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避難用作品投下スレ3

679Left alone:2008/06/02(月) 23:12:04 ID:iNSwEiiU0
 横に並びたい。
 立派に、自分の足で歩いてるリサさんの横に並びたい。

 それで、聞いてあげたい。
 私が苦しみや悲しみを打ち明けたように、リサさんにもそうしてもらいたい。
 傲慢かもしれないけど、リサさんはそれくらい大切な人だから。

 だから、その日が来るまで……
 私を、見てて。

     *     *     *

 一通り訓練が終了したときには、既に時刻は夕方近くなっていた。
 栞は未だにぶつぶつとそれまでに教え込まれたことを反芻していたが、リサが軽く頭を叩く。

「根を詰めすぎ。気持ちは分からなくもないけど、少しは気持ちに余裕を持ちなさい。精神的に余裕があるとないとじゃ命中精度も変わってくるんだから」
「あ、はい……そうですね」

 言われて、ようやくそれに気付いた栞はM4を下ろすと、ほっと一息つく。
 終わってみればもうくたくただが、それなりに構えは形になってきている。

 飲み込みの早さはリサも認めるくらいであった。
 それに特筆すべきは姿勢の維持精度。
 殆どブレがなく、伏せ撃ちの体勢のときはまるで石のように微動だにしない。

「じっとしているのは、得意なんです」

 とは栞本人の弁であるが、恐らくは天性の才覚だろうとリサは考えていた。
 恐らくは、もっと射撃経験を積めば狙撃手の片鱗を見せることは間違いない。惜しむらくはスナイパー・ライフルが手元にないことだ。
 職業柄、どのライフルが栞に合うかどうか考えてしまっている自分に、リサは苦笑する。


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