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避難用作品投下スレ3

593Trust:2008/05/05(月) 17:18:32 ID:rjytJX2E0
「お前……それは、どういう事だっ! 佐祐理さんが、殺されたっていうのかよ!」
 祐一の怒りは、柳川に向けられた。ワルサーP5の銃口が、真っ直ぐに、しかし若干震えながら、柳川の胴体を捉えている。

「……そうだ。残念ながらな。だがやったのは俺じゃない、やったのは、今まさに嘘をついているあの女だ!」
 柳川の指差した先。そこにいる椋が、「ひっ」と短い悲鳴を上げる。祐一の鋭い視線が、今度はそちらに向けられる。

「そ、そんな、わたし嘘なんかついてません! 殺したのはこの人です! 本当に殺されそうになったんです!」
「貴様、まだ口から出任せを……! どけ! 邪魔さえしなければ手出しはしない! こいつは嘘をついて内からお前らを殺そうとしている!」
「信じて下さい! みなさん、わたし殺してなんかないんです!」

 涙を浮かべ、必死に無実訴える椋の顔と、悪鬼ともとれる柳川の形相。

「悪いが……俺はあんたを信じない。いきなりやってきて、佐祐理さんを殺したって……ふざけるなよ、佐祐理さんはこんな殺し合いを望むような人じゃない。藤林だってそんなことをするような人間じゃない。どう見ても、罪を擦り付けようとしているのはアンタだっ!」
「待て祐一! 俺とあの人は前に会ったことがある。その時は殺し合いに乗ってるようには見えなかったんだ! 早まるな!」

 押し留めようとする浩之だが、祐一はそれがどうしたと反論する。

「前は前だろっ!? 心変わりするなんていくらでもある事じゃないか! 俺はそのせいで何度も裏切られて、こんな目に遭ってきたんだ! それとも浩之、お前は藤林が殺し合いに乗った奴に見えるのか!?」
「それは……そうだが……」
「俺だって殺し合いはしたくない。だからアンタ、今回は見逃してやる。さっさとどっかに行けよ。俺だけは、アンタが信用できないからな」

 再び、祐一は銃口を柳川に向ける。今まで朝霧麻亜子や向坂雄二など、幾度となく裏切りの様子を目の当たりにしていたことと、これ以上仲間を犠牲にしたくないと思いつめていた祐一は、気が昂ぶっていた。メンバーの中でまともに戦えるのが祐一だけだというのも、それに拍車をかけていた。だが……

「断る。藤林椋、貴様を放置しておいては災いの種になる。悪いことは言わない、後悔したくなければどいていろ。邪魔をするというのなら……貴様らも殺す」


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