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避難用作品投下スレ3
187
:
診療所にて、煩悩と戦闘と策/壊れた歯車の国、暴虐の王
:2008/01/14(月) 16:17:23 ID:/lyj3aFg0
「嘘だろっ!?」
反射的に身をかがめとっさに小石を避ける祐一。当たることこそなかったものの、窓を直撃した小石がガラスを割り、破片が祐一へと降り注ぐ。一方投げられた小石はというと、まるでレーザービームのように一直線に廊下を通過していき、壁に当たったところでようやくころころとその動きを止めた。
冷や汗が流れ落ちるのを、祐一は感じていた。もし不用意に外に討って出ていたら……想像しただけでも吐き出しそうだ。
『メイド』とは言えロボットはロボット。人間とは比較にならないほどのパワーを有していることを、祐一は改めて思い知った。同時に、絶対に奴を中に入れてはならないことにも。
祐一はまたレミントンに持ち替えると、立ち上がりざま連続してレミントンを窓の外へと向けて発砲する。そこにマルチがいるかどうかなど確認する間もなかったが、この期に乗じて内部へと侵入を試みる可能性は十分にあったからだ。
果たして祐一の予想通り、こちらへと接近しようとしていたマルチは即座にバックステップしながらレミントンの散弾を回避していく。そしてお土産と言わんばかりに、マルチもポケットから再び小石を取り出して連続して投擲する。祐一は即座に反転し、壁に張り付く。その直後、今まで祐一のいた空間を小石が駆け抜けていく。最初の投擲同様、放物線を描くこともなく。
「どうした! 少年!」
閉めた扉の向こうから英二が大声を出して祐一の安否を気遣うのが聞こえた。本来なら喋る余裕などないのだが、無理矢理声を絞り出して状況を伝える。
「ちょっとトラブりました! 敵を追っ払ってます!」
また反転して外にいるマルチにレミントンの照準を向けようとしたが、マルチは既にレミントンの射程外まで退避し、しかしそれからまた診療所を窺うようにぐるぐると周りを歩き始めた。
(くそ、やっぱ持久戦に持っていくつもりか……)
マルチの小石の射程は一直線上にいるならほぼ届くだろうし、小石なんてそこら中どこにでも転がっている。つまり弾数に関しては向こうの方が上だ。
祐一はマルチの射程に入らないように身を屈めながら英二のいる部屋まで転がり込んだ。
* * *
祐一が出て行ってからすぐ、英二は観鈴の治療を行うべくまずは服を脱がすことにした。
無論英二にやましい思いは何もないし、観鈴を助けたいという一心での行動なのだが……一応、断りを入れておくことにしておいた。
「あー、その……済まない。失礼」
念のために数秒ほど間を置いてみるが、ベッドに横たわる観鈴からは苦しげな吐息が聞こえるばかりで英二の声が聞こえているかどうかさえ怪しいものだった。額からは脂汗も流れている。悠長に返事を待っている場合ではなさそうだった。
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