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避難用作品投下スレ

905終わる世界:2007/04/08(日) 11:42:56 ID:UOYWTSCU0
ここでマシンガンを失うのは非常に痛手だが、反抗した所で、怪我をしている自分がこの敵に勝利し得るのだろうか?
麻亜子の脅迫を受けたるーこが考え込んでいると、すぐ耳元で陽平の囁きが聞こえた。
「おい、るーこ……あの銃は杏のじゃ……」
敵が持っている銃を凝視すると、それは確かに藤林杏が持っていたRemington M870であった。
何故杏が持っている筈のRemington M870を麻亜子が持っているのか、答えはすぐに出た。
もう一件の民家から聞こえてきた銃声――あれはきっと、杏達が襲撃された時の音なのだ。
そして武器が奪い取られしまっている現状から、仲間がどうなったか想像するのは容易だ。
(……るーは皆戦士だ、非道なうーの脅しになど屈しない。るーは仲間と誇りを守る為ならば、命を懸けて戦ってみせる)
もうるーこは迷わなかった。武器を持っていない方の手で、ぎゅっと陽平の手を握り締める。
それだけで、るーこの意図は十分に陽平へと伝わった。二人の間には、それ程の信頼関係があった。

(るーこは今銃を向けられてる――僕がどうにかするしかないっ!)
陽平は即座に思考を巡らした。鞄の中から武器を取り出して投擲するような時間は無いだろう。
いざという時に信じられるのは使い慣れない武器よりも、長年鍛えてきた技術である。
「いっけぇぇっ!」
陽平は俊敏な動作で、足元に落ちている瓦礫の欠片を蹴り飛ばした。
元サッカー部によるシュートは、綺麗に麻亜子の手元へと吸い込まれ、大きな衝撃を生み出す。
麻亜子は痛みに顔を顰め若干身じろぎしたが、それでも先の一戦の反省からか、武器を取り落とす事は無かった。
だが隙としては十分――るーこがH&K SMG‖の銃身を素早く持ち上げた。
麻亜子が地を蹴り、その場を飛び退くのとほぼ同時に銃声が木霊する。
数発の銃弾が唸りを上げて麻亜子に迫り、その頬を軽く切り裂いていた。


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