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避難用作品投下スレ3

549今日は金曜日/Deathrarrle:2008/04/30(水) 11:36:31 ID:6dCcGcdg0
 漸く会話に乗ってきた。女性か。木の陰に隠れてこちらを見ているのが見える。
「ほう……何故だ?」
「うーの正体も分からぬまま投降しろと? ふざけるな」
 まぁ当然か。さてこいつは。敵か、味方か。
「じゃあどうする? このままいるわけにもいかないんじゃないか?」
「……聞かせろ。何をしていた」
「見ての通りだ。穴を掘っていた」
 天下のナスティボーイが化かし合いとは。似合わないこと山の如し。
「何の為にだ」
「次はこっちだ。何故ここに来た?」
「……爆音だ」
 当然か。あれはここ一帯に響いただろうし。故はどうあれ見過ごす事は出来ないだろう。
「るーの番だ。なぜ穴を掘っていた?」
「いや。まだ浅い。何故ここに来たかきっちり答えろ。爆音が響いただけで理由になるか」
「……爆音が響いたから、戦闘があったんだろうと思って来た」
 ち。逃げられたか。
「るーの番だ。なぜ穴を掘っていた?」
「死んだ仲間の墓にするため」
「! 宗一さん!」
 隣で古河が叫ぶ。今ので名前が知れた。一つ質問失ったか。
「次。何故戦闘がある場所に来る?」
「戦闘区域には人がいるからだ」
 やりにくい。
「何故墓を掘っている。この島で全てのうーの墓を掘るつもりか?」
「二つだな。仲間を埋葬する為だ。うーってのが分からんが……少なくともそっちの奴のを掘る気はない。この糞ゲームの主催者達のもな」
「うー達は」
「三つ目か?」
「……」
「次。何故人を求めている?」
「……探しているうーがいる」
「じゃあもう一つ。そいつに逢ってどうするつもりだ?」
「頼み事がある。それを頼むつもりだ」
 こいつは……嘘はなさそうだが……
「うー達は」
 どうするか……俺だけならともかく失敗したら古河も巻き込む。
 疑心暗鬼になっているだけかもしれないが、あいつらに騙されたのが未だに尾を引いている。
 エディー。助けてくれー。
「主催者を、どうするつもりだ?」
「ぶっ倒す」
 ぶっ殺す。古河には言わないが。
「お前はその知り合いに何を頼むつもりだ?」
「……」
 答えない。出ていた顔を引っ込める。そこに鍵があるのか。さっきからの質問を鑑みるに、こいつは対主催者……味方と考えていいんだろうか。
 郁未達と違って具体的な行動をしている。多分頭もいい。情けないな俺。トップエージェントの名が泣く。じゃねえ。んなもんどうでもいい。
 ブラフ? だったら大した役者だ。
「答えないのか?」
「……その前にもう二つ、答えてくれ」
 言いながら、薄桃色の髪をした女の子が木の陰から出てくる。両手は上に伸びていた。
「……何だ?」
「お前は、非戦闘民をどうする気だ?」
「守る」
 あいつとの約束だ。可能な限り守る。
「……ならもう一つ。るー。るーの名前はルーシーマリアミソラ。仲間が一人、ここにいる。今は主催者に対抗するための戦力を集めている。るーの……仲間にならないか?」
 そう言って女の子は上げた両手で大きく伸びをする。
 どうするか。古河を見る。頷き返される。
 仕方ない。万一こいつが優勝狙いだとしても俺がずっと古河に張り付いていればいい。
「お受けしよう。お嬢様」


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