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避難用作品投下スレ3

784Human Warrior(berserker):2008/06/24(火) 00:25:15 ID:hDv2p4Go0
 一声叫ぶと、由真は思いっきりステアーの引き金を引き絞る。
 しかし花梨が注意したように、ステアーには殆ど残弾がなかった。僅か一秒にも満たない間に、ステアーから弾が途切れる。
 郁未は飛んでそれを回避していた。弾が少ないということは郁未も知っている情報だった。入れ替わるようにして鉈を振り下ろす。
 もちろん由真はそのことを承知済みだった。腰を落としたのは理由がある。
 花梨が撃たれたとき、彼女はデイパックを落としていた。その中身も零れ出ている。
 そう、腰を落としたとき、由真は同時に花梨の『遺物』をすぐ拾えるようにしておいたのだ。由真が手に取ったのは――

「貰ったッ!」
「っ、甘いっ……!」

 特殊警棒が、郁未の鉈を弾く。金属製であるそれは硬度で言うなら互角の能力を有している。
 一歩、ダッキングして郁未は距離を取った。

「ちっ、やる……」
「けほっ、まだまだよっ!」

 咳き込みながら、由真は警棒を持って追撃。体力のあるうちにありったけ力を入れておかないとまずい。そう判断していた。

「伊吹さん! 聞いてる!?」
「……っ、はっ……」

 鉈と警棒がぶつかり合った瞬間、怯えたように、弾かれたように風子が反応する。由真からは確認できなかったが、その目は罪悪感に満ち満ちていた。
 だが構わず、由真は言葉を続ける。

「私は、別に気にして、ないから……伊吹さん、わざとやったんじゃないって、分かってるから!」
「無駄口が多いわよ!」

 郁未の切り返しの一撃。それが由真の肩を深く切り裂く。
 悲鳴を上げたくなったが、根性で堪える。というより、痛すぎて悲鳴があげられなかったのだ。


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