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避難用作品投下スレ3

764Human Warrior(berserker):2008/06/24(火) 00:15:48 ID:hDv2p4Go0
「もう逃げ場、ないわねっ! 観念しなさい!」
 とうとう追い詰められたのだ。これで終わりだ、とでも言うように七瀬は裂帛の気合と共に顔面へとストレートを放つ――
「!?」
 ――はずだった。一歩踏み込もうとした七瀬の視界の端に、ちらりと人影が見えたのだ。

 それは退避した四人の誰かではないことは明らかだった。正面玄関から入ってくるはずがないし、何より、マシンガンを持っている!
 切磋の判断で、七瀬は大きくバックステップしてその場から離れる。
 一瞬の後に、ぱらららららららら、とタイプライターを叩くような音が響き、空間を貫いた。

「……!」
 二人纏めて攻撃するつもりだったのだろう。発射された弾の群れは七瀬のいた場所と、そして逃げられなかった名雪を蹂躙した。
 頭部に命中することこそなかったものの、体の中心部に弾丸が何発も命中し、ぐらりと名雪が倒れる。
 明らかに決定打だった。あれでは生きていたとしてもそう長くは持つまい。

「くっ、あんた……!」
 新たなる闖入者へと、七瀬は敵意の篭もった視線を向ける。そこにはかつて、いやつい先程交戦していた、もう一人の七瀬の姿があった。
「くそっ、相変わらず反応だけは鋭いな……さっさと倒れていればいいのに」
 七瀬彰が、苦々しげな顔をしながらそこに佇んでいた。

 愛佳と七瀬を追ってはきたものの、追いついたときには既に相手方で和解が成立しており、とても襲撃をかけられるような雰囲気ではなかった。
 これでは当初の計画が台無しであり、かといって尻尾を巻いて引き下がるのも彰としては頂けない。
 どうしたものかと離れた場所で思案していたのだが、そこに一人の少女がふらりと現れた。
 それはホテル跡までやってきた水瀬名雪だった。最初のうちはこいつをターゲットにでもするか、と思った彰だったがどうも様子がおかしい。
 しきりに様子を窺っているし、それに何度か手に持っていた拳銃を威嚇するようにこちらに向けてきたのだ。
 ただの偶然だろうかと彰は思っていたが、それを何度も繰り返されたのでやがてそれが偶然ではないということを理解せざるを得なかった。
 どのようにして彰の居場所を掴んでいたのかは定かではないが、恐らくはレーダーの類としか思えない。


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