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避難用作品投下スレ3

592Trust:2008/05/05(月) 17:18:12 ID:rjytJX2E0
「お、おい、あいつは前に会ったことがあるんだが、何だよありゃ!? なんか銃構えてるぞ!」
「……なんか知らんが、とりあえず観鈴と川名、藤林は後ろに下がってろ! 俺と浩之で前に出るぞ!」
「お、おう!」

 手で下がらせるようにしながら、祐一がワルサーP5を、浩之が包丁を持って備える。

「あ、ああ、あの人!」
 後ろに下がった椋が、怯えたような声を上げる。「ど、どうしたの?」と観鈴が聞く。

「き、気をつけてください! あ、あの人、殺し合いに乗ってるんです! 前に一度襲われたことがあって――」

 椋が言いかけている途中で、柳川が叫んだ。

「そこをどけっ! 後ろにいる女は、殺し合いに乗っている! そいつのせいで――」

「倉田佐祐理が殺されたんだっ!」「倉田佐祐理さんが、殺されたんです!」

 まるで示し合わせたかのように、二人が、佐祐理の死を告げた。しかし相反する物言いに、観鈴は「え?」と混乱するばかり。
 みさきと浩之は困惑したように顔を見合わせる。

「ひ、浩之君、あの人は……」
「確か、前に会ったはずだが……全然様子が違う。楓とかいう女の子のために泣いてた、あの時とはな……嘘、だったのかよ?」
「そんな……あの涙が、嘘だったなんて、思えないよ」
「俺もそう思うが……けど、別れてから大分経つし……くそっ、判断できねえ」

 二人が思案している中、ただ一人、祐一だけは違った。
 真実を知っているわけではない。『倉田佐祐理の死』を知らされたことが、そして同時に『二人のうちどちらかが嘘をついている』ことが怒りを呼び、彼の頭を真っ白に消去していく。


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