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避難用作品投下スレ3

757Human Warrior(berserker):2008/06/24(火) 00:12:50 ID:hDv2p4Go0
「ええと、話を戻すようで悪いけど、察するに愛佳は仲間を間違えて殺しちゃって、それでパニックになってここまで走ってきた……のかな?」
「うん、それで間違いないと思うわ。よほどパニックだったみたい。見かけられただけで逃げ出されちゃったんだから……でも、これでもう大丈夫ね。あなた達がいるから。改めて言うようだけど、あたしは殺し合いに乗っている奴以外と戦うつもりはないわ。それと……ヘンに疑ってごめんなさい。自己紹介するわ。あたしは七瀬、七瀬留美」
「いや、こっちこそ誤解してたようでごめん。愛佳と一緒に居てくれようとしてたんでしょ? 礼を言うのはこちらの方よ。……あ、私は十波由真って言うの。よろしく」
「円満に解決したようで何よりですっ。風子の仲裁術は世界一ですね。ということで伊吹風子と申します。名刺もありませんが、お見知りおきを」
「あんまり出る幕がなかったけど……よろしく。笹森花梨でーす。で、由真。さっき行っちゃったあの子、なんて言うんだったっけ?」
「ん? ああ、あの子は小牧愛佳っていう名前よ。普段はあんなのじゃないんだけど……少し落ち着いてもらうのを待った方が良さそうね」

 傍目から見ても、愛佳の精神状態は察するに余りある。時間をかけて徐々に落ち着きを取り戻してもらうほかないだろう。
 そしてそれは必然的に、彼女らのここからの出発を遅らせることを意味していた。
 それは風子も花梨も理解していて、同じく納得もしていたので「待つよ」という旨の言葉を伝えてホテルに戻ろうと告げる。

「ありがとう……助かるわ。で、七瀬さん、あなたはどうするの?」
「まぁ誤解は解けたと思うし、それにこっちは仲間が欲しかったところだから……よければ、あなた達に同行させてもらえないかしら?」

 それは構わない、と三人は喜んで頷く。境遇を同じくする人間であったから、妙な連帯感があったというのも快諾した一因だった。
 七瀬にしても、善人を守る正義の味方という体面を得る事ができるのは願ってもないことだったので三人の返答を素直に喜んだ。

「そうだ、ホテルの中にはもう一人いるんだけど……あれはどう説明したらいいのかな?」
「……すれ違っただけの人でいいと思います」

 天沢郁未のことを言う花梨に、風子は不機嫌に応じる。
 どうも風子からすれば郁未は胡散臭く、いまいち信用ならなかった。
 無論そこに主観が入っているということは風子にさえ分かってはいたのだが、なんとなく風子の中にある何かが警鐘を鳴らすのだ。


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