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避難用作品投下スレ4

73十一時三十四分/悪夢顕現:2008/09/17(水) 15:03:54 ID:Qa0ikahc0
「何を企んでいるかは知らんが……」

最後の遮蔽物から、飛び出す。
機械人形の射線が捉えるのは疾走する光岡の影のみ。
手の一刀が閃き、

「……貴様の思う通りになど、させるものか!」

無防備な長瀬源五郎を断ち割らんと振り下ろされた。
がつり、と。
響いたのは、硬い音である。
長瀬の身体を取り巻くケーブルが、白刃を噛み、そして切り落とされた音であったか。
―――否。
光岡悟の愛刀は、ケーブルの隙間を正確に縫って、長瀬源五郎の身に届いていた。
しかし。

「な、貴様……!?」

その切っ先は、長瀬の身体を貫けない。
ほんの少し前、蝉丸の一刀によって容易く斬られたはずの長瀬の生身は、光岡の刃を何の変化もなく、
平然と受け止めていたのである。
強化兵たる光岡の膂力は常人のそれとは比較にならぬ。
その振るう一刀とて跋扈の剣と呼ばれる大業物の一振り。
集中如何では鋼鉄とて斬り割ると、自負していた。
それが、通らぬ。
何らの変哲もないと見える長瀬源五郎の青白い肌に、傷一つ付けられぬ。
驚愕する光岡の耳朶を、ふるふると震える耳障りな声が、打った。


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