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避難用作品投下スレ2

665ARMAGEDDON(Ⅲ)/永久の別れ:2007/06/16(土) 23:06:57 ID:nemeNFXM0
「…………ッ!!」
真希がやられた場面を目撃している分、佐祐理が回避行動に移るのは早かった。
荷物を投げ捨て、形振り構わず全力で、それこそ足が千切れても気にしないくらいのつもりで、駆ける。
ヤマタノオロチの巨体は、攻撃時に限定すれば弱点となってしまう場合がある。
炎の発射点の高度が200メートルにも達する所為で、目標までの到達が比較的遅いのだ。
だからこそ佐祐理程度の脚力でも、初動さえ早ければ何とか躱し切れる。
――宮沢有紀寧によって負わされた、両足の怪我さえ無ければ。

「――ああっ!!」
傷付いた足で全力疾走を続けた反動だろう。
佐祐理は走っている最中に大きくバランスを崩し、地面へと転がり込んだ。
その間にも業火は容赦無く迫っており、佐祐理に絶対の死を運ぼうとする。

佐祐理は迫る絶望を目視するべく後ろを振り返り――炎は、見えなかった。

見えたのは只一つ、柳川の大きな背中のみ。
柳川は佐祐理を庇うように仁王立ちしており、業火を目前にして尚一歩も逃げ出そうとしない。
まるで此処が自分の居場所だと、佐祐理を守る事こそが自分の全てだと、そう言わんばかりに。

「や、柳川さ――」

響き渡る轟音、衝撃。
佐祐理が言い終わるのを待たずして、柳川の身体は莫大な破壊の渦に飲み込まれた。


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