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避難用作品投下スレ5
481
:
終焉憧憬(3)/Light colors
:2009/11/21(土) 21:14:39 ID:AVTkPbzE0
差し伸べた手の先に、少女がいた。
辿り着けなかったはずの距離は、既に零に等しかった。
川澄舞の取り戻すと決めたその前に、交わらぬ道など、交わらぬというだけでしか、ない。
「―――あたしは」
少女が、静かに口を開く。
その瞳は真っ直ぐに私を見上げ、揺らがない。
「あたしは、明日が今日よりもいい日だ、って思う心。
そうじゃなきゃ許さないって願う力。そういうもの」
答えず、見据える。
それは少女の、かつて川澄舞の棄てたものからの、川澄舞に告げる断罪であり、
同時に真摯な祈りであり、そしてまた、切実な願いでもあるように、聞こえた。
「だから名付けて。あなたに還る前に」
それは、ひとつの戦いの終わりだ。
栄光を手に高揚を胸に凱旋する、足音も高らかな行軍だ。
「あたしの本当の名前を呼んで。そうしたら―――」
同時にそれは、長い戦いの始まりだ。
無限の勝利を前提に築かれる楽園の、嚆矢を引き絞る弓の軋みだ。
ならばそれは、その希求するのは贖罪などではなく。
釈明でも、償いでも、ありはせず。
「そうしたら、あたしは―――」
ただ一言、すべてを手にする歩みの、その最初の一歩であるならば、
それは。
―――希望、と。
.
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