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避難用作品投下スレ2

524侵入:2007/06/05(火) 21:01:16 ID:0fA13Kd60
少しばかり逡巡した後、皐月は視線を地面へと下ろした。
「……一つだけ、良いかな?」
途切れ途切れの、しかし迷いだけは消えた声で。
「あたしはやっぱり篁が許せないし、皆で生きて帰る為に覚悟を持って戦うよ。
 でも、殺しちゃった相手にお祈りくらいしてあげても良いかな?」
「――勝手にしやがれ」
高槻の返事を確認した後、皐月は倒れ伏せた死体の方へ振り向いた。
(ごめんね……。だけどあたしにだって、譲れないモノ、守りたいモノがあるから……)
目を閉じて、一度だけ手を合わせた後、再び奥に向かって歩き始める。
最後の殺し合いを行い、全てを終わらせる為に。


その後は大した障害も無く、一行はダウンロードした要塞詳細図に従って、順調に通路を突き進んでいった。
「さっきから誰も出てこないわね……。もう少しでラストリゾート発生装置まで辿り着いちゃうのに、おかしくない?」
車椅子ごと高槻に運ばれながら、郁乃がぼそりと呟いた。
高槻は何処か浮かぬ表情で、それに答える。
「そうだな。ここまで楽だと却って不気味だ。これじゃまるで、侵入して下さいって言ってるようなもんだぜ……」
先の一戦で自分達の襲撃はバレたに違いないのに、敵の一人すらも出てこない。
久寿川ささらの情報で敵の数が少ないのは知っていたが、これは明らかに異常だ。
『ラストリゾート』は敵の防御の要である筈なのだから、もっと厳しい警備を行って然るべきである。
にも関わらず何故、敵はこれ程までにずさんな守備陣しか敷いていないのか。
何故――?


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