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避難用作品投下スレ3
885
:
霧雨ニ響ク鳥ノ詩
:2008/07/30(水) 20:14:44 ID:cXyYwh360
男が持ち上げた、見覚えのある扇子。見紛うはずがない。何故なら、あれは麻亜子が実際に使っていた、鉄扇なのだから。
瞬間的に、麻亜子が記憶を手繰り寄せる。
あれを持っていたのは誰だったか。
学校でのいざこざがあったときに奪われたはず。
誰に?
たかりゃんの近くにいた、仲間っぽいツインテの女の子。
そして、たかりゃんの近くにはさーりゃんもいた。
逃げたあたし。
追っていたたかりゃんとさーりゃん。
燃え盛る家。
その前で、あいつらの持ち物だった荷物を持って何か確認し合う二人組。
事実が過去と繋ぎ合わさり、一つの推測を生み出す。
まさか、たかりゃんとさーりゃんを殺したのは、あの、二人?
状況証拠があまりにも揃いすぎていた。
冷静だったはずの頭が、どんどん熱を帯びて思考を一元化させる。封じ込めていたはずの余計な思考が入り込む。
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