合わせると、並みの海軍なら壊滅状態です。
アメリカ海軍だからこそなんとか耐えぬいている訳でして。

>>894
いや・・・これでも押さえたんですぜ。最初の原案はM1917でしたし。

>>912
世界で一番多くの戦艦を沈めた戦艦でのるかも。
以前提示しましたけど大和と武蔵合計で2ケタ沈めているんですよねえ。

>>913
アメリカの戦争マシーンがフル稼働した時点でピュロスの勝利以上の勝利はありえません。
しかも一度犯した失敗は二度としないのがデフォですから。
戦術的には大敗北したフィリピン戦も、前回のマリアナの敗因である基地航空艦隊と
空母機動艦隊の飽和攻撃を、基地航空艦隊を叩き潰すことで封殺していますので
戦訓を反映しているんですよ。

>>925
ひゅうが氏の世界観では第一次マリアナ沖海戦では攻略できなかったけど、
後に攻略していそうな雰囲気なんですよねえ。
フィリピンのあの大敗北で渡洋戦力が壊滅した以上、マリアナに行けるかというと
困難だと思ったので(行こうと思えば行けるが、その代わり沖縄戦は相当ずれる)
パラオからの空襲だけにしましたが。

まあパラオからでも東京爆撃できますし、夜間低域での空襲(焼夷弾)且つ強風で
下町が焼けた可能性はありますが。

931894:2014/07/21(月) 22:32:39
キングって相当嫌われてるんだな。

932New:2014/07/21(月) 22:41:50
ニミッツは戦後にMG42でも使ってそうだな。

933名無しさん:2014/07/21(月) 22:42:09
>>931
女好きで大酒飲みだったんで奥さんや子供からも総スカンだったらしいからね。
ぶっちゃけどうやって結婚したんだろうこの人?

934894:2014/07/21(月) 22:45:57
パーティに出席しながら、頭ん中では飛ばす部下の名前を浮かべてて
手は女のケツを触ってた、とかなんとか。

結婚は、上司が勧めたかなんかかな。

935名無しさん:2014/07/21(月) 23:07:49
確か結婚できていないと一定以上の階級には上がれなかったからじゃないっけ?

936名無しさん:2014/07/21(月) 23:20:46
しかしアメリカは人的資源は大丈夫なんですかね。
当時のアメリカの人口は1億3千万人くらいですからね。
人的被害が多いと兵器があっても兵士がいないという状態になりかねないんですが。

937名無しさん:2014/07/21(月) 23:21:06
この当時だとある程度の年齢だと結婚してるのが常識で、
結婚してないと人格等何か問題があると思われてしまう

938894:2014/07/21(月) 23:38:35
結婚云々は、今の日本の警察もだな。
離婚したりすると、出世が遅れるとか。

939名無しさん:2014/07/21(月) 23:40:43
>>936
確実に影響がでてくるだろうね。
戦後は日本の戦力を本格的にあてにしないといけないくらいには。

……アメリカでもガチで20〜30年は軍務省にとって涙すべき時間になるんじゃ(汗)

940名無しさん:2014/07/21(月) 23:42:47
大西洋では英・西独・伊三国、極東では日の戦力をかなり当てにしているでしょうね。
それとアジアでは台湾・ベトナム・インドネシアの戦力も当てにしているかもしれませんな。

941名無しさん:2014/07/21(月) 23:51:11
>>936
問題がないわけではないですが仮に戦死者の数が史実の倍になってもソ連の二十分の一以下。

942名無しさん:2014/07/21(月) 23:59:15
むしろソ連の戦死者数が異常なんだよww

なんであそこからある程度だが立ち直れたんだw

943 テツ:2014/07/22(火) 00:00:06
投下乙です
チェス親父、一体ストレス発散に何百発使ったんだ・・・(汗



既に陸海合わせて10万人以上のアメリカンボーイズが水漬く屍、草生す屍となってますからね
フィリピンを完全奪還したとしても、収支は大赤字でしょうね

944yukikaze:2014/07/22(火) 00:03:39
それではカーテンコールです。

  戦後夢幻会ネタSS――前史「彼らは来た」

9 饗宴の果てに

フィリピン沖海戦の結果は全世界を驚愕に陥れた。
万全の態勢で攻め寄せたと思われていたアメリカ軍は、日本軍の死力を超えた防戦の前に、大敗を喫したのだ。
戦艦だけでも9隻沈み、大規模な侵攻船団はレイテで壊滅。
死者が陸海軍併せて12万名。重度の負傷者も入れれば15万名近くを1戦で失ったのだ。
今後の戦争スケジュールに影響を及ぼすには十分過ぎる打撃であった。

このアメリカの大敗に各国の反応はさまざまであった。
ドイツのヒトラー総統は歓喜した。
彼は日本海軍の偉大な勝利を讃える演説をすると共に、アメリカの戦争脱落が近い事を高らかに歌い上げ
ドイツの勝利が近づいていると獅子吼した。
この彼の確信は、最終的には翌月行われた「ドイツ機甲部隊最後の勝利」と呼ばれるバルジの戦いを
引き起こすことになる。
対照的にイギリスのチャーチル首相は苦虫をかみつぶしていた。
太平洋でのアメリカの大敗は、日本の降伏スケジュールの大幅な遅れを意味するものであり、それは
日本に奪われている植民地解放が遅れる事でもあるからだ。
忌々しいことに今回の勝利で、水面下で接触していた独立指導者たちがイギリスに距離を置き始め、
植民地人の中には日本人の強さにあこがれを持ち始める者が増えだしたのだから猶更であった。
中華民国の蒋介石総統は頭を抱えていた。
夷を以て夷を制する筈が、日本軍の強さは彼の想像以上の強さであり、逆に彼らの方が屈服されかねない
勢いであった。彼はアメリカに更なる援助を要請すると共に、密かに日本との停戦へのパイプを作ること
も考慮し始めるようになった。彼にとって大事なのは自分の権力なのだ。
この状況を最も楽しんでいたのはソ連のスターリンであった。
欧州並びに極東でのソ連の価値がますます上がることが明白であったからだった。
彼は如何にして利益を上げられるか策謀に勤しむことになる。

各国がこのような思惑を抱いている中、渦中の両国はどうかというと政治的混乱に陥っていた。

945yukikaze:2014/07/22(火) 00:05:06
まず日本である。
国民は純粋に海軍の勝利に沸き立っていた。
正規空母2隻、そして巨大戦艦武蔵を失ったのはショックであったが、9隻の戦艦と15万人もの死傷者を
相手に強いたのである。国民は「連合艦隊の大反撃」に喝采を上げ、アメリカが降伏を申し出る日も近いと
勝手な憶測を立てていた。
だが、軍上層部においては大勝利を祝うどころか、海軍の怒りが爆発していた。
海軍にしてみれば、空母機動艦隊を壊滅させ、至宝というべき武蔵を失いながらも、アメリカ陸軍の大半を
レイテで撃滅したにもかかわらず、その残存部隊をむざむざ逃がした陸軍の失態に堪忍袋の緒が切れたのだ。
実際、レイテの大勝を聞いて意気軒昂になった第14方面軍は、既に敗残兵であるとしてレイテでゲリラと
戦っていた1個旅団の部隊を、マッカーサーが籠っているタグロバンに攻め込ませたが、本気になった
マッカーサーに叩き潰された挙句、負傷者も含む全部隊の撤退をむざむざ許したのであった。
第14方面軍は旅団長を処罰することで事態を収拾させようとしたのだが、フィリピン戦以来続く第14方面軍の
失態がそれで帳消しになるはずもなく、天皇の面前で古賀軍令部総長に面詰された東条は、第14方面軍関係者
の徹底的な処罰と、自身の陸相及び参謀総長職の辞職を表明するに至った。
勿論、対外的には「国家戦略に集中するため」とされていたが、今回の一件で東条の権力が失墜したのは
事実で、冬に行われた内閣改造では、遂に海軍から引導を渡された嶋田に代わって、副総理兼海相として
米内光政が、陸相に中立派の阿南惟幾が、陸軍参謀総長に東条と仲が悪い梅津美治郎と、軍に対する
発言権は格段に縮小している。
もっとも、東条は自身が考えていた「一撃講和論」が画餅に終わった事で、もはや戦争の行末に絶望し、
死に場所を探し求めるかのような心境を抱いていたことが、この頃の彼の日記からうかがえる。

そして大敗を喫したアメリカであるが、日本のそれが嵐だとしたら、アメリカのそれは天変地異であった。
それはそうだろう。アメリカ建国史上最悪の大敗北なのである。
欧州でも極東でも優位に立ちつつあった中での敗北なのだから、猶更風当たりは強かった。
その中でも怒り心頭だったのが、陸軍――いや、マッカーサーであった。
半ば八つ当たりのごとく攻め込んできた日本陸軍を撃破し、撤退する際も一番最後に乗船することで
「不屈の男 マック」「悲劇の将軍」とイメージ戦略に成功し、株が下がることはなかったものの、
悲願のフィリピン奪回を崩壊させた海軍への怒りは凄まじかった。
マッカーサーは自分達が建てた戦略がいかに優れていたかを事細かに説明してのけ、そしてここまでしたのに
なぜ負けたのか理解できないと、暗に海軍の失態を強調してのけていた。
陸軍上層部にしても、これからの戦略と戦後の政治的発言権を考えれば、マックを諌めるどころか、全力で
マックのサポートに当たり、アメリカ国内において陸軍は文字通り同情される存在になった。
そして陸軍への同情は、同時に歴史的敗北を引き起こした海軍への断罪へとつながっていく。
大手マスメディアや市民たちは口々に海軍の無能を叫び、レイテで戦死した将兵達の家族の声を紹介し、
それが更に海軍への批判へとつながった。
ワシントンと海軍が、被害のあまりもの凄まじさに報道管制を敷こうとしたのも裏目に出た。
海軍と政府は真実を隠そうとしているというマスコミの追及に、政府は釈明に追われることになり、
事態は、議会による大統領権限の縮小という事態にまで話は及ぼうとしていた。
議会にしてみれば、前人未到の第四選を果たしたルーズベルトの権力にどこかで歯止めをかけないと
万が一独裁者になった時が危険であると考えたのだ。
ヒトラーが民主的に独裁者になったのを考えればその懸念も無理はない事であった。
彼らはルーズベルトの能力は認めていたが、ルーズベルトが独裁者になるのを認めるつもりはなかった。
そして議会側の戦争指導に対する追及と、連日のマスコミの批判はもともと体が頑健でないルーズベルトの
心身を蝕むことになり、遂に11月15日に、議会の答弁中ルーズベルトは倒れ、そのまま執務不能に陥ること
になる。

946yukikaze:2014/07/22(火) 00:05:36
戦争期間中に政治的空白が起きるという最悪の状況にアメリカ政界は混乱し、そしてそれは戦争指導の
混乱に繋がることになる。連合国にとって最悪の危機であり、そしてスターリンが野心を増長させた
要因でもあると言われている。
結果、1週間の政治的空白の後、現副大統領であるウォーレスが大統領となり、次期副大統領のトルーマン
が副大統領になることが決定された。
トルーマンも「ウォーレスならば」と彼を支えることを表明し、ウォーレスも議会に協力を求めた事から
議会も彼には協力的で、バルジの戦い以後の苦境にも大統領を支える事で、ヒトラーの言う「アメリカの
脱落」どころか「危機時におけるアメリカの真の強さ」を証明することになる。
もっとも、今回の敗戦で海軍の政治的発言力は地に落ちてしまい、ニミッツ太平洋艦隊司令長官は辞職。
ハルゼー大将も二階級降格の上予備役編入、ミッチャー中将も休養を名目に空母機動艦隊司令官の職を
キング子飼いのマケイン中将に奪われることになる。
もっとも、キングも部下に責任を負わせて子飼いのお気に入りを空母機動艦隊司令官にしたとして、
海軍内の声望を極度に低下させ、それが「キングの大博打」と呼ばれる沖縄侵攻作戦へとつながっていく。


戦後、フィリピン沖海戦を語る上で、必ず触れられるifがある。

―――ハルゼー艦隊が最低でも31日夜半にフィリピン中央部から南部へと
   布陣しなおせば、アメリカ海軍の勝ちではなかったかと。

事実、戦後の査問委員会でも、この点を指摘され、結果的にハルゼーは
『米海軍史上最悪の敗北をした提督』として、即日予備役編入され、
歴史上から姿を消すことになる。

確かにこのifは魅力的なifではある。
仮にサマール沖に布陣しなおすことが出来れば、圧倒的な航空戦力で
宇垣艦隊を押しつぶすことは可能であっただろう。
そうなればレイテ沖の悲劇が起きる可能性もなくなるのである。
だが、事実はそうならなかった。
ハルゼーの航空機部隊は遂に宇垣艦隊を捉える事は出来ず、レイテ湾に
突入する宇垣を阻めなかった。

ハルゼーは、多くのこの人間から同種の質問を受け、そして沈黙で答えた。
彼は死ぬまでこの話題について論評しなかったが、ただ一度だけ、ある
人物の新聞でのコメントを読んで静かに涙を流したとされる。

『私がハルゼー提督と同じ立場にあったとしても、彼以上の行動を成し得た
 とは到底思えない。彼は与えられた条件下において最善の策を取り続けた。
 多くの人は私をレイテの勝者というが、私はそう思ってはいない。
 そう簡単に評価できるほどあの海戦は甘くはなかった』

男の名前は、小沢治三郎退役海軍大将と言った。

947New:2014/07/22(火) 00:13:04
乙です。日米ともに政治的にグロッキー状態w。
沖縄でも米軍が悪夢を見たしキングは陸軍に祟り殺されそうだな。

948yukikaze:2014/07/22(火) 00:14:04
これにてレイテ沖海戦終了。皆様付き合っていただきありがとうございました。

日本側はもう諦観すら漂っています。あれだけ叩き潰したのにまだやる気だよと。
東条が首相をやり続けているのも半ばスケープゴートです。
現状では和平派と言えども合衆国内部の政治状況が分からず身動きできませんし。

アメリカ側は、政府は危機に落ちいった時の強さを発揮します。
ウォーレス自身が議会に敬意を持ち、議会の面子を立てるようにしていますので
議会側もウォーレスにはかなり好意的です。
ただフィリピンの結果が結果ですので、海軍側はどうしても冷遇されざるを得ず、
結果的にキングの大博打へと繋がります。

次は許可いただけたら、パットン親父太平洋に来る辺りでしょうかねえ。
沖縄沖海戦はプロットできているんですけど、流石にこの前みたいに何度も言及
しているのにも関わらず、その言及部分無視して「違和感がある」「おかしい」なんて
言われると、あまり書く意欲がわかなくなるんですよねえ。
作品の批評をされる分には構わないんですけど、流石に文中で指摘しているにもかかわらず
それ無視して批判される(それも複数回)のはしんどいですし。

949名無しさん:2014/07/22(火) 00:19:21
乙でした
ハルゼーの一番の理解者が、かつての敵と言うのは何ともはや・・・
それだけに救いにはなったでしょうね


感想ではなくイチャモンを付けるのが目的の人は無視するのが一番
それでも突っかかってきたら嵐として処理すればおk

950トゥ!ヘァ!:2014/07/22(火) 00:28:48
乙です

戦ったからこそハルゼーのことを理解できた敵がいた。って感じですかね。




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