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避難用作品投下スレ3
750
:
彼女達の流儀
:2008/06/21(土) 04:09:19 ID:Oe33YDa20
故に――
「初音さん、二人で、優勝しましょう」
「……え?」
急に言葉をかけられたからか、予想だにしない言葉が飛び出してきたからか、鳩が豆鉄砲を食らったように呆けた顔で、初音が有紀寧を見た。
今までのような作り物でない笑顔を見せながら、有紀寧は続ける。
「ご家族は亡くなってしまわれましたが……手立てがないわけではありません。優勝すればいいんです。優勝して、褒美の『何でも願いを叶えてもらう』……これで生き返らせれば大丈夫です。わたしも協力します。二人で、全員殺して……取り戻しましょう、家族を」
「……ゆきね、おねえちゃん……でも……」
「先程の放送でも、生き残れるのは二人になりました。だから最終的に初音さんとわたしが残っていればいいんです。何も心配することはありません。それに、初音さんだって家族を殺した人間に何も感じてないわけではないでしょう?
……初音さんは優しい人ですから、言い出せなかったのは分かります。でも何よりも大切なものを奪った人を……妹同然の初音さんの家族を殺した人を、わたしも許せません。だから、二人で殺しましょう?」
半分は嘘。半分は本当。
初音となら生き残ってもいい、そんな感情を持ちながらも自分がまず生き残りたいという思いもあった。
実際に、初音を殺し合いに乗せるために心にも思ってないことをベラベラと言ってのけているのだから。
結局は利用しているのに過ぎないのかもしれない。しかし、それで自分達が生き残れるのなら、いくらでもそうする。いくらだって嘘をつく。
それで、幸せになれるのなら。
「わたしが初音さんを守ります、何があっても」
「……お姉ちゃん」
迷いを含んでいた初音の瞳から、それがだんだん抜けていっているのが、有紀寧には分かった。
代わりに、その色が黒く、闇に染まってきているのにも。
「……いいの? それで、いいの? わたし、止まらないよ? 止まらないかもしれないよ?」
「じゃあ、もう一度聞きます。初音さん、あなたの家族を殺した人たちが……憎くないんですか」
「憎いよ」
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