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避難用作品投下スレ4
699
:
十一時五十七分 SIDE-B/星空の下で、あなたと
:2009/04/19(日) 02:12:07 ID:rS0OI3w60
『身体が……動かぬ……』
「あら、ごめんなさい。ほんの少しだけ、貸して頂戴ね」
苦しげに呻く神奈へ事も無げに告げた春夏の声に、晴子の顔が険しくなる。
「目ぇ覚ましよったんか、あのおばはん……!」
狭いコクピットの中に唾を吐き棄て、それでも足りぬとばかりに傍らのコンソールへ拳を叩きつける。
睨みつけるように見たモニタの隅では無情に数字が減り続けている。
「クソが……最後の最後で……!」
残り時間、ほんの十数秒。
見下ろせば青い大地。
照りつける太陽は光度を自動調整されたモニタの向こうでなお目映く、
星空の中心で燦然と輝いている。
眼前には健在の主砲塔。
その向こうに見えるのは、何度も煮え湯を飲まされた黒の神像。
灼かれる大地に思い入れはない。何一つとして、ない。
決断は、一瞬だった。
「……観鈴」
『うん』
そこに余計な言葉はなく、しかし打てば響く答えが、心地よかった。
ただ心の通い合ったような錯覚を舌の上で転がして、晴子が快活に笑う。
同時、蹴りつけるように全力でペダルを踏み込み、操縦桿を一杯に引き倒す。
操作の意味するところは、最大加速。
刹那の間に展開した白翼が輝き、機体に循環する力を推進力として背後に放出し始める。
作用反作用の法則に従って弾かれたように前方へと押し出された機体が、瞬間的に音速を超過する。
抵抗のない真空中、減速なく加速し続ける機体が限界速度に到達するまで五秒とかからない。
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