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避難用作品投下スレ3

586Trust:2008/05/05(月) 17:15:25 ID:rjytJX2E0
「いや、実は限定的だが参加者の位置を掴めるものを持ってるんだ。詳しいことは実物を見せりゃ分かるが……パソコンがないと使えなくてな。まあ、そいつで医者が学校にいることが分かったってわけだ」
「……そうだったんですか。それは、別にパソコンに詳しくなくても使えるんですか?」
「まあな。ちょっとした操作手順は必要だが」

 その言葉を聞いて、心中で椋はほくそ笑む。参加者の位置が分かるという代物。
 生き残りを図るには最適。姉の位置を知らないといったが、中には掴めないものもあるのだろう。それならそれでいい。見つかるまで探せばいいだけのこと。
 それよりも、是が非でもこれを手に入れなければ。
 ……いや、その前に、氷川村に向かわせよう。ルート的に神社方面から向かうのは柳川達に遭遇する危険がある。
 なるべくなら、安全策をとるべきだ。

「そうですか……あの、なら、いきなりで差し出がましいようなんですが……怪我人もいらっしゃるようですし、山から行かれるのは」
「ああ。それは分かってる。今から氷川村を通ってなるべく負担がかからないように行くつもりだ。……急がなきゃ、いけないんだけどな」
「うん……ごめんね、祐一くん」

 背中の観鈴が、しょんぼりという様子でうな垂れる。それは椋にとってはどうでもいいことだったが、誘導する必要がなくなった分、それはありがたいことではあった。
「なら……その、これからも、お、お願いしますね」
 ぺこりと頭を下げ、偽りの仲間入りを果たす椋。その悪意にも気付かず、四人はそれを快く出迎えた。

 それがまた、一つの運命を、変えることになる。


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