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避難用作品投下スレ3

242クールと湯気と変人と/サイカイ:2008/01/26(土) 22:38:47 ID:8AMPA8vg0
「笹森、仲間は見つかったんだろ? あの謎はお前らで解いてくれればいい。俺は学のない馬鹿だが、お前らの敵を倒してやることはできる」
「で、でも……」
「笹森には笹森の、俺には俺の役割がある。互いにやるべきことをやるだけだ。分かるよな」
 髪飾りの女の人は、それ以上何も言いませんでした。風子にも国崎さんの言いたいことはよく分かりました。なんとなく共感です。ですから、国崎さんの近くまで行って風子はプレゼントをしてあげました。
「伊吹風子と言います。後のことは風子に任せてくださいっ。それと、これをお守り代わりに、どうぞっ」
 本当はヒトデをプレゼントしてあげたかったのですが仕方ありません。今までヒトデを彫っていたナイフのカケラをあげます。

 国崎さんは差し出されたプレゼントをしばらく怪訝な目で見ていましたが、やがて「ああ、貰っておく」と快く貰ってくれました。
「それと、伊吹風子だったな。お前に伝言だ」
 伝言? 誰からでしょう。はっ、まさか天国のお姉ちゃんや岡崎さんからではないでしょうか。この人意外といいひとかもしれません。
「芳野祐介からだ。お前を探している、とな。芳野たちは恐らく北の方にいるはずだ。早いうちに行ってやれ」
 違いました。祐介さんからですか。でもやっぱりいいひとです。言われたときに頭を撫でられたのが気に入りませんが。風子、子供じゃないです。

 そんな風子の憤慨など気にする素振りもなく、国崎さんは風子のナイフのカケラをポケットに仕舞うと「じゃあな」と軽く手を上げてクールに去っていきました。そういえば祐介さんと声が似てますね。だから似てると思ったのでしょうか。

「はぁ……人形劇、楽しみだったのに……でも仕方ないか。やるべきことをやらないと」
 近くにいた髪飾りの女の人は一つため息をつきましたが十波さんと風子を手で招きよせるようにして、ポケットから何かを取り出しました。
「え、何、これ?」
 それを見た十波さんが驚きの表情になります。風子も少しびっくりでした。
 そこにあったのは、青い宝石です。

     *     *     *

 死んだ。みちるが。


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