したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

避難用作品投下スレ3

615アイニミチル (1):2008/05/10(土) 15:27:22 ID:MN3neXwE0
「少し、講釈をしましょうか……『先輩』として」
「……くぅっ……!」

茜のハイソックスの内側に、蚯蚓が入り込んだ。
踝を嘗め回されるような、鳥肌の立つ感触。
白い布地の内側から粘液が染みて、その色を変えていく。
既に声など聞こえていないようだった。
構わず言葉を紡ぐ美汐。

「―――GLは憧憬。凛と立つ百合に添う薄暮の茜」

謡うような節回し。
細い美汐の声が、このときばかりは凛々しく張り詰めたものとなっていた。

「あなたの手にしている書の、冒頭に記された言葉です。
 GLの概念を示したものと伝えているはずですね」
「……ぁ……っ!」

まとわりつく蚯蚓を払おうと振り回されていた、茜の空いた方の手が、数匹の蚯蚓によって捕らえられた。
白い二の腕についた柔らかな肉を食むように、蚯蚓が這い回る。
その通った跡に残る粘液が淡い赤光を反射して、てらてらと煌いた。

「ちなみに、BLの使徒が持つ書の冒頭には、こう記されています。
 BLは幻想。麗しき薔薇の咲き誇るを飾る蒼穹の風、と」

両の手を押さえられ、制するもののなくなった茜の身体に、蚯蚓が我先と這い上がっていく。
ベージュのベストの裾が捲り上げられた。

「どうしてそんなことを、とでも言いたげですね。
 何故BLの書に記されていることを知っているのか、と」

茜は美汐の方に視線を向ける余裕もない。
ベストの下に纏った白いシャツのボタンが、ぷつりと弾けて飛んだ。
臙脂色のスカートの上、ほんのりと薄く紅潮した肌が外気に晒される。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板