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避難用作品投下スレ3

773Human Warrior(berserker):2008/06/24(火) 00:20:32 ID:hDv2p4Go0
「三人とも! 逃げて!」

 郁未を押し倒しながら花梨が叫ぶ。
 由真は息を苦しそうにしながらも走れるだけの体力は残っていたようで、風子の方に走ってくる。
 良かった、これでいける……そんな一瞬の緩みが風子の中に生まれた。

 ――それが悲劇の引き金になった。

 一瞬の緩みがもたらした、手にかかる力の弛緩。それが下ろしかけていた、グロックのトリガーにかかった。

「……!」
 ドン、という衝撃が由真の胸を貫いた。
 何が起こったのか分からず、ゆっくりと由真は自分の体を見下ろす。

「あ、れ……」

 血が出ている。ドクドク、ドクドクと。花梨と同じように。
 そして、衝撃は前からかかってきた。それが意味する事実。その根源を、由真はのろのろと見つめる。

「あ、あ、あああ……っ!」
「……い、ぶ……」

 風子が、目の前の由真の姿に絶望の呻きをあげていた。そう、撃ってしまったのだ。
 風子が、由真を。思いも寄らぬ形で。

「――いやぁぁああぁぁあぁあぁああぁあーーーーーーっ!!!」

 響き渡る絶叫。愛佳が狂乱の叫び声を上げていた。
「こ、こまきさ、風子は、風子は……!」
 のそりとした視線を向ける風子に、愛佳は再び、怒りや憎悪よりも、恐怖を覚えていた。


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